Hong Kong Tax Alert 2015 - Issue 6

1 April 2015
2015 Issue No. 6
Hong Kong
Tax alert
2014/15年度事業所得税申告の開始
2015年4月1日、内国歳入庁(以下「IRD」)は、各社宛に2014/15年度の事業所得税申告書を発
行しました。当タックスアラートでは、2014/15年度の事業所得税申告書の提出期限やIRDへの
課税所得の通知、及び2014/15年度の事業所得税申告書での変更点についてご案内致しま
す。
上記以外に、申告を時価基準または実現基準のいずれで行うかの留意点について、また裁判
所を通さない2社以上の事業結合についても考察します。
事業所得税申告書に関してご不明な点がございましたら、貴社の税務担当者までご連絡くださ
い。
2014/15 年度事業所得税申告の開始
2015年3月31日に終了する課税年度(2014/15年度)の事業
所得税申告が2015年4月1日から始まり、IRDから事業所得
税申告書が発行されました。 慣例としてIRDは課税所得が
あると思われる、もしくは特定の条件に当てはまる企業また
はパートナーシップに対して、事業所得税申告書を毎年4月
初めに発行します。
本来、申告書はその発行日から1ヶ月以内に提出する必要
があります。しかしながら、IRDは会計事務所が税務申告を
代行する場合には申告期限を延長することができる延長申
請制度(Block extension scheme)を長期にわたり実施し
ています。2014/15年度の延長申請制度に基づき、2015年4
月1日に発行された申告書の申告期限は以下の通りに延長
されます。
納税者の会計上の決算日
延長後の提出期限
2014年4月1日~2014年11月30日
(コード “N”)
延長なし。
2015年5月4日
(月曜日)
2014年12月1日~2014年12月31日
(コード“D”)
2015年8月17日
(月曜日)
2015年1月1日~2015年3月31日
– 課税対象となる所得がある場合
(コード “M”)
2015年11月16日
(月曜日)
2015年1月1日~2015年3月31日
– 税務上、欠損がある場合
2016年2月1日
(月曜日)
事業所得税申告書が発行されておらず、課税所得が発生
した場合の通知
課税年度に事業所得税申告書が発行されていなくても、
課税所得(繰越欠損金相殺前)がある場合、納税者は、そ
の旨を税務局に自発的に通知することが義務付けられて
います。この通知は書面にて、当該所得の課税対象期間
の終了日から4ヶ月以内に税務局長宛に提出する必要が
あります。
納税者の課税対象年度の基準となる期間は会計上の決
算日に基づいて決定されるため、納税者の課税所得の通
知期限も決算日によりそれぞれ異なりますので注意が必
要です。例えば、A社(決算日が2014年6月30日)とB社(決
算日が2014年9月30日)はそれぞれ2014年10月31日と
2015年1月31日(各社の決算日から4ヶ月以内)までに
2014/15年度の課税対象所得についてIRDに通知する必
要があります。
合理的な理由がなく定められた期限内にIRDに通知しなか
った場合には、納税者にHK$10,000を上限とした罰金及び
最大で未申告税額の3倍までの追徴税額が課される場合
があります。
しかし、納税者が毎年税務申告を行っており、申告書が通
常通り当期も発行されることが合理的に予想される場合
には、課税対象所得をIRDに通知する必要はありません。
対照的に、課税対象所得を有する納税者が、申告書が毎
年発行されないと通知されていた場合や、納税者が最近
ビジネスを始めた場合には、規定された期限内に課税所
得をIRDに通知する必要があります。
また、2014/15年度事業所得税申告に関して、以下の問
題にご留意下さい。
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2014/15年度事業所得税申告方法に対する、時価基準また
は実現基準の選択肢
2014/15年度事業所得税申告書の2件の新規確認事項
2件の新規確認事項は以下の通りです。
2013年11月、最終法院(以下「CFA」)は、 Nice Cheer1の案
件で、売買目的の上場有価証券に関して、期末時点の時価
基準の未実現の再評価益が香港課税対象ではないという
判決を下しました。
Nice Cheerの判決は、「利益は認識されるまで課税対象と
ならない」「利益または損失は予測されるものではない」とい
う2つの基本的税務原則を再確認するものでした。
未実現損失について、全回一致のCFAの判断が行われた
際に、ミレー卿は、もし引当が貸借対照表日において重要
で恒久的な売買目的株式の価値の減少である場合、売買
目的株式の評価減に対する引当金は損金算入可能である
と述べています。このような基準の引当金以外の他の引当
金は、予測上の損失でしかなく、損金算入できません。
従って、Nice Cheer案件のCFAの決定後、納税者は法律的
な問題として、上記の実現基準で申告を行わなければなり
ません。
しかしながら、一部の納税者は、税務上で実現しているかど
うかにかかわらず、実現基準ではなく、 時価基準で、財務
諸表上に反映されているオンショアの利益または損失に基
づいて、継続して税務査定を受けたい旨を表明しています。
►
Box 3.7: IRO40条AB及び附則条項17条Aの下で、特定
の債券に対してオリジネーターまたは債券の発行者とし
て、債務に対する申告を行いますか?
►
Box 7.7: この期間において、会社法(第622章)680条また
は681条に基づいた事業結合の当事者となっています
か?
納税者が、投資者への特別目的事業体による債券と同様
の債務証書の発行を含んだイスラム金融の証書を作成して
いない場合、最初の質問には、「該当無し」と記載する必要
があります。
2番目の質問は、香港の新会社法に基づいた、裁判所を通
さない2社またはそれ以上の事業結合に関連しています。
新会社法に基づく裁判所を通さない事業結合は、現存する1
社または2社以上の会社(被事業結合会社)の活動終止と、
存続会社(事業結合会社)による全ての資産、権利及び特
権並びに全ての負債と義務の継承に言及しています。この
結果、A社とB社が結合し、存続するB社で存在し続ける場
合、B社は、A社とB社の両方の法人となります。
このアプローチの下では、Nice Cheerの判決に反して、時価
基準の未実現の再評価益は課税対象となる一方で、同様
の時価基準の損失は、未実現または予測されたものが含ま
れていたとしても、損金算入可能となります。
現在、IROではこのような事業結合を取り扱う特定の条項が
ありません。香港政庁は、現在この点について、特定の法
律の制定を検討しています。それまでの間は、事業結合の
税務上の取扱いは、事前承認制度のみによって、明確にす
ることができます。
これらの要求に対して、IRDは、2014年3月に、Nice Cheer案
件以降の税務申告において、納税者が継続して時価基準
を適用するために法律を変更するかどうか、香港政庁が検
討中であると発表しました。
事業結合に関する論点には、資産が統合されることによっ
て、被事業結合会社に課税が発生するか、また被事業結合
会社の税務上の欠損金が事業結合会社に継承されるかが
含まれています。2
更にIRDは、暫定的な行政措置として、2013/2014年度にお
いて、課税対象利益や損失を時価基準で算出した申告書を
受理する旨を発表しました。先月、IRDは、この暫定的措置
が2014/15年度の事業所得税申告にも適用される旨を発表
しました。
2014/15年度の事業所得税申告で上記の問題がございまし
たら、貴社の税務担当者にご連絡下さい。
更にIRDは、納税者がその後、Nice Cheer案件で行われた
ように実現基準を適用した場合、公正価値に基づいて算出
された2014/2015年度の課税対象利益を再計算することに
同意しました。しかしながら、再計算の申請は、内国歳入法
(以下「IRO」)で規定されている6年以内に行うこととなってい
ます。
1.
Nice Cheer Investment Limited 対 内国歳入庁長官 (FACV 23/2012)
2.
裁判所を通さない事業結合の詳細は、2013年11月28日付タックス・
アラート(2013年18号)をご参照下さい。
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