4. マテリアル環境工学科 専門科目

4. マテリアル環境工学科
専門科目
 教育目標
「マテリアル・環境の講義・実験を通して、環境に視点を持ち、多様なマテリアル開発や工業製品
への応用の素養をもつ技術者の養成を目標とする。」
マテリアルは「材料、素材」を表す言葉であり、社会の基盤を支えるマテリアルは環境保全にお
いても重要な位置を占めるものです。原始時代からの人類は新しい材料(マテリアル)の発見とそ
れを利用した新しい道具の発明がありました。現代の快適な生活は、さまざまな鉄鋼・非鉄製品に
石油化学製品、半導体製品が加わってはじめて成り立っていることはいうまでもありません。さら
に 21 世紀を迎え、私たちの地球はいま環境汚染・資源枯渇・温暖化などの困難を抱え、環境調和・
循環型社会への転換という大きな歴史の曲がり角に差しかかっています。マテリアル工学分野は、
生活の利便性を追求する従来型の先端材料開発から発展し、工業製品の環境リスク低減やリサイク
ル化技術の確立、クリーンなエネルギー変換材料、省エネルギー材料の開発といった「地球に優し
い」あるいは「地球を守る」マテリアルの開発・製造という重大な責務を担っています。
マテリアル環境工学科は、このような社会的要請に対応するため、金属・セラミックス・高分子
など多様なマテリアルの構造・諸性質に関する知識とその作製・評価技術を身につけるとともに、
物質循環に関する広い環境工学的視野と環境分析技術を修得できる教育プログラムを準備しまし
た。これにより、新たな工業材料の設計・開発・製造の局面で、両者の知識・技術を駆使して環境
調和・循環型社会への転換に貢献できる実践的技術者を育成します。
 マテリアル環境分野を学ぶ教育プログラム
本学科のカリキュラムは、
(1)マテリアル環境専門科目群、(2) 環境専門科目群、(3) 情報・
設計科目群、(4) 工学基礎科目群、
(5) 専門総合科目群の5科目群からなります。
「(1)マテリアル環境専門科目群」は、鉄および非鉄金属材料に関する「金属系科目群」、半導体
材料を主とする「電子系科目群」
、高分子材料を主とする「化学系科目群」から構成されています。
各群には段階的に学べるように、導入、基盤、到達科目が設定されています。
「金属系科目群」は、
物質の構造を導入として、材料組織学Ⅰ~Ⅱ、材料強度学などを基盤に、構成材料Ⅰ~Ⅱに到達し
ます。
「電子系科目群」は、基礎電気Ⅰ~Ⅱを導入に、材料物性Ⅰ~Ⅱ、電磁気学などの学習を通し
て、機能材料、セラミックス材料へ発展します。「化学系科目群」は、マテリアル基礎化学を導入
に、物理化学Ⅰ~Ⅱ、有機化学Ⅰ~Ⅱ、さらに有機材料、セラミックス材料へ繋がっています。
「(2)環境専門科目群」は、マテリアル環境工学入門、地球環境科学、マテリアル環境演習、環
境分析実験、環境工学などを各学年に配置することで、常に環境工学的視点のもとでマテリアル工
学を身につけることに配慮しています。逆に、上記の「(1)マテリアル環境専門科目群」の講義に
おいても、各系に特有な環境関連事項を強調して扱います。
「(3)情報・設計科目群」は設計製図、情報処理Ⅰ~Ⅲ、エンジニアリングデザイン概論、制御
工学からなり、マテリアル工作実習、基礎電気Ⅰ~Ⅱとあわせて、ものづくりの基礎素養である設
計・工作・電気・情報技術を身につけるための科目群です。これらの要素技術を十分トレーニング
できるように、低学年から開始されます。
「(4)工学基礎科目群」は創造実習、工業倫理、テクニカルライティング、経営工学などからな
り、技術を社会に発信する手段や、技術の社会的役割についてエンジニアとしての一般的素養を養
う科目群となっています。
「(5)専門総合科目群」には、マテリアル基礎実験、マテリアル工学実験Ⅰ、Ⅱ、環境分析実験、
総合セミナーを配置しています。
「
(1)マテリアル環境専門科目」と連携して、知識と技術が結び
つく学習形態をとっています。学年とともにマテリアル工学と環境工学の知識と技術の融合が図ら
れ、卒業研究(5学年)において完成されます。
これら専門科目の各群の基礎となる科目は「必修科目」として設定されています。関連する専門
の「選択科目」と併せて学修することで、多様なマテリアルの知識と製造技術、地球環境の基礎概
念と環境分析技術を総合的に習得できる教育プログラムとなっています。以上の科目系統を常に念
頭において、一歩一歩履修を進めることを望みます。
 マテリアル・プロフェッショナルエンジニアへの実践教育
 総合セミナー・卒業研究
本学科には、金属・セラミックス・高分子など多様な専門分野の教員が属し、総合系理科の教員
と協力して、環境問題解決のための高機能素材、省エネルギー材料、素材リサイクル、環境モニタ
リングなどの技術開発に取り組んでいます。各自興味ある研究テーマを選び、それに直接参画する
ことにより研究開発の実際を体得する機会になります。4学年の総合セミナーでは、研究テーマに
関連する最新の英文論文を中心に、科学・技術情報を収集・発表する力を磨きます。5学年の卒業
研究では、研究目的に沿った試料作製から観察評価を計画的に遂行し、その成果を発表します。
 マテリアル環境実験
マテリアル環境工学科では、多くの実験実習科目を設け、講義科目での知識と連携した技術習得
をできるプログラムと環境を有しています。「創る」から「評価」までの実験を通じて、研究開発
(Research & Development)から生産(Production)へのエンジニアとしての素養を企業と同様
の実験環境において習得できます。
 資格取得について
「仙台高等専門学校以外の教育施設等における学修等の単位認定関する細則」第6条別表表1ハ
に本学科が特別学修AおよびBとして単位認定する資格・検定を示してあります。この他、環境分
野では、環境計量士(濃度関係)、化学分野では、危険物取扱者(甲、乙、丙)、毒物劇物取扱者、
有機溶剤作業主任者などの国家資格があります。自分の技術者としての力量を証明する手段として、
これらの資格・検定に積極的に挑戦することを勧めます。
 インターシップ・校外研修・研修旅行
インターンシップは、企業の生産現場や研究部門で1~2週間程度の実践的な実習です。夏の多
忙な時期、貴重な時間と経費を掛けて、指導いただくのですから、周到な準備と礼節・感謝の気持
ちを欠かぬ心構えが必要です。実習報告会を開催します。
1~3年生の秋季に地元の企業や工場施設を見学します。将来を見据えつつ、マテリアル環境分
野の社会・産業への役割を理解し、意欲的に見聞して学習に役立ててください。
4年生の秋に4日間程度、関東・関西方面への研修旅行があります。近県には無い大きな工場施
設や研究所などを見学し、将来の進路に役立ててください。また、史蹟などを自由に行動できる時
間も設けますので、学生時代の楽しい思い出の行事にもなっています。

進路
マテリアル環境工学科の進路は,進学、就職が自らの意志で決定します。そのための説明会や研
修などを低学年より実施していきます。自らも早い時期から将来を見据えた勉学に励むようにして
ください。高専を卒業してさらに勉強を続けたい学生は、材料系の学科を持つ大学や本校専攻科へ
と進学できます。就職については、高い求人倍率を維持のもと、金属製品・化学工業・電気機械,
薬品・食品関係などの製造業からソフトウェアまで様々な会社に就職できます。毎年、早い時期に
就職希望者すべてが志望する会社への内定を決めています。
 マテリアル環境工学科の科目系統図
 教育課程(マテリアル環境工学科,1年)
学
区分
授業科目
単位数
マテリアル基礎科学
材 料 組 織 学 A
地 球 環 境 科 学
マテリアル工作実習
創
造
実
習
基 礎 電 気
A
情
報
処
理
材 料 組 織 学 B
工 業 力 学
A
工 業 力 学
B
材 料 物 性 Ⅰ
基 礎 電 気
B
有 機 化 学 Ⅰ
基
礎
生
物
マテリアル工学実験Ⅰ
設
計
製
図
材
料
力
学
構 成 材 料
A
材 料 組 織 学 Ⅱ
材 料 物 性 Ⅱ
物 理 化 学
A
機
器
分
析
マテリアル工学実験Ⅱ
環 境 分 析 実 験
工
業
倫
理
総 合 セ ミ ナ ー
構 成 材 料
B
セラミックス材料
卒
業
研
究
2
3
1
1
3
1
1
2
2
1
1
2
1
1
1
3
3
2
2
2
2
2
2
3
2
1
2
2
2
12
小
計
54
応 用 物 理 Ⅰ A
応 用 物 理 Ⅰ B
基 礎 生 物 化 学
電
磁
気
学
物 理 化 学
B
有 機 化 学 Ⅱ
エンジニアリングデザイン概論
テクニカルライティング
解
析
学
1
1
2
2
2
2
1
1
2
マテリアル環境基礎実習
必
修
科
目
応
イ
加
機
化
有
電
制
環
経
協
理 Ⅱ
ンシッ
セス工
材
セス工
材
化
工
工
工
実
2年
単位と 学修時
区分
間
1E
1E
3E
1E
1E
年
別
配
当
3年
単位と 学修時
区分
間
4年
単位と 学修時
区分
間
5年
単位と 学修時
区分
間
60
90
30
30
90
30
30
30
90
90
2AJ
2AJ
2AJ
2AJ
2AJ
2AJ
3CJ
2CJ
1B*J
2EJ
90
90
90
90
90
90
135
90
45
60
2AJ
2AJ
12EJ
7
考
30
30
90
30
30
2E
2E
1E
1E
2E
1E
1E
1E
3E
3E
5
備
14
1E
1E
16
90
90
360
12
30
30
2AJ
2AJ
2AJ
2AJ
1B*J
1BJ
2B*J
A
プ
学
料
学
料
学
学
学
学
習
90
90
90
90
45
45
90
2
2BJ
90
1
1-2CJ
45-90
2
2AJ
90
2
2AJ
90
2
2AJ
90
2
2AJ
90
2
2AJ
90
1
1AJ
45
1
1B*J
45
1
1B*J
45
1
1C
1C
4,5 年のうち 1 単位
1
1E
1E
1E
総 合 科 目 B
以上
以上
以上
以上
1
1E
1E
1E
1E
1E
特 別 学 修 B
以上
以上
以上
以上
以上
以上
39
1
1
7
21
19
小
計
以上
以上
以上
以上
以上
以上
93
6
8
21
33
31
開
設
単
位
数
82 単位以上修得すること。
以上
以上
以上
以上
以上
以上
(区分について: A〜D は学習科目で 1 単位当たりの授業時間は A が 15 時間、B*,C*が 22.5 時間、B,C が 30 時間、D が 45 時間。C*,C,D は実験実習科目。 E は履修科目。)
JABEE 科目については、確定後に記入します。
1 一般科目と専門科目を合わせて、167 単位以上修得、そのうち、一般科目 75 単位以上、専門科目 82 単位以上を修得する。
2
用 物
ンター
工プロ
能
学プロ
機
気
御
境
営
学
1年
単位と 学修時
区分
間
2E
60
3E
90
一般科目の総合科目A及び特別学修A並びに専門科目の総合科目B及び特別学修Bは、併せて上限 8 単位とする。
 教育課程(マテリアル環境工学科,2 年)
学
区分
必
修
科
目
授業科目
単位数
マテリアル環境工学入門
マテリアル工作実習
マテリアル基礎化学
基 礎 電 気 Ⅰ
情 報 処 理 Ⅰ
物 質 の 構 造
地 球 環 境 科 学
マテリアル基礎実験
創
造
実
習
情 報 処 理 Ⅱ
材 料 組 織 学 Ⅰ
材 料 力 学 Ⅰ
材 料 物 性 Ⅰ
基 礎 電 気 Ⅱ
有 機 化 学 Ⅰ
マテリアル工学実験Ⅰ
設
計
製
図
材 料 組 織 学 Ⅱ
材 料 物 性 Ⅱ
物 理 化 学 Ⅰ
機
器
分
析
マテリアル工学実験Ⅱ
環 境 分 析 実 験
工
業
倫
理
総 合 セ ミ ナ ー
卒
業
研
究
1
1
1
1
1
1
1
3
1
1
2
2
2
1
1
3
3
2
2
2
2
3
2
1
2
12
小
計
54
情 報 処 理 Ⅲ
マテリアル環境演習
応 用 物 理 Ⅰ A
応 用 物 理 Ⅰ B
材 料 力 学 Ⅱ
材 料 強 度 学
構 成 材 料 Ⅰ
電
磁
気
学
物 理 化 学 Ⅱ
有 機 化 学 Ⅱ
エンジニアリングデザイン概論
2
1
1
1
2
2
2
2
2
2
1
1年
単位と 学修時
区分
間
1E
30
1E
30
1E
30
1E
30
1E
30
2年
単位と 学修時
区分
間
1E
1E
3E
1E
1E
年
別 配 当
3年
4年
単位と 学修時 単位と 学修時
区分
間
区分
間
5年
単位と 学修時
区分
間
90
60
90
45
45
90
90
2AJ
2AJ
2AJ
2AJ
3CJ
2CJ
1B*J
2EJ
90
90
90
90
135
90
45
60
12EJ
7
考
30
30
90
30
30
2E
2E
2E
1E
1E
3E
3E
5
備
14
2E
1E
1E
1E
16
360
12
60
30
30
30
2AJ
2AJ
2AJ
2AJ
2AJ
2AJ
1B*J
テクニカルライティング
解
析
学
応 用 物 理 Ⅱ A
インターンシップ
加工プロセス工学
構 成 材 料 Ⅱ
機
能
材
料
セラミックス材料
化学プロセス工学
有
機
材
料
電
気
化
学
制
御
工
学
環
境
工
学
経
営
工
学
協
学
実
習
90
90
90
90
90
90
45
1
1BJ
45
2
2B*J
90
2
2BJ
90
選
1
1-2CJ
45-90
択
2
2AJ
90
科
2
2AJ
90
目
2
2AJ
90
2
2AJ
90
2
2AJ
90
2
2AJ
90
2
2AJ
90
1
1AJ
45
1
1B*J
45
1
1B*J
45
1
1C
1C
4,5 年のうち 1 単位
1
1E
1E
1E
総 合 科 目 B
以上
以上
以上
以上
1
1E
1E
1E
1E
1E
特 別 学 修 B
以上
以上
以上
以上
以上
以上
39
1
1
7
21
19
小
計
以上
以上
以上
以上
以上
以上
93
6
8
21
33
31
開
設
単
位
数
82 単位以上修得すること。
以上
以上
以上
以上
以上
以上
(区分について: A〜D は学習科目で 1 単位当たりの授業時間は A が 15 時間、B*,C*が 22.5 時間、B,C が 30 時間、D が 45 時間。C*,C,D は実験実習科目。 E は履修科目。)
JABEE 科目については、確定後に記入します。
1 一般科目と専門科目を合わせて、167 単位以上修得、そのうち、一般科目 75 単位以上、専門科目 82 単位以上を修得する。
2
一般科目の総合科目A及び特別学修A並びに専門科目の総合科目B及び特別学修Bは、併せて上限 8 単位とする。
 教育課程(マテリアル環境工学科,3~4年)
学
区分
必
修
科
目
授業科目
単位数
マテリアル環境工学入門
マテリアル工作実習
マテリアル基礎化学
基 礎 電 気 Ⅰ
情 報 処 理 Ⅰ
物 質 の 構 造
地 球 環 境 科 学
マテリアル基礎実験
創
造
実
習
情 報 処 理 Ⅱ
材 料 組 織 学 Ⅰ
材 料 力 学 Ⅰ
材 料 物 性 Ⅰ
基 礎 電 気 Ⅱ
有 機 化 学 Ⅰ
マテリアル工学実験Ⅰ
設
計
製
図
材 料 組 織 学 Ⅱ
材 料 物 性 Ⅱ
物 理 化 学 Ⅰ
機
器
分
析
マテリアル工学実験Ⅱ
環 境 分 析 実 験
工
業
倫
理
総 合 セ ミ ナ ー
1
1
1
1
1
1
1
3
1
1
2
2
2
1
1
3
3
2
2
2
2
3
2
1
2
卒
業
研
究
12
計
54
情 報 処 理 Ⅲ
マテリアル環境演習
応 用 物 理 Ⅰ A
応 用 物 理 Ⅰ B
材 料 力 学 Ⅱ
材 料 強 度 学
構 成 材 料 Ⅰ
電
磁
気
学
物 理 化 学 Ⅱ
有 機 化 学 Ⅱ
エンジニアリングデザイン概論
テクニカルライティング
解
析
学
2
1
1
1
2
2
2
2
2
2
1
1
2
小
2
用 物 理 Ⅱ
ンターンシッ
工プロセス工
成 材 料
能
材
ラミックス材
学プロセス工
機
材
気
化
御
工
境
工
営
工
学
実
2年
単位と 学修時
区分
間
1E
1E
3E
1E
1E
年
別
配
当
3年
単位と 学修時
区分
間
4年
単位と 学修時
区分
間
5年
単位と 学修時
区分
間
90
60
90
45
45
90
90
2AJ
2AJ
2AJ
2AJ
3CJ
2CJ
1B*J
2EJ
90
90
90
90
135
90
45
60
12EJ
7
考
30
30
90
30
30
2E
2E
2E
1E
1E
3E
3E
5
備
14
2E
1E
1E
1E
16
360
12
60
30
30
30
2AJ
2AJ
2AJ
2AJ
2AJ
2AJ
1B*J
1BJ
2B*J
A
プ
学
Ⅱ
料
料
学
料
学
学
学
学
習
90
90
90
90
90
90
45
45
90
2
2BJ
90
1
1-2CJ
45-90
2
2AJ
90
2
2AJ
90
2
2AJ
90
2
2AJ
90
2
2AJ
90
2
2AJ
90
2
2AJ
90
1
1AJ
45
1
1B*J
45
1
1B*J
45
1
1C
1C
4,5 年のうち 1 単位
1
1E
1E
1E
総 合 科 目 B
以上
以上
以上
以上
1
1E
1E
1E
1E
1E
特 別 学 修 B
以上
以上
以上
以上
以上
以上
40
1
1
7
21
19
小
計
以上
以上
以上
以上
以上
以上
93
6
8
21
33
31
開
設
単
位
数
82 単位以上修得すること。
以上
以上
以上
以上
以上
以上
(区分について: A〜D は学習科目で 1 単位当たりの授業時間は A が 15 時間、B*,C*が 22.5 時間、B,C が 30 時間、D が 45 時間。C*,C,D は実験実習科目。 E は履修科目。)
JABEE 科目については、確定後に記入します。
1 一般科目と専門科目を合わせて、167 単位以上修得、そのうち、一般科目 75 単位以上、専門科目 82 単位以上を修得する。
選
択
科
目
応
イ
加
構
機
セ
化
有
電
制
環
経
協
1年
単位と 学修時
区分
間
1E
30
1E
30
1E
30
1E
30
1E
30
一般科目の総合科目A及び特別学修A並びに専門科目の総合科目B及び特別学修Bは、併せて上限 8 単位とする。
9. 材料工学科
専門科目
 教育目標
日本は、アメリカ・ドイツなどと並ぶ、工業国であり、新規の材料開発や、従来材料の改良技
術が発展の大きな「基盤」となっています。この基盤技術によって、建設・自動車・航空機・スポ
ーツ用品・電気部品・加工機械・エネルギー貯蔵装置など、いろいろな部材の新しい設計が可能に
なります。優れた材料の活用なくして良い製品はあり得ないことは誰もが知っています。産業のあ
らゆる分野で、地球環境に配慮しつつ、高機能複合材料、工業用セラミックス、高強度ポリマー、
非晶質金属、ガスタービン用耐熱合金などが「先端材料」や「新素材」として新しい時代のあらゆ
る製品設計の源になって技術革新が促進されているのです。
材料工学科では、このような多様化する新時代の材料工学に対処して、基礎となる材料科学を
理解し、付加価値の高い材料を設計・開発・応用・保全および製造できる材料技術者の育成を目標
にしています。このため、基礎教養科目や電子、情報などの学力を重視した上で、材料(金属・セ
ラミックス・ポリマー・複合材料等)の微視的
構造や製造・加工(プロセッシング)に関する
環境
基礎実験・実習に多くの時間を費やし、それが
工学で要求される特性とどんな関わりを持つ
かについて学習します。最近ではよく知られて
金属,高分子, ・・・
エネルギー
いる有機 EL 素子・青色発光ダイオード・傾斜
材料工学
セラミックス,半導体
電気・情報
IT分野
機能材料・形状記憶合金などは、新しい素材の
ライフサイエンス
発見や従来材料の見直しから開発されました。
これらの先端材料は技術革新の一翼を担って
図
キーテクノロジーとしての材料工学
います。21 世紀を担う諸君がこの学科を拠点
にして、大きな期待を抱いて、材料工学を学んで欲しいと思います。
 学習上の留意事項
(1) 講義
授業は教員の永年の専門知識と人間性が学生の勉学意欲と融合する、もっとも大切な時間です。
ノートは、黒板に書かれたものだけでなく、自分に適した内容で、後の理解を確実にする事柄を、
その場で要領よく記述するよう修練しましょう。5分前には受講する心の準備をし、テキストや前
回のノートに軽く目を通しておくだけでも、講義が始まってからの理解が良くなるものです。もち
ろん、予習、復習は毎日の習慣にしましょう。また、朝食抜きの学生に限って受講の集中力がなく、
朝から眠いことが医学的に証明されています。朝はゆとりをもって登校しましょう。
(2) 実験・実習
教室で学んだ知識の多くを、自らの実験で確認、体得できることは高専の特徴であり、学生に
とって大きな財産です。十分に活用し、納得の行くまで理解を深めて欲しいものです。
(1)「データは正確に、観察は丁寧に」
実験のデータをとるだけで,満足している学生が多いようです。なぜ、どうして、どのように、
の姿勢で積極的に取り組みましょう。材料工学料では少人数グループに一人の教員が付く実験が多
く、教室では手を挙げにくいことを尋ね、自分の意見を述べられるチャンスです。
(2)「ノート、電卓、セクション紙を常に携帯」
気が付いたことや、疑問点はその場ですぐに書き込んでおきましょう。データの値も、電卓で
概略計算して、グラフに傾向だけでもメモしておくこと、後での計算方法やレポート整理が楽です。
(3)「レポートは読み直す余裕と締切りを厳守」
数値や写真を並べるだけではなく、簡潔な「文章で報告する」ものです。グループ単位の実験
ですが、読み直して各人が理解の確認をしてみることが大切です。グループ全体で検討する必要の
あるデータがあれば、迷惑にならぬよう速やかに回して、締め切り期日を厳守しましょう。
(3) 卒業研究
自分の所属研究室の特徴を十分活かし、時間を十分かけて研究計画、試料・実験装置の準備、
測定、データの整理、指導教員とのディスカッションを楽しんでください。研究テーマは教員の指
示があっても、自分個人のオリジナル研究ですから「指示待ち」にならぬよう、積極的に取り組ん
でください。工学実験とは異なり、指導教員も予期しない結果になることもあります。むしろ困難
や失敗にもどのような対処したか、その姿勢や過程、まとめ方に期待しています。
(4) 校外実習,校外研修,研修旅行
企業の生産現場や研究部門で、2週間程度の実践的な「校外実習」をします。夏の多忙な時期、
貴重な時間と経費を掛けて、指導いただくのですから、周到な準備と礼節・感謝の気持ちを欠かぬ
心構えが必要です。原則として、4年生の夏休み中に実施し、選択科目1単位としてはいますが、
受入れ数さえあれば、必修に値する教科と見なしています。実習報告会を開催します。
1、2および3年生の春季と秋季に各一回ずつ、地元の企業や工場施設を見学します。材料工学
はあらゆる産業の分野に活かされていますから、意欲的に見聞して役立ててください。
4年生の秋に4日間程度、関東・関西方面への研修旅行があります。積立金を使って、本校近
辺では見聞できない、企業や史蹟を訪れます。自由に行動できる時間もあって、学生時代の楽しい
思い出の行事にもなっています。
 卒業後の進路
大部分は、材料技術者として就職しています。分野はあらゆる産業にわたっていますが、材料
の基礎研究や開発に絞りすぎず、機械、電気、化学等の技術者と、開発から製造・販路までを意識
した、共同チームの一員となる感じで職種を選ぶと、選択肢が広がり、気持ちも楽です。材料工学
の分野は求人側で、採用目的がさまざまですから、企業の名だけでは学生に迷いが生じます。また、
就職試験の時期は短いので、素早く結論を出さなければなりません。そこで、会社に質問したいこ
とをまとめておき、受験の前に就業条件や業務を調べておくのが一番です。
さらに勉学を続け、大学院や企業の研究所で学問・研究開発に従事したい学生は、大学や専攻
科への道がひらかれています。
「専攻料」は平成 10 年、本校にも設置され、学位授与機構から大学
卒の学位が得られ、さらに直接大学院へ進学できるようになりました。大学は、東北大学などの国
立大学のほとんどが高専の卒業(見込)生に門戸を開いています。私大の理・工学部へは、授業料
の点でしょうか、あまり実績はありません。材料工学科からの受験学科や推薦制度、受験の対策な
ど、詳しくは教務孫、または学級担任に相談してください。低学年からの準備があればなお合格の
可能性が高まります。公務員や異なる分野に進みたい学生も、情報を得ながら学級担任をはじめと
する学科教員に相談し、早めに準備する必要があります。
 材料工学科の科目系統図