96年度日文系「学術研究発表会」 現在の研究状況及び今後の展望 中世文学における〈老いたる「もの」〉の境界線 楊錦昌 2008年6月11日(水)輔仁大学LA204 (一)現在の研究状況 1.平家物語の歴史叙述についての研究 日本中世文學的中國書寫 和漢歷史敘事的再現與文學想像 2.諸本研究 語り本系(覚一本など) 読み本系(延慶本など) (二)現在進行中の研究 1.研究方向 2.研究テーマ:中世文学における〈老 いたる「もの」〉の境界線 3. 研究内容 発表要旨(添付資料) 研究の方向と内容 研究の方向と内容 「老い」の位置付け 老少不定のさかい 老後の恥辱(宿運、無常、「定めなき こそいみじけれ」) 「武者」と老い 「老い」の親子(老者と若者) 老いを恋ふ (三)今後の研究の方向 和漢説話と歴史叙述の研究 「主題学」(Thematology)的 な研究 ご清聴ありがとうございます。 引用資料 (一)《徒然草》 世はさだめなきこそ、いみじけれ。 命長ければ辱多し。長くとも、四十に たらぬほどにて死なんこそ、めやすか るべけれ。 (二)《能楽論集》〈風姿花傳〉 四十より能は下るべし 《徒然草》 老(い)ぬる人は、精神おとろへ、淡 くおろそかにして、感じうごく所なし。 心おのづからしづかなれば、無益のわ ざをなさず。身を助けて愁なく、人の 煩ひなからん事をおもふ。老(い)て 智の若き時にまされる事、若くして、 かたちの老(い)たるにまされるが如 し。 《平家物語》 老少不定のさかいなり 老後の恥辱たゞ此事候 老じにといふべきにはあらねども、宿運 忽につき給へば 老ぬれば奴馬にもおとれり 老て後子にをくれたるよりも悲しきはな し 凡老て子を失は、枯木の枝なきにことな らず
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