【1】 千葉大学のカリキュラム編成と普遍教育

【1】 千葉大学のカリキュラム編成と普遍教育
[1] 教育目標
本学の学士課程教育では、
「自己を知り、他人を思いやる心を持ち、問題の本質に迫ることのできる人材、グ
ローバルな視野を持ち世界をリードする人材、サステイナブル(持続可能な)社会形成に貢献できる人材の育成
を目指す」という教育目標を掲げています。4年(6年)一貫教育の基本方針に基づき、全学教員の協力体制の
もとで普遍教育と専門教育を緊密に連携させ、
総合大学としての特色を最大限に活用してカリキュラムを編成し
ています。
普遍教育の目的は、次の2点に集約されます。第1は、国際化、高度情報化した現代社会に積極的に参画でき
る人材の育成を目ざして、
「幅広い視野の醸成」
「批判的精神の涵養」
「豊かな教養に裏打ちされた全人的な人間
性の陶冶」という普遍的資質を養うことです。第2は、広い視野から学問に対する興味・関心を喚起し、その関
心の深化と拡大を通して、学生個々が選択した専門分野の学問的・社会的位置付けを理解する能力を養うことで
す。
[2] カリキュラム
初修外国語科目
情報リテラシー科目
普遍教育科目
スポーツ・健康科目
教養コア科目
千葉大学
学士課程
カリキュラム
教養展開科目
普遍教育センターで企画・運営
英語科目
共通専門基礎科目
専門基礎科目
学部専門基礎科目
専門教育科目
専 門 科 目
※ 卒業要件上の科目区分は、各学部によって異なりますので、必ず所属学部の「履修案内」等を参照してください。
カリキュラムの全体は普遍教育科目と専門教育科目で構成されています。
普遍教育科目は、全学の協力体制のもと普遍教育センターで企画・運営されています。英語科目、初修外国語
科目、情報リテラシー科目、スポーツ・健康科目、教養コア科目、教養展開科目で構成されています。これらの
科目は、国際化・情報化した現代社会において、あらゆる学習・研究活動の基盤として必要な基礎的で共通的な技能
と知識を習得する科目です。自分の専門とする領域を広い視野のもとに位置づけたり、学際的・総合的な知見や
思考法を養ったりする科目でもあります。
専門教育科目は、専門的な知識や学問的視点・方法の修得、および専門的洞察力・問題構成力・探求能力など
を高めるための科目です。その中で専門科目は、各領域に固有の知見・視点・方法等をそれぞれの学問的手続き
にしたがって系統的に獲得する科目であり、専門基礎科目は、そうした専門教育のために不可欠な基盤をなす科
目です。専門基礎科目には、全学の協力体制のもと普遍教育センターで開講される共通専門基礎科目と、各学部
が独自に開講する学部専門基礎科目との2種類があります。
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[3] 普遍教育科目の構成と内容
普遍教育科目は、以下の科目から構成されています。
英語科目
高等学校修了時までに学習した基礎的な知識をさらに深化させて、それにふさわしい高いレベルの運用
能力を身につけること、またその運用能力の育成を通して、異言語文化を体験し、理解し、異なる世界を
発見し、豊かな人間形成に資することが英語教育の目的です。
初修外国語科目
ドイツ語・フランス語・ロシア語・中国語・朝鮮語(韓国語)・スペイン語・イタリア語の運用能力を育
成し、併せて、多様な言語文化を体験、理解する授業科目です。これにより、多様な価値観と異文化を尊
重する姿勢を身につけ、真の国際人の資質を身につけることが初修外国語教育の目的です。
情報リテラシー科目
コンピュータ・ネットワークの原理と、それらが社会において果たす役割、情報に係わる倫理的役割を
理解し、情報処理技術の活用能力を養うことを目的とした科目です。
スポーツ・健康科目
主にスポーツ種目を題材とした実技実習形式の授業です。健康増進や人とのかかわりについて理解を深
めるとともに、自分の「からだ」を通した知を形成し、実践力の育成をめざします。
教養コア科目
教養コア科目は、下記の6つの科目群から構成されています。「論理コア」「生命コア」「文化コア」
「環境コア」の4つの科目群は、千葉大学で教育研究されている幅広い知識や考え方、物の見方に触れる
ことを通じて、大学の学問への興味・関心を喚起することを目的としています。「国際コア」「地域コ
ア」の2つの科目群は、全学副専攻「国際日本学」、サティフィケートプログラム「コミュニティ再生ケ
ア学」に対応しています。教養コア科目は、大学での学びのきっかけとなる科目であり、興味をもった分
野について、より深く学ぶための科目が「教養展開科目」です。
論理コア(論理・哲学・社会)
A 論理と哲学
生命コア(生命・心理・発達)
B こころと発達
文化コア(文化・芸術・歴史)
C 芸術と文化
D 社会と歴史
環境コア(環境・生活・科学)
E くらしと環境
国際コア(国際社会と日本)
F いのちと科学
地域コア(地域と暮らし)
教養展開科目
教養展開科目は、教養コア科目の履修を通して喚起された学問への興味・関心をさらに拡大・深化さ
せ、豊かな教養へと結びつけることを目的として開講されています。300を超える授業が用意されてお
り、授業を選択・履修する際の指針となるように学習の目的やテーマによって、以下のようにグループ化
されています。教養展開科目の履修を通して、隣接する領域についての知見を深め、異なる学問世界への
視野を広げるとともに、学んだ知識を経験として自分のものにし、自ら課題を見いだし、解決する能力を
育てていくことをねらいとしています。教養展開科目は、講義を中心とする科目群の他に、受講学生数を
制限して少人数・双方向型授業を行う「テーマゼミ」があります。
キャリアを育てる
学術研究の現場を知る
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論理コア(論理・哲学・社会) 関連
生命コア(生命・心理・発達) 関連
文化コア(文化・芸術・歴史) 関連
環境コア(環境・生活・科学) 関連
国際コア(国際社会と日本) 関連
地域コア(地域と暮らし) 関連
千葉大学の環境をつくる
自然科学を学ぶ
ジェンダーを考える
コミュニケーションリテラシー能力を高める
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(1)教養コア科目の構成と内容
教養コア科目は、以下の科目群から構成されています。
論理コア
(論理・哲学・社会)
生命コア
(生命・心理・発達)
文化コア
(文化・芸術・歴史)
環境コア
(環境・生活・科学)
国際コア
(国際社会と日本)
地域コア
(地域と暮らし)
私たちは、日常生活の中で知らず知らずのうちにさまざまな考え方に接してい
ます。その中から「流行」に流されず、「常識」の内にある正しさと誤りを腑分
けしながら自分の考え方を論理的に再認識することを目指した科目群です。哲学
を中心に論理学、倫理学の科目、さらに数理的思考と言語学に関する科目、社会
を客観的にみるための法律学、政治学、経済学、社会学の科目があります。広い
意味での「考えること」に関する科目で構成されます。
生きることを考え、生活の質(quality of life: QOL)を向上させることは現代
の課題の一つです。この科目群では生命の在り方を広い意味で考え、生活の質を
高めるための人間の心や行動、そして誕生から死に至るライフサイクルのさまざ
まな段階を扱います。主な内容としては、生命の問題に関わる諸問題を扱う医
学、薬学、生命工学、人間の心や行動とその発達を考える行動科学や認知科学、
学校や社会において発達を支援する実践、QOL向上と関連する保健学などの科目が
あります。
歴史や国際比較の視点をもって、私たち人間が産み出した芸術や文化、社会を
とらえ、広い視野や洞察力を身につけるとともに、心豊かな生活をおくるための
科目群です。文化や芸術が私たちに何をもたらしてくれるのか、現代社会がどの
ような歴史的経過をもって成立しているのかを学ぶことによって、現在の豊かさ
とは何かを考え、そして新たな課題を見つめます。芸術、文学、文化、工学等を
研究する教員が具体的な事例や作品などを紹介する科目や、歴史学等を研究する
教員が、今日的な事象を歴史的に掘り下げて考える授業などで構成されます。
私達を取り巻く現在の環境は、地球誕生以降の長い歴史と人間活動との密接な
関わり合いの中で形成されてきました。自然は私達の生活に大きな影響を及ぼす
と同時に、人間活動によっても変化させられてきたのです。この科目群では、私
達の生活に密接に関係する様々な環境問題や自然災害などを採り上げ、それらが
起きるしくみを自然科学の学問研究に基づいて解説するとともに将来に向けての
解決・対応策についても考えます。環境や人間の生活を、自然科学の観点から幅
広い視点で学びます。
全学副専攻「国際日本学」に対応した科目群です。千葉大学は、グローバル化
を推進する拠点に選定され、語学力・コミュニケーション能力や異文化理解を身
に付け、国際社会の中でリーダーシップを持って積極的に関与・貢献できる人材
の育成に取り組んでいます。世界の中で日本はどのような存在なのか、環境・紛
争などグローバルに広がる諸問題をどのように考えるのか、異なる文化や考えを
持つ他者とどのように協力していくのかなど、国際化する社会で生きていくため
に基礎となる考え方を学びます。
サティフィケートプログラム「コミュニティ再生ケア学」に対応した科目群で
す。千葉大学は、地域活性化を推進する地域コミュニティの拠点に選定され、社
会の一員として地域と関わりながら課題を主体的に設定し解決するマインドをも
つ人材の育成に取り組んでいます。地域とは何か、地域の中のさまざまな課題や
問題にはどのようなものがあるか、どのような解決事例があるかなど、自らが地
域の課題を具体的に解決する力を身につけるために必要な基本的な考え方を学び
ます。
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(2)教養展開科目の構成と内容
教養展開科目は、以下の科目群から構成されています。
各科目群の中には、講義を中心とする科目群の他に、受講学生数を制限して少人数・双方向型授業を
行う「テーマゼミ」があります。
学術研究の
現場を知る
教養コア科目の履修を通して喚起された学問への興味・関心を拡大、深化さ
せ、豊かな教養へと結びつけることを目的としています。教養コア科目にあわ
せて、以下の6群から構成されています。
論理コア(論理・哲学・社会)関連
生命コア(生命・心理・発達)関連
文化コア(文化・芸術・歴史)関連
環境コア(環境・生活・科学)関連
国際コア(国際社会と日本)関連
地域コア(地域と暮らし)関連
キャリアを育てる
進路の決定や職業の選択など学生生活を送る中で出会う人生の課題について
考え、職業の意味や価値について理解することを目的としています。学生の
キャリア形成を支援する実習型の授業も用意されています。またこの科目群に
は、教員免許や図書館司書、学芸員などの資格を取得するのに必要となる授業
科目も含まれています。各種免許資格の取得を希望している学生は必要な科目
をよく確認して履修してください。
千葉大学の
環境をつくる
千葉大学は環境ISO14001・ISO50001の認証を取得していますが、この授業科
目群を履修し、さらにISOの活動を継続すれば、千葉大学の学内資格として「環
境マネジメント実務士」を取得することができます。環境負荷の削減やよりよ
い環境づくりという現代的な課題を果たすことが学習の目的です。
ジェンダーを考える
社会的な性差について学ぶ授業科目群です。女性の社会参加、社会的地位な
どのテーマについて、大きくは人権の問題と絡めながら学びます。
自然科学を学ぶ
教養コア科目に含まれない基幹的な自然科学の諸分野の授業科目で構成され
ています。自然科学系の学生が履修する専門基礎科目ではないので、文系の学
生も幅広く自然科学分野の学問に接することが可能です。
コミュニケーション
リテラシー能力を
高める
日本語による対人コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力を高
め、日本語を読み書きする技能の向上をはかります。また批判的に考え、論理
的に意見をまとめる力を養います。大学での学習・研究にとって有意義なコ
ミュニケーションのための能力、またコミュニケーションについて本格的に考
える能力を身につけることをめざしています。
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