豚 肉 情 勢 項 目 1.国産 供 給 2.輸入 内 容 ○ 平成26年11月の肉豚出荷頭数は、1,288千頭(前年比86.1%)で、農水省が公表したPED発生の影響を加味した出荷予測を、大きく下回る結果と なった。 と畜稼働日数は前年に比べ2日間少なく、また、1日あたり平均と畜頭数も71,560頭(前年度74,800頭)で、前年比95.7%と減少した。 1日当たりのと畜頭数の減少に加え、稼動日数が少なかったことが大幅減少に繋がった。 ○ 平成26年12月のと畜頭数は、速報値(12/26まで集計)で、1,352千頭(前年実績1,552千頭)と、と畜場稼動日数が前年と同日数の中、前年比87.1% となった。 今後、土・休日分の頭数が加わるものの、PEDの影響等で前年を大きく下回るものと思われる。 ○ 農水省食肉鶏卵課平成26年12月12日更新の今後の出荷予測は、12月1,433千頭(同92.3%)、1月1,400千頭(同96.3%)、2月1,315千頭(同98.1%) 3月1,365千頭(同99.6%)、4月1,367千頭(同98.3%)、5月1,282千頭(同97.5%)と見込まれ、4月までいずれも下方修正した。 ○ 平成26年11月の輸入通関実績は、豚肉全体で53.5千㌧(前年比86.4%、前月比53.5%)となり、10月が前年比150%となった事から、11月はその 反動で13.6減と大きく減少した。 内訳はチルドが22.3千㌧(前年比91.5%)、フローズン31.2千㌧(83.2%)で、フローズンは8ヶ月ぶりの大幅減と なった。 フローズンは4月~10月までの7ヶ月間、前年同月に比べ40%増となった事による調整と思われる。 主要国別では、チルドが米国14.2千㌧(前年比90.2%)、カナダ7.2千㌧(同90.6%)メキシコ0.9千㌧(同131.0%)。 フローズンは米国が4.5千㌧ (同71.1%)、デンマーク7.7千㌧(同72.4%)、カナダ3.0千㌧(同69.2%)、メキシコ4.0千㌧(同87.9%)、チリ1.5千㌧(同60.8%)、その他国から 10.4千㌧(同114.6%)の輸入があった。 1.家計 ○ 総務省発表の平成26年11月の家計調査報告によれば、全国1世帯当たりの豚肉購入数量は1,618g(前年比97.9%)、支出金額が2,461円(前年比 消費 前年比113.7%)となった。 購入数量は8ヶ月連続の前年割れし、支出金額は21ヶ月連続で前年実績を上回った。 その他、鶏肉・ハム・ソーセージ ・ベーコン類等の購入量も前年を下回り、合いびき肉のみが辛うじて前年比106.0%と上回った。 2.小売 ○ 日本チェーンストア協会発表の11月度の販売概況は、食料品は好調に推移したものの、気温高などの影響もあり衣料品、住関連品の動きが 鈍く、総販売額の前年同月比(既存店ベース)は、8ヶ月連続のマイナスとなった。 食料品全体では6,733億円(前年比100.9%)と3ヶ月ぶりに 需 前年をクリアし、畜産品は841億円(同106.5%)で好調を維持した。 要 ※年末・年始の量販店の販売状況は、売価アップにも関わらず肩ロース・バラを中心に売行きが好調で、黒豚等の銘柄豚も良く売れた模様。 販売数量は前年並みも、売上高は105%~120%と、企業間で差はあるものの、各社とも前年実績を上回った。 3.加工品 ○ 日本ハム・ソーセージ工業協同組合発表の、平成26年10月の豚肉加工品仕向量は、33.0千㌧(前年比99.1%、前月比108.6%)で、再び前年を下回っ た。 このうち国産物が、6.9千㌧(同89.6%、同111.3%)、輸入物が26.0千㌧(同102.0%、同107.4%)と、国産物は4ヶ月連続で減少し、輸入物は 引き続き前年を上回った。 豚肉調整品も9.3千㌧(同96.5%)と、3ヶ月連続で前年を下回った。 1.在庫 在 庫 枝 肉 相 場 ○ 農畜産業振興機構公表の平成26年10月末の推定期末在庫量は、220.6千㌧(前年比136.5%、前月比103.9%)で、うち冷蔵品が6.1千㌧(同73.0%、 同126.9%)、冷凍物が214.5千㌧(同140.0%、同103.4%)となった。 内訳は、輸入物在庫が200.4千㌧(前年比142.0%、前月比104.5%)、うち冷凍 物が194.6千㌧(同146.1%、同103.9%)。 国産物在庫は20.1千㌧(同98.9%、同98.1%)で、うち冷凍物が19.8千㌧(同99.4%、同98.0%)となった。 輸入の冷凍物在庫は9ヶ月連続の増加で200千㌧台となった。 1. 11月 ○ 農水省食肉流通統計によれば、平成26年11月の東京市場「上」枝肉相場は594円/kg(前年比122.0%、前月比111.4%)と、前年・前月に対し大幅に 上昇した。 出荷頭数の大幅減少により、11月の相場としては平成15年以降、最も高い枝肉相場となった。 2. 12月 ○ 12月の東京食肉市場枝肉相場は、速報値(12/26現在)で658円/kg(前年比121.4%、前月比110.8%)で、前年を大幅に上回っている。 東京市場の取引頭数(生体+搬入)は、速報値で20,936頭、前年同月に比べ2,301頭減(前年比90.1%)と、引き続き取引頭数が大きく減少した。 国産豚の需給動向は、12月は鍋需要からバラ・肩ロース、モモの引合いが強まる中、PEDの影響で出荷頭数の減少したため、平成15年以降の12月 として初の600円台相場を記録した。 3.予測 ○ 1月については、農水省の12月12日更新の出荷予測では1,400千頭(前年比96.3%)、農畜産業振興機構の予測による1月輸入チルドは、21.4千㌧ H27年 (同83.9%)、フローズン36.3千㌧(同88.1%)となっている。 今後、全国的には出荷減が徐々に改善する見通しとなっているが、1月も未だ前年割れ 1月 が予測されている。 関東近郊の生産回復の遅れや、寒さによる発育への影響如何によっては1月も高値が続く可能性がある。 需要も年末・年始の 売行きが好調で市中在庫が少ないこともあり、1月前半は引合いがかなり強いものと思われる。 <相場予想: 東京市場、税込み> H26年11月 12月速報値 平成27年1月予測 2月予測 【上物】 594円(122.0%) 658円(121.4%) 550円(126.4%) 520円(110.9%) 平成27年1月7日 更新 JA全農ミートフーズ株式会社 備 考 国内生産量の推移 農水省出荷予測 (千頭:%) 国内出荷頭数 出荷予測 暦年 暦年 千頭 前年比% 頭数 前年比 H23年 16,389 97.6 26年 11月 1,378 92.1 H24年 16,775 102.4 26年 12月 1,433 92.3 H25年 16,937 101.0 27年 1月 1,400 96.3 H26年 7月 1,335 97.2 27年 2月 1,315 98.1 H26年 8月 1,222 92.7 27年 3月 1,365 99.6 H26年 9月 1,336 98.4 27年 4月 1,367 98.3 H26年 10月 1,429 92.7 27年 5月 1,282 97.5 H26年 11月 1,288 86.1 *平成26年12月12日更新 輸入量の推移 財務省 :通関実績 輸入数量 内チルド数量 暦年 ㌧ 前年比% ㌧ 前年比% H23年 793,046 105.3 254,413 110.0 H24年 778,760 98.2 260,697 102.5 H25年 738,427 94.9 294,042 112.8 H26年 8月 68,951 106.6 21,049 81.5 H26年 9月 63,104 106.1 21,608 91.1 H26年10月 99,955 149.7 29,017 99.7 H26年11月 53,457 86.4 22,305 91.5 家計消費量 (㌘,円,%) 全国1世帯当り 暦年 数量 前年比 金額 前年比 H22年 18,494 99.4 23,935 96.6 H23年 19,205 103.8 24,746 103.4 H24年 18,762 97.7 23,753 96.0 H25年 19,432 103.6 24,948 105.0 H26年 8月 1,502 96.8 2,296 114.2 H26年 9月 1,519 99.2 2,222 110.4 H26年 10月 1,668 99.0 2,436 112.6 H26年 11月 1,618 97.9 2,461 113.7 市況の推移(東京市場) 加工品仕向量 暦年 H21年 H22年 H23年 H24年 H26年 6月 H26年 7月 H26年 8月 H26年 9月 H26年10月 加工品仕向量 暦年 豚枝肉「上物」 千㌧ 前年比 円/㎏ 前年比 370 101.1 H22年 462 107.9 381 102.9 H23年 467 101.1 381 100.0 H24年 446 95.5 383 100.5 H25年 484 108.5 32.3 98.0 H26月 8月 563 107.0 32.7 95.6 H26月 9月 548 106.2 29.2 95.3 H26月 10月 533 112.7 30.4 101.3 H26月 11月 594 122.0 33.0 99.1 H26月12月速報値 658 121.4 *税込み
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