腫瘍判別用pH応答性シアニン系近赤外色素

京都大学の新技術
腫瘍判別用pH応答性シアニン系近赤外色素 (U635)
ライセンス契約を受けていただき 本発明の実用化を目指していただける企業様を求めます。
弱酸性条件下で近赤外光の吸発光特性を示す、特に腫瘍部位の
視覚的な判別に優れた色素です。
◆背景
◆開発段階
色素を用いて視覚的に腫瘍部位の判別をするには、腫瘍部位のみで特異的に発光
 化合物は物性評価済み
する色素を用いる必要があります。しかしこれまでの色素は、①腫瘍部位と正常
 現在、生体組織を用いて
部位で同じ吸発光特性のため、腫瘍部位の視覚的な判別が困難、あるいは②波長
評価試験中
700 nm以下の蛍光を発するため、そもそも生体外から蛍光観察が困難である、
という課題がありました。
◆発表状況
学会、論文ともに未発表
◆発明概要と利点
京都大学では、上記課題を解決しうる新たな色素を発明しました。この色素
は、’’pH応答性’’と’’近赤外光を吸発光する‘’という2つの特性を持ちます。これ
らに加え、さらにEPR効果を利用することで、より効率よく腫瘍部位の可視化お
よび判別を行うことが期待されます。
◆適応分野
 腫瘍判別用造影剤
(ヒト用/動物用)
 その他弱酸性組織の判別用
造影剤
 生体外から対象部位の可視化が可能
波長700-900 nm(吸収極大780 nm、発光極大810 nm)の光を吸発光す
るため、生体外から光を照射し、発光を観察することに優れます (図2A)。
◆希望の連携形態
 実施許諾 (非独占/独占)
 腫瘍部位等の弱酸性組織内のみで発光特性を発揮
 オプション (非独占/独占)
pH 7.4(正常組織のpHに近似)ではほとんど発光しませんが、pH 5.5
(腫瘍組織のpHに近似)では波長810 nmに強い発光を示します 。
※本発明は京都大学から特許
出願中です。
 腫瘍部位のEPR効果により、さらに効率よく可視化が可能
EPR効果により腫瘍組織内に色素が貯留するため、さらに効率よく腫瘍部
◆お問い合わせ先
位を可視化することが可能です。
京都大学産学連携担当
関西TLO株式会社
ライセンシング・アソシエイト
本発明色素
従来の蛍光発光性色素
腫瘍部位
腫瘍組織、正常組織
腫瘍部位は強蛍光、
両方から蛍光発光
正常部位はほぼ発光なし
↓
↓
腫瘍部位の判別が容易
腫瘍部位の判別困難
蛍光発光性造影剤
部位の蛍光を際立たせ、腫瘍部位の視覚的な判別を容易にします。
pH 4.1
0.8
発明色素B
0.4
pH 5.7
0.2
0.4
pH 5.7
0.2
pH 7.4
pH 7.4
0
0
400
600
800
wavelength (nm)
1000 400
20
pH 4.1
0.6
600
800
wavelength (nm)
1000
ratio of absorbance
absorbance
(B)
780 nm
780 nm
発明色素A
〒606-8501
京都市左京区吉田本町
(075)753-9150
組織のpH差を利用し、腫瘍部位は強蛍光、正常部位では微弱蛍光を発するよう設計しています。これにより、腫瘍
0.6
諒平
京都大学 産官学連携本部内
正常組織
図1:本発明色素のコンセプト
(A)
担当:藤ヶ崎
発明色素A (●)
発明色素B (×)
10
0
2 3 4 5 6 7 8 9 101112
pH
図2:本発明色素A, BのpH別吸収スペクトル(A)、および波長780 nmにおけるpHごとの吸光度(B)
(A)発明色素A, Bとも、いずれのpHでも約780 nmの波長で吸収極大を示し、また低いpHの方がより高い吸光度を
示します。(B) pH 7.4以下では、pHが下がるにつれて吸光度が上昇します。
[email protected]