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第 34 回日本骨代謝学会学術集会
第 3 回アジア太平洋骨代謝学会議
2016.7.20(水)∼ 23(土)
The 34th Annual Meeting of the Japanese Society for Bone and Mineral Research &
The 3rd Asia-Pacific Bone & Mineral Research Meeting
ランチョンセミナー 3-3
関節リウマチなど関節疾患における
高齢者の痛みのケア
Pain care of the elderly patients
in joint disorder including rheumatoid arthritis
土
第3会場
大阪国際会議場 会議室 1008
演者
座長
斎藤 充
大阪府大阪市北区中之島 5-3-51
先生
東京慈恵会医科大学 整形外科学講座 准教授
門野 夕峰
先生
埼玉医科大学病院 整形外科・脊椎外科 教授
単 位
専門医資格継続単位(N)1 単位 必須分野 [6] リウマチ性疾患,感染症
または
リウマチ医資格継続単位(R)1 単位
本セミナーは整理券制ではございません
共催:第 34 回日本骨代謝学会学術集会 第 3 回アジア太平洋骨代謝学会議/あゆみ製薬株式会社
Abstract
関節リウマチなど関節疾患における
高齢者の痛みのケア
Pain care of the elderly patients
in joint disorder including rheumatoid arthritis
埼玉医科大学病院 整形外科・脊椎外科 教授
門野 夕峰
生物学的製剤とMTXを中心とした薬物治療の普及により、関節リウマチ(RA)
の疾患活動性を、寛解を達成するまで抑えることが可能となった。しかしながら寛
解を維持できたとしても、数十年というライフスパンを考えると、加齢変性によっ
て変形性関節症(OA)を呈することは免れない。薬剤が二次無効になったり、副
作用を生じたりして十分に治療できず、より早期に関節変形が進行してしまうこと
もある。とくに高齢者では併存疾患のために強力な薬物治療ができず、炎症症状
が残存することや、既存の OA のために炎症が沈静化しても疼痛が持続すること
もある。全国規模の RA 患者データベース NinJa の解析では、RA 患者全体の寛
解率は 30%を超えているが、年齢とともに寛解率は低下していく。主な原因の 1
つとして、患者による総合自己評価(VAS)と疼痛 VASが高値になっていくことが
挙げられる。痛みは持続すると、閾値が低下して敏感になったり、破局的思考を
介して不安、恐怖、不眠につながったりして、より一層痛みを感じやすくなってしま
うことが知られている。発症早期から痛みを軽減することが求められ、侵害受容
性か神経障害性か主だった 2 系統の痛みを見極めて、適切な治療を行うことが望
まれる。侵害受容性疼痛に対しては NSAIDs や Cox2 阻害剤、神経障害性疼痛
に対してはプレガバリンが第一選択として用いられることが多いが、腎機能が低
下している高齢者などではアセトアミノフェンも多く用いられている。痛みのコン
トロールが難渋するようであれば、精神医学的な背景も考慮した上でオピオイドも
用いられるが、管理には注意を要する。関節疾患を有する患者の中には、副作用
の発現が少なく十分な薬物治療ができる若年者もいれば、コントロールが難しい
高齢者もいる。診療に難渋する患者においては、少なくともQOL 低下の直接的
な原因となる痛みをコントロールすることが重要である。このセミナーでは関節リ
ウマチなど関節疾患における治療で忘れてはいけない側面の一例として、痛みの
ケアについて考えてみる。