[雑草と作物の制御] vol.10 2014 p76 平成26年度水稲除草剤試験中間現地検討会報告 (公財)植調協会関東支部 大嶋保夫 平成 26 年度の関東・東海地域水稲除草剤試験中 ためバスからの視察になってしまったが、車窓か 間現地検討会が、6 月 5~6 日に三重県で開催され らは、堆肥施用によって良好な生育を示している た。農薬会社関係 36 名を含む 85 名の参加者は近 小麦畑と生育が進み緑の濃くなった水稲と雨に濡 鉄伊勢中川駅近くの三重県農業研究所に集合した。 れた黄褐色の小麦が織りなす風景を広範に見られ 始めに主催者の東海支部横山支部長と三重県農業 た(写真-2)。 研究所近藤所長の挨拶があり、適 2 試験の実施状 鳥羽市のホテル到着後には情報交換会が開催さ 況の説明を受けた。当日は、あいにく朝から雨で, れた。海の幸を味わいながら、日頃の苦労話、他 視察の頃は強風豪雨になったので、残念であった の地域の水稲除草剤の現状課題について遅くまで が水稲除草剤適2試験圃場の視察調査は有志のみ 熱心に情報交換が行われた。 が行った(写真-1)。 2日目の検討会は,東海支部長の総合司会で進 その後2台のバスに分乗して三重平野を北から められた。水稲除草剤適2試験中間成績の検討は, 南に移動して伊勢市に向かい、耕畜連携に取り組 中央農業総合研究センターの内野彰専門員の司会 んでいる(有)伊勢アグリ・トラストの圃場を視察 のもと、各試験地からは概ね順調に試験を実施し した。伊勢市西豊浜地域は肥沃な黒ボク土壌が広 ているとの報告があった。特別課題の検討では、 がっていて、水田転換畑での麦作が盛んに行われ 三重県農業研究所農産研究課の大西順平氏から ている。しかし、小麦作はブロックローテーショ 「三重県における雑草発生実態」と題して、三重 ンがとられていなかったため、ここ数年は連作に 県水田作の特徴、水田雑草を取り巻く環境変化、 よる土壌の pH が低下して老朽化が問題となり、 および 2011~13 年に実施した三重県における雑 小麦収穫量が著しく低下していた。そこで実証圃 草発生実態調査結果について、過去の調査結果と を設置して土壌改良材および堆肥の施用効果を実 の対比で話題提供が行われた。 証し、25 年産から堆肥の本格導入を図っている。 今回は現地圃場など豪雨により充分に視察でき また、昨年度から飼料稲生産に取り組み、収穫物 ず残念であったが、水稲早期栽培と水田作の小麦 は近隣の酪農農家に提供し、堆肥の供給を受ける について学ぶことができた。この会を企画された 地域内耕畜連携がとられていると三重県中央農業 東海支部長と担当下さいました三重県の多くの 普及センターの小倉氏から説明があった。豪雨の 方々に感謝とお礼を申し上げたいと思います。 写真-1 三重県農業研究所の水稲除草剤 写真-2 適2試験ほ場視察(松阪市) - 76 - 耕畜連携取り組み農家圃場視察(伊勢市周辺)
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