23号 - 佐倉厚生園病院

BULLETIN OF SAKURA KOUSEIEN HOSPITAL
2010.10
理
念
Since 2003
http://www.sakurakouseien.jp/
№
23
佐倉厚生園誌/Bulletin of Sakura Kouseien Hospital 8(3),2010
職員一人ひとりが「やさしい心」、「人を思いやる心」、「自ら向上させよ
うとする心」
、更には「感謝する心」を見せかけではない「真心」を持って、
病院に関わるすべての人々に接すれば、医療にとってもっとも大切な、お
互いの「信頼」が生まれ、安心して満足できる療養生活を送っていただく
ことが出来る。佐倉厚生園の職員は、そのことを常に念頭に置いて、職務
に勤めなければならない。
診療を求めて来院した方には等しく
次の権利があると心得ています
基本方針
1.真心をこめて、設立理念の結核の予防・早
期発見・治療にあたる。
2.真心をこめて、高齢者医療を推し進める。
3.真心をこめて、専門職の誇りを持って、チ
ーム医療を実践する。
4.真心をこめて、質の高い医療にもとづい
て、安全で快適な療養環境を提供する。
そして、本院に関わる全ての方々に信頼さ
れる病院を築く。
医療を受ける者と医療をなす者との良好な関係が良好な医
療をもたらします。この関係を基礎に、医療を受ける方、一人ひ
とりの権利を尊重して、業務に努めるべきと心得ます。特に、次
の6つの権利を尊重して、真心をこめ、誠意をつくし、不断の医
療・看護・介護に励みます。
1.尊重される権利:人格が尊重され、尊厳が保たれる権利
2.良質な医療を受ける権利:社会的身分・人種・民族・信条・
性別・障害によらず、良質な医療を提供してもらえる権利
3.インフォームド・コンセントの権利:自分の病気・その重症度
や自分の受ける検査や治療の効果や危険性、他の治療方
法の有無について、理解できるまで判り易く説明してもらえ
る権利
4.自己決定権:自分の治療計画を立てる過程に参加し、自分
の意見を表明し、自己決定させてもらえる権利
5.知る権利:自分が受けている医療について知らされる権利
6.プライバシー保護の権利:自分の情報が承諾なくして、第三
者に知らさないでもらえる権利
目
次
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☸
☸
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☸
☸
☸
☸ ・学
☸
術 ピクトグラムを活用した情報共有
看護部 介護職 名雪 裕加 他 1
☸ ・学
☸
術 入浴困難な患者様に対する効果的なベッドバス
☸
☸
看護部 介護職 岡野 朝彦 他 3
☸ ・レポート ホワイエバスハイク
☸
ホワイエ 介護サービス課 関口 将平
6
☸ ・レポート 七夕
☸
看護部 介護職 竹松 信子
☸ ・レポート ホワイエ納涼際
☸
ホワイエ 介護サービス課 中原 幸里
7
☸ ・レポート 敬老会
☸
看護部 介護職 重藤 正子
8
☸ ・レポート 救命講習
☸
編集員
☸ ・ニュース 医業健保卓球大会
☸
☸ ・ニュース 医業健保ゴルフ大会
☸
☸ ・掲 示 板 新入職員紹介
☸
編集員
9
☸ ・掲 示 板 人事異動
☸
編集員
☸
☸
☸
☸
☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸☸
佐倉厚生園誌/Bulletin of Sakura Kouseien Hospital 8(3),2010
―
学
術 -
ピクトグラムを活用した情報共有
佐倉厚生園 回復期リハビリテーション病棟
名雪裕加(介護職)
今野絵里(看護主任)
はじめに
ピクトグラムとは
当病棟ではスタッフ一同が一丸となって、患者様
ごとのゴールに向かって ADL の向上を目指していま
す。ADL を正しく向上していくためには、リハビリと
呼応した日常生活を患者様に送って頂く必要があり
ます。そのためには、患者様ごとの正確な情報をス
タッフ・患者様・ご家族が共有することが必要とな
ってきます。
下図(図1)はよくデパートや病院など建物内で
皆さんも見かけているマークです。
この絵の意味は皆さんもご存じの通り非常口です。
ピクトグラムの言葉の意味は絵文字・絵言葉です。
また、このマークは国際標準機構で認められた世界
共通のサインであり世界各国で使用されています。
強いメッセージ性を持ち言葉がわからなくても意味
がわかり幅広い場面で活用されています。
回復期リハ病棟の情報共有現状
開設一ヵ月当初の現状として、患者様の ADL 変化
が速く、情報量が多いためスタッフが出勤して仕事
が始まるまでのわずかな時間で把握するのは非常に
困難でした。
また患者様は日々向上していく ADL に対し過信さ
れ能力以上の行動をされてしまう方もいました。
ご家族も現状把握できず能力以上の行動を求めて
しまったり、情報がないため今後に漠然とした不安
を抱えていたりと、情報共有できていない事により
様々なリスクがありました。こうした情報のズレが
ADL の向上の大きな障害となりうる状況でした。
図1
当回復期患病棟・患者様の特徴
なぜピクトグラムなのか
脳血管障害対象の当病棟の患者様の特徴としては、
スライドのように 1 月と4ヶ月後の 5 月では転倒・
転落のリスクが高い患者様が変わらない比率の状態
なぜピクトグラムを使うのかというとスタッフに
です。そのため転倒・転落の可能性が非常に高いた
とって、文より絵の方が素早く情報を把握できるの
め、事故を未然に防ぐために何らかの手段において
ではないか?患者様にとって、高次脳機能障害など
情報の共有を図りやすくする必要がありました。
で理解・判断能力がおちていても見て分かることで、
気を付ける意識が持てるのではないか?ご家族にと
目的
って、絵を見ることで専門職でなくても理解できる
のではないか?という3つの試みから、ピクトグラ
こうした状況を打破するためにも何か情報把握の
ムが情報共有のために活用できるのではないかと思
ツールを生み出し情報共有を行うことが必要です。
い導入しました。
そのためには、素早く把握できるもの・更新しやす
そして、オリジナルの患者様の ADL をピクトグラ
いもの・多職種間で連携が図りやすいもの・そして
ム作成しシートを作り情報共有に活用し始めました。
患者様自身やご家族が気を付ける意識を持てる必要
があります。何か良い物はないかと探している時、
一つの情報ツールと出会いました。それがピクトグ
ラムです。
-1-
佐倉厚生園誌/Bulletin of Sakura Kouseien Hospital 8(3),2010
移動式シート(使用方法)
固定型一覧表のピクトグラムシート
シート内の赤マークで示されたところが現在の患
者様の ADL 位置です。太陽マークが日中を意味し、
月マークが夜間です。黒く塗りつぶされた人型が介
助者を表し、2人なら全介助、1 人なら一部介助、横
向きなら見守り、白い人型のみなら自立と使用しま
す。
また重要な注意事項は右の欄に記入します。この
場合、この A さんの移動は、日中は自立の歩行にな
ります。配置場所は、患者様と情報は共にある方が
すぐに把握できると思われ患者様ごとの移動手段に
設置しました。
アンケート結果から、配置場所はスライド赤丸の
ようにスタッフルーム内のよく見かける場所に設置
しました。
そして、持ち運び式のピクトグラムから固定型一
覧表のピクトグラムに変えました。
また、環境設定や移乗方法の個々の注意点に関し
てはベッドサイドホワイトボードに書き込みをする
形をとり、行いました。
固定型一覧表ピクトグラムシートの結果
更新について大きな問題があったため、改善しま
した。そして新しく作成し固定型一覧表のピクトグ
ラムを活用したあとでは、情報が移動しないためす
ぐに見る事ができ更新もしやすくなりました。
古い情報と新しい情報が混合せず、正しい情報が
以前より共有できる様になりました。スタッフにと
って患者様の情報は、圧倒的にスタッフルーム内で
の必要頻度が高いことをしり、情報はあるべき所に
なければ意味をなさないことを改めて実感しました。
考察
図2
車イスの方は、車イスポケットへ、ウォーカー歩
行の方は、ウォーカーへ、独歩の方は、持ち歩いて
頂くわけにはいかないので床頭台に設置しました。
移動式シートのアンケート結果
その後アンケートをとりました。グラフ1を見て
わかるとおり、使用率・使用方法の理解・絵のわか
りやすさに関しては良い結果が得られました。
一方、改善すべき点として、
「更新していない」が
80%という課題もみつかりました。
移動式シートのアンケート結果
ピクトグラムを活用することにより情報が文字だ
けよりも理解しやすく、興味がわくものとなりまし
た。
患者様に関する情報は、配置場所・更新のしやす
さ・理解のしやすさが大切であり、更新がされてい
ないと間違った情報が流れてしまい、患者様のAD
L向上の妨げ、危険リスクの増幅につながります。
研究が進むうちにスタッフ内の認識も高まり、更
新のしやすさから活用されやすくなりました。
現在の取り組み
現在はスタッフ間の情報共有から患者様、ご家族
とも情報を共有できるようにピクトグラムカードを
作成し、情報の場をベッドサイドホワイトボードに
設置しました。なお、設置の際は必ずご家族の了承
のもと行っています。このカードによりスタッフは
患者様の対応時あやふやな点がある時は、パッと見
れ、患者様は自分の状況を再認識出来、危険を伴う
行動をする前にハッと気付ける。ご家族は今どこま
で出来るのかを知ることで、家に帰るまでの心構え
になり、ホッと出来る事を目標に取り組んでいます。
グラフ1
-2-
佐倉厚生園誌/Bulletin of Sakura Kouseien Hospital 8(3),2010
-
学
術 -
入浴困難な患者様に対する効果的なベッドバス
~ビニールプールを使用してのベッド上入浴を試みて~
佐倉厚生園
岡野朝彦(介護職)
今野絵里(看護師)
はじめに
・職員 5 名で実施しました。
当院では長期臥床患者様で入浴困難な患者様に対
・患者役を職員 3 名で持ち上げ、その間にベッド上
に防水シートと膨らましたビニールプールを2名
し、全身の保清や感染予防の目的で、普段は全身清
で入れます
拭や手浴・足浴を行なっています。しかし、本来は入
浴を行い体表面の清潔を保ち、筋肉や循環などの諸
器官の活動を促して、清潔保持を行なっていくこと
が望ましいと考えます。そのため、長期臥床で入浴
が出来ない患者様に対し、身近な物を使用しどのよ
うな方法を取り入れれば「入浴」という形を提供で
きるかということを考え、ベッド上で行える効果的
な入浴方法を検討しました。その結果を報告します。
研究方法
ビニールプール入浴の検討を行い、患者様に実施
する前に職員間でビニールプール入浴を実施します。
・その中に患者役を寝かせ、病衣を脱がします。
実践結果を用いて患者様への提供を行い、サーモグ
・体にタオルをかけ、その上からお湯をかけて、体
ラフィーによる検討を行います。研究期間は平成 21
を洗います。
年 7 月~同年 12 月までです。
対象患者様と入院中の経過
K・M 様。69 歳女性、脳出血・慢性呼吸不全憎悪の
患者様で、
平成 19 年 2 月より呼吸器を装着しました。
途中呼吸状態落ち着き呼吸器離脱訓練開始となり、
風呂場での入浴を試みましたが、その後状態が悪化、
24 時間呼吸器管理となり、ご家族の不安もあり入浴
することが出来なくなりました。
・全身を洗った後、ビニールプールの排水口の下に
ケリーパットを置き、排水をします。
職員間での試し入浴
使用物品はビニールプール・ケリーパット・防水
シート・灯油ポンプなどです。
ケリーパッド
ビニール
プール
防水
シート
灯油
ポンプ
-3-
佐倉厚生園誌/Bulletin of Sakura Kouseien Hospital 8(3),2010
・その時体が冷えないよう同時にかけ湯を行います。
・手順は試し入浴と同じ手順で行いました。
・排水後、職員 3 名で体を上げ、ビニールプール・
防水シートを取り、バスタオルを敷いた上に患者
役を寝かせます。
・全身を拭き、病衣を着せます。
試し入浴を行った結果、患者役の職員の感想から
実施に向けて次の課題があげられました。
① 持ち上げられたときの恐怖感の緩和
② ビニールプールの体への摩擦の低減
・対象患者様は呼吸器をつけている為、頚部の周り
③ タオルをあてていない部分の寒さ。また入浴時間
にタオルを巻き、気管カニューレ周囲をカテリー
が長くなると疲労感があるため、入浴時間短縮と
プで保護、頭部をギャッジアップしました。
入浴中の保温法確立
入浴
試し入浴後の課題を改善し、実際に K・M 様に実施
しました
①の課題については職員を 1 名多くして、持ち上げ
られる時間を短くしました
②の課題についてはビニールプールの中に皮膚がこ
すれないようにバスタオルを敷き、その上に患者
様を寝かせました。
・3 名で患者様を持ち上げ、2 名でプール・シートを
挿入。1 名は呼吸器の回路を持ちます。
・排水の際、排水口からだけだと時間がかかるため
手桶も使用し、背中から肩にかけてたまった湯は
手桶が入らなかった為、灯油ポンプを使用し排水
しました。
③の課題については保温の為全身にバスタオルをか
け、露出する部分をなるべく少なくしました。
結果
・入浴時間は試し入浴の時は 45 分かかっていました
が、35 分に短縮できました。
・入浴中の患者様は苦痛表情など無く、バイタルサ
-4-
佐倉厚生園誌/Bulletin of Sakura Kouseien Hospital 8(3),2010
インの異常は見られませんでした。
終わりに
・入浴中かなりの汚れが出てきました。
・準備や入浴中の音がうるさく、同室患者様が興奮
してしまいました。
6 人の職員が、日々の業務から 30 分以上拘束され
るということは難しいかも知れませんが、この研究
・ご家族から『入浴させてもらってありがたかった』
という感謝の言葉をいただきました。
が無ければいまだにこの患者様は全身清拭などの保
清を行なっていただろう。そう考えると、職員の負
担を考えていては患者様の QOL の向上は望めないと
サーモグラフィーを使用した結果、体温上昇が見
られ、手と足では特に保温効果が得られました。
思います。また「呼吸器を使用しているから入浴は
出来ない」などと、はじめから何事も不可能と考え
ずに、
「不可能をどうすれば可能に出来るか」という
ことを、日々のケア・看護から考え学んで行くこと
サーモグラフィー
入浴前
が大切なのだと改めて考えました。湯船につかると
入浴後
いうことは、昔より日本人の習慣であり楽しみであ
ります。そのことは精神面でのリラックス効果にも
手
つながると思われる為、今後もこの研究をもとに工
3.1℃上昇
夫・改善を行ないながら日々のケア・看護に取り組
んでいきたいと思います
足
4.0℃上昇
考察
ベッド上入浴は浴室までの移動がない分、患者様
の負担も少ないと考えます。また、浴室に持ち込む
ことの出来ない呼吸器をはずすことなく入浴できる
為、呼吸器装着中の患者様に対応出来るほか、酸素
や吸引器がすぐ近くにあり、急変時に迅速に対応で
きます。そのため、ターミナルの患者様や様々な条
件で入浴できない患者様に対しても、ベッド上入浴
は適していると考えます。この入浴方法は、特殊な
機器を使用することなく身近な物を使用して入浴が
できるため、低コストで行うことができる事も利点
でしょう。
入浴を実施する際は、ご本人やご家族に充分な説
明を行い、理解を得て実施することが大切となりま
す。今回の患者様は大部屋で実施しましたが、実施
後に同室者が興奮するなどしたことから、同室者へ
も充分な説明と理解を得てから実施する必要があっ
たと考えます。また患者様の負担を少なくするため
に、職員の技術の向上・スムーズに行える給排水方
法の確立が求められます
-5-
佐倉厚生園誌/Bulletin of Sakura Kouseien Hospital 8(3),2010
レポート
く訳ではありませんが、この機会を利用して頂き外
出するきっかけになればと思っています。家族の他
ホワイエバスハイク
にもボランティアの方の参加もあり、普段から顔を
合わせている職員とは違った話題で楽しい時間を過
ホワイエ 介護サービス課 関口翔平
ごせたと思います。
この様に職員間の連携の他、家族やボランティア
今年も恒例のバスハイクが行
にも呼び掛けを行っている事から多くの方との連携
われました。体調に合わせて一日
により成り立っている行事であると言えますが、そ
コースと半日コースを選択制に
の連携により安全に楽しめるバスハイクを提供出来
しました。一日コースは草ぶえの
ているのではないかと思います。二ヶ月に及ぶ為、
丘バラ園(食事は回転寿司)と谷
大変な行事ではありますが、外出された利用者様の
養魚場釣りコース(食事は日本料
笑顔を見るとその大変さも、やってきて良かったな
理)を設定し、半日コースはバラ園の他、ベイシア
という気持ちに変えてくれます。
へ買い物に行くコースやふるさと広場での散策を設
レポート
定しました。どちらのコースも外に出て空気を吸う
事で気分転換となり、多くの喜びの笑顔を見る事が
七
出来ました。一日コースの方は外食する事に魅力を
感じられた様で、目的地よりも食事を楽しむ姿が印
夕
看護部 介護職 竹松信子
象的でした。又、外出が難しいとされていた経管栄
養の方には毎年園内散策コースを設定していました
が、今年は少しでもバスに乗って外に出られる様、
7月5日(月)、本館談話室にて
一時間程のドライブコースを設定しました。短時間
「七夕まつり」が開催されました。
とは言え、体調をしっかりと観察し、看護と連携し
当日には、たくさんの患者様、
ご家族の方が集まりました。“お
いしいものが食べたい”“家に帰
りたい”などと願い事の書かれた
短冊、七夕の曲が流れるなど、その場にいるだけで
七夕の雰囲気を感じていただけたと思います。
出し物の紙芝居では、初めての試みであったため、
後ろの人でも見える大きさ、話の時間といった様々
な工夫が施されました。内容は七夕の基となった話
で『七夕物語』という題で行われました。紙芝居を
見ている患者様の姿を見て、緊張が解けると同時に、
ながら慎重に行いました。外出中に特変者は出ず、
嬉しい気持ちで一杯になりました。普段見ることの
できない患者様の表情が、とても印象的でした。紙
市内を巡回するだけでもとても喜ばれました。
さて、毎年行われているバスハイクですが、職員
と利用者様だけの行事ではなく、最近は若い利用者
の方も多い事から家族揃って絆を深めるといった意
味で家族参加を募っています。全ての方の都合がつ
芝居が終わると「ありがとう」「頑張ったね。とても
良かったよ。」と笑顔で話してくれました。また、ご
家族の方からは「私たちも楽しめました。次のイベ
ントも楽しみにしています。」ととても嬉しいお言葉
をいただきました。その後のおやつでは、緑・白・
-6-
佐倉厚生園誌/Bulletin of Sakura Kouseien Hospital 8(3),2010
茶色の三色の寒天ゼリーを「たまにはいいね。」と嬉
蝉や鈴虫の音、稲の穂。蚊取り線香の香。すいと
しそうに食べていました。また、他の患者様、職員
んや手作りカルメ焼きの懐かしの味と匂い。折り紙
との交流も多く見られ笑顔で溢れました。
コーナー。駄菓子屋ではクジ引き、懐かしのお菓子
私自身、イベント係になってからの初めての企画、
にビー玉、お手玉、ベーゴマなどなど・・・。
初めての七夕祭りの参加でした。日常生活において
やぐらを組んで暗くした中にちょうちんの灯りを
病室で過ごされる患者様にとって、季節を感じると
ともした盆踊り会場も大盛況でした。夏の夕暮れの
共に、楽しい時間を過ごしていただけたかと思いま
お祭りの雰囲気を思い出していただけたのではない
す。患者様と時間を共有していく中で、患者様の思
かと思います。曲が流れ始めると、利用者様もご家
い出に残るイベントを届けられるように、取り組ん
族の方も、職員も、輪になって踊りました。
でいきたいです。
締めにはみんなでラジオ体操。踊りながら居室に
戻っていく利用者の方達、
「また来るわ!」と帰って
いくボランティアの方々。片付けが終わっても帰ら
ないで話し込む職員。行事をすすめてゆく私たち職
員にとっても、楽しく充実した一日となりました。
これからも、皆で楽しめる、思い出に残る行事を行
っていきたいと思います。
レポート
ホワイエ納涼際
ホワイエ 介護サービス課 中原有里
去る8月 21 日、佐倉ホワイエに
て恒例の納涼祭を行いました。 今
年はホワイエ 20 周年という節目の
レポート
年です。より一層、利用者の方の思
敬
い出に残る納涼祭を目指し、職員一
老
会
看護部 介護職 重藤正子
同気持ちを一つに頑張りました。
通常の業務が終了した後に少しずつ準備を進め、
9 月 25 日(土)、1階エントランス
ついに迎えた当日。壁にすだれを張り巡らし、食堂
ホールにて敬老会を開催しました。
はお祭り会場となりました。
テーマは、現在入所されている利用者の多くの方
今回はボランティアの方々による
が活躍されていた「昭和中期」です。
アコーディオン演奏会でした。7 名
年の数だけ過ごされてきた夏を懐かしく思い出して
のボランティアの方々に全 14 曲を
いただけるよう、レイアウトだけでなく五感に訴え
披露していただきました。演奏曲は
かける試みも行いました。
どれも患者様が昔聞いたことのある曲目で患者様は
-7-
佐倉厚生園誌/Bulletin of Sakura Kouseien Hospital 8(3),2010
アコーディオンの音色に合わせて、声を出しとても
てお迎えし、19 名の職員が参加して行われました。
元気な歌声が響き渡りました。
初めに消防署員のデモンストレーションを見て、そ
患者様は「普段ベッドに寝てるだけだから、演奏
の後、3班に分かれて、実際に人形と機械を使用し
会などがあるといつもと違って楽しいね」、
「アコー
心肺蘇生法とAEDの使用方法の研修を行いました。
ディオンを見るのも、聞くのも久しぶりだね」と話
真剣に取り組んだかいもあり、最後に行われた試
され、とても満足された様子でした。
験では参加者全員が合格し、修了証を手にすること
ボランティアの方々によるアコーディオンの演奏
が出来ました。
は初めてだったので、患者様に満足していただける
か不安もありましたが、最後は皆様、笑顔いっぱい
ニュース
で病室に戻られました。又、ボランティアの方々に
医業健保卓球大会
演奏だった為、職員がより患者様の近くにいること
ができたという点でも良い演奏会だったと思います。
編集員
7 月 4 日(日)、JFE千葉体育館で第 49 回千葉県
医業健康保険組合被保険者卓球大会が開催されまし
た。当院からは 10 名選手が参加し、男子 2 部におい
て加藤選手(庶務課)が 9 年ぶりに 3 位に入賞しました。
ニュース
医業健保ゴルフ大会
編集員
9 月 16 日(日)、南茂原カントリークラブで第 11 回
レポート
千葉県医業健康保険組合被保険者ゴルフ大会が開催
救命講習
されました。当院からは 4 名選手が参加し、女子の
部において三宅選手(4 東病棟)が 4 位、野中選手(4 西
編集員
病棟)5 位にそれぞれ入賞しました。又、初出場の池
9 月 25 日(土)、会議室にて救命講習会が開催され
ました。佐倉消防署から 4 名の署員の方を講師とし
田選手(営業開発室)が見事にニアピン賞を獲得しま
した。
-8-