より人間に近いインライン画像検査 製造のばらつきを認識する 画像欠陥検査ツール ■ 不良ゼロを目指す「外観検査システム」 〜欠陥を検出しつつ、製造のばらつきをフィードバック〜 コグネックス株式会社 MVシステム事業本部 技術応用部/ 部長 磯部龍樹 近年、日本では生産の品質向上要求の高まりに伴い、生産現場での画像処理による全数インライ ン外観検査が一般化されつつある。省力化、生産タクトの向上、そして品質の向上・安定化など、 画像検査は生産現場において大きな貢献を続けてきた。しかし、その一方で課題も多い。画像検 査は、ラインを停止させずに高速に微細な欠陥を検出することができ、非接触型の検査としては かなり優秀だが、その反面で製造上避けることができないわずかな製造誤差も検出してしまい、 歩留まりが悪化したり、それを回避するために検査パラメータ調整に多大な工数をかけたりと、 デメリットも少なくなかった。 コグネックスは、何年も前から、この画像検査のデメリット部分に注目し、実際の生産現場で必要 とされる画像処理外観検査機能の仕様を総体的に見直し、問題解決に強く取り組んできました。 その中で開発されたのが、生産設備にアドオンで簡単に導入可能なカメラ一体型の画像処理シス テム 「In-Sight」シリーズに搭載された、製造のばらつきに対応した画期的な外観検査機能「FFD (FlexFlawDetection)」ツールである。 本稿では、このツールの機能・特徴などを説明し、最後にこの機能を利用した応用例として、ばら つき情報を活用したフィードバックのシステムについて紹介する。 1 FFDツールの概要 FFD ツールは、総合外観検査ツールである。こ れまでの画像処理による欠陥検査では、輪郭部と 表面部の検査を同時に 1 つの画像処理ツールで実 現することは困難で、異なるツールを用いて個別 に外観検査を行ってきた (図1) 。 FFD ツールでは、これらを一括で検査する。検 査のためのパラメータ設定をシンプルにし、わか りやすく、かつ短時間で設定できるようにした (図2) 。 パラメータ設定をシンプルにするにあたって、 レシピの概念を取り入れ、簡易化しつつも汎用性 56 ︱April 2015 In-Sight 7000 ビジョンシステム eizojoho industrial
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