地産地消 ―天橋立盛夏の恵み― 焚合せ 重ね和牛冬瓜 ひさご丸十 浮人参 新銀杏六方 共地餡 青柚子 造 り あこう洗い 本鮪とろ 車海老 花穂 本わさび 寄せ若布 土佐醤油 前 菜 網ほおずき玉子 桃葛饅頭 青柿小芋 うちわ真丈 西瓜サーモン 風鈴じゅんさい 短冊唐墨 先 附 生雲丹養老寄せ 生うに 才巻 岩茸 天わさび 割ぽん酢 吸 物 玉蜀黍すり流し 鮑葛打 道明寺団子 輪切オクラ 撮影:浅井智也 デザート カルピスゼリー掛け 無花果 マンゴー メロン くこの実 酢 物 太刀魚南蛮漬 蛇腹胡瓜 酢取茗荷 土佐酢 留 椀 清汁仕立 焼 物 飛魚つみれ 焼茄子 かもじ葱 露生姜 すずき南京焼 射込み白瓜 朝顔大根 揚 物 いさき煎餅 琴引の塩 レモンを添えて 香 物 生姜甘酢漬 大根 冷 鉢 飯 小さな丹後ばら寿司 さばおぼろ 錦糸玉子 椎茸煮 赤小袖 枝豆 青竹たべそ(丹後産 赤米うどん) 鰻 椎茸 鶉玉半熟 三つ葉 生姜 旨出汁 葉月の煮物 穴子翡翠巻 芋茎香梅漬 実山椒西京漬 お多福黒煮 葡萄茄子 南瓜 三度豆 銀餡 裕亮 ザ グラン リゾート プリンセス 有馬 執行役員 総料理長小山 和夫 残夏の焚合せ すっぽん黄身霙煮 瓢冬瓜 赤万願寺 茄子 蓮根梅煮 露生姜 ホテルサンルート関空 統括料理長 福田 2015年 8月号 味感 34 35 味の饗演 〈レシピはP37〉 〈レシピはP37〉 残夏の焚合せ 小山 和夫 塚原 巨司 涼風葉月の冷し煮物 食欲が落ち気味な季節に、 滋養 強壮や美容に良い鼈を使い、 見た 目も気にならず、 食べやすい料理 にしました。 福田 裕亮 夏の 暑い時 、冷 た く し た 焚 き 合 せに 山 椒の 実 を 食 す 事 で 、 味 のア ク セン ト に な り 、弱っ た身体の滋養に成ります。 葉月の煮物 の段 真 夏 日 真っ 盛 り の 葉 月 に 旬 の 食 材 、冬 瓜・鰻・夏 合 鴨・毛 蟹・グ リ ーンア ス パラ 等 を 日 本 料 理の 調 理 技 術 を 駆 使 し 、 独 自 に 表 現 、演 出 し 、彩 り よ く盛り込んでみました。 葉月の煮物 小山 和夫 ◆穴子翡翠巻 ① 穴 子 を 開 き、 霜 降 り し、 滑 り を 取 り、 玉 酒 一・〇 八 リットル、淡口醤油九〇㏄ 、濃口醤油九〇㏄ 、赤酒 一八〇㏄ 、砂糖を入れ、炊き上げる。 ②レタスは一枚ずつ剥がし、炭酸水に漬け、色よく茹 でて色止めをし、白出汁八六四㏄ 、酒一四四㏄ 、塩 少々に漬ける。 ③百合根は掃除し、一枚ずつばらし、塩蒸し、裏漉しし、 出汁で少しゆるめる。 百合根の邪魔にならない味にする。 ④①、②、③を、レタスを開け、穴子、百合根、穴子 と置き、しっかりと巻き、綺麗に切る。 ◆葡萄茄子 ① 水 九 〇 〇㏄ に 炭 酸 一 〇g 、 塩 六 〇g 、 明 礬 三 〇g 、 リンゴ四分の一個を千切りし、作る。 ②小茄子は針打ちとし、①に一時間程漬けた後、茄子 を揉み込む。 ③②の茄子を油で揚げ、油抜きし、水に晒す。 白 出 汁 一・四 四 リ ッ ト ル、 淡 口 醤 油 一 四 〇㏄ 、 味 醂 一四〇㏄ 、砂糖少々で炊く。 ◆芋茎香梅煮 ①ダツの皮を剥き、水に晒し、立て塩、明礬に三十分 漬け、鍋に水を張り、大根おろし、酢、鷹の爪を入 れ、茹でて丘上げとし、冷まし、水に晒す。 ②白出汁八六四㏄ 、酒一四四㏄ 、塩、梅肉、煎り米を 入れ、漬ける。 梅肉を少し入れるので、味醂を少し入れ、味を調える。 煎り米を入れる事でコクを出す。 ◆南瓜 南 瓜 は 木 の 葉 に 剥 き、 白 出 汁 九 〇 〇㏄ 、 淡 口 醤 油 九〇㏄ 、味醂九〇㏄ 、砂糖少々、追い鰹出汁で炊く。 ◆お多福黒煮 ①水一・八リットル、イースト菌五g 、炭酸二g の水で、 炊飯器で五分炊飯し、半日保温のまま豆を戻す。 ②イースト菌と炭酸をしっかりと抜く為に、よく水に 晒す。 ③ 水 三・六 リ ッ ト ル に 対 し て 硫 酸 第 一 鉄 を 五g 入 れ、 九〇 ℃を保ちながら、色が付くまで戻す。 ④ 色 が 付 い た ら、 水 に よ く 晒 し、 水 三・六 リ ッ ト ル に 対して炭酸五g を入れ、九〇 ℃を保ちながら二日間 戻す。 ︶ ︵鉄を抜く為に、何度か水を替えて戻す。 ⑤豆が戻れば、よく水に晒す。 ⑥水一リットル、砂糖二〇〇g 、淡口醤油一〇〇㏄ で 炊いていく。 ◆三度豆 三 度 豆 は、 炭 酸 水 に 漬 け、 色 よ く 茹 で、 色 止 め し、 白出汁四三二㏄ 、淡口醤油三六㏄ 、味醂三六㏄ に漬 ける。 ◆実山椒西京漬 ①五月頃の山椒の実を掃除し、水に一度よく晒し、立 て塩に半日程漬ける。 ②銅鍋に濃口醤油で振り、緑青を取り、水を張り、① の山椒を入れ、一度茹でる。 この時には、長く湯がかない。 ③新しい水を入れ、実山椒をじっくり湯がく。 二回程繰り返し、一昼夜水に晒し、えぐみを抜く。 ④山椒の実を丘上げし、空蒸しにし、西京漬にする。 残夏の焚合せ ◆すっぽん黄身霙煮 蕃茄餡 石垣冬瓜 身巻グリーンアスパラ 巨司 塚原 巨司 ◆石垣冬瓜 蕃茄餡 振り青柚子 剥き、重 曹を入れた塩で皮目を擦り、 ①冬瓜は皮を 柔らかく戻す。戻した冬瓜は塩味の八方地で煮 含める。 ②全卵の卵を割り、同割の玉地を作る。その玉地 と丘上げした冬瓜を合わせて、適宜な大きさの 流し缶に入れ、蒸し器で蒸し上げる。 ③蒸し上がったら、よく冷まし、適宜な大きさに 切る。 ④蕃茄餡のトマトは湯剥きして、ミキサーでペー スト状にする。 吉野葛で塩味の餡を作り、先のトマトと合わせ、 冷し込む。 ◆毛蟹吉野煮 ①毛蟹は束子でよく洗い、強火の蒸し器で約十五 分間蒸す。 ②蒸し上がったら、足爪の部分︵よく身の付いた 部分︶を殻から外し、細かく擂り潰す。 ③吉野葛を付け、出汁、淡口醤油、酒、味醂で味 付けした出汁で毛蟹の吉野煮とする。 ◆鰻印籠煮 ①鰻は筒切りにして焼台で焼目を付ける。焼いた 鰻は蒸し器で十分程蒸し、中骨を抜く。 ②牛蒡は米の研ぎ汁で柔らかく戻し、野菜八方の 出汁で下味を付ける。 ③先の鰻に炊いた牛蒡を詰め込み、酒、濃口醤油、 味醂、砂糖にみじん切りの生姜を入れ、艶よく 炊き上げ、鰻の印籠煮とする。 ◆小芋直煮 小芋は皮を剥き、鰹出汁で直煮とする。 ◆万願寺唐辛子伽羅煮 万願寺唐辛子を適宜に切り、フライパンに胡麻 油を入れ、万願寺唐辛子を炒め、出汁、酒、濃 口醤油、砂糖、味醂で味付けをする。 ◆夏合鴨ロース煮 身巻グリーンアスパラ ①合鴨ロースは捌 いて上身とし、フライパンで焼 目を付ける。 ②焼目の付いた合鴨ロースを、酒、濃口醤油、砂 糖で煮込み、合鴨ロースとする。 ③グリーンアスパラは塩焼きする。 ④②の合鴨ロースを薄切りして、焼いたアスパラ を身巻とする。 ◆千石豆 ①千石豆は重曹、塩を入れた湯で湯がく。 ②湯がき上がった千石豆は、野菜八方の出汁に漬 け込む。 涼風葉月の冷し煮物 シェラトン都ホテル大阪 日本料理﹁うえまち﹂ 副料理長塚原 千石豆 夏合鴨ロース煮 万願寺唐辛子伽羅煮 小芋直煮 鰻印籠煮 毛蟹吉野煮 振り青柚子 涼風葉月の冷し煮物 福田 裕亮 すっぽん黄身霙煮を三貫、蓮根梅煮を二枚、瓢 蓮根は花に剥き、梅煮にする。 ◆蓮根梅煮 茄子は油で揚げ、油抜きをし、水に晒す。 ◆茄子 赤万願寺は焼いて薄皮を剥き、八方地に浸す。 ◆赤万願寺 湯がいて、鼈スープに追い鰹をして炊く。 冬瓜は瓢に剥き、皮を剥き、炭酸塩を擂り込み、 ◆瓢冬瓜 出汁に、大根おろしを入れて素早く炊く。 鼈スープ六、鰹出汁六、淡口醤油一、味醂一の ます。 を潜らせて一七〇 ℃の米油でサッと揚げて、冷 ③②を適宜な大きさに切り、打ち粉をして、卵黄 冷やして煮こごりにする。 ちにスープを軽く切り、ラップと巻き簾で巻き、 い当たりを付けた少量のスープで炊き、熱いう ②刃叩きした身に細かく切った焼き葱を入れ、薄 しておく。 漉してスープを取り、身はせせって軽く刃叩き 三十分炊く。 トルを入れ、沸く前に昆布は引き上げ、一時間 鍋に昆布と生姜、酒一・八リットル、水一・八リッ ①鼈を捌いて湯洗いし、薄皮を剥いて掃除する。 〈レシピはP37〉 冬 瓜、 万 願 寺 を 綺 麗 に 盛 り 付 け、 出 汁 を 掛 け、 生姜を搾る。 2015年 8月号 味感 36 37 味の饗演 葉月
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