第2章 疾病予防 2015年6月3日 第2回と第3回 教科書 27-43頁 第2章のSBO • • • • • 1.疫学の頻度の測定→主な指標を理解する 2.疫学の手法を理解する 3.サーベーランスを理解する 4.スクリーニングを理解する 5.疾病の経済評価を理解する 総論 • 1)疾病予防の目的 • 2)家畜の3大健康因子 • 3)家畜の健康課題への取組 1)疾病予防の目的 • 家畜を適切な飼育環境で健康的に飼育し、 家畜が有する生産性を最大限に発揮させて、 良質の畜産物を持続的に社会に供給するこ と。 • 最適な飼育環境>良質な動物性食品>安全>動物福祉 2)家畜の3大健康因子 病因、環境、宿主 家畜の健康や発病の状況: 病因、環境、宿主の3要因に規定 • 発病:これらの要因の • 不均衡なバランスの結果 3)家畜の健康課題への取組 • 「家畜伝染病予防法」 • 「牛の個体識別のための情報管理および伝達に関する特 別措置法」 • 「家畜排泄物の管理の適正化及び利用促進に関する法律」 • 「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する 法律」 • などが改正され、予防措置が強化された。 生産病・周産期病 • プロダクションメディスン:産業動物獣医療 • ハードヘルス:群管理衛生 • 定期的巡回検診 • 代謝プロファイルテスト • HACCP 自発性感染症、生産病・周産期病 自発性感染症の発生原因 • ストレスとの複合作用に基づいて多様化・複雑化・慢性化 生産病・周産期病 • 飼養管理の不備によることが多い 総合的家畜群の健康診断・評価手法の導入 • 新しい疾病予防技術:プロダクションメディスン、定期・巡回 検診やハードヘルス(家畜群管理衛生)、代謝プロファイルテ スト 疫学とは? • 「明確に規定された人間集団の中で出現する健康 関連の色々な事象の頻度と分布およびそれらに影 響を与える要因を明らかにして、健康関連の諸問題 に対する有効な対策樹立に役立てるための科学」 • Epidemiology • epi=upon, demos=people, logos=doctrine • 「人々の中で起きている諸事象に関する学問」 1)疫学の目的 「集団を対象として、健康上の問題の発生頻度、分布、要因を 分析すること」 • 獣医学分野の疫学:対象は、動物の疾病と生産性に関する 健康上の問題 • 家畜の疾病発生によって生産性が低下することが問題。 • その意味において、疾病そのものよりも飼育管理上の問題 が、より生産性に影響を与える場合がある。 1)疫学の目的 その2 • 疫学は、疾病の発生状況や発生要因の分析を通じ て、疾病の防除や予防管理などに役立つ情報を提 供することを目的としている。 =どのような疾病が、どのような動物に、いつ発生して いるのかについて、疾病の発生頻度や分布を調べ ることによってその事実を明らかにする。 疾病頻度の測定 • 割合(proportion) • 比(ratio) • 率(rate) 割合(proportion) • 割合とは全体の中で特定の特徴を持つ者が 占める部分の大きさをいう。 • 割合=a/(a+b) • 例)集団中の喫煙者割合 比(ratio) • 比とは、異なるもの同士を割り算で比較した ものである。 • 比=a/b • aは一方の特徴をもつ者の数 • bは他方の特徴を持つ者の数 • 例)性比 率(rate) • 比の特殊な形で、分母が時間になったものを いう。したがって、事象が生じる早さの指標で ある。 • 率=a/b • aは事象の発生数 • bは観察時間の合計 • 例)罹患率、死亡率・・・ 2)疾病の頻度の測定 • 異なる集団間で疾病の発生頻度を比較し、時間的 な変化を把握するために、一定の基準を用いて疾 病の発生頻度が指標化されている。 • 例:罹患率、死亡率、有病率などの尺度 注)それぞれの指標のもつ特徴を理解して用いる必要があり、特に、時間的 な概念を含む指標と単なる割合を示す指標の区別には注意が必要。 (1) 発生率 incidence rate 一定の期間内に新たに動物が罹患する率=罹患率 • ある集団における単位時間当たりの疾病発生頻度を表すも のであり、発生を予測する場合に有効な指標。 • =罹患率は疾病発生のスピード • 分子には新たな罹患動物数を用いるが、観察集団の動物数 は時間ごとに変化するため、分母は実際に個々の動物の観 察期間の総和を用いる。 • 1年間観察で、半年しか観察できなかった場合は、0.5頭と計 算。 • 実際には、観察開始時の頭数と終了時の頭数の平均を分母 とする。 (2) 累積罹患率 cumulative incidence 疾病に罹患していない動物の中で一定期間内に新たに罹 患する動物の割合 =ある動物が一定期間中に罹患する確率 前述の罹患率のほうが優れた指標であり、罹患率が求めら れない場合にのみ次善の策として用いる。 • 集団の頭数の変化が少ない場合に用いられることが多い • 100頭のIBR抗体陰性牛が1年間に20頭陽転した場合、累積罹患率 0.2頭/年 • 母集団が大きい場合は、100万頭、1万頭当たりの頭数で表す場合も 多い。 • 観察期間が長くなれば累積罹患率は増加し、短くなれば減少する。 (3) 有病率 prevalence ある一時点において観察された動物のうち疾病に罹患して いる動物の割合(率ではないので、prevalence rateとは言わない) =分子は観察時点で罹患している動物の総数で、いつ感染 したかは問題としていない 罹患率の観察とは異なり、観察開始時点で既に罹患してい るものを排除しないのが特徴 • ある時点で、100頭の牛で20頭が陽性であれば有病率20% • 発生率が低い疾病でも有病期間が長ければ有病率が高くなる。 • 観察時点での集団の疾病罹患状況を知るのに有効な指標 (4) 死亡率 mortality rate ある集団において一定期間内に動物が死亡する率 =罹患率における疾病発生数を死亡頭数に置き換 えたもの • 死亡率は罹患率と同様に時間的概念を含んだ指数であ り、割合ではない。 • 一般的には、ある期間の死亡数を集団の平均頭数で 割った粗死亡率を用いる。 • 粗死亡率は、年齢などの影響を受けるので、これらを調 整した死亡率を用いることもある (5) 致命率 mortality rate ある疾病に罹患した動物が一定期間内にその疾病 が原因となって死亡する割合 • 疾病の重篤度や病原体の強さの指標となる • 急性疾病の場合は、比較的把握しやすいが、慢 性疾病の場合は長期間観察しなければならず、 その追跡が困難な場合もある。 致命率は10%それとも20%? 考え方:死亡率と罹患率の比 飯寿司(いずし)とは、 • ご飯と魚・野菜・麹を混ぜて桶に入れ、重石をのせて漬け込み、乳酸発 酵させて作るなれずしの一種。飯鮨とも書く。 • 飯寿司は、主に北海道から東北地方で、冬季に作られる郷土料理である。 一般に漬け込まれる魚には、ハタハタ、鮭、ニシンなどが、野菜には、 キャベツ、大根、ニンジン、ショウガなどが使われる。サンマ、ホッケ、カレ イや、きゅうり、タマネギ、サンショウが使われることもある。他のなれずし に比べると漬ける期間は短く、匂いは穏やか。米の甘さと乳酸の酸っぱさ のバランスが良い。 • 昭和26年5月、北海道岩内郡島野村で発生したイズシによる食中毒で、 14人が発病し、4人が死亡した事件は、北海道立衛生研究所初代所長 の故中村豊先生らによって、わが国最初のボツリヌスE型中毒であること が判明した。それ以来、北海道をはじめ、青森、秋田、岩手、福島、滋賀 などの各県でもイズシによるボツリヌスE型中毒が報告されるようになっ た。しかも、そのほとんどが自家製のイズシによる中毒である。 発生率� 3)疫学の手法 観察的疫学研究:記述疫学、分析疫学 • ある動物群の疾病の発生状況や特定の要因への曝露状況 を観察することで、疾病の発生頻度の変化や発生の特徴を 把握し、疾病と原因の関係を明らかにすることを目的とする。 調査集団に人為的に介入する:介入研究 • 疾病の発生や予防に関与すると思われる要因を人為的に集 団に割り振り、要因と疾病の関係をより明確にすることを目 的とする。 疫学的研究のデザイン分類方法 • 観察疫学研究 • • • • 記述疫学研究 生態学的研究 横断研究 コホート研究 • 介入疫学研究 • 個人割付介入研究 • 集団割付介入研究 記述疫学とは? (1) • 宿主の特性、疾病の発生頻度、時間的変化、地理 的分布を記述することによって明らかにし、疾病の 発生に影響を与える要因を推定することを目的 • 疾病の特性を知るための最も基本的かつ重要な 手法 • 宿主特性として重要なもの:年齢、性別、品種 記述疫学とは? (2) • 疾病の発生頻度が動物の年齢によって異なるもの は多い 常識として知っておくこと * 一般的に動物は幼齢期に疾病に罹患することが多く、成熟 するに従って抵抗性を増し、老齢期に疾病への抵抗性が弱 まる:免疫獲得状況や加齢に伴う体力低下が影響。 * 一般に、呼吸器性疾病や消化器性疾病では、若齢動物が 罹患すると重篤な症状を示すが、加齢に伴って症状が軽度 あるいは発症しないものが多くなる。 記述疫学とは (3) • 性別による疾病の発生頻度の違いは、雌雄の機能 的な差や行動様式による差によって生じる * 出産や泌乳に伴う疾患は雌に固有 * ある種の代謝性疾病の発生されやすさは性ホルモンの影響を受ける • 品種による疾病発生の差は遺伝的要因や環境要因 が複雑に絡み合った結果 * 在来種が抵抗性を示す場合でも外来種が導入されると顕在化して問題と なる 記述疫学とは (4) • 疾病の発生頻度を時間的に測定し、地理的分布を 把握することで原因を推定する重要な情報を得られ ることがある * 一峰性の山型のピークを持つ分布:飼料や水を介して一過性に多くの動 物が感染源に曝露された可能性 * 一定の頻度で発生が続いている場合:感染源に継続的に曝露されてい る * 時間経過とともに指数関数的に増加する場合:動物から動物への感染が 生じており、伝染病の流行初期のパターン * 発生パターンに季節変動が見られる場合:ベクターなどの媒介動物の関 与や気温などの環境要因 * 数年単位の周期的変動:集団の免疫保有状況の変化に影響 記述疫学の例(川崎病) • • • • 全国調査によって 1.0歳後半から1歳児で罹患率が高い 2.過去3回の全国規模の流行があった 3.罹患率は除々に上昇している • このような事実(疫学像)が明らかになって、 川崎病の発症には感染症の関与が強く疑わ れている。 発生の特徴を表す用語 散発性発生(sporadic): 少数の発生が時間的、地理的に散在していること ★炭疽、破傷風、散発的発生をする臨床型乳房炎 流行(epidemic):予想を超える頻度で発生した場合 汎流行(pandemic): 流行が拡大し、国境を越えて大規模に発生すること ★口蹄疫、高病原性鳥インフルエンザなど 常在性(endemic): ある一定の頻度で疾病が発生し続けること 中国の鳥インフルエンザ ■鳥インフルエンザ(H7N9)の初めて の人への感染が中国で報告されて3週 間。感染者は97人に。症状や治療歴の 報告などから、肺炎などの急性呼吸障 害が2割以上で起きたことや、高齢者 が重症化しやすいことがわかってきた。 �� ■ヒト̶ヒト感染、完全には否定できず� � 21日現在、感染者は2市4省の計103 人(死者20人)に広がった。2割以上の 患者に急性の呼吸障害が起きていた。� �� H5N1も、勿論、あります・・・ ご心配無く!? 宿主の壁は高い! でも、怖いのは、これ! 疾病の発生パターン (2)分析疫学とは? • 疾病と要因の関係の強さを明らかにする目的で行 われ、疑われる要因と疾病の因果関係を検証する ために行われることが多い。 • 要因とは単に疾病や死亡の直接的な原因となるも のだけではなく、それらの発生を増加させる因子も 含まれる。 (2)分析疫学とは? • これら疾病の発生に関与する因子を総称して、 「リスク因子」と呼ぶ • 分析疫学では、リスク因子と疾病の関係の強さ を数値化して評価 • 家畜衛生の分析疫学では、疾病の発生農家と非 発生農家を比較する 曝露 • 疾病発生の以前に存在する状態を疫学では 曝露と呼んでいる。 • 曝露とは何かを体に浴びる様な印象がある が、「特定の状態」という程度に考えて欲しい。 • 曝露の中でも疾病発生の確率に影響を与え るものを危険因子risk factorと呼んでいる。 曝露 • • • • • 疫学研究における曝露は、 宿主因子 環境因子 社会的環境要因 自然環境要因 分析疫学で用いられる3つの指標 i) 相対リスク(相対危険) ii) オッズ比 iii) 寄与リスク(寄与危険) 表2−1 リスク因子への曝露 疾病 あり 疾病 なし 計 あり a b a+b なし c d c+d 計 a+c b+d a+b+c+d i) ii) iii) 相対リスク a/(a+b) c/(c+d) オッズ比 ad/bc 寄与リスク a/(a+b)-c/(c+d) i) 相対リスク • あるリスク因子に曝露された群が、曝露されてい ない群に比べて、どれだけ罹患しやすいかを表す 指標 * 曝露群と非曝露群の累積罹患率又は罹患率の比で計算 比の解釈 * 相対リスクが2の場合、そのリスク因子に曝露された場合に罹患する 恐れが2倍になることを意味する * 相対リスクが1であれば、リスクと疾病の間には関係がないと解釈 * 相対リスクが0に近づく場合は、その因子が発生を抑制する作用 累積罹患率比(RR) cumulative incidence rate ratio • RR=暴露群の累積罹患率 非暴露群の累積罹患率 • コホート研究において暴露群と非暴露群を一定期間観察し た結果、その期間内に罹患した動物が以下のように認めら れた 要因 暴露群 非暴露群 罹患 あり なし 20 80 10 190 • RR=20/100 10/200=4.0 計 100 200 20%� 5%� 罹患率比 incidence rate ratio (IRR) • IRR=暴露群の罹患率 非暴露群の罹患率 • コホート研究において暴露群と非暴露群を一定期間観察した結果、その 期間内に罹患した動物が以下のように認められた。観察頭数・年 要因 罹患あり 観察頭数・年の計 暴露群 400 40,000 非暴露群 30 6,000 • IRR=400/40000 30/6000=2.0 1%� 0.5%� ii) オッズ比(odds ratio) • 疾病に罹患した群が罹患していない群に比べ、どれ だけリスク因子に曝露されていたかを表す指標 =疾病に罹患した群においてリスク因子に曝露された頭数と曝露されて いない頭数の比と、疾病に罹患していない群の中において同様に求めた 比の相対比から計算 比の解釈 * オッズ比も相対リスクと同様にリスク因子と疾病の関連の強さを表す指 標 * 1から離れるほどリスク因子との関係が強いと判断 * 発生の稀な疾病では、オッズ比は相対リスクの推定値として用いる オッズ比 • オッズとは 見込み のことで、ある事象が起 こる確率pのその事象が起きない確率(1-p)に 対する比p/(1-p)を意味する。一方、別の事象 が起きる確率をqとすると、その事象のオッズ は同様にq/(1-q)となる。 • オッズ比ORはこれら2つのオッズの比のことで、 OR= p/(1-p) q/(1-q) オッズ比 罹患 要因 計 あり なし 暴露群 20 80 100 非暴露群 10 190 200 OR= p/(1-p) q/(1-q)=0.2/(1-0.2) 0.05(1-0.15) =(20 x 190) (10 x 80)=4.75 罹患 計 • 簡単には、20/80 10/190 要因 あり なし 暴露群 20 80 100 非暴露群 10 190 200 iii) 寄与リスク(attributable risk) • あるリスク因子に曝露された場合、どれだけ疾病に 罹患するリスクが上昇するかを示す指標 =疾病の罹患に関してそのリスク因子がどれだけ寄与している かを表す。 =曝露群と非曝露群の累積罹患率または罹患率の差を計算す ることで求める。 寄与リスク(危険) • 累積罹患率差 cumulative incidence rate difference RD • RD=暴露群の累積罹患率−非暴露群の累積罹患率 罹患 要因 計 あり なし 暴露群 20 80 100 非暴露群 10 190 200 • RD=20/100-10/200=0.15 表2-1 b. 分析疫学の手法 i) コホート研究(cohort study) ii) 症例対照研究(case study) iii) 横断研究(cross-sectional study) i) コホート研究(cohort study) • 病原体などのリスク因子に曝露された集団と曝露されて いない集団を比較して、その後の経過を追うことにより、 そのリスク因子と疾病の発生に関連があるかどうかをみ る。 * 観察はある時点からその後の経過に注目して行われる。 * 観察的研究の中で最も疾病と要因の関係を把握する事ができる手 法 * ケースコントロールに比較して、時間と経費が多く掛かり、発生率が 低い病気では多数の動物が必要 * 予めリスク因子を特定し、観察段階での他の要因による影響を排除 できるので、より疾病と要因の関係を導きやすい * 指標としては、相対リスクと寄与リスクが用いられる コホートとケースコン トロールは逆の関係 コホートに比較して、 短時間で実施できる という特徴をもつ� 因果関係と研究デザイン� 原因 → 結果 過去 現在 未来 横断研究 症例対照研究 コホート研究 ヒストリカルコホート研究 余談:コホート(cohort)の語源 • もともと古代ローマの歩兵隊の一単位で、 300 600からなる兵隊の群の意味 • 疫学では共通の因子を持った個人個人の全 体という意味でこの言葉を使用 イギリスでの医師59800人の喫煙に 関するコホート研究(10年間の追跡) 死因� 全死亡 肺がん� 慢性気管支炎� 冠動脈疾患� 肝硬変� 1000人年の死亡率� 非喫煙者� 12.06� 0.07� 0.05� 3.31� 0� 喫煙者� 14.32� 0.71� 0.37� 4.08� 0.11� コホート集団として8年間追跡し、 肺がん死亡確率を計算 対象者数 死亡者数 死亡率(人口10万対) 相対危険(リスク) 227 喫煙群 100,000人 → 227人 ×100,000 100,000 32.4倍 7 非喫煙群 100,000人 → 7人 ×100,000 100,000 相対危険=喫煙群の死亡(罹患)率/非喫煙群の死亡(罹患)率 ゲノムコホート研究 ii) 症例対照研究 (case-control study) • 疾病に罹患した集団(ケース群)と罹患していな い集団(コントロール群)を過去に遡って調査し、 リスク因子の曝露状況を比較する * コホート研究とは時間の流れが逆になる * 予め発生群と非発生群を特定するので発生率が少ない疾病にも応 用可能 * 既存のデータを利用できるため、コホート研究に比べ研究に要する 時間も短く費用もかからない * しかし、過去に遡って調べるため、他の要因の影響を排除することが 難しく、必要な情報が得られない場合がある。 * 指標としてオッズ比を用いることができるが、相対リスクや寄与リスク は求めることができない ケースコントロール 時間を追って調査=今から� 時間を遡って調査=過去を� コホートとケースコントロールは逆 の関係 コホートに比較して、短時間で実 施できるという特徴をもつ� ・コホート研究の例 • ガンと喫煙の関係性を調べたい。40∼50歳の無造作に選ん だ男性1000人にアンケートを取り、今までに喫煙をしたこと があるかどうかを聞いた。その後の10年間において、何らか のガンが発生したかを調査した。 この場合、男性1000人に調査した時点では当然ガンは発生 しておらず、それから10年後の未来でガンの発生を調べて いる。つまり、この研究では「10年後の未来へ向かって喫煙 の有無を調べている」ということができる。 このような未来へ向かって調べる研究がコホート研究であり、 「前向き」の調査である。 サリドマイド(睡眠薬)の薬害 症例 奇形児を生んだ 母親 対照 奇形児を生んで いない母親 計 サリドマイド服用 (要因暴露あり) 90人 2人 92人 サリドマイド非服用 (要因暴露なし) 22人 186人 208人 112人 188人 300人 日本でも、1959年 69年まで309件の被害者が発生� � オッズ比=90x186÷2x22=380.45 相対リスク=90÷(90+2)/22÷(22+186)=9.2 寄与リスク=90/92-22/208=0.872 症例対象研究の一例 • ガンと喫煙の関係性を調べたい。50∼60歳でガンと診断さ れた600人と無造作に選んだ健常者400人について、今まで に喫煙していたかどうかを調査した。 既にガンと診断された人と健常者がいて、その時点から過去 にさかのぼって喫煙をしていたかどうかを調べている。つまり、 この研究では「今までの過去にさかのぼって喫煙の有無をし らべている」ということができる。 このように過去へ向かって調べる研究がケースコントロール であり、「後ろ向き」の調査である。 iii) 横断的研究=横断研究 (cross-sectional study) • ある時点において、観察対象となる集団から動 物を抽出し、疾病の有無やリスク因子の曝露状 況を調査する * ある一時点での疾病の発生状況を把握するために行わ れる * 時間的な流れが把握できないため、疾病との要因の関 係を横断的研究のみで特定することは難しい。 * 有病率が指標として用いられることが多い 横断的研究 (cross-sectional study) (3) 介入研究 (intervention study) • 人為的にリスク因子に曝露させる群と曝露させな い群に振り分け、その曝露によって疾病の発生頻 度が変わるかどうかを比較し、疾病と要因の関係 を明らかにする. • 最も優れた疫学研究方法! * リスク因子への曝露の有無はランダムに振り分けられる必要がある。 * ワクチンや治療試験の効果に関して行われる野外試験 * 適切に計画された場合、疾病に影響する他の要因を人為的にコント ロールできるため、疾病と要因を最も明確に関連づけることができる * リスク因子に人為的に曝露させた場合は、倫理的問題を考慮しなけれ ばならないので、予防的効果を有する措置に用いられることが一般的 介入研究 • 大規模介入試験疫学試験の一つで、欧米諸 国で多く行われている。 • 多人数の患者を、薬を飲む群と飲まない群、 あるいは別の薬を飲む群に分け、5∼10年 かけて死亡率や合併症の発生率を調べるも の。「介入試験」とは人が何らかの介入(コン トロール)を行う試験のことを言います。 介入研究のポイント • 研究を目的として実験的に治療などの介入を 行う。長期間かかって発症する疾患には用い にくいほか、倫理的な理由から副作用や有害 事象の評価を主目的とする研究には用いな い。 4)サーベイランス • 目的 • 情報の収集方法 • 標本抽出方法 (1) サーベイランスの目的 • OIE(2002)「疾病対策を講じるために、ある集団にお いて疾病の摘発を目的として継続的に行われる調 査」と定義 • 有病率の変化を監視することを目的とするモニタリングとは 区別される。 * 病原体や疾病の存在と確認とあわせて、調査対象集団の特 性(年齢、品種など)や環境要因(地理的要因、飼養環境な ど)に関する情報も収集。 * 必要に応じて、集団から抽出した個体の抗体調査や病原体 検索も。 (2) 情報の収集方法 • 収集は、受動的(passive)に行う場合と能動的(active)に行う 場合がある • 受動的収集:疾病発生の届け出や診療記録の調査 • 能動的収集:特定の疾病や動物を対象として定期的または 継続的に検査を実施 *この場合対象とする集団の特定や検査対象動物の抽出法が重要 (3) 標本抽出法(サンプリング) • サンプリング:サーベイランスのみでなく、記述疫学 や分析疫学でも重要。 * * * * * 母集団:サンプリングが行われる元の集団 標本:サンプリング後にえられたもの。動物、ロット、農場単位 サンプリングの方法:確率的サンプリングと非確率的サンプリング 非確率的サンプリング:恣意的なサンプリング、協力が得やすい農場など。 確率的サンプリング:無作為(ランダム)サンプリングを基本 母集団と標本 ランダムサンプリング 母集団 標本 統計的推測 (検定・推定) a. 単純無作為抽出法 (simple random sampling) • すべての個体を識別したリストから、乱数表 やコンピュータの乱数計算を用いて無作為に 動物を選ぶ方法。 *農場内の動物を抽出する場合は比較的容易であるが、農場 内の動物が多い場合、地域単位で動物をサンプリングする 場合は、すべての個体を識別したリストを用意しなければな らいこと、操作が煩雑になることなど、制約が多く実際には適 応が難しい。 b. 系統無作為抽出法 (systematic random sampling) • 必要なサンプル数を一定間隔で順番に抽出していく 方法 * 農場内の繋留順や枠場への追い込み順に一定の間隔でサンプリングを おこなうことや、と畜場などの施設に搬入されたロット順に一定間隔でサ ンプリング * サンプリングの開始は無作為に選んだ順番 * 煩雑な準備を必要としないため、実際に応用しやすい方法だが、疾病に 影響を与える要因に周期性がある場合、正しく母集団を代表しない可能 性がある。 c. 層別無作為サンプリング (stratified random sampling) • 対象となる母集団を特性ごとに分類し、分類したグ ループ毎に無作為にサンプリングする方法 * 動物の品種毎や年齢毎にいくつかのグループに分け、おのおののグ ループから必要な個体数を無作為に選ぶ。 * 層別化することにより、標本集団内の測定値のバラツキを小さくすること ができる。 * 母集団を構成するすべての個体について、層別化するための特性がす べて明らかになっていることが前提 d. 集落抽出法 その1 (cluster sampling) • 単純集落抽出法(simple cluster sampling):母 集団を段階的にいくつかのクラスター(集落) に分類し、無作為に選んだクラスターの動物 を全て抽出 *クラスターは同一腹子、家畜房、市町村など。 d. 集落抽出法 その2 (cluster sampling) • 多段階抽出法(multistage sampling):クラス ターをいくつかの段階に分けてサンプリング が行われる。 * 第一段階として農家を無作為に選び、次いで訪問した農家内で第二段階 として動物を無作為にサンプリングする(2段階抽出法)。 * 多段階抽出法では、予めすべての個体の情報を知っておく必要がなく、 農家段階で方法を得て行うことができるためより実際的。 * クラスター間でのバラツキが大きくなる傾向がある。サンプル数を増加さ せる必要有り。 この調査、どのようにサンプリング? 家庭環境と学力の関係 家庭環境と学力の関係 年収が高い群ほど正答率が高い • 参考書や通塾の費用負担能力,自室などの勉学環 境の有無…。家庭の経済状況と子どもの学力の関 連経路はいろいろ想起されます。 • また,文化的な要因も無視できません。抽象度の 高い学校知に親しみやすいのは,どういう家庭の子 どもか。書籍が多くある,美術鑑賞などに頻繁に連 れて行ってもらえる…こんな家庭でしょう。ブル デューは,こうした文化資本を媒介して,親から子へ と地位が「再生産」される過程を暴いてみせました (文化的再生産)。 (4) 結果の還元 • 得られたデータの関係者への還元 5)スクリーニング • =見かけ上健康な罹患動物を見いだすことを 目的として、広く動物集団を検査すること。 • 通常は簡易な迅速診断法が用いられる。 (1) 検査法の評価 • 感度(sensitivity)と特異度(specificity)と いう指標を用いる 感度(sensitivity) • 検査方法が疾病に罹患している動物を正しく 陽性と診断できる能力を表し、罹患動物中の 検査陽性動物の割合で計算 特異度(specificity) • 疾病に罹患していない動物を正しく陰性と判 断できる能力の指標で、疾病に罹患していな い動物中に占める検査陰性動物の割合で計 算。 *感度と特異度がともに100%の検査方法を用いない限り、検査 陽性数から計算される見かけの有病率と真の有病率には差 が生じる。 偽陽性(false positive) • 偽陽性(false positive):疾病に罹患していないにも 拘わらず検査で陽性と判断されたもの。 • 1から特異度を引いた確率で生じる • =1−(疾病に罹患していない動物中に占める検査陰性動物 の割合) 偽陰性(false negative) • 偽陰性(false negative):罹患動物が陰性と診断され たもの。 • 1から感度を引いた確率で生じる • =1−(罹患動物中の検査陽性動物の割合) 感度と特異性と疾病 * 感度と特異度がともに優れた方法が望ましいが、 一般に、片方を上げれば片方が下がるという負 の相関関係がある * 有病率が低い疾病を対象にして検査を行う場合 は、特異度が高いものを用いると偽陽性が少なく なり、検査は効率的となる。 * 悪性伝染病など重要な疾病の場合は、見逃すこ とを最大限に防止する為に、より感度の高い検査 方法をスクリーニング方法として用いる 6)感染症の疫学 • 感染(infection)とは:動物の中に侵入した病原微生物が増殖 すること。必ずしも発症を前提としていない。 • 汚染(contamination):主に無生物に病原体や病原物質が含 まれていることを指し、宿主の中での増殖は必ずしも伴って いない。感染と区別。 • 感染症:病原体、感受性宿主、感染経路の3つの条件で成 立 • 日和見感染症(opportunistic infection):病原性の低い病原 体が宿主側の抵抗力の低下や体内環境の変化によって、感 染を引き起こす場合 感染症:病原体、感受性宿主、感染経路の3 つの条件で成立 (1) 病原体 • 毒力、感染力、レゼルボア、キャリアー (2) 感染経路 (route of transmission) a. 直接伝播 direct transmission:動物から動物へ直接伝播する様式 b. 間接伝播 indirect transmission:病原体に汚染された器具、衣服、水、飼 料などの無生物や昆虫、ネズミなどの生物(ベクター:媒介動物)を介 して伝播する様式 *ベクター:生物学的伝播(日本脳炎など)、機械的伝播(白血病など) 感染症:病原体、感受性宿主、感染経路の3 つの条件で成立 (3) 感受性宿主 • 集団の免疫(herd immunity):免疫個体が感受性個体に比べて多い集団 では流行は起こりにくい。集団レベルでの免疫を集団の免疫と呼ぶ。 * 狂犬病・日本脳炎など:ワクチンによって集団の免疫レベルを上げること によって感染症の流行を防止する * 流行を防止するための集団の免疫レベル:病原体の感染力、感受性個 体の密度などで異なる * その他要因:ストレス、栄養状態、年齢、品種、遺伝的素因も影響 7)非感染症の疫学 • 生産病などの非感染症は、生産現場で主な生産阻害要因と なっている • 非感染症の発生要因や生産性を阻害する要因を明らかにす る必要。 • 疫学的手法は有効な手段だが、代謝性機能障害や繁殖障 害などの生産病の多くは、飼育環境や家畜の代謝系、内分 泌系などの生体調整機構が複雑に絡んで発生するため、感 染症に比べて解析が難しい • その他の問題となる疾病:白血球粘着不全症、赤血球膜蛋 白質異常症などの遺伝疾患や、農薬、有毒植物、カビ毒など の中毒 8)疾病対策の経済的評価 =限りある資源の有効活用であり、様々な選択肢の 中から最も合理的な措置の選択 =ある疾病による損失はその防除費用のみと比較す るのではなく、同額の費用を他の生産向上対策に 振り分けることによって得られる利益と比較する。 =どの防除対策に要した費用に最も見合うべきベネ フィットを経済的に評価し、措置の選択という意志決 定に経済的な側面から有益な情報を得ることを目 的としている (1) 費用便益分析 (cost-benefit analysis) =対策を講じた場合、将来的にどのようなベネフィット をもたらすかを分析する手法 * 地域や国レベルの防疫対策を評価するのに適している * 対策を講じた場合と講じなかった場合の損失を比較する * 疾病対策に必要な費用で他の対策を講じた場合の利益との 比較も可能 トレードオフ • 一方を追求すれば他方を犠牲にせざるを得 ないという状態・関係のことである。トレードオ フのある状況では具体的な選択肢の長所と 短所をすべて考慮したうえで決定を行うこと が求められる。 BSE検査は30か月齢超の牛だが・・ • 平成25年4月 改正法令の施行によりBSE検査対象が全頭 から30か月齢超の牛に変更 • 「厚生労働省関係牛海綿状脳症対策特別措置法施行規則 の一部を改正する省令」の施行により、BSE検査対象が21 か月齢以上から30か月齢超の牛に変更されました。 • しかし、制度変更に伴い生じかねない生産・流通現場の混 乱を避けることから、本県を含む各自治体で当分の間全頭 検査を継続することを決定しました。 • (30か月齢以下から21か月齢以上の牛に係る検査キット 費用も経過措置として国庫補助対象となりました。) 自主的に全頭検査を継続すると・・・ • 日本国内でのと畜数 116万頭 • 1頭千円の検査費でも11億6千万円 • これに、検査キット代金 300円/頭(国産製 品)でも3.5億円 • 年間 15億円を自主検査に安心料として支 出・・・ • 正に、無駄な支出・・・これを獣医学教育充実 に利用する方が得策 30ヶ月以上でと殺される牛は少ない!だから、 斃死牛など病牛だけを対象とすれば良い!! (3) 決定分析 (decision analysis) =対策によって生じる結果は、不確実なことが多いた め、決定分析では結果が起こる可能性を確率を用 いて評価したうえで分析 • デシジョンツリー分析(decision tree analysis):各段階での選択肢の階層 構造を枝に例えたデシジョンツリーと呼ばれる図を用いる手法 * すべての選択肢と得られる結果をデシジョンツリーを用いて表し、それぞれの結 果に到達するまでの費用または利益、それぞれに起こる確率も各段階毎に合わ せて記入 * これらの金額に確率を掛けたものを期待値として計算し、それぞれの措置を金額 で比較 * 将来に起こる事象を全て確率を用いて数量化するため、明確な結果が得られる が、不確実性をどのように評価するかが重要。 9)リスクアナリシス (risk analysis) • 人や動物の疾病に関するリスクを科学的に評価し、 適切な措置を選択するための手法の一つ =リスクを健康被害や被害が生じる確率または結果の大きさの 程度と定義し、これらリスクの分析を通じて、リスクに応じた 対策を選択することを目的 =ハザードの特定、リスクアセスメント、リスクコミュニケーション、 リスクマネージメントの4つの要素から構成 *食品衛生分野では、ハザードの特定はリスクアセスメントに含まれると考 え、3つの要素でリスクアナリシスを説明することが一般的である。 ハザードとは ・病原微生物や有害化学物質など人や動物の健康 に悪影響を与えるものであり、ハザードの識別で は問題となっている病原体や有害物質を特定す る作業を行う。 リスクアセスメント 実際にリスクを評価していく段階で、病原体な どが食品や動物などを介して、最終的に人や 動物の健康に悪影響を与えるまで、あるいは 経済的な被害をもたらすまでを経路を追って 分析し、それらが起こる可能性や程度を推定 する。 リスクマネージメント より実際的な意志決定の過程であって、 適切なリスク低減措置を選択することを 目的としている。ここでは、リスク評価の 結果を基に、どのような措置が適切であ るかを検討する。 リスクコミュニケーション 関係者との間での情報交換を行うプロセスで あり、リスクアナリシスの全ての段階で行うべ きであるとされる。 *家畜の輸出入による疾病発生のリスク、食品衛生上の問題によって人の 健康被害を生じるリスクなどの分析 61 B35 特異度と感度に関する次の文のA−Dに 該当する語句の組み合わせとして正しいのは どれか • 疾患に(A)を(B)と判定できる率が特異度で、 疾患に(C)を(D)と判定する率が敏感度であ る。 • • • • • • 罹患している家畜:病畜:罹患していない家畜:健康 罹患している家畜:健康:罹患していない家畜:病畜 罹患している家畜:健康:罹患している家畜:病畜 罹患していない家畜:健康:罹患している家畜:病畜: 罹患していない家畜:病畜:罹患している家畜:健康 61 B35 特異度と感度に関する次の文のA−Dに 該当する語句の組み合わせとして正しいのは どれか • 疾患に(罹患していない家畜)を(健康)と判定 できる率が特異度で、疾患に(罹患している家 畜)を(病畜)と判定する率が敏感度である。 • • • • • • 罹患している家畜:病畜:罹患していない家畜:健康 罹患している家畜:健康:罹患していない家畜:病畜 罹患している家畜:健康:罹患している家畜:病畜 罹患していない家畜:健康:罹患している家畜:病畜: 罹患していない家畜:病畜:罹患している家畜:健康 58 B28 サーベイランスに関する記述 として正しいのはどれか ヒント3つ • 死亡牛の牛海綿状脳症の検査はサーベイラ ンス事業である。 • 過去の疾病について、その発生と要因との関 係を明らかにする • 環境汚染の評価や汚染物質の測定を行う • 受動的サーベイランスでは、感染症などの情 報が組織的かつ自動的に収集される • 疾病の発生状況を継続的に調査し、その情 報を予防と管理に役立てる 58 B28 サーベイランスに関する記述 として正しいのはどれか • 死亡牛の牛海綿状脳症の検査はサーベイラン ス事業である。 • 過去の疾病について、その発生と要因との関係 を明らかにする・・・疫学研究 • 環境汚染の評価や汚染物質の測定を行う・・モ ニタリング • 受動的サーベイランスでは、感染症などの情報 が組織的かつ自動的に収集される • 疾病の発生状況を継続的に調査し、その情報を 予防と管理に役立てる 61B31 • 介入研究である研究手法はどれか • • • • • 生態学的研究 横断研究 症例対照研究 野外試験 臨床試験 61B31 • 介入研究である研究手法はどれか • • • • • 生態学的研究 横断研究 症例対照研究 野外試験 臨床試験 59B29疫学調査で用いる標本の抽出 法はどれか • • • • 無作為抽出法 系統抽出法 送別抽出法 多段階抽出法 59B29疫学調査で用いる標本の抽出 法はどれか • • • • 無作為抽出法 系統抽出法 送別抽出法 多段階抽出法 TPP(環太平洋経済連携協定) 食料自給率は市場開放と共に減少! 輸入制限品目の解除の歴史 牛肉の関税率の引き下げ 農産物への関税は高くない! 市場開放は進んでいる 日本は既に、農産物の超輸入国! 高関税で保護されているのは、米と畜産物 TPP参加で、これまで保護されていた 米、畜産物が輸入品に置き換わる! 日豪EPA大筋合意 関税 豪牛肉下げ 日本車は撤廃 米豪産牛肉と国産の価格 外国産とバッティングするのは、乳 去勢B-‐2 ランクの牛肉! オーストラリアは牛肉生産の6割を輸出: 最大輸入国は日本という現実 日本の畜産はどうなる??? 大動物獣医師も不要となる?? • 牛肉の影響は大別して、2つに分割される。 • 第1は、輸入牛肉と競合する可能性のある品 質の牛肉が価格の相違によって代替される。 その金額が約3,700億円である。 • 第2は、輸入牛肉との競合が小さいと考えら れる高級品の価格下落による800億円である。 両方合わせて4,500億円の被害になる。 農地面積格差はどうしようもない! 内外競争力格差を解消しようとしても、それは容易ではない!� 第2章の国家試験問題は・・・ • • • • • • • • • • • • • 52B1 感染症の疫学と対策に関する記述の組み合わせとして正しいのはどれか 自発性感染と免疫状態、趨勢変化とベクター、土壌病と免疫状態、集団免疫、日和見感染 症と抗菌剤 古い教科書 56D18 図18はあるコホート研究の結果を示している。この結果から算出されたカイ二乗値 は11.4であった。また、カイ二乗分布で自由度1の上側5%点の棄却限界値は3.8である。 1)相対危険度とオッズ比 [a/(a+b)]/[c/(c+d)], ad/bc 2)次の記述のうち最も適当なのはどれか 曝露により疾病が増加 50頁表3−1 61B31 介入研究である研究手法はどれか 生態学的研究、横断研究、症例対照研究、野外試験、臨床試験 51頁介入研究 59B29 疫学調査で用いる標本の抽出法はどれか 無作為抽出法、系統抽出法、送別抽出法、多段階抽出法 52-53頁 第2章の国家試験問題の続き • 58C49 図49はある診断法を用いた検査の結果である。この診断法の 感度を表す計算式はどれか a/(a+c) • 54頁表3−3 • 60D20 図20は、ある感染症に関する検査法Aと検査法Bの試験成績を まとめたものである。検査法Aの感度(敏感度)として正しい値はどれか • 検査法Bの特異性(特異度)として正しいのはどれか • 54頁表3−3 • 61B35 特異度と感度に関する次の文のA−Dに該当する語句の組み合 わせとして正しいのはどれか 罹患動物を陽性と診断できる能力 非罹 患を陰性と判断できる能力 • 54頁表3−3
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