小自由度カオスの基礎と応用

内積空間と画像圧縮
ベクトル量子化の復習
D画素ブロック
D成分
画素順に並べられた成分には,
昇順あるいは降順という特徴はない.
D次元空間
主成分分析と同様に,適当に座標系を回転させることで,
分散の順に成分を並べかえることができる.
歪み圧縮のノイズ
〔モスキートノイズ〕高周波数成分の切捨てによるノイズ
〔ブロックノイズ〕 量子化処理をブロック単位で行う場合に現れるノイズ
289Kbyte
80Kbyte
JPEG
〔擬似輪郭〕
73 Kbyte
色数の減少によるノイズ
11 Kbyte
GIF
スカラー量子化との併用
直交変換
量
子
化
整数除算を用いることで,
割り当てるビット数を減らす.
量
子
化
降順に成分を並べかえることで末尾に零を集中させる.
内積空間と直交変換符号化
予測とは?
【予測;prediction 】
過去のデータから現在あるいは将来を予測する処理.
将来の予測値
過去のデータ
予測子
predictor
【質問】対象データの予測が可能であれば,情報圧縮に用いることができる.
また,これを合成に用いることもできる.これはなぜか答えよ.
【回答】予測とは過去のデータを用いて,現在のデータを近似する値を求める
処理である.したがって,予測値と現在のデータの差分のみを新しいデータと
することで,データ量を減ずることができる.例えば,音楽CDのフォーマット
であるADPCMは,時系列予測を用いた圧縮方式である.
また,音響信号を予測できれば,適当な初期条件から長時間に渡る信号を作り
出すことができる.例えば,音声合成に用いられるARモデルがある.
例4
sn
デジタル信号S(1)
sn
.
sn
認識と内積空間
.
.
デジタル信号S(2)
n
n
デジタル信号S(k)
S(1) = (s1,s2,s3,….,sD) ∈ RD
S(2) = (s1,s2,s3,….,sD) ∈ RD
.
.
.
S(k) = (s1,s2,s3,….,sD) ∈ RD
n
これらのベクトルは,D次元空間全体を
本当に占めているのだろうか?
マッピングの結果がd(<D)次元部分空間のみを
占めているならば,この特徴空間は冗長である.
この部分空間の次元をどうやって計るのか?
RD
例6
ヴ~
あ~
あ
ARモデル(合成) と逆問題
い~
い
声は,声帯が発生した音が声道を通る
ことで変化して作られる.
う~
え~
お~
う
え
お
sn
ARモデルでは,声道が線形差分方程式
n
xn+1 = a0xn+a1xn-1+a2xn-2+….+am xn-m
で記述できると仮定し,実際の音声データの
予測誤差
am
am
a2
a2
a1
a1
a0
a0
U = S |sn+1 - a0sn+a1sn-1+a2sn-2+….+am sn-m |2
を最小化する係数(a0,a1,a2,…,am)を最適化法
(最小2乗法等)によって求める.
差分方程式の初期条件を声帯の固有周波数(ピッチ)に合せて設定すると音声が合成できる.
射影と主成分分析
分散の最大方向
データの零平均化
最大方向と直交する
次の最大方向
【主成分;principal component】
データの分散の順に並んだ正規直交座標系
の成分を主成分という.
後方に現れる成分は,データを含まない分散が零の部分空間に対応する.