取説PDF

⑫
TR量○
アイツプメーター・
(DIPMETER)
DM一日ロ(⊃
“”“牽霧三
や∴「 繋滋言霊
概 要
ディップメーターは、無線機器やアンテナなどの調整には欠
くことのできない、多用途の測定器です。
本器は、自励方式の発振器で、発振用コイルが測定しようと
する回路に結合し易いように、外付の形になっているのか特長
です。
その動作は、第1図のように共振周波数(同調周波数)を測
定しょうとする回路に近ずけて、ダイヤルを回していくと、デ
ィップメーターの発振周波数と相手の共振回路の共振周波数が
一致すると、発振エネルギーが相手の回路に吸収されるため発
振が弱くなります。
この発振の強弱は、メーターにより指示されますからメータ
ーを見なからダイヤルを廻すと、一致した点でメーターの振れ
が“ピクッ〟 と減少します。この同調点でメーターの振れが谷
のようにディップするところから、このディップメーターの名
称が付けられています。
特 長
定 格
(1)測定周波数範囲は、700kH2−250MHzを7バンドでカバーす
周波数範囲
る広帯域設計になっています。
700膿む∼250M脇士3¢
Aバンド
0.7−1.7MHz
Bバンド
l.5−3.5MHz
利になっただけでなく、とかく紛失しがちなコイルの保管が
Cノヾンド
3.0−7.2MHz
容易になりました。
Dノヾンド
6.9−18MHz
Eバンド
18− 48MHz
Fノヾンド
42−110MHz
(2)コイルが全部(7本)本体へ収納できますので、持ち運びが便
(3)オールソリッドステート化で電池(006p)内蔵となりましたの
で、屋内外の測定に便利です。
(4)水晶発振子のテスト、あるいはマーカー発振器として利用で
Gバンド 83−250MHz
きるように、FT−243型ソケットのほかHC−25U型ソケ・ソ
変 調
トも組込んであります。
露 悪
(5)テストオンレーターとして使用する際、AM変調がかけられ
使用半導体
取付可能水島発振子型式−
よすので受信機の調整に便利です。また、BFOのない受信
一 機でも、クリスタル(水晶)マーカー発振器としてAM変調を
寸法・重量
− かけると、ダイヤル目盛の校正が確実にチェックできます。
IkHz(正弦波)
電池(006p)
2トランジスタ、1ダイオード
FT−243、H C−25U
幅70×高さ155×奥行45(mm)
約570g(ただし付属品も含む)
(6)ダイヤル目盛とコイルを5色のカラーで区別しましたので、
バンドの識別が容易です。
(7)吸収型周波計として使用できますので、送信機の調整とか電
界強度を測るのに便利です。
(8)イヤホーン端子にイヤホーンをつなげば、信号波をモニター
することができます。
●
4
5
使用上の注意
(1)重油およびコイルの取付
コイルケースを取り出しますと、コイルケースの収まってい
た奥に電池スナップがありますから、電池にしっかりとはめ
/ \H0−25U型ソ.
電池取り出し用のリボンを先に電池ホルダーへ入れてから、
……水晶発振・
電池を差込んで下さい。
次に付属コイルをコイルケースへ収め、元通りケースへ取付
ダイヤル
けて下さい。
SENSITlV
使用前に内蔵電池がOKかどうか確認する必要があります。
感度調整と
まず電源スイッチをONにして、“FUNCTIONqスイッチを
“BATT CHECK”に切替えます。この時、メーターの針が
⑤ 電源ス有
OB.C〝の範囲内にあれば電池は0‘Kです。
メー
/ 一二多、 、\ふ\ 肝、 ?ニー霧_‘∴‘・も総等諒ひが \ ‥・ 変調 \
電池が消耗していますと発振が弱くなり、バンドによっては
発振が止ったり、誤差が増加し不安定になりますから、良品
と交換して下さい。
使用後は、電源スイッチの切り忘れがないようご注意下きい。
また長時間使用しない時には、電池をは.ずしておいて下さい。
電池をはずすときには、リボンを手前に引けば簡単に取り出
せます。なおケース両側面にあるビス4本は、ケースを固定
していますので絶対にはずさないでください。
…・ハツナ)チェック
〃
A
6
7
(2)ディップ点を求める時の注意
(3)トランジスタの貫荷となる共振回路の測定
測定しょうとする回路とディップメーターのコイルとの結合
真空管の場合には問題ありませんが、受信機や送信機がトラ
は、両者が近ずく程、結合が密になり、ディップ点は深くな
ンジスタにより構成されていて、共振回路(同調回路)が、ト
りますが、第3図のように同調点の幅が広がって正しい目盛
ランジスタの負荷になっている場合、回路にもよりますが、
があかりにくくなりますo そのような時には、ディップ点が
どうしても共振点が見つからない時があります。そのような
浅くなるように少しコイルを離すと正確に読み取ることがで
時には、トランジスタを一時的にはずしてみるか,、測定しよ
きます。
うとするセットの電源を入れ、回路を動作状態にして測定す
る方法もあります。
(4)送信機測定時の注意
吸収型周波計として送信機の電力増幅部など高周波エネルギ
ーの大きな点の測定を行う場合、各タンク回路にいきなり本
機のコイルを近すけますと、内部のトランジスタなどを焼損
する恐れがありますので、ゆっくI)近ずけメーターの針が振
り切れない範囲で測定するようにして下さい。
(5)メーターの振れの変化
コイルを差込んでダイヤルを回した時、多少メーターの振れ
が変化し、ディップのように見える場合があります。これ′は
発振回路のパリコンの容量の大小により、発振強度が変るた
めです。
ディップかどうかは、ディップメーターのコイルを測定回路
から離してみて、メーターの振れがフルスケールの方へ戻れ
●
ば、本物のディップです。
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使用法
(A)ディップメーターとしての使用法
第、4図(a)は、標準的なコイルの測定方法です。
(l)希望の周波数をカバーするコイルを選び、本体上部のソケッ
第4図(b)および(C)は、測定しょうとするコイルが狭いと
トにしっかり差込みます。
ツマミを回し、電源スイッチをNoN”にします。
(3)“SENSITIVITY〟 ッマミをさらに回し、メーターの針を白
〃S〇m軍 書ll
(2)“FUNCTION”スイッチを“OSC〃にして、“SENSITIVITY”
ころにあり、ディップメ一一ターのコイルとうまく結合できな
い時や、コイルがシールドケースに入っている場合の測定方
法で、2−3回巻のリンクコイルを用いてディ ップメーター
のコイルと結合させディップ点を求めます。
亜の0.7のところに合せます。(0.7まで振れない時は、ツマミ
を最大にしてください。)
(4)ディップメータ一一のコイルを測定しようとする同調回路のコ
イルに近ずけ(lqnくらい)、ダイヤルをゆっく り回していく
と:相手の同調点に発振エネルギーが吸収されて発振強度が
低下し、メーターの針が“ピタッ〝 と下がる(ディップする)
ところがあります。(第3図参照)
ディップメーターのコイルと相手のコイルの結合が密である
と、ディップが大きく探しやすくなります。ディップ点が確
認できたならば、ディップがやっとあかる程度までコイル間
の距離を離し、再度ダイヤルを微調し、ディップ点を求めま
す。
これで正確を周波数をダイヤルから読み取ることができます。
(1)共振回静(同調回路)の測定
コイル(L)とコンデンサー(C)からなる共振回路(同調回路)
の測定は、ディップメーター測定の基本になるものです。実際に
gSmt○○ −1
(B)各種測定方法
は、第4図のように測定しょうとするコイルにディップメー
ターを接近させて測ります。
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ーターとして使用することもできます。第6図のように受信機
(2)アンテナの共振周波数の測定
アンテナは、一種の共振回路とみなせますから、第5図のよ
のアンテナ回路に結合すれば、ディップメーターかちのキャリ
うにして測定することができます。
ヤ(発振波)が受信できます。
アンテナ中央部の給電点に、ワンターンコイルをつなぎ、そ
AM受信機であれば、≠FUNCTION〝スイッチをヽMOD”にす
れにディ、ソプメーターのコイルを結合させ、ディ ップ点を求
れば、“ピー〝というlkHzで変調された信号力受信できます。ま
めます。ディ ップした点が、そのアンテナの共振周波数です。
たS SBやCWの受信機であれば、変調がなくても(“O S C〝
垂直系のアンテナで接地型の場合には、ワンターンコイルを
のままでよい)結構です。
アンテナとアースの間に入れて測定してください。
受信機のSメーターの振れが最大、あるいはスピーカーから
出てくる音が最大となるように、各トリマー、およびコアを調
(C)テストオシレーダーとしての使用法
整してください。
ディップメーターは、受信機などの調整に使うテストオシレ
I−2回
テストオンレ一夕ー
代りのDM−800 近すけるだけでOK
アンテナの
エレメント
 ̄哩聖典
中央のガイシ
ツ
プ
ー ー
ロ
タ
萱 轟機。。
[璽≡]
齢
12
AMの場合はMODにする
リード線
テストオシレ一夕ーの出力が強すぎるときは、
発振を弱くするかDM−800を受信機から遠ざ
けろ。または受信局アンテナを小さくする。
第5回 アンテナの測定
第6図 テストオシレークーとして使う
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(E)吸収型周波計としての使用法
(D)水島発振器としての使用法
付属のコイルの代りに、水晶発振子を差込みますこ、水晶発
振器として使用することができます。(第7図参照)
HC−25UとFT−243いずれでも使えますし、HC−6UもF
T−243のソケ・ソトでチェ・ソクできます。使用する水晶発振子の
タイプ、周波数によって発振強度が変化しますから、ダイヤル
を回し発振の最も安定なところにセットしてください。
水晶発振子のテストだけでなく、lMHzとか3.5MHzの水晶発
希望の周波数をカバーするコイルをソケットに差込み、“SE
NSITIVITY”ッマミを“OFF”とし、“FUNCTION〝 スイッチを
NOSC〟 にすると、吸収型周波計になります。
吸収型周波計とは、外部からの電波を受信し、その電波の強
さに応じ、メーターを振らせるようにしたものです。
第8図(a)は発振器の発振周波数を測定する方法で、発振コ
イルにディップメーターのコイルを結合(接近させる)し、メー
振子を使いますと、マーカー発振器として受信機のダイヤルの
ターの振れが最大になるようダイヤル調整します。その時のダ
校正に便利です。
イヤル目盛から発振周波数が読み取れます。また第8図(b)は
A 。E±∃
S
S S音S
0 0 0 0
マーカー発振器として受信
機の調整やダイヤルの較丘
メーターの振れ (こ使用すると便利、変調も
で水晶の良否が かけられる。
わかる。
(a)水島発振子のチェック (b)マーカー発振器
第7回 水晶発振器として用いる
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は、送信機のタンクコイルに結合させるもので、ダイヤルを調整
う時と同じ状態にセットし、きちに第9図のようなアンテナを
すればメーターが振れますので第8図(a)と同様に測定すること
結合させれば、測定できます。
ができます。なお送信機の電力増幅部は、高周波エネルギーが
大きいですから、ディップメーターをゆっくり近ずけ、メータ
アンテナのマッチング(整合)や輯射パターンの調整など、ア
ンテナの実験に便利です。
ーの針が振り切れない範囲で測定してください。
また、イヤホーン端子にイヤホーンをつなげば、変調音をモ
ニターすることができます。
(G)キャパシタンス(C)とインタクタンス(」)の測定
コイルのインタクタンスあるいはコンデンサーのキャパシタ
ンス(容量)の測定は、第10図のようにLまたはCのいずれかが
(F)重病強度計としての使用法
送信アンテナから発射される電波の強さ(電界強度)を測定す
わかっていて、それを組合せた時の共振周波数がわかれば、未
知の値が測定できます。
ることもできます。ディップメーターを吸収型周波計として便
(a)インダクタンスの測定 (b)コンデンサーの容量測定
DM−800のコイル FT−243ソケット
値のわかっている
コンデンサー
』真二∃cx
25400
Cx=
f2C
f2L
Lxは〟Hで求め
られる
CxはPFで求められる。
チップメーターで
共振周波数(f)を
fむ則定する
みる。
第10回 」.Cの測定
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し,Cとf(共振周波赦)との間には
2汀>千言
の関係があります。
f:MHz,L:FLHおよびC:pFとすると
25400
25400
f2C
f2L
となります。ここでLまたはCに値のたかったものを用いれば
他方は上式により求めることができます。
なおしとして本機のコイルを用いますと大変便利です。
下表は、本機の付属コイルのインタクタンス値です。
六二 シ’・ド
インダクダンス(〟H
ーA
1250
B
C
160 ̄
D“
39
∴ E
8.4
FT ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄G
1.2
0.22
ディップメーターの応用は、以上にあげた以外に受信機の局
・発の代用として修理や調整時に使ったり、送信機のVFO代り
に発振出力を注入して、テストするなどサービス用として威力
を発揮します。−BFOのない受信機で、CWやSSBを受信す
るのにBFO代りに使うなど、その用途は、まだまだ沢山あり
ます。ディップメーターの動作原翠を十分ご理解のうえ、さら
に応用範囲を広めて下さい。
19
18
⑫TRl。
ト リ オ 株 式 会 社
本 社
東京都目黒区青葉台3の6の17(郵便番号153)電話(03)464−・2611(大代表)
鴻定盤嘗某所
東京都世田谷区池尻3の21の24(郵便番号154)電話(03)413−2191(代 表)
広井産業ピル
名古屋市中区大須4の3の46(郵便番号460)電話(052)262−6701(代 表)
大阪市都島区中野町2の10の17(郵便番号534)電話(00)352−0891(代 表)
.B50−1430−08