発生ゼロで小康維持 累計では件数、負債とも前年上回る

オホーツク管内倒産集計
2015年(平成27年)5月オホーツク管内倒産集計
27年6月5日
株式会社
東亜リサーチ
北見市常盤町3丁目16番42号
Tel(0157)23-6288
Fax(0157)24-1033
発生ゼロで小康維持 累計では件数、負債とも前年上回る
今年2回目の月間発生ゼロ
■前
月
比
件
数
負債総額
■前年同月比
件
2
件減少(平成27年
1億400万円減少(
4月
〃
数
同
数(平成26年
負債総額
同
数(
〃
2
件)
1億400万円)
5月
0
件)
0
円)
平成27年5月の発生状況
平成27年5月のオホーツク管内における倒産整理企業(負債総額1,000万円以上・内整理を
含む)は、発生件数がゼロだった。
これは前月と比較すると件数で2件、負債総額では1億400万円のそれぞれ減少。発生ゼロ
だった前年同月では同数となっている。
過去5年間の5月の発生状況を見てみると22年2件、23年1件、24年3件、25年・26年ともに
ゼロとなっており、平均件数が1.2件、負債総額は1億7,800万円。今年は平均を下回る発生状
況となったほか、5月としては3年連続して発生ゼロを記録した。
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オホーツク管内倒産集計
過去5年間の1~5月の発生累計
今年1~5月の発生累計は、件数が6件、負債総額で10億5,600万円となった。これは前年同
期間と比べると件数で1件、負債総額では2億1,200万円のそれぞれ増加となった。
過去5年間の発生推移は下記のとおりで、平均では件数が6.4件、負債総額が9億7,128万
円。今年は累計件数で平均値内で推移しているが、負債総額は平均を上回っており、過去5年
間では25年、22年に次いで3番目に多い負債額となった。
なお、これまでの発生を地区別でみると北見市3件、紋別市2件、網走市1件。業種別ではサ
ービス、その他が各2件、食品、運輸が各1件。主要因別では販売(売上)不振が4件、旧債重荷1
件となっており、法的措置での表面化が昨年の倍となる4件となっている。
1~5月主要因別倒産件数
過去5年間と今年1~5月の件数・負債額
年
別
件
数
負
債
主要因
額
26年件数 27年件数
販売不振
3
4
4億1,660万円
回収難
0
0
11件
8億3,900万円
過当競争
1
0
25年
10件
14億4,880万円
連鎖
0
0
26年
5件
8億4,400万円
計画失敗
0
0
27年
6件
10億5,600万円
放漫経営
0
0
旧債重荷
0
1
代表死亡
1
0
その他
0
1
22年
8件
13億800万円
23年
4件
24年
27年月別倒産件数・負債額
年月別
件数
負
債
額
1月
2
6,000万円
2月
0
0円
3月
2
8億9,200万円
4月
2
1億400万円
5月
0
0円
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
合
計
6
10億5,600万円
26年合計
5
8億4,400万円
前年対比
1
2億1,200万円
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1~5月地区別倒産件数
地区
26年件数 27年件数
北見市
3
3
網走市
0
1
紋別市
1
2
常呂郡
0
0
網走郡
0
0
斜里郡
0
0
紋別郡
1
0
オホーツク管内倒産集計
1~5月業種別倒産件数
業種
1~5月企業形態別倒産件数
26年件数 27年件数
企業形態
26年件数 27年件数
建設
0
0
株式会社
3
3
木材
0
0
有限会社
2
3
水産
1
0
特殊法人
0
0
食品
3
1
個
0
0
車輌・機械
0
0
石油・燃料
0
0
サービス
0
2
運輸
0
1
その他
1
人
26年件数 27年件数
法的処置
2
5
代表失踪
0
0
2
今後の見通しと問題点
北海道財務局北見出張所が発表した「オホーツク圏経済情勢報告」の5月分の総合判断は
「一部に弱さは残るものの、持ち直しの動きが見られる」と2月の総合判断から上方修正された
ものの、景気持ち直しの実感は乏しい。
本格的稼働期に入った管内、一次産業では5月の平均気温が高く推移したことから、農作物
の作況は悪くないが、冬場のシケで大幅な減産が予想されたオホーツク管内のホタテ生産計
画量が、ここに来て当初計画より3万トン超の減産が見込まれるなど影響が気になるところ。
連日記録的な安値更新が続くなど円安・ドル高の流れが加速しているが、オホーツク管内は
輸出業者が少なく、円安のメリットは少ない。反対にデメリットの方が多く、電気料金の値上、人
件費がアップしているなか、燃料や食料品などの輸入品のさらなる価格上昇は、企業や家計
などへの負担が一段と増すことになり、個人消費や企業収益への影響が心配される。
これまで落ち着きを見せている管内企業倒産であるが、金融機関から返済条件変更などを
受けて業態を維持してきた企業が、これからソフトランディングできるのか、それとも破綻へと
進むのか、今後の動向が気になる。
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