PowerPoint プレゼンテーション

ブルータング(bluetongue)
対象家畜: 牛、水牛、しか、めん羊、山羊
病原体: レオウイルス科 オルビウイルス属ブルータングウイルス
疫学: 日本を含む世界中の熱帯・亜熱帯・温帯地域に分布する。
ウイルスに対する感受性はめん羊が最も高い。主にヌカカによって伝
播するため、その流行には季節性(夏~秋)がある。接触感染はない。
臨床症状: 発熱、元気消失、食欲減退、顔面浮腫、流涎、嚥下障
害、鼻汁漏出、呼吸困難等の症状を示し、舌や口唇、口腔・鼻腔粘膜
に腫脹や潰瘍形成がみられる。舌がチアノーゼによって青紫色を呈し
腫大する。妊娠めん羊が感染すると流産や死産、新生子羊の大脳欠
損がみられることがある。牛、山羊およびその他の反芻動物では、め
ん羊と同様に上記の症状がみられる場合もあるが、一般的に軽度の
発症であり、不顕性感染の割合も高い。
予防・治療: 日本ではワクチンは使用されていない。嚥下障害に
対しては、補液および誤嚥性肺炎の防止のための対症療法を行う。
左: 顔面と耳の浮腫、
鼻の発赤。
左下: 末期症例の泡
状の分泌物とチアノー
ゼ。
下: 鼻口部のかさぶた
粘膜の充血と点状出
血および舌の重度の
チアノーゼ。舌の青変
からブルータングと名
付けられたが、この徴
候は一般的でない。
脚の重度の蹄冠炎の
ため跛行と立てなくな
る。
2011/7-12
:情報なし
:これまで報告なし
:この期間に報告なし
:疑い
:感染を確認
:臨床例あり
:複数個所で確認
:複数個所で発生
:現在発生中
:数ヶ所以上の発生疑い
:別の血清型が侵入
2012/1-6
全世界で発
生している。
2012年にオー
ストラリアから
日本へ繁殖用
乳牛644頭、
肥育牛が
13,719頭輸入
されているが、
清浄地域で検
査証明を付け
た個体に限っ
て許可され、
輸入検疫を受
けている。
日本で最初の発生
その後の発生: 2005年11月福島、1戸1頭、 2006年02月広島、1戸1頭
平成17年度家畜保健衛生所業績発表会(福島)
ブルータングウイルスによる牛での発症は希であり、国内では、平成6(1994)年に
本県及び北関東において、嚥下障害を呈した例が報告されているのみである。
平成10 年か
ら約90 頭の
おとり牛を配
置して抗体
調査を行って
いるが、抗体
の陽転が確
認されたの
は平成13 年
からである。
平成16 年を
除いて毎年
局所的な流
行が確認さ
れていた。
発生は、黒毛和種、繁殖、肥育を一貫経営する農場
約3 頭ずつのマス飼い
夕方には、裏山からヌカカが下りて来る
9月17日、4ヶ月齢の子牛1頭(以下A牛)が著しい泡沫性流涎と高熱を呈し、獣医師が診療。
抗生物質に反応しない40 ℃以上の高熱が1週間続き、熱が下がった後も流涎が止まらず、
10 月3 日ウイルス性疾患を疑い病性鑑定依頼を受けた。
(
4
ヶ牛A
月
例
)
(
4
ヶ牛B
月
例
)
同
(
7居
頭
)牛
同時期に同じ牛房の同居子牛
1 頭が、軽度の泡沫性流涎を
呈したが、自然治癒していた。
著しい泡沫性流涎
発症後期の流涎(上)が最も著しいと
きにはマスの中が涎で真っ白になっ
ていた。
右は病性鑑定時のものである。流涎
は緩和していたが、食欲不振のため
削痩していた。鼻腔、口腔粘膜に潰
瘍等は認められなかった。
中和試験による抗体(イバラキ、アカ
バネ、牛流行熱、IBR、BVD-MD)検
査はいずれも陰性。全血を用いて血
球からRNA を抽出し、RT-PCR を
行った。 A、B、2 頭ともにブルータン
グについてnestedPCRで標的とする
特異バンドが確認された。PCR産物
の塩基配列を解析した結果、平成15
年に本県で流行が確認された株と
99.74 %一致した。
削痩
牛流行熱(bovine ephemeral fever)
対象家畜: 牛、水牛
病原体: ラブドウイルス科、エフェメロウイ
ルス属に分類される牛流行熱ウイルス。ゲノ
ムは1本鎖(-)RNAであり、ウイルス粒子は弾
丸型の形状をし、エンベロープを有する。
分布: 日本、台湾、中国、韓国、インドネシ
ア、オーストラリア、中東、アフリカ諸国の熱帯
~温帯にかけて牛や水牛に発生がみられる。
疫学: ウイルスは蚊やヌカカによって媒介されるため、発生には
季節性がある。我が国では1949~1951年に大規模な流行があり、
その後も主に西日本において周期的な流行を繰り返してきた。しか
し、近年では流行が限局的であり、頻度も少ない。2001年と2004年
には沖縄で発生がみられたが、我が国の九州以北では約20年間本
病の発生がない。
臨床症状: 発症牛は、突発的な発熱(40~42℃)の後1~2日で解熱する。呼吸
促拍、元気消失、流涙、泡沫性流涎、鼻鏡乾燥、四肢関節の浮腫および関節痛
による歩行困難や、起立不能などの症状を示す。重症例では呼吸困難にともな
う皮下気腫が頸背部、胸前部や肩端部に認められる。その他、反芻停止や泌乳
停止もみられる。栄養状態の良い肉牛や高泌乳牛は重症化する。
起立不能に陥った牛
呼吸促迫を呈する病牛
予防法: 流行期の始まる前(5~7月)にワクチン接種を完了しておくこと。
初回は、生ワクチンを接種し、1ヶ月後に不活化ワクチンを接種する。
翌年からは1年に1回、不活化ワクチンを接種して追加免疫を行う。蚊の発生防除
1988年9月の種子島における初めての流行
9月末の少数地域での初発から約2ヶ月で本 島の中・南部地区全体に広がった。ワ
クチン接種などの防疫対策がとられておらず、しか もベクターの生存に有利な温暖
な気候条件下にある処女地に突然侵入 することで、本病は地域大流行となった。
2001年沖縄県竹富町(西表島、黒島、小浜島)、石垣市(石垣島南部、中部)、多
良聞村において本年9月から12月までに、牛流行熱の発生が591戸、1,333頭で確
認された(全てワクチン未接種牛)。
沖縄県における牛流行熱の発生
近年の発生はまれ
2002年
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
農畜産業振興事業団指定助成対象事業
(うち家畜衛生関連事業)
4戸、4頭(1月、沖縄) ① 血清学的検査や自主的なとう汰等ヨー
ネ病及びオーエスキー病対策を推進する。
0
まん延防止のため地域での予防接種の
1戸、4頭(10月、沖縄)
推進が必要な疾病(牛流行熱、豚流行性
0
下痢、ニューカッスル病等)に係る組織的な
0
予防接種に対して助成する。
0
主要疾病の予防注射の推進事業(2007年)
0
0
牛異常産三種混合:
373,006頭
0
アカバネ病:
175,094頭
イバラキ病:
123,283頭
0
牛流行熱:
14,491頭
5戸、15頭(10, 12月、沖縄) イバラキ・牛流行熱混合:
43,907頭
1,219百万円の予算がこの事業に振
り向けられている。
地域ぐるみの取組みとするためには、
行政や共済組合の獣医師による農家指
導が不可欠である。
牛伝染性鼻気管炎:
1,084,187頭
伝染性胃腸炎:
46,289頭
豚流行性下痢:
60,351頭
豚流行性下痢・伝染性胃腸炎: 100,907頭
地域ぐるみの取組みにするため、
清浄化によるメリットを説明する。
第12回全日本ホルスタイン共進会 出品牛の衛生条件
(2005年11月3日~6日) 5年に1回開催
検
査
結核病、ブルセラ病
ヨーネ病
搬入日以前1年以内
搬入日以前3カ月以内に検査をうけること。
ワ
ク
チ
ン
IBR、アカバネ病
牛流行熱、イバラキ病
炭疽
本年4月27日から10月6日までの間に接種が完了
していること。
ヨーネ病発生農家(搬入日以前3年以内に発生した農家)からの出品については、6カ月齢
以上の同居牛を含め搬入日以前1年以内にヨーネ病検査を実施し、全頭陰性であることを
確認するものとする。
牛流行熱は、2回接種の必要があり、接種間隔は4週間必要。
対応 1回目:9月8日まで、2回目:10月6日まで。
イバラキと牛流行熱は、接種箇所を変えて同時に接種が可能。
炭疽は、他のワクチン接種後10日間程度間隔をおくこと。 副作用が出る場合があるため、
健康状態に留意必要。