小口散発で小康維持 累計では件数、負債とも前年上回る

オホーツク管内倒産集計
2015年(平成27年)4月オホーツク管内倒産集計
27年5月7日
株式会社
東亜リサーチ
北見市常盤町3丁目16番42号
Tel(0157)23-6288
Fax(0157)24-1033
小口散発で小康維持 累計では件数、負債とも前年上回る
発生件数2件
■前
月
比
件
数
同
負債総額
■前年同月比
件
数(平成27年
7億8,800万円減少(
数
負債総額
負債総額1億400万円
同
〃
数(平成26年
4,100万円減少(
3月
〃
2
件)
8億9,200万円)
4月
2
件)
1億4,500万円)
平成27年4月の発生状況
平成27年4月のオホーツク管内における倒産整理企業(負債総額1,000万円以上・内整理を
含む)は、発生件数2件、負債総額で1億400万円だった。
これは前月と比較すると件数は同数、負債総額では7億8,800万円の減少。前年同月では
件数て同数、負債総額で4,100万円減少している。
当月の2件は㈲寿し安(網走・飲食店・負債8,100万円)、㈱サプテック(北見・携帯電話部品組
立・負債2,300万円)。両社ともに販売(売上)不振が要因。前社は2回目不渡りで銀行取引が
停止、後社は自己破産を申請し、破産手続開始決定を受けて表面化した。なお、㈲寿し安は52
年の業歴を持っていた。
過去5年間の4月の発生状況を見てみると22年1件、23年1件、24年ゼロ、25年5件、26年2件
で平均件数が1.8件、負債総額は1億3,716万円。件数については概ね平均水準域となり、負債
総額では平均値を下回る発生状況となった。
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オホーツク管内倒産集計
過去5年間の1~4月の発生累計
今年1~4月の発生累計は、件数が6件、負債総額で10億5,600万円となった。これは前年同
期間と比べると件数で1件、負債総額では2億1,200万円のそれぞれ増加となった。
過去5年間の発生推移は下記のとおりで、平均では件数が6.4件、負債総額が7億9,329万
円。今年は累計件数で平均値内で推移しているが、負債総額は平均を上回っており、過去5年
間で最も負債総額が多かった25年に次いで2番目に高い負債総額となった。
なお、これまでの発生を地区別でみると北見市3件、紋別市2件、網走市1件。業種別ではサ
ービス、その他が各2件、食品、運輸が各1件。主要因別では販売(売上)不振が4件、旧債重荷1
件となっており、法的措置での表面化が昨年の2件を大きく上回る5件となっている。
1~4月主要因別倒産件数
過去5年間と今年1~4月の件数・負債額
年
別
件
数
負
債
主要因
額
26年件数 27年件数
22年
6件
9億3,300万円
販売不振
3
4
23年
3件
2億6,660万円
回収難
0
0
24年
8件
4億7,400万円
過当競争
1
0
25年
10件
14億4,880万円
連鎖
0
0
26年
5件
8億4,400万円
計画失敗
0
0
27年
6件
10億5,600万円
放漫経営
0
0
旧債重荷
0
1
代表死亡
1
0
その他
0
1
27年月別倒産件数・負債額
年月別
件数
負
債
額
1月
2
6,000万円
2月
0
0円
3月
2
8億9,200万円
4月
2
1億400万円
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
合
計
6
10億5,600万円
26年合計
5
8億4,400万円
前年対比
1
2億1,200万円
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1~4月地区別倒産件数
地区
26年件数 27年件数
北見市
3
3
網走市
0
1
紋別市
1
2
常呂郡
0
0
網走郡
0
0
斜里郡
0
0
紋別郡
1
0
オホーツク管内倒産集計
1~4月業種別倒産件数
業種
1~4月企業形態別倒産件数
26年件数 27年件数
企業形態
26年件数 27年件数
建設
0
0
株式会社
3
3
木材
0
0
有限会社
2
3
水産
1
0
特殊法人
0
0
食品
3
1
個
0
0
車輌・機械
0
0
石油・燃料
0
0
サービス
0
2
運輸
0
1
その他
1
人
26年件数 27年件数
法的処置
2
5
代表失踪
0
0
2
今後の見通しと問題点
例年倒産の多発時期である1~4月を終えたが、今年は負債総額で過去5年間の平均値を
やや上回ったものの、件数では平均値内に止まり、昨年に引き続き小口、散発傾向で小康状態
を保ったといえる。
オホーツク管内は着業期入りしているが、景気回復の足取りは鈍い。個人消費の低迷が長
期化しており、依然として消費マインドが低いなか、特に食料品を中心とした値上がりが重な
っている小売業に加え、サービス業への影響も懸念される。
平成26年度公共工事請負額(保証工事)をみると管内は前年比79.2%に止まり、今年度も
減少が見込まれる。1~3月の建築確認件数も道内全体では増加しているが、オホーツク管内
は大きく落ち込んだ。管内は倒産全体に占める建設業者の比率は大きいが、昨年は2件の発
生に止まったうえ、現在まで6か月間発生ゼロが続いている。一時的に公共投資の恩恵を受け
た業界だが、多くは疲弊した財務内容の改善までには至っておらず、工事減少に伴う価格競
争の激化や資材コスト負担によって今後息切れする懸念もある。これまで低い水準で推移し
てきた管内であるが、本格稼働期に入っても倒産件数増加への不安材料は消えない。
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