2015 年(平成 27 年)8 月 1 日 会員各位 第 108 回 Klub Zukunft 月例会 -歴史・文化に親しむ会- 猛暑が続いていますが、熱中症などにお気を付けてお過ごし下さい。 『徒然草』といえば、「つれづれなるままに・・・」という書き出しで始まる、余りにも有名な古典です。 殆どの方は『徒然草』は隠者の書いた無常感の文学だという様に理解されていると思います。しか し、作者の吉田兼好は、この『徒然草』を書き上げた後、20 年以上も生き続けていますが、その後、 ただの一行の散文すら残していません。一体、兼好は何故『徒然草』を書いたのでしょうか? 『徒然草』の主題は一体何なのか?国文学者の光田和伸先生が行きついた結論は、画期的なも ので、『徒然草』は隠者の文学などでは無く、吉田兼好自身の恋物語とその思い出を書き留めた作 品だったという事です。そして、ご自分の見解を『恋の隠し方-兼好と「徒然草」』という著書で発表さ れました。『徒然草』は序段を含めて全部で 244 段から構成されていますが、兼好自身の恋物語は、 8 つの章段の中にバラバラに散りばめられて隠されているという事です。移り行く時代の中で生きた 兼好は何故自らの恋物語を隠す必要があったのでしょうか? 『徒然草』第45段に良覚僧正の話があります。藤原公世(ふじわらのきんよ/公卿)の兄弟で良覚 僧正という、とても怒りっぽい僧侶が居たそうです。僧房の門前に大きな榎木(えのき)があったので、 人々は「榎木の僧正」と呼んでいたそうですが、このあだ名に激怒した僧正は木を切り倒してしまい ました。それでも切り株が残っていたので、人々はあだ名を「切り株の僧正」としました。僧正の怒り はますますエスカレートして、とうとう切り株も掘り起して捨ててしまった処、その掘った穴が大きな 堀のようだったので「堀池の僧正」と呼ばれるようになったそうです。これは悲劇でしょうか、喜劇で しょうか。兼好はなにを伝えたくてこんな話を書き留めたのでしょう?『徒然草』の章段の一つ一つは 短く無愛想なほどですが、その背後には豊かなメッセージが湛えられています。今月度の光田和伸 先生のご講演は、それを考える1時間半の旅です。皆様是非ご参加下さい。 ◆ 日 時: 2015 年 8 月 26 日(水曜日) 16:00~17:30 ◆ 場 所: 梅田エステート・ビル5階会議室 (添付 PDF の地図をご参照下さい。) ◆ テーマ: 「「榎木(えのき)の僧正」はなぜ怒ったのか-徒然草の知られない世界-」 ◆ 講 師: 光田 和伸(みつた かずのぶ)様 (国際日本文化研究センター准教授) ◆ 参加料: 正会員; 500 円 / 賛助会員&一般; 1,000 円 ◆ 月例会への参加は Klub Zukunft のホームページからお申し込み下さい。 http://klubzukunft.com/ ◆ 尚、月例会終了後、懇親会を開催しますので、合わせてご参加下さい。(但し、会費は実費) 以上
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