【一般口頭発表】 -リハビリテーション部門- 15:00~15:10(国際会議場) 電動車椅子の導入において家族の同意が難航した症例 《演者》 茂原中央病院 稲川 浩充 【目的(はじめに)】 外来通院や近隣への買い物を目的として、電動車椅子を導入した右片麻痺症例を担当した。福祉用具事業 者との連携を図る事で、安全面における家族の要望を考慮できた経過について以下に報告する。 【方法(内容)】 ①身体機能面と生活範囲を考慮した電動車椅子の選定。 ②経路の下見を行い道路状況の安全確認調査。 ③電動車椅子の試運転における家族への事前説明。 ④電動車椅子の試運転実施。 【結果(結論)】 福祉用具事業者が定めた適合チェックリストの評価項目を全て満たしたことで電動車椅子の使用が可能とな った。評価項目は 15 項目で可・不可による判断基準の基、どれか一つでも不可がある場合は利用することが出 来ない事となっている。選定された経路での試運転を通して、適合チェックリストによる評価項目を満たすことが 出来た。電動車椅子の導入によって、本人が考える生活スケジュールを実行出来たことで近隣への買い物と外 来通院が可能となった。 【考察】 電動車椅子の導入に至っては、適合チェックリストの条件を満たす事と家族の同意が必要不可欠であった。 家族より安全性に関する不安要素を挙げていたが、本人の身体機能を含めた能力面に対して、本人と家族の考 え方に相違があった。家族が納得した要因として作業療法士による身体機能面の評価、道路状況の安全確認 調査を実施。また、福祉用具事業者による電動車椅子操作の安全性、管理方法を検討したことが判断要因にな ったと考える。 本人・家族を含めた電動車椅子の導入に対する考え方を統一し、使用できる環境を作り上げるには最低条件 となる福祉用具事業者の判断基準をクリアすることである。その為、作業療法士として電動車椅子に乗車可能な 身体機能があるかを判断する事、電動車椅子を導入するまでの過程を理解し、コーディネートすることの必要性 がある。 第 50 回TMG学会
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