広角の回復期リハ 実践元年に - 回復期リハビリテーション病棟協会

新
患者個々の生活を軸足に、チームアプローチを 年度の慌ただしいなか、少しずつ落ち着き
専門的・協働的・段階的に実施。心身の機能、活
を取り戻されている頃かと思う。
動・参加レベルでの可能性を引き出す。
当協会PTOTST 委員会担当で取り組んでいる
「回復期セラピストマネジャー」の養成であるが、
患者管理(ケースマネジメント)を実践する。
昨年度は第4・5 期の 2 期開催し、それぞれ93名、
これらを共通理解とし、職種ごとの「10カ条」
を徹底することを大きな目標にしたい。
92名の認定者を輩出した。 認定者総数は養成を
今後各地で地域包括ケアシステムが本格化する。
始めた平成23年度から 4 年で560名に達し、セラ
ピストマネジャーは現在、44都道府県、会員施設
回復期病院の従事者としてどうかかわるべきか。
の28%にあたる291施設に在籍している。
私見だが以下のような「行動指針」を提案したい。
①各職種「10カ条」
長崎、愛媛での
研究大会ではセラ
ピストマネジャー
の皆さんの発表を
数多く拝聴できた。
認定者の志、発表
内容の秀逸さには
を暗黙知化する。
巻頭言
② 多職種協働の中
で自身が担う分野
広角の回復期リハ
実践元年に
の責任を全うする。
③ ニーズ・オリエ
ンテッド、利用者
舌を巻いた。回復
本位で行動する。
期リハビリテーシ
④ マネジメント全
ョン看護師や専従
域でPDCAサイク
医師研修修了医師
ルを意識的に回す。
らとともに、これ
⑤ 社会資源を含め、
からますます活躍
当事者を取り巻く
が期待できそうだ。
地域包括ケアシ
斉藤 秀之
当協会理事
( 筑波記念会 リハビリテーション事業統括、理学療法士)
「関係図」を描く。
⑥当時者に関する
ステムの構築、未
知らないこと、わ
曾有の超高齢社会
からないことを放
に立ち向かうため回復期リハ病棟で働くスタッフ
置したままにせず把握に努める。
の「立ち位置」を考え直してみる。
⑦ 地域リハビリテーションを実践する。
「自立」
「社会的統合」という基本に立ち返る。
リハビリテーションの理念、サービス提供、いず
⑧ 学んだ基本・標準を大切にしつつ「現場主義」
「実践主義」で行動する。
れの側面からも、当面の退院時目標に過ぎない
⑨ かかわった人に最期までかかわる覚悟で臨む。
「在宅復帰」で自らの行動を止めず、自助・互助
⑩ 仲間を大切にする。
の達成を目標に行動する。
⑪ 自身を含めて人を愛する。
障害学の専門家集団として、高齢による病態・
症候もまた1つの障害ととらえ、かかわる。
小さくまとまらず、視野の広い回復期リハビリ
テーション実践元年となることを祈念したい。
回復期リハビリテーション◆ 2015.4
03