開発経済学入門 - 名古屋大学大学院国際開発研究科

開発経済学入門第7章
20150615
渡辺利夫「開発経済学入門」
【第3版】東洋経済新報
第7章貿易と海外直接投資
アジアを興隆させたもの
国際開発学 GSID藤川清史担当
2012年前期
NIESの工業化
 輸出志向型工業化
 工業製品の輸出を通じての工業化
 NIES（韓国、台湾、香港、シンガポール）の新興工
業国で1960年代から採用
 1960年代は世界的な好景気
 先進国では「労働集約産業」がコスト高
 NIESからの輸出は、まず労働集約財から
 後に、エレクトロニクスなどの資本集約財輸出へ
20150615
国際開発研究科藤川清史
開発経済学入門
第7章
2
1
開発経済学入門第7章
20150615
産業競争力指数
 産業競争力指数＝どれだけ輸出が多いか
Ct 
Ei  M i
Ei  M i
 産業競争力指数にはパターンがある
 一国では逆Ｕ字型（図6－1）
 多国間では重層的追跡構造（図6－2）
開発経済学入門第7章
20150615
3
図7-1 アジアの総輸出に占める
工業製品輸出シェア(1950-2008年)
日本
韓国
韓国
台湾
20150615
国際開発研究科藤川清史
開発経済学入門第7章
4
2
開発経済学入門第7章
20150615
図7-1 アジアの総輸出に占める
工業製品輸出シェア(1950-2008年)
マレーシア
タイ
中国
20150615
開発経済学入門第7章
5
図7-2 アジアの工業製品輸出に占める
製品別シェア(1950-2008年)
日本
韓国
台湾
20150615
国際開発研究科藤川清史
開発経済学入門第7章
6
3
開発経済学入門第7章
20150615
図7-2 アジアの工業製品輸出に占める
製品別シェア(1950-2008年)(続き)
タイ
マレー
中国
20150615
開発経済学入門第7章
7
図7-3 貿易からみた生産の諸段階の模式図
20150615
国際開発研究科藤川清史
開発経済学入門第7章
8
4
開発経済学入門第7章
20150615
図7-4 産業競争力の「重層的追跡」の模式図
20150615
開発経済学入門第7章
9
輸出志向型工業化
 輸出志向型工業化政策




輸出産業の投資促進（低金利、投資減税）
輸出補助金
輸出産業の原材料の関税の引き下げ
外国企業の優遇措置
 輸入代替工業の問題点
 途上国は往々にして市場が小さい
 保護のもとでの工業化➔競争力がつかない
 NIESでは輸出志向工業化への転換
20150615
国際開発研究科藤川清史
開発経済学入門第7章
10
5
開発経済学入門第7章
20150615
図7-5 アジアの産業競争力の
重層的追跡の模式図
20150615
開発経済学入門第7章
11
図7-6アジアの繊維製品競争力の重層的追跡
20150615
国際開発研究科藤川清史
開発経済学入門第7章
12
6
開発経済学入門第7章
20150615
東南アジアの工業化
 輸出品の大きな変化
 モノカルチャー➔工業製品
 工業製品の中身も変化
 日本では原料別製品と雑製品のシェア低下、機
械製品のシェア増加
 NIESでも時間的ずれて日本と同じ変化
 タイ・マレーシアはNIESより速く機械輸出を増加
 実は、機械工業の輸出の担い手は外国企業
20150615
開発経済学入門第7章
13
図7-7 アジアの機械および輸送機器の
国際競争力の重層追跡構造(1965-2008年)
20150615
国際開発研究科藤川清史
開発経済学入門第7章
14
7
開発経済学入門第7章
20150615
図7-8産業発展の模式図（輸出志向工業化）
20150615
開発経済学入門第7章
15
図7-9 東南アジアに対する海外直接投資の
累計額(1985-2008年)
20150615
国際開発研究科藤川清史
開発経済学入門第7章
16
8
開発経済学入門第7章
20150615
海外直接投資
 1985年の構造変化
 プラザ合意➔急激な円高➔輸出の採算悪化
 円高に引きずられて、NIESの通貨も高騰
 日本・NIESは、東南アジアに生産拠点を移転
 「歴史的日本機会」「歴史的NIES機会」
 東南アジア諸国はこの好条件に反応
 マレーシア「ルック・イースト政策」
 日本をはじめとする企業が東南アジアに進出
20150615
開発経済学入門第7章
17
図7-10 プロダクトサイクルの概念図
20150615
国際開発研究科藤川清史
開発経済学入門第7章
18
9
開発経済学入門第7章
20150615
外国企業の行動様式
 現代経済はボーダーレス
 ヒト・モノ・カネ・情報・技術が越境移動
 企業は生産コスト最小化➔生産拠点移動
 プロダクトサイクル論
1.
2.
3.
4.
20150615
国際開発研究科藤川清史
生成期：独占生産・販売期
標準化期：後発国でも生産開始
成熟期：後発国でも輸出を開始
先発国が後発国から輸入開始
開発経済学入門第7章
19
10

Download Report