儲かる製造業を実現 - かながわ経済新聞

8
12月号
2014年
Vol.012
かながわ経済新聞
発行日 2014/12/10
発行
かながわ経済新聞社 編集長 千葉 龍太
〒252-0239 相模原市中央区中央3-12-3 相模原商工会館 本館1F
TEL 042-851-3021 FAX 042-851-3532
監修
産業情報化新聞社 編集長
神奈川版
竹原 信夫
〒550-0004 大阪市西区靭本町1-16-7 日報印刷ビル2F
TEL.
06-6445-7405 FAX.
06-6445-7406
URL http://www.akaruinews.com
実現
儲かる製造業を
次世代の製造業のあり方を感じさせる企業が、横浜市
地 震 でも
地震で閉じ込められるリスク防ぎます―。建具を製造販売する
港北区にある。3Dプリンターや光造形、精密砂型鋳造
ビュード(横浜市中区新山下、☎045・264・4070)は、
を柱にするJMC(☎045・477・5757)
。モノ
地震でドア枠がゆがんで開けられず、脱出不可能になるのを防ぐ
づくり産業に革新をもたらすとされる3Dプリンターだ
耐震ドアプレートを開発した。同社によると、震度6強で、ほと
が、同社では実は1999年に参入。業界をけん引する企業で
んどのドアは開閉不能になる。強引に開けるにしても200キロ
もある。取引先数1000社。株式上場も視野に入った同社だが、
の力を加えないと無理という。同製品は
渡辺大知社長は実は元プロボクサー。引退後に製造業の世界に
ドアの側面部などにはるだけで、開く
入ったという異色の経歴の持ち主だ。国内では産業空洞化が問
ようになる。地震対策を進めるマンシ
題視されるなか、渡辺社長は「製造業ほど儲か
ョンや工場、オフィスなどに提案。年
る業種はない」と言ってのける。出発点は
間1万件の施工を目指していく。
「アケルくん」と名付けた同
■24時間365日稼働
製品は、ポリカーボネートにシ
JR線・新横浜駅近くの
リコン系素材をコーティングし
オフィス街。JMCの本社・
た。厚さは最薄部0・5ミリ~
工場は、ここの一角にある
2ミリ。
JMCの渡辺社長
ビルに入居する。1階には最
新鋭の3Dプリンターがずら
これをドア
ューリングする。これによって、
りと並べられ、24時間36
仕事の優先順位を明確化するととも
5日稼働。翌日には出荷する
に、予定したタスクより時間がオーバーした場合は、分
体制を整える。
析することでさらなる効率化につなげるためだ。
渡辺社長い
わ く「 仕 事 と
い う の は、 交
新たなメイドインジャパン
新たなメイドインジャパン
通アクセスがよい場所に集ま
からの脱却」
ります。急ぎの製作依頼であ
ビュードが耐震プレート
の側面部分などにはることで、地震でドア枠が変形しても
開閉スペースは守られているので、開けられるようになる。
摩擦係数も12分の1に軽減される。
同社によると、震度6強の地震が起こった場合、ドア枠
電話は3コール以
内に出る。挨拶から始
まり、製品の梱包、請
のゆがみは1・7センチになり、ドアに圧力がかかってし
まい、開閉がほぼ不可能になるという。
「東日本大震災でもドアが開かない事例がありました。地
震発生後、閉じ込められてしまったままだと2次災害のリ
求の仕方 ・・・。すべてにおいて手を抜かない。
渡辺社長はいう。
「これまでの製造業は、モノづくり以
スクが高まります」と川端秀明社長。
外の部分がだらしないと感じま
あらゆるタイプのドアに
き取れる。だからこそ、高く
した。ファミレスだって、店に
対応できるよう6種類を用
受注できるんです」
。
入ればパートさんが元気に挨拶
意した。施工にかかる費用
プロボクサー引退後、25
します。要は普通にサービスし
歳で父の経営するJMCに入
て、普通に営業すればよいので
社。が、当時のJMCは保険
代理店だった。それに違和感
を覚えた渡辺社長は「モノを
った ・・・」と、会社の方向性
を180度変えた。
今では、
“超短納期”の3
Dプリンター事業に加え、従
アルミの精密砂型鋳造、型技術を応用し
た医療用モデル製作 ・・・。さまざまな技
術を持っており、航空宇宙産業への参入
も予定する。
■仕事は「10分単位」で
渡辺社長が重視するのが仕事の効率
性。それぞれの業務を何と10分単位で
管理している。出勤すると、社員は10
源を開発した。
重さ13キロ。持ち
運べるサイズながら出
力1500ワットを発
揮 す る。
「ほとんどの
加瀬倉庫
家電製品はこのバッテ
リーで動かせます」と
松宮正浩社長。家庭用コンセントで充電できるのも特徴だ。災害時の非常用電源の
ほか、アウトドアグッズなども想定している。
開発のきっかけは、東日本大震災での福島第1原発事故。
「これまで“原発信者”でしたが一変しましたね。自分なり
に“脱原発”を進めたいと考え開発しました」
(松宮社長)
。
リチウムイオン電池内蔵!
つ目から始めて
し ま い ま す。 が、
そうすると失敗
してしまいます。
ま ず は「 相 手
(お客様)が何を
求めているか」で
す。
最初は商品や
サービスについ
て話さず、
〝欲求〟
販 売の自 然の法 則
けている。
今 回 は「 販 売 の 自 然 を創り出すことに専念し
の 法 則 」 に つ い て で す。 ます。そうすることによ
少 し こ の テ ー マ で 続 け って、自分の商品に興味
を持たせることもできま
ていきます。
こ の 法 則 は 3 つ で 成 す。
ではどのようにして
り立っています。1つ目
は 欲 求 を 増 や す、 欲 求 を 創 り 出 す こ と が
2 つ 目 が 価 値 できるか?
お客様は御社の商品
を増やす、3つ目
が お 金 を 得 る │ やサービスが欲しいの
です。この順番を ではないのです。商品や
間違えると、販売 サ ー ビ ス を 得 る こ と で、
困っていることなどを
はできません。
解決したいのです。
ほとんどが二
これができない
と、
〝欲求〟が創り
だせないので価格競
争に巻き込まれてし
まいます。すぐにも
購入してもらえませ
ん。
例えば、ある米国
人から聞いたのです
が、なぜ米国で寿司や刺
身の人気があるかという
と、さっぱりしているも
のだったり、ぜいたくな
気分になりたいので寿司
や刺身を食べるといった
感じです。次回はもう少
し詳しく説明していきま
す。
(バイオクロマト代
表取締役)
分単位での予定(タスク)を決めスケジ
したポータブルAC電
電源開発
来の方法を独自に進化させた
は1世帯あたり5万円から。
ラップ」やゲートが必要
施工時間は1時間程度。
になってくる。
た だ、
「稼働率の高い
同製品は2月5、6日にパシフ
商業地であれば何の問題
ィコ横浜で開かれる「震災技術対
もありませんが、利用者
の少ない郊外でコインパ
策展」横浜にも出展する予定だ。
ーキングを開設する場合
は、初期コストが大きな負
担になってしまいます」
(阿
オメガ技術研究所(海
部課長)
。
老名市柏ヶ谷、☎04
同社では今回の“フラッ
6・233・4627)
プレス”コインパーキングの
運用を試験的に行い、期待通
は、電気自動車(EV)
りの結果が得られれば、郊外
にも使われているリチ
や住宅街などにも展開してい
く。来年度には10カ所程度
ウムイオン電池を搭載
の設置を予定している。
持 ち運 びOK
1500ワット
つくる仕事が何となくしたか
駐車料金は自己申告
―。相模原や横浜などで
不動産業を展開する、加
す」と。
瀬倉庫(☎045・478・
経営では、特定の業界・取引
4185)は、横浜市鶴見
区駒岡に“フラップレス”
先に依存しないルールを決め
のコインパーキングをオー
る。売上高に占める割合は「1
プンさせた。
利用者は駐車前に、
「事前
業種30%以内、1社15%
精算機」で①2時間②24時
以内」としている。
「大量生
間③48時間といった利用時
産より利益率が高い数が少
間を選択する。支払ったらチ
ケットを受け取り、それを駐
ないものを狙う」のが基本
車時に自動車のダッシュボー
だ。
ドなどに置いておく。
「あくまでもお客さんとの
「これから世界で戦ってい
信用で成り立つサービスで
くには、技術力だけでなく、 す」と阿部洋・第二開発部
課長。
“チケット式”と呼
スピードやサービス、ブラン
ぶこのコインパーキング
ドといった付加価値が今まで
は、同社にとって初の試
みという。
以上に求められることは明ら
通常のコインパーキン
かです」と渡辺社長。従来の価
グでは、不正利用を防止
値観を捨て、新たなメイドイン
するため、駐車スペース
の地面に
ジャパンをつくろうと挑戦を続
置 く「 フ
支払いは「事前申告制」
っても、お客さんはすぐに引
その名も アケルくん
従来の
従来の
“町工場的”
な価値観の否定だった。
リチウムイオン電池の調達には苦労したものの、
構想から3年以上たち、製品化にこぎつけた。
ポータブルAC電源は、デスクトップパソコンと
ほぼ同等の大きさ。最大3
枚の太陽光パネルを接続し
海老名のオメガ技研
て充電できる。
「コンパクトでここまでの出力がある製品は、他社製にはないと思います」
(同)と自信満々だ。内蔵するインバーターなどを小型したことでポータブル
サイズを実現したという。電子レンジなら1~2時間、
大型テレビ5~7時間、
エアコン1~2時間動かせる。
価格は19万8000円。年間300台の販売を計画している。
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