腸洗浄 はじめに わが国における急性中毒の消化管除染 - 日本中毒学会

腸洗浄
はじめに
わが国における急性中毒の消化管除染法は,その適応も手技も,施設ごと医師ごとにそ
れぞれ異なった方法でおこなわれてきた.そうした実態は日本中毒学会による過去2回の
全国調査(1989 年 1),2000 年 2))でも裏付けられる.一方,1997 年に AACT/EAPCCT の
Position Statement3)が出版された欧米では,かなりの異論(逡巡,混乱,ブレ)4,5)がある
ものの,そこに示された方向へ現場の医療は収束しつつあるようにみえる.
日本中毒学会は,わが国における消化管除染法の標準化をめざして 2001 年に新たな学術
委員会を組織し,検討を重ね,その成果を本誌の「学術委員会だより
急性中毒の標準治
療」シリーズ 6∼10)に公表してきた.
繰り返し指摘されているように,急性中毒の治療に関して EBM で求められるようなエビ
デンスレベルの高い臨床研究を実施するのはきわめて難しい.したがって,臨床的転帰を
改善することが証明されていない治療法は無意味であるとの立場に固執すると,過剰なペ
シミズムに陥る危険がある.とくに本稿でとりあげる腸洗浄法については,想定される治
療対象が潜在的に致死的な中毒ということもあり,無作為対照試験はもちろん,コホート
研究も皆無といわざるをえない.しかしわれわれは,研究途上の治療法であることを認識
したうえ,合理的な思考にもとづいた手技と適応を決めて実施することには意味があると
考えた.
「急性中毒の標準治療5
腸洗浄」10)を公表した理由はそこにあり,本稿はその作
成過程で生じた疑問や議論を補足,解説するものである.
1. 腸洗浄の原理について
腸洗浄法は,激しい水様の下痢状態を,人為的に制御しながら作ることである.一般に,
腸の内容物が増えて腸管が一定以上に拡張すれば,腸管通過時間は短縮する…すなわち,
下痢が起こる.これを意図的に実現するのに比較的簡単な方法は二つある…①腸内へ大【・】
量【・】の【・】洗浄液を注入する,②浸透圧効果をもつ物質を投与して腸管内に水分を
引き込む.いわゆる浸透圧下剤の効能は②であり,腸洗浄法は主に①,あるいは①+②を
利用する.
腸洗浄法の発想じたいに新規性はないが,1970 年代の半ばから,大腸手術や大腸内視鏡/
造影の術前準備としての利用価値が検討されるようになった 11∼13).そして,かなり多く
の臨床研究が実施され,ほぼ 10 年間で大体の結論に達した.この一連のブームによって蓄
積された基本的な情報は,Michael らのレビュー論文(1985 年)14)によくまとめられている.
それらの研究では,洗浄効果の判定が術者の主観的評価であったり,急性中毒には参考と
ならない指標(たとえば腸内の細菌数)であったりするが,その物理的な洗浄効果
(mechanical colon cleansing)には疑問の余地は少ない.
2. 洗浄液の組成について
当初は,生理食塩液,乳酸リンゲル液,あるいは炭酸水素ナトリウム,カリウムなどを
含む等浸透圧電解質液が使用された.しかし,これらの電解質液はかなりの量が吸収され
る.たとえば,健常成人の実験では,生理食塩液 30∼40mL/min(1,800∼2,400mL/h)の腸
洗浄によって約 120∼140mmole/h のナトリウムと 800∼1,000mL/h の水分が吸収される
13,15).
そうした腸管吸収を低減する目的で,浸透圧効果をもつマンニトール液や,硫酸陰イオ
ンを追加したポリエチレングリコール電解質液(PEG-ES)13)が開発された.とくに PEG-ES
は,今までに試みられた種々の溶液組成のうちでもっとも優れている 14).米国の FDA が
これを医薬品と認可した主要な理由であろう.
ところで,上記の体液負荷が数時間続いても,腎機能/心機能が正常であれば許容される
が,臓器機能が低下した患者では問題になる.これを,もうひとつの消化管洗浄法である
胃洗浄と比較すれば,その重大さが理解できるだろう.胃洗浄のために注入された洗浄液
の大部分は回収され,たとえば 10L の洗浄液を使用しても腸へ流れ出る量は 1L にも満た
ないはずである(そうでなければ,正しい胃洗浄手技とはいえない).したがって,水道水を
使おうが,生理食塩液を使おうが,体液/電解質への影響は少ない.しかし,腸洗浄では少
なくとも 5L 以上,多ければ 20L 以上の洗浄液が腸内へ入る.体液/電解質の異常は,かな
り発生しやすい合併症と考えるべきである.
わが国の保険診療では,PEG-ES に急性中毒の適応がないため,生理食塩液を使用する
という選択肢を否定するわけではない.しかし,腸洗浄法じたいが保険診療には収載され
ていない治療法であることを考えれば,洗浄液についてだけ保険適応を考慮するのは合理
性に欠ける判断といわざるをえない.上記の水分吸収を承知して生理食塩液を使用する場
合は,体液/電解質に対する監視を厳しく行うべきであろう.
3. 急性中毒における適応
平均的には,腸洗浄による下痢は約1時間前後に始まり,数時間後には透明な排便に変
わる…すなわち,順調にいっても,除染効果が現われるのに1時間以上かかる.ふつうの
医薬品のように服用から約 2∼3 時間後に血中濃度がピークに達する場合は,服用後1時間
で腸洗浄を開始しても血中濃度のピークを低下させる効果はさほど大きくないと想像され
る.すなわち,効果が現われるまでの早さという点で,活性炭を上回る可能性は低いと想
像される.
したがって,理論的によい適応と考えられるのは吸着剤(活性炭)の効果が少なく,しかも,
吸収が比較的遅いと予想される原因物質である.たとえば,リチウム徐放錠(活性炭に吸着
されず,吸収は比較的遅い)は,服用1時間後に腸洗浄を開始すれば,血中濃度の AUC は
無治療群の 67%まで減少することがヒト-ボランティア実験で示されている 16).実際に,
腸洗浄の治療効果が示唆される症例報告は,こうした条件に合致する物質に限られる…金
属類の大量服用(鉄剤,硫酸亜鉛の錠剤,陶芸用釉薬や顔料の鉛,銃弾の鉛,ヒ素,水銀),
医薬品の徐放錠/腸溶錠(たとえば,Ca 拮抗薬,KCl),麻薬のボディーパッカーなどである.
しかし,残念ながら,重症急性中毒の多くは上記の条件に該当しない…すなわち,吸着
剤(活性炭)の効果があり,腸管吸収は比較的速い.もちろん,活性炭に吸着される物質につ
いて,活性炭投与よりも腸洗浄が優れていることを示した研究(ヒト-ボランティア実験)が
ないわけではない.たとえば,Kirshenbaum ら 17)は,アスピリン腸溶錠(325mg×9錠)
の投与後に腸洗浄が活性炭よりも吸収阻止効果が大きいことを,Hassig18)らは,アセトア
ミノフェン 4g の投与実験により,活性炭は無効であったが腸洗浄は血中濃度のピークを対
照群の 64.5%まで低下させたと報告している.しかし,こうした肯定的な研究結果はごく
少数である.したがって,吸着剤(活性炭)の理論的な効果が期待できる場合に,吸着剤(活
性炭繰り返し投与を含む)よりも腸洗浄を優先すべきであると主張する根拠は今のところ見
当たらない.
ただし,大量服用例においては,腸洗浄の可能性を頭から否定できない理由がある…薬
毒物の腸管吸収がさまざまな因子に影響されて,しばしば遅延するからである.たとえば,
難溶性の塊を形成することがある.また,腸肝循環によって再吸収されたり,腸麻痺によ
る停滞などもおこりやすい.もちろん,徐放錠/腸溶錠 19)も同類とみなしてよい.常用量で
は考えられないほど遅れて血中濃度が上昇し,重篤な症状を起こした症例をひとつあげる
と,ジルチアゼムによって 18 時間後に心停止をきたし,48 時間もの心臓ペーシングを要し
た Isbister らの報告 20)がある.そうした臨床状況を模擬したヒトでの比較研究は皆無に近
いため,このようなケースに腸洗浄が有力な除染手段となる可能性を留保すべきであると
われわれは考えた.
4. 吸着剤(活性炭など)と併用してよいか
吸着剤と腸洗浄は作用機序がまったく異なるため,併用することによって,それぞれの
効果が相加的に働けば好都合である.しかし,逆に効果が減殺されることも考えられない
わけではない.活性炭における吸着/解離の化学的な平衡関係は,腸洗浄液を加えることに
よって大いに変化する可能性があるからである.
たとえば,以下のような in vitro の実験結果がある…①メキシレチンの活性炭への吸着が
PEG-ES のなかで促進される 21).しかし,逆の報告も多い…②pH=7.4 で PEG-ES を活
性炭に混合するとサリチル酸の吸着が減少する 22),③pH=8.1∼8.5 で活性炭に吸着され
たテオフィリンは PGE-ES を加えると解離する 23),④PEG-ES と活性炭を混じるとコカ
インの吸着を著しく低下させる 24),⑤活性炭へ吸着されたフルオキセチンは,濃度/pH に
もよるが PEG-ES の添加によってかなり離れる 25).
また,Mizutani ら 26)は,イヌのパラコート中毒モデルで1時間後に開始した PEG-ES
の腸洗浄は対照群に比して血中濃度を低下させたが,吸着剤(ケイキサレート TM)の添加は
その効果にまったく影響しなかったと報告している.
すなわち,現状でわかっていることを要約すると,①PEG-ES と吸着剤との相互作用は
プラスにもマイナスにも働き得る,②その相互作用を制御できるだけの知識をわれわれは
もち合わせない.したがって,PEG-ES と吸着剤を同時に併用投与する,とくに混合する
ことは,プラスの効果が確実なもの以外は避けるべきである.
なお,現実に起こり得る併用の状況とは,次のような場合であろう…初療時に活性炭を
投与したが,その後に腸洗浄の適応と考えてそれを追加したい場合.おそらく,最初に投
与された活性炭の効果に腸洗浄液があまり影響しないと考えられるため,これは許容され
る.
5. 嘔吐・腸麻痺への対策
「急性中毒の標準治療5
腸洗浄」10)に記載した方法は,大腸手術や大腸内視鏡/造影の
術前準備として行われる腸洗浄をもとにしている.初期の臨床症状が比較的軽い重金属誤
食例では,この方法によって大部分は完遂される.乳児にも,妊娠 38 週の妊婦(鉄剤の大量
服用)27)にも安全に実施できたとの報告がある.
しかし,腸麻痺の起こりやすい大量服用例に対して胃管経由で可能かという疑問は否定
できない.噴門閉塞バルーン付きの胃管(SB チューブなど)またはイレウス管は,主に日本
でパラコート中毒に対しておこなうさいに工夫され,経験的によいと認められているが,
単純な胃管よりも優れることを客観的に示した臨床データはない.
メトクロプラミド(プリンペラン TM)の併用には排出促進効果が認められないというヒト
-ボランティア実験 28)がひとつあるだけで,プロスタグランジン F2α(プロスタルモン
FTM)については論文すら見当たらない.したがって,胃管の問題とともに,施行医師の経
験にもとづき安全と考えられる範囲内で許容されるという立場をわれわれはとった.
6. いつまで続ければよいか?
大腸手術/内視鏡の術前準備として計画された臨床研究では,排便が透明になるまでおこ
なえば大腸内の残渣は著しく減少すると結論された 14).
しかし,健常成人に 10 粒のコーヒー豆を飲ませ,2L/h で5時間(計 10L)の腸洗浄をおこ
なった実験によると,排便が水様となった時点で排出された豆は平均 2.3 個,終了時でも平
均 3.5 個(1∼8 個)にすぎなかった 28).また,2歳9か月(体重 15kg)の男児の鉄剤誤食に対
しておこなった腸洗浄では,X 線撮影で錠剤が消失するまでに5日間,合計 44.3L の洗浄
液(PEG-ES)を要したと報告されている 29).
すなわち,固形物では,排便が透明になっただけでは不十分である可能性が高い.X 線不
透過の薬毒物であれば,それが腹部単純 X 線像から消失するまで続けるべきである.
7. 合
併
症
嘔吐は非常に多い合併症であり,誤嚥防止策の重要性はいうまでもない.きわめて稀で
はあるが,慢性便秘の治療目的でおこなった腸洗浄後に,おそらく誤嚥による肺水腫が報
告されている 30).
体液・電解質の異常は,PEG-ES を使えば少ないというのが定説である 14).小児でも安
全に実施できたという報告が多く,2歳9か月(体重 15kg)の男児に合計 44.3L の PEG-ES
を使用しても合併症はなかった 29).しかし,例外的ではあるが,左室駆出率(EF)<15%の
うっ血性心不全患者の大腸内視鏡検査のために 4L の PEG-ES を投与して,心不全が悪化
した症例も報告されている 31).
なお,硫酸亜鉛を排出させるためにおこなった腸洗浄で,血清 Cl の著しい上昇(105→
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