能登やさしいこめづくり情報 田 植 え 編 〔今回のポイント〕 ● ● ● ● ● ● ● 平 能 能 J 成 2 7 年 4 登 米 振 興 協 議 登米生産者協議 A お お ぞ 月 会 会 ら ● 浅植えの徹底で、初期分げつ(有効茎)を確保! 浅 植 え は 、 茎数:本/㎡(5/18 時点) 近年、徒長苗による植え傷みや、浮き苗の発生を懸念した、 初 期 生 育 を 浅植(3cm) 150 深植(5cm) 促進します。 過度の深植えほ場が散見されます。 深植えは、初期分げつの発生を抑制します(右図) 。その結果、 100 出穂や登熟のバラツキが発生し、未熟粒による品質低下や、屑米の発生 による減収を助長します。 50 本年は、穂となる有効茎を早期に確保し、より一層の品質向上を図る ため、浅植えを徹底しましょう。 0 植付けの深さは、2~3㎝(第1葉が見える程度)が目安です。 中能登町 七尾市 小田中 田鶴浜 田植え前には、田植機の植付け深度の設定確認をお願いします。 【図】植付深による初期生育の違い(H24) ムレ苗や老化苗対策で、農薬や 肥料を使用した場合、農薬の成 分数や化学肥料窒素の成分量 がカウントされます。 エコ栽培を実施するため、農 薬・肥料に頼る必要のない健苗 の育成に努めましょう。 〔田植え前後の管理について〕 1 田植え前の準備について (1)苗の硬化 ①日中はハウス内の換気に努め、15~20℃で管理する。 ②田植え 4~5 日前からはハウス側面を開放し、苗を外気にならす(順化) 。 (2)苗の障害対策 ①ムレ苗対策 タチガレン液剤 1成分(500 倍液 500ml/箱)を散布し、寒冷紗等で遮光して葉からの蒸散を抑える。 ②老化苗対策 液肥 10 号(200 倍液 500ml/箱)1g/箱 を田植え 3~4 日前に施用し、施用後は葉やけ防止のため潅水する。 (3)代かき ①田植えの精度やイネの活着に影響するので均平を心がけ、丁寧に行う。ねりすぎにならないよう注意する。 ②田植え日や苗の葉齢を考慮して計画的に実施する。 植付深度は、初期分げ つ確保のため、2~3 2 田植え作業について ㎝の浅植えとしてくだ (1)時 期:高温登熟を避けるため5月に入ってから行う。 さい(上記参照) 。 (2)植付本数・株数:本数は1株当たり3~4本、株数は坪当たり60株以下とする。 ※中山間地・低地力田・遅植えの場合は、未熟粒発生防止のため過度の疎植は避ける。 (3)田 植 え 直 後:苗の保護、除草剤効果を安定させるため、深水管理とし、活着後は浅水管理に切り替える。 3 基肥施用について【能登米(コシヒカリ)は化学合成肥料窒素成分量5.6kg/10a 以下】 施肥体系 肥 料 名 BB有機入り能登コシ一発 基肥一発 BBけい酸パワー・コシ一発くん 施 用 量(㎏/10a) コシヒカリ 20~上限 30 40~上限 55 BB新早生一発くん 分施体系 BB高度056号 能登ひかり 30~35 25~上限 28 30~35 ※注意 1:施用量は地力に応じて加減して下さい。 2:コシヒカリは、化学窒素成分量を3割削減した能登米栽培のため、施用量の上限を厳守してください。 3:基肥は代かき直前(全層施肥)または田植同時(側条施肥)で施用してください。基肥一発体系 の全層施肥の場合、田植えまでの日数が開くと、肥料の溶出パターンとイネの生育ステージにズ レが生じるので、5日以上開けないようにしてください。 4 病害虫防除・除草剤の使用について (1) 苗箱施薬剤の散布について 苗箱施薬剤名 散布時期 Dr.オリゼフェルテラ粒剤 2成分 田植3日前 ~田植当日 散布量 主な対象病害虫 いもち病、白葉枯病、ツマグロヨコバイ、フタオ 1 箱当たり ビヤガ、イネミズゾウムシ、イネドロオイムシ、 50g ニカメイチュウ、イネツトムシ ※JA水稲育苗センターからの購入苗には苗箱施薬剤が散布済みの苗があります。苗箱施薬剤散布済みの苗の 場合、薬剤は散布しないでください。 (2)除草剤の使用について 区分 除草剤名 10a使用量 2成分 エーワン1キロ粒剤 エーワンフロアブル 使用時期 ※残草・後発生があった場合 区分 除草剤名 10a使用量 1㎏ 500mL 移植後5 日~ノビエ2.5 葉期 300g アトトリ1キロ粒剤 1成分 後期剤 3成分 初中期一発剤 エーワンジャンボ ※多年生雑草が残った場合 4成分 バッチリフロアブル 500mL バッチリジャンボ 400mL 移植直後~ノビエ2.5 葉期 ※広葉・多年生雑草が残った場合 ビッグシュアZ1キロ粒剤 1㎏ 移植同時~ノビエ2.5 葉期 バサグラン粒剤 シリウスエグザ1キロ粒剤 1㎏ 移植同時~ノビエ2.5 葉期 マーシェット1キロ粒剤 1㎏ 田植同時~ノビエ1 葉期 ベクサーフロアブル 500mL 田植同時~ノビエ発生始期 移植同時~ノビエ2.5 葉期 3成分 1㎏ 中期剤 1成分 初期剤 バッチリ1キロ粒剤 ※ノビエが残った場合 ヒエクリーン1キロ粒剤 マメットSM1キロ粒剤 使用時期 1㎏ 田植後20 日 (稲5 葉期以降) 1㎏ 田植後15 日~ ノビエ4 葉期 3㎏ 移植後15~50 日 (落水散布) 1㎏ 移植後20~30 日 ノビエ3.5 葉期 ・エコ栽培のため、除草剤の化学農薬成分回数は、4成分以内に抑えるよう努めましょう。 ・除草剤の有効成分は、一旦水中に溶け出した後、徐々に土壌表面に吸着され、除草効果を発揮します。 安定した効果を得るためには散布後5~7日間は止め水とし、落水やかけ流しはしない。 ・雑草は代かき直後から発生するので、代かき後日数と気温に留意し、ノビエ適用葉齢以内に散布しましょう。 (参考)代かき後日数とノビエの葉齢の関係 ノビエの葉齢 代かき後の日数 (平年の場合) 羽咋 志賀 七尾 輪島 珠洲 1.0 葉期 8日 8日 8日 8日 10 日 1.5 葉期 12 日 13 日 13 日 13 日 15 日 2.0 葉期 16 日 17 日 17 日 18 日 19 日 2.5 葉期 20 日 21 日 20 日 21 日 23 日 3.0 葉期 23 日 25 日 24 日 25 日 27 日 1葉期 2葉期 3葉期 ※5 月 1 日に代かきを行なった場合を平年の有効積算温度により試算 5 補植作業について (1)20 株に1株程度の欠株なら、補植は不要です。 隣接株の補償作用で減収にはつながりません。 (2)補植作業は、田植え後早いうちに行いましょう。 除草剤散布後の補植作業は、補植苗の生育抑制や枯死、足あと部分からの雑草発生の原因になります。 田植えからの日数が経ってからの補植作業は、生育・登熟ムラの原因になります。 (3)補植苗は、いもち病の発生源となるので、補植作業終了後は速やかに撤去してください。 安全・安心な環境にやさしい能登のこめづくりルール □安全・安心な農作物を提供するため、農薬はラベルに記述してある使用方法を厳守してください。 □水稲育苗ハウスの後作に野菜を栽培する場合は、ハウス内で農薬を散布しないでください。(農薬が残留すると野菜の出荷・販売は出来ません) □河川の生きものなど環境配慮の観点から、代かき作業は浅水で行い、田植え前の強制落水は避けてください。 □特に代かき時の濁水を排水することは避けてください。
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