平成27年5月16日 H-PAC 第5回公開シンポジウム 都道府県が地域医療計画を 意味あるものにするために 三重県健康福祉部医療対策局長 佐々木 孝治 2 医療計画を意味あるもの にするために ●「地域医療構想」をどう捉え、 どう活かすか。 ・各県が自県の課題と取組の方向性 をどう反映していくか。 ・様々な施策との連携、統合を意識 できるか。 地域医療構想を医療計画に どのように反映させる予定? (H27.5.緊急アンケート調査より) 未定 9 その他 2 現行計画を 改訂 2 次期改訂で 一体化 25 回答;38自治体 これからの医療計画 ●地域医療構想(平成27年度~)が 計画の一部として位置付けられる。 ・具体的な機能別の病床整備計画 ・地域ごとの分野横断的な議論 →より住民目線、地域目線 ■上野総合市民病院 ①消化器外科にかかる救急医療、 一般病床;335 集学的な治療によるがん医療で急性 期医療を提供 ②回復期病床への転換 ①将来推計から、今後人口・患者数と 一般病床;241 もに減少していくと考えられる。 療養病床; 40 ②患者数については当面3病院への 集約化が進む可能性がある。 ③救急搬送に際し、搬送先病院の選 社会医療法人 ■岡波総合病院 定に時間を要している。 畿内会岡波総合病院 ①その他の救急医療全般 伊賀市立 ②ある程度の回復期機能を確保 上野総合市民病院 名張市立病院 一般病床;200 ■名張市立病院 ①現行の輪番体制の中 で救急医療 ②小児救急医療について 伊賀地域唯一の拠点 6 都道府県はどうとらえているか? ●地域医療構想の策定に対する不安 ・病床機能の転換に関する調整の 困難性 ・住民の理解を得ることの困難性 構想策定後の病床の調整 (機能の転換)は困難? (H27.5.緊急アンケート調査より) その他 一部困難 1 5 分からない 16 全て困難 16 医療提供者側の懸念 ●県に寄せられている声 病床数削減 ありきでは ダメ! 経営面が 心配 データの分析・ 理解は大丈夫? 地域医療構想の策定時期は? (H27.5.緊急アンケート調査より) その他 3 未定 4 平成28年度 8 平成27年度 23 住民の理解を得ることは容易? (H27.5.緊急アンケート調査より) その他 1 困難 6 分からない 31 プロセスを活用することのメリット ・地域単位による、自主的かつ きめ細やかな議論が可能 ・重層的(地域単位と広域単位)な 意思形成 地域づくり、まちづくりにも寄与 隣接県との連携も ・データに基づく対策の具体化 重層的な意思形成 医療審議会 等 より広域にわ たる横断的な 観点の議論 地域医療構想調整会議 隣接県、 隣接圏の 参加も! 地域単位による、自主的かつきめ細やかな議論 13 三重県の現状と取組 人口動態関連指標の値 ▼三重県の人口動態関連指標の値は、一部を除き、全国の中央に位置する。 平均寿命(男)79.69歳(第21位) 平均寿命(女)86.25歳(第30位) 健康寿命(男)70.73歳 (第16位) 健康寿命(女)73.63歳 (第26位) 高齢化率 24.4%(第27位) 合計特殊出生率 1.49(第20位) 新生児死亡率 1.0(第24位) 乳児死亡率 3.0(第44位) ※死亡率以外はすべて降べき順 出典;平成22年国勢調査、平成23年総務省人口統計、平成24・25年人口動態統計 主な死因の死亡率(人口10万対) ▼三重県では疾患による死亡は比較的少ない。 悪性新生物 290.0(第11位) 脳血管疾患 103.0(第18位) 肺炎 101.1(第17位) 心疾患 162.9(第17位) 腎不全 23.8(第30位) 老衰 86.3(第6位) ※「老衰」以外は昇べき順 出典;平成25年人口動態統計 4つの2次医療圏 桑名市 亀山市 中勢・伊賀保健医療圏 伊賀市 四日市市 北勢保健医療圏 鈴鹿市 人口約84.0万人 津市 人口約46.3万人 名張市 松阪市 伊勢市 鳥羽市 南勢志摩保健医療圏 宮川村 大台町 東紀州保健医療圏 志摩市 人口約47.1万人 尾鷲市 人口約8.0万人 熊野市 17 松田晋哉産業医科大学教授作成資料 医療計画への反映 ●三重県の課題への対応を意識 ・医師等の医療従事者の不足 ・救急医療体制の確保 ・在宅医療体制の全県的な整備 ●三重県の地勢をより勘案 ・南北に長く、一定規模の人口を 擁する都市が長軸方向に存在 一般病床を有する病院 宮川村 300床以上 100床以上 100床未満 出典;三重県調べ(平成25年6月現在) がんによる年齢調整死亡率と医療提供体制 四日市社会保険病院 いなべ総合病院 市立四日市病院 桑名西医療センター 県立総合医療センター 鈴鹿中央総合病院 鈴鹿回生病院 三重大学医学部附属病院 上野総合市民病院 三重中央医療センター 伊勢赤十字病院 宮川村 市立伊勢総合病院 尾鷲総合病院 140以上 110~140 110未満 済生会松阪総合病院 松阪市民病院 松阪中央総合病院 平成22年人口動態統計 三重県における今後のがん医療提供体制のイメージ ★標準的・集学的治療 の提供 ★県内で10箇所 程度の整備 県がん拠点 医療圏 医療圏 県外の高度医療提供機関 医療圏 〇準拠点病院 地域がん 拠点 地域がん 拠点 地域がん 診療 拠点病院未設置の、空白の 2次医療圏に設置。 がん診療 準拠点 がん診療 連携 がん診療 準拠点 がん診療 連携 がん診療 連携 がん診療 準拠点 がん診療 連携 がん診療 連携 地域でのフォローアップ体制構築 ⇒ 今後の課題 地域の 医療機関 地域の 医療機関 地域の 医療機関 地域の 医療機関 地域の 医療機関 ①標準的・集学的治 療を提供 ②拠点病院に準ずる 診療実績 〇連携病院 ①標準的・集学的治 療を行わないまでも高 度又は特異的な医療 を提供 ②拠点、準拠点との連 携(紹介患者の情報 交換、ネットワーク参 加等) 傷病者の受入に要した時間(分)(平成25年上半期) 50 45 40 35 30 搬送時間 25 選定時間 20 15 10 5 0 桑名 四日市 菰野 鈴鹿 亀山 津 伊賀 名張 松阪 伊勢 鳥羽 志摩 紀勢 紀北 熊野 23 三重県の医師数(対人口10万) ▼主たる診療科別では、内科の各分野、外科、産婦人科、小児科等において全国平均を下 回っている。 ▼地域別では、伊賀、東紀州等において県平均を下回っている。 60 全国 50 226.5 三重県 40 北勢 30 20 197.3 165.2 津地域 334.4 10 伊賀 131.4 0 内 呼 吸 科 器 内 科 循 環 器 内 科 消 化 器 内 科 神 経 内 科 小 外 心 脳 整 産 麻 救 児 臓 神 形 婦 酔 急 科 科 血 経 外 人 科 科 ・ 管 外 科 科 小 ・ 外 科 児 産 科 外 科 科 全国 三重 南勢 伊勢志摩 東紀州 218.1 190.9 156.1 出典:平成24年医師・歯科医師・薬剤師調査 25 8つの 地域医療構想区域 桑員地域 三泗地域 鈴亀地域 伊賀地域 津地域 松阪地域 伊勢志摩地域 宮川村 東紀州地域 26 本県における地域医療構想の策定体制 桑員地域医療構想調整会議 三重県医療審議会 三泗地域医療構想調整会議 5 疾病 5 事業等関係部会 医療審議会救急医療部会、地 域医療対策部会、周産期医療 部会、健やか親子推進部会 県がん対策協議会がん対策 戦略プラン策定検討部会、 県脳卒中医療福祉連携懇話 会、県公衆衛生審議会地域・ 職域連携推進部会、県精神保 健福祉審議会、県在宅医療推 進懇話会 等進 三重県地域医療介護 総合確保懇話会 鈴亀地域医療構想調整会議 津地域医療構想調整会議 伊賀地域医療構想調整会議 松阪地域医療構想調整会議 基金を活用した 伊勢志摩地域医療構想調整会議 事業の提案 東紀州地域医療構想調整会議 地域医療構想区域の設定 本県については、南北に長い地勢を有し、一定の人口規模を持つ都市がほぼ長軸方向 に分散して存在すること、地域医療構想は在宅医療など、より地域に密着した医療のあ り方にかかる議論が求められることから、現行の2次保健医療圏(北勢、中勢伊賀、南 勢志摩、東紀州)をベースとして、8つの地域を「地域医療構想区域」として予定して いる。 様々な施策との連携、統合 ●新公立病院改革ガイドライン ●地域医療連携推進法人制度(仮称) ●国民健康保険の広域化 ●まち・ひと・しごと創生総合戦略 地域に寄り添う医療政策 地域で安心して暮らすことができるよう、医療提供体制を整備することが必要 まち・ひと・しごと創生総合戦略(平成26年12月27日閣議決定) ●人口減少に伴う地域の変化に柔軟に対応し(~中略~)地域の中において安全・安心で心豊か な生活が将来にわたって確保されるようにする。 ●医療・福祉・商業等の生活サービス機能や居住の誘導等による都市のコンパクト化と公共交通 網の再構築をはじめとする周辺等の交通ネットワーク形成により、高齢者や子育て世代にとっ て、安心して暮らせる健康で快適な生活環境の実現(~中略~)を推進していく。 患者の早期の社会復帰を図り、住まいを中心とする医療を提供する体制を構築することにより、安心 して暮らすことができる地域づくり、まちづくりを目指す。 地域医療構想 ■地域の関係者による協議を行いながら、あるべき将来の医療 提供体制の達成を推進していく。 病床機能の 分化・連携 在宅医療・ 地域包括ケアの充実 新たな財政支援制度 ■県に設置した「地域医 療介護総合確保基金」を 活用して施設・設備整備 等を支援する。 都道府県が地域医療計画を 意味あるものにするために 地域医療計画を意味あるもの にしていく都道府県 ご静聴、ありがとうございました! 31
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