脊髄外科・手外科・整形外科脊椎や手に特化した高度な治療を展開脊椎外科・手外科・整形外科部長藤尾圭司関節機能の再建でＱＯＬ向上をめざす関西電力病院の整形外科では、脊椎に関連する病気や手の病気・スポーツ障害の分野を得意とし、数多くの実績を積み上げてきました。新病院ではこうした特徴を患者さまにわかりやすくアピールするために、診療科名を「脊椎外科・手外科・整形外科」と改称。機器の増強や人員配備など、体制を強化して、装い新たにスタートしました。このうち脊椎外科の分野では、中高年や高齢者の機能再建に重きを置き、腰や背骨の圧迫骨折の患者さまも積極的に引き受けています。新病院に新設した回復期リハビリテーション病棟では、専門性の高い集中的な治療を行なっており、歩行困難などの症状を持つ患者さまも、早期の機能改善が期待できます。また、脊柱管狭窄症では、神経の圧迫を取り除き、変形部分の脊椎をたてなおす除圧固定術を実践するなど、患者さまの症状緩和はもちろん、ＱＯＬの向上にも力を注いでいます。一方、手外科では、高度な関節鏡（内視鏡）を用い、中高年女性に多い手根管症候群やスポーツ選手の靱帯損傷などの手術を重点的に行なっています。この術式は傷痕が非常に小さくてすむため、最近ではゴルフで障害を負った患者さまの受診も増えています。安全で高精度の最小侵襲手術を実施当科が行なうこれら機能再生医療は、新病院開設後、重要度がいっそう増し当科はいち早く、顕微鏡下手術や内視鏡手術を取り入れ、最小侵襲手術を可能な限り行ない、患者さまの早期退院、早期社会復帰をめざしています。それらをさらに推し進めるため、新病院では「Ｏアーム」と呼ばれるＣＴ装置を使った手術ナビゲーションシステムを導入。患部を立体画像で映し出すこの装置により、より安全で精度の高い手術を可能にしています。さらにこの「Ｏアーム」は、救急治療の場面でも活躍が期待できます。交通事故や労働災害（高所からの転落）などで脊椎に損傷を負った患者さまも、今後は積極的に受け入れ、治療に関わっていく予定です。新病院に移行したことで、こうして治療の幅が広がったことは、われわれ医療に従事するものにとっても、大きな喜びであり、やりがいを感じています。当科では、スタッフ一同、これまで以上にしっかりと患者さまに向き合い、的確な診断と治療に尽力していきます。