MembranePlus™とは MembranePlus™の利用目的 シミュレーション

膜透過性試験シミュレーションソフトウェア
MembranePlus™とは
MembranePlus™は、in vitro 透過性試験から重要な情報を見つけ出す、モデリング&シミュレーションのためのソフ
トウエアです.in vitroの細胞ベース/非細胞ベース評価系から薬物濃度シミュレーションを行うため、タンパク結合、
リソソームトラッピング、pHの違い、振とう速度、パラセルラー透過性、担体輸送や代謝といった細胞内プロセスとそ
れらに関連する実験を統合し、対応する膜透過性とin vivoの速度パラメータ(細胞内濃度に基づくeffluxトランスポー
タ—のKm値など)を計算します.GastroPlusTMのコンビネーションにより、受動輸送・担体輸送双方の吸収過程にお
けるin vitro-in vivo外挿(IVIVE)の予測精度の向上が期待できます.
MembranePlus™の利用目的
分子がターゲットとする部位に到達するには細胞膜を透過する必要があるため、膜透過性は吸収における非常に重要な
パラメータです.20年以上に渡り、意義のある研究がin vitro透過性試験で行われています.いくつかのガイドライン
が発表され、適切な試験法が各国の薬局方に記載されています.
MembranePlus™には、2つの主な目的があります.
1) in vitro透過性のシミュレーション
a.様々な透過プロセスの予測(パラセルラー、トランスセルラー等)
b.細胞内各組織濃度の推算
i.膜
ii.細胞質
iii.リソソーム
c.予測結果から実験のばらつきによる影響を評価
2) in vitro透過データの解析
a.パラセルラー、トランスセルラーの識別
b.酵素やトランスポーターのin vitro KmおよびVmaxの計算
c.ロバストなモデル構築とデータから学習するためのパラメーターフィッティング
シミュレーションによって何がわかるのでしょうか?
MembranePlus™は、物理化学と吸収過程のプロセスを融合させた一連の数学式から成ります.
見かけのin vitro透過性に影響を与えるメカニズムとして、
a) トランスセルラーとパラセルラーの受動拡散
b) 排出型/取込型の担体輸送
c) 細胞の代謝
d) アルブミンへの結合(apical/basolateral両方)
e) 細胞膜や細胞内コンパートメント(リソソームなど)への蓄積
さらに、シミュレーションに影響を与える実験条件として、
a) 振動速度
b) apicalとbasolateralの体積
c) pHの違い
d) フィルターの表面積
e) サンプリングの影響(補充するかしないか)
f) 細胞培養時間
MembranePlus™がシミュレートする実験は?
MembranePlus™は、下記のような一般的なin vitro系のモデルをデフォルトとして搭載しています.
1) PAMPA (12, 24, 96ウェル)
2) Caco-2 (12, 24, 96ウェル)
3) MDCK (12, 24, 96ウェル)
米国Absorption Systems社のCaco2実験条件も選択可能です.
in vitroの試験系ベースの細胞単層膜モデルをカスタマイズして、ユーザーの試験を再現させることが可能です.
MembranePlus™は、実験のシミュレーションで下記を制御することができます.
1) ドナーとレシーバーコンパートメントのpH
2) ドナーとレシーバーコンパートメントへのアルブミン添加
3) 振動/撹拌速度
4) ドナーとレシーバーコンパートメントの溶液量
5) 容積または薬物濃度に影響を及ぼすサンプリング
a.サンプリング量
b.サンプリング時の補充-ブランクの緩衝液またはオリジナルのドナー液
c.レシーバー側コンパートメントに異なるブランク緩衝液プレートを挿入
6) 細胞培養時間
7) フィルター表面積
8) フィルターの間隙サイズと密度
- ApicalとBasolaterial側で経時
的にサンプリング
- タンパク結合設定
·線形結合
·飽和結合
- ドナー側・レシーバー側で、
サンプリング後、緩衝 液など
を補充可能
- シミュレーション中に生じ
る化合物ロスの種類を定義
シミュレーションに必要な薬物情報は?
in vitroの測定値または化学構造から(ADMET Predictor™で)の予測値から得られる、基本的な物理化学特性
(logP/logD, pKaや分子量等)が必要です.酵素やトランスポーターの情報を含める場合、VmaxとKm値が必要
となります.(または、膜透過性試験から得られた濃度-時間データからフィッティングすることができます.)
in vitro実測データまたは化学構造からADMET PredictorTM
で予測した物性値を入力.
酵素、トランスポータのVmaxおよびKm値を入力.
(PAMPAは対応できません)
Advanced Membrane Retentionモデルは、Entry/Exit
速度定数に依存 - 内部に搭載のlogDベースモデルで算出
または、実験データからフィッティング
膜透過を左右する重要な情報 - リソソームトラッピング
MembranePlus™では、化合物の組織分配に影響するプロセスであるリソソームのトラッピングをシミュレーショ
ンで検討できます.
リソソーム膜
pH = 7.4
中性
pH = 4.5
水/膜のinput/outputの速
度定数
リソソーム
細胞容量の30%
細胞膜と同じ厚み
細胞中に100個ほど存在
Base
Neutral
Acid
リソソームの蓄積
赤-Apical
青-Basolaterial
橙-リソソーム
水色-シトソール
シミュレーション結果の出力
MembranePlus™には、いくつかのモードがあり、その中から一つを選び実行します.
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Single simulation:薬物特性(実測値やADMET Predictor™による予測値)に基づき、実験を設定し、各濃
度(apical, basolateral, 細胞、リソソーム等)の時間推移を予測します.また、異なる透過性(トランスセル
ラー、パラセルラー)での計算を行います.
シングルシミュレーションの後、濃
度時間変化を見ることができます.
(apical、basolaterial、細胞内、
リソソーム等)
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Parameter Sensitivity Analysis:医薬品開発の初期で研究者はリソースが限られた中、多くの化合物を評
価しなければなりません.Parameter Sensitivity Analysisにより、重要な特性(物理化学、実験)に影響する
要因を迅速に評価できます.
これにより、次にどの実験をするべきかを明らかにし、リソースの配分を効率良く行えます.
Parameter Sensitivity Analysis (PSA)により、各評価項目
(トータルのapical、Basolarterialまたは細胞中濃度)の変化
に対して、選択したパラメータ(この図では、振とう速度と
フィルター表面積)の感度を見ることができます.
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Batch Simulations:予測膜透過性を基に化合物ライブラリーの迅速なスクリーニングや数多くの異なる実験
を同じ化合物で行うことができます.
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Optimization: MembranePlus™の重要な機能として、最適化があります.実測の濃度 vs 時間データから、
より強固なモデルを構築し、一連の化合物から「学習」するためにパラメータをフィッティングします.
デモンストレーションおよび無料トライアルを承っております.詳細は弊社までお問い合わせください.
ノーザンサイエンスコンサルティング株式会社
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May. 2015