平成27年4月16日 こども園シリーズ(1) 町長は、『はやきたこども園』を 建てたらすぐに、民営化するつもりだった! (民営化する為に建てた!?) 調べれば調べるほど、膨らむ疑問。 税金5億円かけて建て 経営判断のしようもない時期(建てて早々)に 「はやきた認定こども園」を民営化に 1,町長は、「民営化する前提で、『はやきたこども園』を特区に」と発言。 (民営化する前提で、 『はやきたこども園』を建てた」と同じ意味。) 「・・・私どもとしては、民営化するという前提で3年間の特区制度(注)を 採用させて頂いたわけでございまして・・」(平成23年9月議会) 外にも、同様の町長発言があります。 「安平町では、民営化に向けた条件整備等の為に「構造改革特別区域」認定申請を 行い・・・こども園を運営する民間団体の募集は、・・今年度中の開始を予定して おります。」 (平成25年12月議会 行政報告) 「構造改革特別区域」(特区制度)とは、「規制の特例措置」を活用する(国 の規制を一部解除して活用させる)制度で、地方公共団体か らの申請で実施します。 (役場・市役所) 安平町の場合は、「臨時職員の3年間雇用」を可能とする為 の特別区域になることを申請し認められました。 「こども園」は、平成22年4月にオープンして、10月8 日に民営化の為に特区申請しています。つまり、実態として も論理的にも、「町長は民営化を前提に、子ども園を建て、 特区の手続きをしたと言うことです。 他方、似た制度に「国家戦略特区」というものがありますが、これ は、「国」が、「我が国の経済社会の活力の向上及び持続発展 に相当程度寄与すると見込まれる区域」(国際競争力の強化 に資する事業とか国際的経済活動の拠点など)と判断したと きに限って適応される制度であり、安平町の「臨時職員の 3年間雇用」程度のことは、最初から対象外のことです。 ところが、町長は「申請予定」と述べていましたが、いかが -1- なものか、そんなことは、あろうはずがないと思った次第。 (全員議員協議会・・・平成25年9月13日) ... 2,「特区申請」の書類からも、町長は、「最初から民営化のつもり」で あったことが明らかになる。(議会答弁と同様 ) 四角内の文章を読んでから、下記の文章を読んで下さい。 (注)「指定管理者制度」とは、「民営化」の1つ。 この制度は、「公の施設の管理・運営を営利企業・財団法人などの 民間の団体に包括的に代行させることができる制度です。 因みに、PFIと言うのも、民営化の1つの方法ですが、とりあ えず、安平町の民営化では取り上げていないことと法律の名前が長 ったらしいのでPFIとだけして省略します。 (1)特区申請書添付文書(構造改革特別区域計画書)に書かれていた民営化の文言。 ①「・・・一方、行財政改革に資するよう・・・既存認定こども園への指定管 理制度導入等を推進することが示されるなど」 (構造改革特別区域計画の意義) ②本町では、行政サービスのPFIや指定管理制度の導入に加え・・・行財政 改革に向けた取り組みをさらに推進しようとしている。 (構造改革特別区域計画の目標) (2)特区申請書別紙 「・・・一方、行財政改革に資するよう・・・既存認定こども園への指定管 理制度導入等に係る方針が示されるなど」 (別紙、5 当該規制の特例措置の内容) (3)特区申請書(構造改革特別区域計画の工程表) ※この工程表の「関連事業」の「認定こども園事業」(安平町立はやきた子 ども園)の平成25年と26年の欄に「指定管理者制度の導入の検討」と 記載されている。 上記の意味 内閣府地域活性化推進室に提出された「特区」の申請書には、 「指定管理者制度」(民営化)の導入計画を前面に出していることが明らか になっています。その内容は、「民営化するという前提で3年間の特区制度」 「民営化に向けた条件整備等の為に「構造改革特別区域」認定申請」などの -2- 町長答弁に合致するものです。 念のために触れておきますが、「特区」認定の条件には、「民営化」はありま せん。無関係です。この点は、次回のレポートで「証拠」を示して触れます。 3,税金5億円かけた「こども園」が、なぜ、「早々」に民営化に? 建てた業者が儲かっただけか? ①町長派議員まで驚いた「早々(はやばや)」と民営化。 「もう民営化するのか」「なぜ、民営化するのか」と、疑問に感じた人は、私だけで はないはずです。町長派議員の島田議員(社民党)まで、「私も認定こども園が、 こんなに早く町が離すという事だとは思っていなかった。」と、述べているほどです。 (全員議員協議会 H25・9・13) また、「民営化ありきで賛成したわけではない」(谷村議員)との発言もありました。 ②一般町民には、民営化に関する事前説明は、1度もなされていない。 町長の「こども園」民営化の構想は、「こども園」開設の初めからあったことは、 すでに述べました。(1の町長発言を参照) しかし、話が具体的になってからも、業者の公募に至っても、町民向けには、 「なぜ、民営化しなければならないのか」の説明が全くなされませんでした。 税金を5億も使った事業です。そう簡単に、正当な理由もなく、人手に渡すわけ にはいきません。町民の財産ですから。 形ばかりの説明会(H27/2/23)が行われたのは、業者募集(H26/7/8)が行われ、業者 が選定 (H26/10/20)され、関係機関への報告(H26/11/16)がなされた後でした。 それも、たった1回だけ。形ばかりのものでした。1回質問するのがやっとの 状態で疑問が解消するはずもありませんでした。 議会の議決を経ないで、町有財産(土地・建物)の無償貸与と 備品の「無償譲渡」を決めたのは、明らかな法律違反! 安平町は、建設に約5億円要した「早来たこども園」を学校法人「リズム園」に以下 述べるように、事実上、タダで渡す手続きを取りました。これは明らかに法律違反で す。議会の承認を経ずに「無償貸与」 「無償譲渡」を公募の条件にした上、 「リズム園」 職員や町民の前で、決定事項のごとく説明をしたことは、明らかに法律違反です。 公有施設の貸し付け・譲渡について 4,公有施設の無償又は廉価での貸し付け・譲渡 (建物等のこと) この施設の無償又は廉価の貸し付け・譲渡については、・・・・これらの規定が -3- 適応され(るので)、議会の議決を省略すること等は出来ないことに留意が必要。 (公私連携幼保連携型認定こども園、公私連携保育型認定子ども園及び 公私連携型保育所の取り扱いについて ) (内閣府 H27・3・10) 土地の貸し付け・譲渡も議会議決が必要 リズム園に無償貸与するには、建物だけでなく「土地」も含まれます。 リズム園は、公共団体・公共的団体ではないので、公有財産である「認定こども 園」の土地は、「安平町行政財産使用料条例」や「安平町財産の交換、譲与、無 償貸付け等に関する条例」で定める減額・免除の対象にならない為、議会での議 決を必要とするはずです。基本は、三井ヘルスサービスへの土地の無償貸し付け 問題と同じです。公有財産の種類が違うだけです。 4,学校法人「リズム園」に対する「民営化優先の法外な大サービス1」 ① 税金5億円もの施設と土地が、事実上、タダで、「リズム園」に渡るのです。 備品はタダでくれてやります。 民営化に向けた募集要項を読んで驚きました。次のようになっていたからです。 ア、土地・建物・・・5年間の「無償」貸与。(タダで貸す) イ、備品消耗品・・・「無償」譲渡 (タダで、くれてやる) (はやきたこども園に向けた運営事業者募集要項) 因みに、 「備品」の中には、ピアノや遊具だけではなく通園バスも含まれます。 また、バスの運営経費(ガソリン・運転手手当?)などを、町が補助します。 (議員全員協議会 H25・9・13) ② そして、5年後はどうなるのか。 募集要項では、 「以後については、期間満了前に、更新又は譲渡について協議」 となっているのです。 つまり、繰り返し、更新すれば、10年後も15年後も、タダで、土地と建物 を利用できるのです。 ③ 保護者・町民向けの説明資料では、 「無償」という用語が削除されていたのです。 説明会での町側の説明は、土地・建物は、単に「法人に貸し付け」とだけなっ ていて、肝心な「無償」が削除されていました。 加えて、備品についても、「使用年限を決めて譲渡」となっていて、ここでも 「無償」が抜け落ちていいました。この点に関する私の質問に担当者は、「保 護者向けなので、はしょった」と述べ「募集要項通り実施される」とも述べま -4- した。「タダなのか、金を払うのか」は、誰にとっても重要な問題です。 「無償」は、「はっしょっ」てはならない言葉です。「こども園」は、税金で建 てられたものです。保護者も町民でです。「はしょる」理由にはなりません。 この「無償」という言葉が、意図的に削除された本当の理由は、町民には、 「無償」(タダ)と言う事実を隠したい心理が働いたのではないかと思われて 仕方ありません。 (教育委員会主催の説明会 H27・2・23) 5,民営化移行前から、リズム園に「大サービス2」 町長の「民営化」に対する執着でしょうか。 民営化前の安平町の「大サービス」を見ると、そのなりふりかまわぬ姿を見ることが 出来ます。 (1)なぜ、「リズム園」に負担させないのか。 理解できない民営化移行前の600万円以上の援助。 安平町が、民営化移行以前に「リズム園」に援助するのは、土地・建物・備品 だけではありません。 ①「職員研修・園内研修・園長並びに保育士をこちらに派遣してもらう経費・ その他諸々」・・・このために、609万円。高すぎないか? 3月議会で示された予算書の中に「認定こども園民営化準備業務委託料」とし て609万円が計上されました。 その内訳を高山議員の質問に答え次のような答弁されました。 「園内研修」以外の「職員研修」って何でしょう。道外にまで行く研修なので しょうか。研修と言っても様々です。中には、温泉で行う研修もあります。 「園長、保育士を派遣してもらう経費」と言っても、担当者との直接の確認で は、給与ではないという話でしたが、それでは、何の費用かという疑問。 恵庭はすぐ近くです。それほどの経費がかかるとは思えません。 「その他諸々」って、何でしょう。 いずれにせよ、これだけの為に、609万円は、高額すぎます。 私は、すでに、教育委員会に、金額の個別の内訳を求めています。 ② 園庭の整備(民営化後の準備)に、30万5千円。 なぜ、こんな費用まで、安平町が払うのか? 「園庭の整備」は、民営化した後に「リズム園」が行う活動の為の費用です。 それをなぜ、安平町が支払うのか。納得がいきません。 (2)議員の中でも、過剰なサービスに批判や疑問 ①高山議員「こちらが出さなければならない」と言うことなのでしょうか。」 -5- 「最初からこちらで用意して、どうぞ来て下さいという流れなのか」 (H27年3月議会) ②小笠原議員 「(通園バスの運営費に関して)法人の物になっているのに、5年間も 助成金を出さねばならないのか」 (全員議員協議会 H25・9・13) 6 ,民営化移行後も、リズム園に「大サービス3」 ①人件費・教材費・教職費まで町費から出す。 民営化移行後について、教育委員会参事は、次のように応えています。 「民営化後については、・・・公定価格に沿って、人件費(事務員経費・外?)、 教材費・給食費というものが加算されますので、・・・委託(費)として出す。」 (3月議会・予算審査特別委員会) 以上述べてきたように、安平町における「こども園」の民営化は、町からの持 ち出しが、誠に多いことがわかります。 建物を次から次へと建て、あびらネットや鉄道「道の駅」それぞれ数億円の 経費をかけ、参入企業には、「大サービス」を行いながら、臨時保育士を切っ て役場から追い出すかのような仕打ち。そんなやり方は許されません。 「子ども園」は、人間を育てる所です。子ども達と関わる人間を粗末にして 建物ばかり建てる事にばかり税金を使う町政は、根本的に改めなければなりま せん。 ②通常の民営化と異なる「子ども園」民営化の目的。 一般的に耳にする「民営化」は、公営の施設が経営的に赤字で、その解消の為に、 民営化するという話を良く聞きます。 つまり、民営化の目的は効率化、サービスの向上、透明化、税金の国民負担の軽減、 債務の切り離しなどなどです。 しかし、「早来たこども園」の民営化の目的と理由は別なところにあります。 それは、人間を育てる保育行政の柱である保育士の待遇を長い間、臨時職員に固定化 し、挙げ句の果てに、民営化の名の下に、民間企業に放出することです。 瀧町長の議会での繰り返しの発言を見れば、「民営化」という名のもとでの、町民の 財産の「タダ捨て」路線に相当執着していることがわかりますが、それを許してはあ りません。。 次回は、町長の民営化の理由が、真っ赤な ウソであったことを証明します -6-
© Copyright 2024 ExpyDoc