尺骨神経溝撮影の角度の検討について

【一般口頭発表】
15:10~15:20
(第 5 会場・市民ホール)
医療と介護の質及び安全Ⅲ
放射線部門
尺骨神経溝撮影の角度の検討について
《演者》
佐々総合病院
田中 智章
1.目的(はじめに)
当院で尺骨神経溝撮影は撮影頻度が少なく、ポジシ
ョニングがとりづらい撮影法の一つだ。
そこでもう一度文献や解剖を調べなおしたところ、文
献によってポジショニング角度や X 線入射角度が違うも
のがあった。
今回は尺骨神経溝が広く描出する角度を検証したの
で報告する。
2.方法(内容)
ポジショニングは肘関節屈曲角 60 度、45 度、最大屈
曲、前腕外旋角 20 度、30 度、X 線入射角 20 度、30
度にした場合の組み合わせで尺骨神経溝の描出に変
化があるか調べた。
評価方法は技師による視覚評価と CT による角度計
測をおこない、当院整形外科医の評価をいただいた。
3.結果(結論)
尺骨神経溝の描出には外旋 30 度、X 線入射角 30
度が広く描出することがわかった。
4.考察
外旋角は 30 度、X 線入射角を 30 度にすると滑車が
尺骨神経溝から外れ、神経が接触する骨の接線となり
尺骨神経溝が広く描出する。
また、上腕と前腕の屈曲角の違いによる尺骨神経溝
の描出に違いはないので、あくまでも前腕の外旋角に
気をつけることが大事であることがわかった。
第 53 回TMG学会