平成27年 4月 - 広島県栄養士会

平成27年
公益社団法人
4月
92
目次
● 岸田典子名誉会長が叙勲瑞宝中
綬章を受章され平成27年2月8
日(日)祝賀会が開催されまし
た。
(特集「岸田典子名誉会長叙勲
受賞に寄せて」)
● 平成27年度医療事業部研修会
・平成27年6月6日(土)
・広島県健康福祉センター
● 平成27年度広島県栄養士会総会
・平成27年6月13日(土)
・会場 国保会館
・特集「岸田典子名誉会長叙勲について」�1
・講演内容「第22回広島県栄養改善学会」��2
・広島県栄養士会事業報告
・本部事業������������3
・支部・事業部事業��������4
・ステキな会員さん�����������10
・関連機関からのお知らせ��������10
・理事会報告��������������11
・お知らせ���������������12
おめでとうございます!
広島県食育推進功労者表彰 松原 知子
平成26年度厚生労働大臣表彰 國末 礼子
特 集
岸田典子名誉会長叙勲について
平成26年11月3日,岸田典子名誉会長の叙勲瑞宝中綬章受章に寄せて
広島県栄養士会長 小田 光子
岸田典子名誉会長におかれましては,長年,身を賭して栄養
士,管理栄養士の育成に努められました。その傍ら,今は亡き
垂井国子会長の後を継がれ,社団法人広島県栄養士会長に就任
されました。この間,会員を励まし,先頭に立って栄養3・3
運動の提唱,食育の推進などの数々の公益事業を展開されると
ともに,会員の資質向上に力を注がれました。
こうした岸田典子会長のご尽力のお蔭で,その当時,本会の
会員数は1,550人に達して最盛期を迎え,公衆衛生の分野で会
の存在は確かなものとなり,その基礎を築いていただきました。
また,(社)日本栄養士会研究教育協議会長としても手腕を発揮され,管理栄養士施設・栄養士施設
の課題にも取り組まれました。本来なら,長年勤務された県立広島大学の推薦となるべきところ,岸田
典子名誉会長の本会への多大なご尽力に報いようと,松原前広島県栄養士会長時代に広島県を通して叙
勲の申請を行いました。
関係者の皆様のお力添えにより,岸田典子名誉会長におかれましては,平成26年11月3日の文化の日,
瑞宝中綬章受章の栄に見事輝かれました。
岸田先生,瑞宝中綬章受章,誠におめでとうございます。この紙面をお借りしまして改めてお祝い申
し上げます。
この度の岸田典子名誉会長の受章で初めて知り得たのですが,瑞宝中綬章は,なかなかいただけるよ
うな章ではなく,天皇に拝謁できる名誉ある章と聞き及んでいます。
岸田典子名誉会長のこの受章は,広島県栄養士会にとっても大変名誉なことと改めて岸田典子名誉会
長の栄養士会活動のご功績に思いを致し,感謝の念を込めて去る平成27年2月8日に「岸田典子名誉会
長,瑞宝中綬章受章記念祝賀会」を開催いたしました。
この祝賀会の発起人には,岸田文雄外務大臣,林県会議長,奥原県会議員,中村県立広島大学学長な
ど,広島県を代表されるそうそうたる皆様に名を連ねていただき,ご多用の中,祝賀会にもご臨席賜り,
心のこもったご挨拶やユーモアあふれる乾杯の音頭などで盛り上げていただきました。
とりわけ,岸田文雄外務大臣におかれましては,海外で世界を震撼させる事件が起こり,その対応に
心血を注がれていた直後にも関わらず,祝賀会に駆けつけていただき,素晴らしいご挨拶を頂戴し,参
加者一同,感激いたしました。松井一實広島市長,河田和子県立広島大学顧問からもお祝いのメッセー
ジをいただくとともに,碓井法明広島市医師会長,比治山大学 二宮皓学長,山陽女子短期大学 石永正
隆学長,学長代理として,広島女学院大学 村上和保生活科学部長,安田女子大学 楠幹江家政学部長な
ど,多数のご来賓の皆様にご臨席賜り,県立広島大学の卒業生や栄養士会会員の多数のご参加で,総勢
226名の華やかな祝賀会となりました。
これに花を添えていただいたのは,広島女子大学22期生の大野様の演奏で,心の琴線に触れる素晴ら
しい歌声と琵琶の音色に会場の皆様は聞き惚れていらっしゃるようでした。また,県立広島大学の学生
さんによる楽しいフルート演奏も加わって,瑞宝中綬章の祝賀会にふさわしい華やいだ中にも厳かなも
のとなり,岸田典子名誉会長の受賞を寿ぐ会となりました。
発起人に名を連ねていただきました諸先生,ご参加いただきました皆様,会の運営・演出にご協力い
ただきました全ての皆様に心より感謝申し上げますとともに,岸田典子名誉会長がこれからも一層輝い
てお過ごしになられることを祈念申し上げます。
-1-
第22回広島県栄養改善学会
酸菌を使用したヨーグルトの摂取でNK活性が上
講演内容
がるという実験結果が得られました。
第22回広島県栄養改善学会
さらに,ラクトバチルス・カゼイ・シロタ
日 時 平成27年2月14日(土)
(LcS)株が含まれた乳酸菌飲料の飲用でNK活
特別講演 「身体を守る免疫のお話」
性は上がるという実験結果も得られました。
講 師 順天堂大学大学院医学研究科 研究基盤センター 細胞機能研究室
准教授 竹田 和由
免疫とは,リンパ球がウイルスや細菌,寄生虫
など自分ではないものを異物と認識し,排除する
反応です。免疫の目的は,病気を防ぐ・治すこと
ではなく,異物を排除することで,その結果,病
気が治ります。免疫が正常な(普通の)自分を間
違って攻撃したら,自己免疫疾患(膠原病)やリ
ウマチなどが起こり,免疫が無視したほうが良い
異物を間違って攻撃したら,アレルギーや花粉症
やアトピーなどが起こります。免疫に間違いが
起きると,治りにくい病気になります。今回は,
「2つの免疫」「NK細胞」「乳酸菌で免疫を上
げる」について取り上げます。
免疫には,自然免疫と獲得免疫があります。自
然免疫は,反応が速く,様々な異物を攻撃し,生
活習慣や食習慣に影響を受けます。獲得免疫は,
1度目は反応が遅く,1度目で得られた異物の情
報に基づき,2度目にすばやく反応し,1つの細
胞は1つの抗原に作用します。自然免疫を最前線
部隊,獲得免疫を戦闘部隊本部に例えて,自然免
疫と獲得免疫の連携プレーで病気を防いだり,治
また,NK活性が低い人ほど,LcS飲用の効果
したりするということを分かりやすく説明してい
が出やすく,NK活性が低い高齢者でもLcSの飲
ただきました。
用でNK活性の維持または増強が確認されました。
NK細胞は自然免疫であり,ストレス・年齢・
食生活・喫煙など様々なことに影響され,NK活
性が変化します。NK活性が下がると,癌や感染
症にかかりやすくなります。NK細胞は,病気の
予防に大事な免疫細胞であり,癌や感染症を防ぐ
にはNK活性を上げる必要があります。生活習慣
や食生活の改善,適度な運動,笑い,ストレスを
発散することが大切です。
食の改善でNK活性を上げることもできます。
ある種の生きた細菌や菌体の接触は健康を増進し,
多くの疾患へのリスクを減らします。1073R-1乳
-2-
LcSは小腸の腸管壁のM細胞に貪食され,体内に
入り,自然免疫のマクロファージや樹状細胞が活
性化し,それを介してNK細胞および獲得免疫の
T細胞を活性化します。
免疫を上げて健康な生活を送りましょう。NK
活性を上げて病気を防ぎましょう。
(文責 抦﨑 良美)
本 部 事 業 報 告
平成26年度 栄養と健康セミナー ためには環境づくりや記録をつけることが大切で
備北支部 原 明美
あること。2.体脂肪計タニタの社員食堂では,
平成27年1月24日(土)広島県健康福祉セン
ヘルシーレシピのコツとして,バランスよく食べ
ターにおいて,栄養と健康セミナーが開催されま
る,はかって作る・はかって食べる,満腹感・満
した。
足感を大切にしていること。3.ヘルシーレシピ
講師:医療法人厚生堂長崎病院 管理栄養士 のコツ 実践編では,外食メニューの選び方,コ
伊藤教子先生による「健康と栄養の話」では,
ンビニ活用術,嗜好品の目安量について話されま
・古書に学ぶ食べ物と健康の話
した。
・食べ物と健康の関係
隣で聞かれていた一般参加の方が,「参加して
・サプリメントのはなし
良かった。好きなものばかり食べていたらいけな
・そもそも健康ってなに?
いのが良く分かった。今日から気を付けようと思
・食べ物と生活習慣病
います。」と言われていました。健康づくりを続
・肥満のはなし
けるためには,現状把握・目標設定・実践・継続
・食生活の目標
が必要なことを改めて思い,『嗜好品の目安は
などの内容で話されました。そのなかでも貝原益
1日150kcal~200kcalですが,2日分を合わせる
軒の養生訓には,
とケーキ1個食べることができる。食べたら動こ
「好みに任せて食べ過ぎてはいけない。」
う!!プラス10分』『あぶら・あまいもの・あ
「薄味にしましょう。」
るこーる 3つの「あ」に気を付けよう』など,
「肉は一品,副食は一,二品」
やってみようと思うような言葉の選び方・導き方
「同じ味を食べ過ぎないようにしましょう。」
なども学ぶことのできた研修でした。
(バランスよく食べましょう)
「食べ過ぎないようにしましょう」
など,現代の食生活にも当てはまることが沢山あ
ることに驚きました。
次に,講師:㈱タニタヘルスリンク 管理栄養
士 金華連先生による「健康は財産!日本人の
長寿を支えるこどもからおとなまでの健康な食
事」では,1.タニタが考える健康づくりとは,
BMI・体組成・歩数計などで現状把握し,健康づ
くりのための目標設定を具体的に行い,継続する
-3-
支 部 事 業 報 告
食指導を通じて~」をテーマに講義を実施しまし
中 支 部
た。
本事業は青年期の学生を対象とした事業で,20
パワーアップ教室(青年対象)1
代の若い世代の人達に食生活の大切さを見つめ直
広島中支部 赤木 実子
してもらうための工夫をしています。
平成26年4月8日(火)広島製菓専門学校にて,
今回は,学生自身の朝食の内容を赤・緑・黄の
学生・教員約120人を対象に石田洋子会員が「青
3つのグループに分けて確認し,さらにおいしく
年期の食事~毎日,美味しく,楽しく,よく噛ん
朝ごはんを食べるために「私のワンランクアップ
で~」をテーマに講義を実施しました。
朝ごはん」と題し,献立を作成してもらいました。
本事業は青年期の学生を対象とした事業で,20
また,この講義では小学校の教室で実際に使用さ
代の若い世代の人達に食生活の大切さを見つめ直
れている媒体も紹介され,学校現場でどのように
してもらうための工夫をしています。今回は,あ
指導されているかということも学ぶことができた
りがちな食事の組み合わせの例をあげ,学生自身
ようです。
にどう改善したらバランスのとれた食事になるか
管理栄養士を目指す学生だけあって,積極的に
クイズ形式で楽しみながら聴講できるものとなり
講義に参加し,今後がとても楽しみな学生のみな
ました。
さんでした。
学生らは,質問に対して隣り同士で相談したり,
講義内容についてメモを取ったりする姿もみられ,
食生活の大切さについて考える良い機会になった
ようです。
教員からは,学生にとってはとても貴重な時間
をもつことができ,また機会があれば依頼したい
と,うれしい声をいただき,今回の教室の成果を
感じることができました。
「栄養士と楽しむランチセミナー
~ひろしま版食事バランスガイド
ええじゃん!上手に選んで
元気な毎日~」
広島中支部 田村 博子
県民の健康増進に寄与することを目的とした事
業として,「栄養士と楽しむランチセミナー」を
11月14日(金)にリーガロイヤルホテル広島リー
ガトップで開催いたしました。
パワーアップ教室(青年対象)2
今年度は,広報の仕方に問題があり,参加者の
広島中支部 赤木 実子
確保に苦労しましたが,皆様のご協力により県民
平成26年9月29日(月)比治山大学にて,健康
の方々40名に参加していただき,無事に実施する
栄養学部管理栄養学科の学生・教員約59人を対象
ことができました。
に沖本久恵会員が「青年期の食生活の大切さ~朝
午前は,会員の女学院大学の市川知美先生より,
-4-
《本日のメニュー》
「ひろしま版食事バランスガイドを使った健康づ
くり」と題した講話がありました。食事バランス
エネルギー500kcal 食塩2.3g
ガイドをまだよく知らない参加者のために,まず
・貝類とお野菜の大葉風味サラダ仕立て
その形の意味からお話してくださいました。世界
~グレープフルーツの泡と共に~
各国では,それぞれの国の食生活指針をわかりや
・鯛と海老のミルフィーユ風重ね蒸し
すくするために,料理や食品をピラミッド型に組
~温野菜添え トマトソース~
み入れて表示しているが,日本では伝統的な独楽
・フルーツの盛り合わせに
の形を取り入れ,食事バランスが悪いと独楽がう
~柚子のグラニテを添えて ミント飾り~
まく回らないように表示されている,独楽がうま
・サフランライス
く回るように料理を選んで食べる大切さを説明さ
・レモンティー
れました。その後,各テーブル担当の栄養士がア
ドバイスしながら,実際に昨日食べた料理を独楽
にあてはめていき,自分の食生活を振り返ってい
ただきました。「自分では,バランスよく食べて
いたつもりだけど,これでは傾いて独楽が回らな
いわね!」などの声がありました。
そして,お待ちかねのランチがテーブルに運ば
れてきました。徳久シェフご自慢の低カロリー・
減塩,野菜120g以上のひろしまの旬の素材たっ
ぷり使ったヘルシーランチです。秋晴れの眺めの
よいホテルで優雅にいただく素敵なランチは,ま
さに生きた栄養指導媒体です。各テーブルについ
た栄養士は,この素敵な媒体を上手に用いながら
「関連職種地域連携研修会」
中支部・医療事業部 吉島病院 野間 智美
「食」に関する話題に花を咲かせるように心がけ
平成26年12月13日(土)吉島福祉センターにて,
ました。徳久シェフには,いつもご無理をお願い
看護協会広島中支部と合同で関連職種地域連携研
しておりますが,この度も快く引き受けて下さっ
修会が開催されました。
たおかげで,出席者からは「糖尿病のためカロ
はじめに,国家公務員共済組合連合会 吉島病
リー制限があるが,今日は安心して美味しく楽し
院 摂食・嚥下障害看護認定看護師の杉元 公美
く食事をすることができました。」という喜びの
子先生より,「摂食・嚥下障害患者の退院支援」
声もいただくことができました。
というテーマで講演がありました。入院中は嚥下
午後からは,独楽を回すためには運動も大切と
食を摂取していても退院後は普通食を摂取するよ
いうことで,「運動習慣のススメ」と題して,理
うになる,また家族と同じものを食べたいのにい
学療法士の新先生より運動の大切さや継続して行
つも同じものばかり食べているという患者さんが
うコツなどを教えていただきました。実際に椅子
中にはいらっしゃいます。そういった摂食・嚥下
に座ったまま軽く体操も行うことで,「仕事の合
障害の患者さんへの退院・在宅支援のポイントを
間やテレビを見ながらでもするようにしたい。」
わかりやすくお話いただきました。安全に食べる
などの感想をいただき好評でした。
楽しみを実現できるよう,生活の全体像を把握し,
礼状もたくさんいただき,県民の皆様の「食」
入院中から退院後まで多職種が連携して支援する
と健康への関心の深さに改めて栄養士として何を
重要性を改めて感じました。
なすべきか教えていただいたように思います。
次に,医療法人微風会 介護老人保健施設ナー
今後ともより県民の健康増進に寄与し,健康寿
シングホーム沙羅の管理栄養士 田中 君江先生
命延伸に貢献できるようこの事業を,ますます充
より,「嚥下障害のある方の在宅栄養指導」とい
実したいと思っております。会員の皆さんのご協
うテーマで講演がありました。嚥下食の重要性を
力,よろしくお願いします。
理解していただくのに時間のかかった症例では,
-5-
かかりつけ医への飲み込み検査依頼なども含めて
円滑な在宅訪問栄養指導を実現するためには組織
多職種での連携が有効であったこと,実際の生活
での取組が必要なのでは?と投げかけがありまし
の場で調理することが介護者にとって分かりやす
た。具体的には,個人にはシステムを理解しスキ
いということを示されました。また,訪問栄養指
ルを磨くこと,栄養士会や栄養ケアステーション
導により,工夫することで摂取可能な料理が大幅
等の組織には訪問栄養指導ができる体制づくり,
に増えた実例も示され,その成果を目の当たりに
理解してもらうための媒体づくり,多職種との連
しました。
携・ネットワークづくり等を挙げられました。熱
最後に田中先生から,「在宅訪問栄養指導」は
のこもったお話から,在宅訪問栄養指導体制の確
まだ確立していない,けれど必要とされている。
立の必要性を強く感じることができました。
標量を設定。
広島中支部・西支部・研究教育事業部
先生のお話の中で,エネルギー収支のバランス
については,お風呂の浴槽のようなイラストを示
して,浴槽に入ってくる水(=エネルギー摂取
「日本人の食事摂取基準 研修会」
量)と出ていく水(=エネルギー消費量)の二つ
広島西支部 吉村真奈美・津村 なみえ
の蛇口に例え,浴槽に貯まる水の量(=体重・体
平成27年1月11日に広島県健康福祉センターに
組成)の変化を分かりやすくい説明された。また,
て,「日本人の食事摂取基準(2015年版)の策定
具体的なエピソードを交えてのお話は3時間にわ
理論と改定のポイント」について,慶応義塾大学
たったが,とても充実した研修会となりました。
スポーツ医学研究センター教授勝川史憲先生をお
平成27(2015)年から平成31(2019)年の5年
招きして研修会を行い,103名の参加がありまし
間,この食事摂取基準をもとに私たち栄養士も
た。
しっかりとした栄養管理を行っていきたいと思い
勝川先生は策定委員でもあり,今回の改定にあ
ます。
たっての裏話等を交えて,わかりやすい内容の研
修会となりました。
今回の主なポイントは次の3つです。
①策定目的に生活習慣病の発症予防とともに「重
症化予防」を加えたこと
「多職種と一緒に」
~あいプラザ祭りに参加して~
広島西支部 土井 千代美
11月9日に,あいプラザ(廿日市市総合健康福
②エネルギーについて,指標に「体格(BMI)」
を採用したこと
祉センター)で「あいプラザまつり」が開催され,
健康と福祉に関する様々な職種の人が「相談」や
・成人期を3つの区分に分け,目標とするBMI
「体験」「健康チェック」「測定」「展示」等を
の範囲を提示。肥満とともに,特に高齢者の
行いました。雨天にもかかわらず,多くの来場者
低栄養の予防が重要。
があり,どのコーナーも行列ができていました。
③生活習慣病予防を目的とした「目標量」を充実
したこと
私たち廿日市市栄養士会は,広島西支部が参画
している廿日市市五師士会の事業を委託され参加
・ナトリウムについて,高血圧予防の観点から,
男女ともに値を変更。
しました。(廿日市市五師士会とは,医師,歯科
医師,薬剤師,看護師,理学療法士,社会福祉士,
男性(18歳以上)
9.0g/日未満⇒8.0g/日未満へ
介護支援専門員,栄養士の8団体で構成されてい
女性(18歳以上)
7.5g/日未満⇒7.0g/日未満へ
る多職種の会のことです。)
・小児期からの生活習慣病予防のため,食物繊
まず,健康コーナーにおいて「なんでも相談
維とカリウムについて,新たに6~17歳の目
室」を開き,タッチパネルを使用した簡易認知症
-6-
のチェックをしたところ,約80名の来場がありま
医療とふくしの相談室は,医師,歯科医師,薬
した。
剤師,看護師,理学療法士・介護支援専門員等の
また,山陽女子短期大学の先生と学生さんと一
多職種が高齢者の健康上,生活上の困りごとの相
緒に「栄養クイズ」を行いました。こちらも大好
談を月に1~2回各地域を巡回する形で開催され
評で,子どもさんから高齢の方まで,総計120名
ております。
の方が参加してくださいました。
今回のミニ講座は「ロコモと低栄養予防で元気
今回,地域の住民の方たちと接することが出来
で長生き!」をテーマとしたところ,“テーマに
たこと,医師をはじめ,地域の多職種の方と連携
関心があって参加しました。”とお嫁さんが姑さ
し活動できたこともいい経験となりました。
んに付き添って来られたり,地域の民生委員さん
これから,「地域での連携」「在宅」がとても
や地域包括支援センターの関係者等が集われたり,
重要になってくると思います。廿日市市五師士会
元気で長生きを願っている多くの方が参加されま
のなかで「栄養士」として何をできるかをさらに
した。
アピールし,地域の人が元気になる支援をしたい
ミニ講座の内容は,次のとおりです。
と考えます。
「健康寿命を延ばすには…」
・メタボとロコモケアで6割以上が予防可能
・ロコモの予防には運動だけでなく低栄養の予防
が大切,バランス良く食べましょう。
・筋力アップには特にたんぱく質を効率良くとり
ましょう。水分も大事。
「食欲がない時や体調がすぐれない時は‥」
・食べることを楽しく
手土産に,レシピ「いつもの料理に高たんぱく
食材を1品」を当会のキャラクター入りクリア
ファイルに入れて配布し,栄養士会のPRもしま
した。
栄養に関する相談では,“牛乳が飲めないので
豆乳でも良いですか?”“妻が作る料理は温野菜
が多いが,生野菜とどっちが良いですか?”“歩
くのも難しくなっているが,食事は作るようにし
ています”などといった健康意識を高くもたれた
方が多いような印象を持ちました。
最後に,行政やスタッフとのケアカンファレン
スが行われました。
「廿日市市五師士会」は,廿日市市の保健・医
療・福祉に携わる専門職が連携・協働して地域住
「医療とふくしの相談室」で
多職種が連携
民が健康に安心して暮らせる地域づくりに貢献す
ることを目的に,医師,歯科医師,薬剤師,看護
師,理学療法士,社会福祉士,介護支援専門員,
広島西支部 國末 礼子
栄養士の8団体で構成されております。廿日市市
平成27年3月5日,廿日市市宮内市民センター
栄養士会(廿日市市に勤務または住所を有する広
において「廿日市市五師士会ヘルスサポートネッ
島県栄養士会員36名)は平成25年度から入会し活
ト・ちょっとひと息 医療とふくしの相談室」が
動をしております。これからも,他職種と連携し,
開催され,広島西支部事業として廿日市市栄養士
地域づくりにお役に立ちたいと考えます。
会がミニ講座と相談を行いました。
-7-
職域事業部事業報告
きで糖を筋肉の細胞内に取り込む事ができるよう
学校健康教育部
になること。そして何より,運動をすることで,
ホルモン(総称マイオカイン)が出て,全身に多
「筋肉の働きと運動の重要性」
を実感!
くの効果を与えることを教えていただきました。
運動は痩せるためだけでなく,「最強の薬」と
言われるほど,人間の健康を支える上で非常に大
学校健康教育事業部 香川 里美
切なものでした。仕事の中でも,食べることと運
平成27年1月17日(土)に広島県健康福祉セン
動する事を合わせて考え,トータル的な視点から
ターにおいて,平成27年度学校健康教育部研修会
の指導をしていく必要があることを,強く感じる
が開催されました。研修会では「栄養士のための
ことができた有意義な研修会でした。
運動生理学~筋肉の役割を中心に~」と題し,首
最後に,今回の研修については,医療や社会福
都大学東京人間健康科学研究科・ヘルスプロモー
祉関係の皆様など,各方面から多数の申し込みを
ションサイエンス学域准教授の眞鍋康子先生に,
いただきましたが,会場の関係で人数を制限させ
午前・午後に渡ってご講演をしていただきました。
ていただきましたことをお詫び申し上げます。
午前中は,「骨格筋」を中心とした「筋肉」に
ついてのお話でした。「骨格筋」の構造や,カ
ルシウムがスイッチとなって生体の電池である
ATP・ADP・AMPを使って動くこと,糖や脂質
からATPが作られる仕組みなどを具体的に教え
ていただきました。
午後は,先生の「運動は痩せるためだけに必要
か?」という問いかけから始まりました。
日本で急増しているⅡ型糖尿病では,「インス
リン」が出ても,糖を骨格筋や脂肪細胞,肝臓な
どにスムーズに取り込むことができない「インス
リン抵抗性」が原因で,血糖値を下げることがで
きない状態が起こること。しかし,運動(骨格筋
収縮)をすると,ATPがAMPとなり,酵素の働
メディアなどでも連日放送されるなど健康意識
地域活動事業部研修会
が高まっており,なかでも「減塩」は健康食の永
遠のテーマであり,大きく注目されています。今
「適塩料理の工夫」
~素材を活かす料理法~
運動分子生物学研究室HPより
回,減塩料理におけるプロの技を実演により教え
ていただきました。講師はANAホテルの総料理
長 澤村収二シェフです。メニューは“ホタテ貝
広島北支部会員 大下 晶子
の菜園仕立て”バルサミコ酢を煮詰めて濃縮する
平成27年2月1日広島県健康福祉センターで地
ことで味が増すという言葉を使われ,下味を付け
域活動事業部研修会がありました。
ないホタテを濃縮バルサミコソースで美味しくい
-8-
ただけました。またトマトをオーブンでじっくり
減塩料理以外にも食材の切り方,食材の大きさ
火を通してドライトマトにすることも,トマトの
を揃えること,完成した時の色やイメージが大切
旨みが増すポイントでした。それと“バルサミコ
であるなど,調理のコツも普段の栄養業務の中で
ソース鱸のポワレグルノーブル風”はスズキも下
学ぶ機会は少ない為大変貴重な時間となりました。
味無しですが,白ワインのフランベで香りが付き,
食のプロの調理師と栄養士がタッグを組めば「減
バターをはしばみ色まで煮詰めてソースにするこ
塩」をより素晴らしいものに変えていけるのでは
とで,コクが出ました。3品目は“野菜たっぷり
と感じずにはいられない研修会でした。
チキンのポトフ風生姜の香のポトフ風”は野菜を
先に焼き色をつけることで旨みを閉じ込めて,煮
込んでも味が逃げない工夫がありました。
今回は煮詰める,濃縮がコツだったように感じ
ました。洋食と和食食材とのコラボレーションや
地域活動事業部 午後の部 効果的な個別指導について
地域事業部 碓井 智代
塩の代替食品の利用など他職種ならではの視点か
午後からは,新谷地域活動事業部長の「効果的
らみた新たな「減塩」は斬新でありとても楽しく
な個別指導」について演習がありました。
学べました。
まず,会員の伊木専門委員との模擬栄養指導が
行なわれ,その後グループに分かれ,内容と検査
データをもとに対象者の性格を討議し,対象者に
合った指導ポイントを2つにしぼってロールプ
レーイングをしました。対象者は冷静なタイプで
分析好き,数字やデータで納得するタイプという
設定でした。4班に分かれて行いましたが,指導
ポイントや性格は各班ほぼ把握されていました。
アプローチは各班個性的で,昼食の改善点を手振
りをまじえながら具体的に数値を示し,新谷部長
からの突っ込みをうまく返し納得をしてもらうよ
う話をしていました。
新谷部長は,対象者の性格を踏まえて栄養士役
の方の質問や説明を聞き,対象者が納得して生活
改善をするためのコツを指導してくださいました。
相手の性格に合った指導方法を考える演習の内
容もよかったですが,人が指導する様子を知るこ
とが普段無い為,全てにおいて,とても勉強に
なった研修会でした。
-9-
ん
さ
員
会
テキな
ス
第二みみょう保育園管理栄養士 道祖 友美
微妙福祉会グループには,保育園や幼稚園,認
定こども園などを合わせると9つの園があり,現
在,私はその中の“第二みみょう保育園”に勤め
ています。
「保育園ではどんな仕事をしているの?」と思
われているかもしれませんが,当園の給食室で
は,普通食以外にも体調不良の子や口腔内の怪我
所となるため,防災備蓄や炊き出しの訓練も行っ
などがある場合の個別対応の食事,食物アレルギ
ています。
ーや宗教への対応をした食事を作っています。ま
3年前からは新採用者の研修でも発達段階に応
た,離乳食は家庭によってそれぞれ進み方が異な
じた食育のねらいや食に関わる保育環境など,給
るので,保護者や担任と話し合いながら家庭との
食の立場として話をする機会を設けています。食
連携を基に進めています。また,“食育やクッキ
事を“作る人”と“食べさせる人”の連携が在っ
ング保育=管理栄養士・栄養士の仕事”だと思わ
て初めて子どもの食事環境を整えることができる
れる方もいらっしゃると思いますが,当園では
と思います。そのために,実際に離乳食の食事を
子どもに“給食を作ってくれる人への感謝の気持
食べてもらい,食べにくい姿勢で食べることの難
ち”を育むために,クッキング保育の時には管理
しさや食事介助の時のスプーンの位置,食材の大
栄養士・栄養士は勿論,調理師,調理員など全て
きさ,ひと口量など,実際の体験を通して食事環
の職員も参加するようにしており,調理のポイン
境の大切さを理解してもらうようにしています。
トや食材の特徴などを説明したり,一緒にクッキ
勤めて8年が過ぎましたが,現在でも“子ども
ングをしたり,交流を図る事で,食が身近なもの
に合った食事を提供すること”や“保育園の管理
として考えられるよう心掛けています。他にも,
栄養士の仕事”とはどのようなものか考えなが
園開放での栄養相談や試食会を通して地域の保護
ら,日々精進しております。
者への支援,また災害時には保育園が一時避難場
関連機関からのお知らせ
日本栄養士連盟活動
日本栄養士連盟広島県支部 支部長 石田 洋子
連盟の活動に関しましては,いつもお世話になっています。
3月6日に自由民主党栄養士議員連盟総会が東京衆議院会館で開催され,日本栄養士連盟は日本栄養
士会との話し合いで27年度予算・税制に関する要望書が提出されました。
要望の重点項目として
① 高齢社会における医療・介護制度改革の体制整備
② 国民の健康寿命延長のための施策の充実
③ 2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けてスポーツ栄養の充実の3点です。
くわしい内容は,配布いたしました「連盟だより」をご覧ください。
- 10 -
栄養士,管理栄養士の労働環境,働く場の拡充,
会費納入方法
身分の向上等の改善等のためにも,政治力が欠か
年会費は2,000円です。次の2通りの方法
せません。
があります。
私たち自身の輝く明日のためにも,是非,連盟
1)郵便口座振り込み
活動にご協力ください。
口座番号 01370-3-103515
今年度から会費納入方法が本部納入から支部納
口座名 日本栄養士連盟 広島県支部
入となり,郵便振り込み用紙を送付させていただ
①会員番号 ②所属職域 ③名前
いています。
④住所 ⑤電話番号
ご協力よろしくお願い致します。
を記入してください。
2)栄養士会研修会等での現金納付
理 事 会 報 告
国新聞社を通じて寄付) 第4回会議
(9)減塩レシピ(広島県ホームページ掲載)
日時:平成26年11月1日(土)
(10)書面審議結果
13:00~17:00
(11)広島県監査結果
場所:広島市南区地域福祉センター
(12)厚生労働大臣表彰(國末前理事),広島県
1 報告事項
食育推進功労者表彰(松原前会長)受賞
(1)会議・研修会
2 協議事項
・中四国ブロック会長会議(8/27)
(1)県民の暮らしと健康を考える会の負担金の
・第4回常務理事会(10/23)
承認(昨年同様1万円)
・病院医療関連職全国リーダー研修会
(2)平成2 6 年度後半事業「栄養と健康 セ ミ
(4/19)
ナー」
・病院医療関連職中四国リーダー研修会
案の練り直し
(3)行政栄養士配置促進に関する要望書
(8/30)
・全国行政栄養士育成のための全国リー
ダー研修会(4/26)
(4)会員加入状況及び会員増対策
・災害支援チーム(JDA-DAT)リーダー
対象フォローアップ研修(8/23)
出来るだけ自動引落しにするよう依頼
(5)広島県栄養改善学会の発表形式の変更
・プランニグマネージャー対象連絡会議
安芸太田町に提出することで承認
パネルにポスター掲示して行う示説発表追
(8/23)
加の承認
・関係団体等会議・委員会
(6)松本事務所契約(税理士)
(2)栄養ケア・ステーション受託事業
確認事項が未回答なので,異議が生ずれば
(3)他団体からの後援依頼状況
役員に諮る。
(4)平成26年度中間決算状況
第5回会議
(5)第4回日本栄養士会災害支援チーム
(JDA-DAT)リーダー育成研修参加者の
決定
日時:平成27年2月28日(土)
13:00~17:00
(6)日本栄養士会の災害支援報告書
場所:比治山大学健康栄養学部
(7)災害支援打合せ会
1 報告事項
(8)広島市8月土砂災害支援金(総額51万円中
(1)当会会議
- 11 -
・第4回理事会議事録(11/1)
(7)他団体からの後援依頼状況
・第5回常務理事会(2/17)
(8)行政栄養士配置促進に関する要望活動
・総務委員会(2/13)
(9)会員加入状況
・生涯教育委員会(12/10)
(10)岸田名誉会長叙勲祝賀会
(2)日本栄養士会関係会議等
2 協議事項
・第2回諮問会議(2/14・15)
(1)平成26年度補正予算(生涯教育研修)
・生涯教育担当者会議(11/22)
の承認
・第4回JDA-DATリーダー育成研修
(2)終了事業の承認
(3)平成27年度事業計画・予算の承認
(11/8・9)
・第2回中四国医療職域リーダー育成研修
(4)平成27年度事業年間スケジュール
(5)平成27年度資金調達及び設備投資の見込み
(1/24・25)
・学校教育事業部全国リーダー研修
について
(12/5)
(6)申し合わせ事項の変更の承認
・研究教育事業部中四国ブロック職域組織
・旅費規程,日当金額の変更
・広島県栄養改善学会運営要領の改正
代表者会議(2/8)
(3)関係団体等会議・委員会
(7)支部及び職域事業部研修会の生涯教育単位
認定手続きについて
(4)書面審議結果
(5)自主グループ研修事業の助成額の決定
(8)賛助会員入会の承認
(6)認定栄養ケア・ステーション事業
月桂冠㈱,㈱全国訪問健康指導協会の2社
お 知 ら せ
1 平成26年度(公社)広島県栄養士会会員数(平成27年3月31日現在)
医 療
A H25年度会員数
H27・3月会員数
B H27・3月継続
H27・3月新入
H26年度継続率(B/A)
569
548
494
54
86.8%
学校
勤労者
研究教育 公衆衛生 地域活動 福 祉
健康教育 支援
83
27
84
62
270
300
81
29
94
66
249
277
75
23
83
59
235
252
6
6
11
7
14
25
90.4%
85.2%
98.8%
95.2%
87.0%
84.0%
合 計
1,396
1,344
1,221
123
87.5%
2 変更は速やかに事務局へ!
氏名,住所勤務先等に変更があるときは事務局へ書面にてお知らせください。会員番号も必ずお書
きください。郵送物の宛名に間違いはないか,訂正されているか等の確認をお願いします。
3 事務局勤務日 月~金曜日(祝祭日は除く)の10:00~17:00です。
原稿募集
編集後記
次号の原稿を募集していま
2015年度は「日本人の食事摂取基準(2015年版)」,「食品
す。800字以内(写真があれば
表示法」,「日本食品標準成分表2015」など,次々と新しくな
600字以内)原稿用紙 A4でお
ります。日々変化していくこれらのことに対応していくために
願いします。
も,常に新しい情報を求め,勉強していく必要があります。
また,ホームページにのせた
昨年度から始まった新生涯教育制度に積極的に参加していき
い情報等も同時に募集いたしま
ましょう。
す。あわせて事務局まで。
広報部 中野 尚子
- 12 -
- 13 -