第 31回写真 の 町東川賞決定 第 31回写真 の 町東川賞決定

国内
内作
作家
家賞
賞に
に佐
佐藤
藤時
時啓
啓氏
氏、
、海
海外
外作
作家
家賞
賞は
はア
アン
ン・
・ノ
ノー
ーブ
ブル
ル氏
氏
国
第 回写真の町東川賞決定
海外作家賞 人の合計106人をノミ
別作家賞 人、飛彈野数右衛門賞 人、
国内作家賞 人、新人作家賞 人、特
究所︵東京・渋谷区︶で開きました。
審査会は2月 日、桑沢デザイン研
受賞しました。
木麻衣子氏︵東京都︶が新人作家賞を
なる作風の作家たちが残り、僅差で春
郎、林典子、村越としやのまったく異
し合いを経て、春木麻衣子、佐藤信太
というひとつの﹁地域﹂の負の歴史を、
塚闘争や公害、原発に至るまで、日本
爆者を長年撮影しただけでなく、三里
開され注目を集めています。広島の被
メンタリー映画﹁ニッポンの嘘﹂が公
歩積み重ねた町の人たちの努力とそう
の﹁写真の町宣言﹂から 年、一歩一
の力でもなく、1985︵昭和 ︶年
一夕に実現したことでも、審査会だけ
は自負しています。しかしこれは一朝
31
ネート、佐藤、ノーブル、春木、吉村、
高まっているアーティストです。新作
国内外のグループ展に招かれて評価が
ここ 年ほどこつこつと活動を重ね、
フェスティバルの協力も得て、楠本亜
ジーランド。オークランド・フォト・
今年の海外作家賞の対象国はニュー
そしてそのために東川町は﹁写真文化
合い、世界中の笑顔が溢れるように﹂、
逢い︵であい︶、世界中の人々と触れ
﹁この小さな町で世界中の写真と出
たカラー作品は、セメント工場の存在
細部から遠景まで大型カメラで写し
題など、多くの現代人が抱える問題を、
ティー、人間と自然の関係、表象の問
で知られています。セクシュアリ
なシリーズや南極をテーマにした作品
娘の口をクローズアップした印象的
えています。
新たな一歩を踏み出していきたいと考
川町の人々とともに、 年目からまた
た素晴らしいアーティストを加え、東
うに書かれています。
﹁写真文化首都﹂宣言には以下のよ
した趣旨に共感した世界中の多くの人
福島各氏が受賞しました。授賞式は8
︿みることの展開図﹀の画面を覆う黒
紀委員がオークランドとウェリントン
と世界の人々を繋ぐ役割を担う﹂とい
たちの共感の上に成り立っています。
月8日︵土︶、農村環境改善センター、
い空洞は、日本の今を象徴しているよ
ました。いずれもニュージーランドを
で調査し、 人の作家をノミネートし
う重責を自らに課しています。受賞し
一貫して弱者の立場で表現している驚
受 賞 作 家 作 品 展 は 同 日 か ら9 月 2 日
うにも見えました。
代表する作家です。ノーブル氏がその
くべき報道写真家です。
︵水︶まで、文化ギャラリーでそれぞ
真をものにしている作家で、今回は特
吉村氏は、国内外で精力的に風景写
中で満場一致で選ばれました。
感と意味を考えさせると同時に、そこ
されての受賞。
に造形の美しさを見出し讃えた力作で
﹁光│呼吸﹂展︵東京都写真美術館︶
致で選出されました。
は、カメラの構造や写真の原理に切り
数右衛門賞は、福島菊次郎氏︵山口県
写真の町東川賞審査会委員、笠原美
ど、﹁写真の町﹂東川賞の第1回から
東川町写真の町実行委員会はこのほ
︱ ◇ ︱
今年で 回目を数える写真の町東川
第 回まで、延べ125人の受賞作家
智子
賞。﹁写真文化首都﹂にふさわしい素
てきたアーティストです。
時にユーモラスに、鮮やかに描き出し
込み、光、身体、時間、空間をテーマ
の展覧会でした。
意見が割れたのは新人作家賞です。
晴らしい作家たちを選出したと審査会
とながら層が厚く、何度かの投票と話
た詩的なモノクロ写真シリーズ︵19
実験的な作風、ワンガヌイ川を撮影し
近年、同氏の半生を紹介したドキュ
年︶は、写真がいかに場所の経験に対
南極シリーズ 柳井市︶に決定しました。
作品2千478点を掲載している﹁写
若手から中堅作家の仕事は、毎年のこ
真の町東川賞コレクションカタログ﹂
80年代初頭︶で脚光を浴びる。
いた作品コレクションの目録を収録し
歴代受賞作家の各氏から寄贈いただ
年記念事業として製作しました。
ティストとしてだけでなく、キュレー
マッセー大学の特別栄誉教授。アー
として国内外で活躍。ウェリントン・
ニュージーランドを代表する写真家
人間が大陸に与えた影響の、より荒涼
南極のイメージです。
やディスカバリーセンターで撮られた
いるかを表す南極の観光写真、博物館
する私たちの想像と期待を作り上げて
︵2011
Ice Blink
︵6分冊カラー、非売品︶を写真の町
ています。︵財︶自治総合センター
ター、教育者としても幅広い活動を精
たる物語を描き、﹁未開地
で我々が連想する従来の視覚イメージ
︶﹂や南極という言葉
︵ Wilderness
︵2014年︶は、
The Last Road
︵東京︶のコミュニティー助成事業と
力的に行っている。
1998︵平成 ︶│2006︵同
︶年にかけて、娘とのコラボレー
藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修
了。1990︵平成2︶年、第6回写
に関する人間の知覚と認識の脆弱︵ぜ
南極の光と場所の画像シリーズ。南極
︵ホワイトアウト︶﹂︵出版予定︶は、
︵同6︶年、文化庁在外研修員として
コ ー プ 賞 グ ラ ン プ リ 受 賞 。19 9 4
3︵同5︶年、ダイムラーアート・ス
真の町東川賞新人作家賞受賞。199
という幼年期の行為を、極めて独自の
と物語に異議を唱えます。 Whiteout
観点と色彩によって描き出した作品と
イギリスに滞在。
群れの歌︶シリーズ この新作では、
ゴ美術館個展︵ 年︶など多数の展覧
アート・ビエンナーレ︵ 年︶、シカ
く、第9回バングラデシュ・アジア・
国内ばかりでなく海外での評価も高
いじゃく︶さをあらわにするイメージ
の探究の結果です。
複雑な自然のシステムと私たちとの関
会に参加している。
︵針の
SONG STING SWARM
係を心に描き、表す新しい方法を探っ
働いています。自然界から離れるので
ています。私は蜜蜂を飼い、蜂と共に
臣賞を受賞。現在、東京藝術大学美術
そこにいない﹂で芸術選奨文部科学大
︵氷映︶﹂︵2011
Blink
道︶﹂︵2014年︶等を展開。最近
はなく、自然界との関わりの中にある
学部先端芸術表現科教授。
﹁ Ice
では、複雑な自然のシステムに対する
脆さの美学を通して、観る側を魅了す
展﹁佐藤時啓 光│呼吸 そこにいる、
昨年東京都写真美術館で開催した個
世界的な脅威について、蜂と人間の共
る写真に関心があります。
つ意味に興味を持ってきました。プロ
また文化的な物語の記憶と想像力の持
は場所や身の回りの物が持つ個人的な、
1957︵昭和 ︶年、山形県酒田
の作家活動に対して
都写真美術館、2014年︶及び一連
受賞理由 写真展﹁光│呼吸﹂︵東京
さいたま市在住
︹国内作家賞︺
佐藤時啓 ︵さとう・ときひろ︶
定着したもの。
太陽光の軌跡を、長時間露光によって
込み、ペンライトや手鏡に反射させた
﹂シ
Lights
リーズや、人が中に入れる移動式カメ
撮影する﹁ Gleaning
を用いて、360度のパノラマ写真を
自作した複数のピンホール・カメラ
は、自身がランドスケープの中に入り
ランド北島西海岸にあるワンガヌイ生
1954︵昭和 ︶年、ニュージー
ジェクトはたいてい長期にわたり、書
市生まれ。1984︵同 ︶年、東京
代表作の一つ﹁光│呼吸﹂シリーズ
まれ。ウェリントン・ビクトリア大学
籍、展覧会、静止画や動画を組み込ん
59
29
さまざまな主題の作品を通して、私
で社会学、人類学を学ぶ。その後写真
だインスタレーションに帰着します。
▼作家の言葉
生をテーマにしながら、科学者や養蜂
︵最後の
年︶、﹁ The Last Road
実のギャップをテーマにしたシリーズ
を得て南極に滞在し、南極の想像と現
2001︵同 ︶年から数度の助成
して国際的にも評価が高い。
ションから生まれた﹁ Ruby’
s
﹂は、口を使って食べる、遊ぶ
Room
して作成しました。同事業は全国自治
宝くじの普及広報事業費として受け入
れる受託事業収入を財源としています。
町内各小、中学校図書館などに収蔵し
町文化ギャラリー、町文化交流館、
ます。
ニュージーランド・ウェリントン在住
︹海外作家賞︺
アン・ノーブル氏
31
’
99
家らと共同した作品を制作している。
’
05
13
家としての活動を始め、オークランド
受賞理由 写真集﹁ The Last Road
﹂
、2014年︶ほか一連の作
︵ Clouds
10
30
31
地域に貢献のある作家に贈る飛彈野
す。
て敢えて残し、その後の審査で満場一
15
にした佐藤氏の集大成ともいえる圧巻
13
れ開く予定です。
同氏を賞の対象にする是非が話し合わ
佐藤氏は東川賞との関わりが深く、
に北海道北斗市のセメント工場をテー
60
れましたが、批判が出る可能性を勘案
18
してもなお、あまりある実績を考慮し
34
16
﹄が評価
マにした写真集﹃ CEMENT
31
30
13
11
家活動に対して
18
30
大学エラム美術学校大学院在学中から
32
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Higashikawa 2015 May
2015 May
13 Higashikawa
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第 回写真の町東川賞の授賞者が決定しました。国内作家賞は佐藤時啓氏︵さいたま市︶、海外作家賞はアン・ノーブル氏︵ニュージーラ
ンド・ウェリントン︶、新人作家賞は春木麻衣子氏︵東京都︶、北海道にゆかりのある作家に送られる特別作家賞には吉村和敏氏︵同︶、飛彈野
数右衛門賞は福島菊次郎氏
︵山口県柳井市︶
がそれぞれ選ばれました。
第31回写真の町東川賞