開発経済学入門 - 名古屋大学 大学院国際開発研究科

開発経済学入門 第6章
2015/05/25
渡辺利夫「開発経済学入門」
【第3版】 東洋経済新報
第6章 工業発展Ⅱ
初期条件と工業化政策
国際開発学 GSID藤川清史担当
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図6‐1 アジア工業化の重層的追跡
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工業化の初期条件
 アジア諸国の前提
 植民地➔宗主国への原料供給
 一次産品
 モノカルチャー(単一栽培)
 考えられる工業化政策 (旧輸出主導工業化)
 一次産品の輸出➔先進国からの機械の購入
(アメリカ、カナダ、オーストラリア)
 しかし、第二次大戦後、一次産品の代替品
➔「一次産品の輸出型」は不可能に
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図6‐2 マレーシアの輸出構成の変化
(1950‐2008年)
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輸入代替工業化
 輸入工業製品を国内財で代替
 図6‐3a 輸入を制限しないと国内市場は輸
入品で占められる
 図6‐3b 輸入を国内から締め出す
 輸入制限
 高い関税
 為替制限
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図6‐3a 輸入代替工業化の概念図
輸入が制限されていない場合
〔6-3a〕
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図6‐3b 輸入代替工業化の概念図
輸入が制限されている場合
〔6-3b〕
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輸入代替政策の運営
 製品の輸入制限と原材料の輸入促進
 繊維製品の輸入制限&繊維機械・綿糸の輸入
 家電製品の輸入制限&組立機械・部品の輸入
 図6‐4
 通常は需要が「国内有効最小生産規模Q1」に
達するまでは、国内生産が起こらない
 しかし、輸入を制限することにより、強制的に国
内生産を惹起する方法➔輸入代替工業化
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図6‐4 規模の経済についての模式図(Ⅰ)
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輸入制限の方法
 高関税
 (例)砂糖は35%
 輸入数量制限
 (例)コメは市場全体の5%のみ輸入可能
 為替制限
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図6‐5a産業発展の模式図(輸入代替工業化)
〔6-5a〕
需要
供給
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図6‐5b産業発展の模式図(輸入代替工業化
〔6-5b〕
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輸入代替工業化の問題 1
 市場制約
 アジアの途上国の市場規模は大きくない
 一般に人口が少ない上に
 購買力の中核となる中間層が未成熟
 貿易収支制約




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原材料輸入には外国為替を割安に(補助金)
ただし、完成品輸入の高関税➔完成品保護
反対に輸出には割高に➔輸出が不振
小さい市場では規模の経済も発揮できない
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図6‐6 規模の経済についての模式図(Ⅱ)
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図6‐7 為替レートの決定
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輸入代替工業化の問題 2
 労働節約的生産
 一般に先進国の技術は労働節約的
 それを途上国に導入➔雇用が伸びない
 低金利政策がこれに拍車
 輸入代替と外国企業
 植民地では「民間企業化」が育ってなかった
 外国企業が輸入代替の担い手
 在外華人(華僑)、先進国企業
 こうした問題があり、アジア諸国は方針転換
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図6‐8 保護政策の生産要素バイアス
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