甲賀愛林クラブが 「国土緑化推進機構会長賞」を受賞

林業滋賀
2014.12 No.206
発行/2014.12
発 行 所 滋賀県林業協会
大津市におの浜4ー1ー20
077(522)2318
編集責任者 北川 始
WE
W
E L
LOVE
OVE
OV
WOOD
WOOD
平成26年度「ふれあいの森林づくり」
甲賀愛林クラブが
「国土緑化推進機構会長賞」を受賞
公益社団法人国土緑化推進機構
では、農山村と都市との連携や分
収林制度等を活用し、都市の活力
を山村に導入し、国民が一体となっ
て森林を守り育てることを目的とす
る「ふれあいの森林づくり」により、
緑化の推進に顕著な実績をあげた
団体等の表彰を実施しています。
このたび、甲賀愛林クラブ(甲賀
市)が国土緑化推進機構会長賞を
受賞し、平成 26 年10月12日(日)
に山形県で開催された第 38 回全国
育樹祭において表彰されました。
受 賞された甲賀 愛 林クラブは、
昭和 49 年に地元のサラリーマンが
中心となり発足し、互いの所有林に
「ふれあいの森林づくり」受賞者(甲賀愛林クラブ)
ついて相互扶助の精神のもと共同で下刈りや間伐等の保育活動を計画的に実施されています。そのような
中、平成16 年度から琵琶湖・淀川水系の上下流連携による森林づくりの推進を目標に掲げ、毎年、下流
都市住民である豊中市民と「森づくり体験」を通じて積極的に交流を進めており、今回、このような上下流
連携の森林づくり活動に対する顕著な功績が認められました。
も
く
じ
WE LOVE WOOD
滋賀林政トピックス
あのまち、このまち
林業普及だより
森林ガイド
インフォメーション
平成 26 年度「ふれあいの森林づくり」
甲賀愛林クラブが「国土緑化推進機構会長賞」を受賞
「第 9 回森づくり交流会ふれあいフェスタ2014」を開催しました
林業研究グループ 平成 26 年度林業技術交流学習会
老人ホームながはま ∼びわ湖材でぬくもりのある生活の場∼
地元企業と連携する森林整備と下流への普及啓発の取り組み
●平成 25 年台風18 号による森林被害の復旧状況について
●建築中の「こども園」で木造園舎工事見学会を開催
平成 27年 4月1日から『森林国営保険』は『森林保険』に名称が変わります
◆1
◆2
◆3
◆4
◆5
◆6
◆8
「第9回森づくり交流会
ふれあいフェスタ2014」
を開催しました
10月4日(土)に長浜市豊公園で「第9回森づく
さらに、抽選で切り株イスのプレゼントも行われ、
り交流会ふれあいフェスタ2014」を開催しました。
参加者の皆さんからは、
「森の大切さがよくわかった」、
10月の「びわ湖水源のもりづくり月間」中には、毎
「木にふれあえるのが楽しい」、「毎年、楽しみにして
年県内でたくさんの森づくりに関するイベントなどが行
います」などの声が聞かれ、森の恵みを満喫する一日
われます。その月のはじめに開催される「森づくり交
となりました。
流会」は普段森林にあまり縁のない方をはじめ、たく
さんの人に森や木の魅力にふれあってもらう森のお祭
りです。
当日は、びわ湖の眺望もすばらしく、樹木に囲まれ
たみどり豊かな環境の中で、森や木に関する体験活
動の提供や販売など様々なイベントが行われ、会場
は約 3,600 名の来場者の皆さんで賑わいました。
長浜市豊公園での開催は、今回が初めてですが、
長浜市をはじめとする関係機関や、地域の森づくり団
体の方々のご協力で大いに盛り上がることができまし
た。また、長浜市中心市街地を会場に全国の芸術家
伊吹高校書道部によるパフォーマンス
が集まる芸術版楽市楽座「アートインナガハマ 2014」
も同日開催され、互いに相乗効果が得られました。
林業研究グループによる「山の匠実演会」におい
ては、チェーンソーアートの実演や丸太のベンチづく
り競技会を行い、熟練の林業技術を披露しました。
また、森づくり団体やグループ等、41団体が出展し、
丸太切りや薪割り体験、間伐材の絵付け教室などの
体験活動や、シカ肉料理や山菜料理といった森の恵
みを感じる食品の販売などが行われ、親子で楽しむ
姿が多く見られました。
はなかっぱのステージショー
ート
ンソーア
のチェー
点
満
迫力
丸太ベンチづくり競技会
2
林業研究グループ
平成26年度林業技術交流学習会
滋賀県林業研究グループ連絡協議会は、平成26
翌日(4日)は、長浜市豊公園において開催され
年10月3日に長浜市にある勤労者福祉会館「臨湖」
た「第9回森づくり交流会ふれあいフェスタ2014」
多目的ホールにおいて、林業技術交流学習会を開催
に参加しました。
しました。
このふれあいフェスタでは、林研ブースを出展し、
交流学習会では、薪のある暮らし方研究会代表の
特用林産物や切り株イスの販売、板絵教室、丸太切
回渕享治氏を講師に迎えて、薪ストーブの開発や薪
り体験等を行うとともに、山の匠実演会として会員に
の販売等について学習するとともに、県内各支部の林
よるチェーンソーアートの実演や各支部対抗の丸太ベ
研会員による林業活動コンクールを実施し、日頃から
ンチづくり競技会を行いました。
取り組んでいる林業研究活動の状況を報告しました。
この2日間の活動において受賞された方々は、以下
また、会員が制作した特用林産物等の展示会を開
のとおりです。
催し、会員間での人気投票を行いました。
平成 26 年度林業技術交流学習会受賞者一覧
部 門
支部名
所属グループ
氏 名
滋賀県知事賞
甲賀
甲賀愛林クラブ
杉本 芳久
県森林組合連合会長賞
湖東
多賀町林業研究グループ
奥川 直之
県林業協会長賞
高島
朽木林業研究会
西澤 明
県林業協会長賞
八日市
東近江市永源寺林業研究グループ
落部 弘紀
県林研グループ会長賞
湖北
長浜市伊香林業研究グループ
橋本 勘
県林研グループ会長賞
大津湖南
大津市林業振興会
大林 秀行
県林研グループ会長賞
森林ボランティア
淡海森林クラブ
平野 敏彦
県林業協会長賞
甲賀
甲賀愛林クラブ
中本 清治
県林研グループ会長賞
高島
朽木林業研究会
澤田 崇
林業活動
コンクール
林業技術向上
競技会
受 賞 者
賞 名
最優秀賞
特用林産物等
展示会
奨励賞
(敬称略)
丸太のベンチ
づくり
1位
湖 北 支 部
2位
甲 賀 支 部
3位
湖 東 支 部
笹 井 賞
回渕享治氏による講演
「ブーム到来 薪ストーブと薪」
高島
特用林産物等展示会
(県林業協会長賞:中本清治氏)
3
朽木林業研究会
林研ブース出展
清原 猛史
施設紹介
老人ホームながはま
∼びわ湖材でぬくもりのある生活の場∼
今回紹介させて頂く「老人ホームながはま」は、長
材をふんだんに使っていることやいろいろなところで大
浜市加田町地先、神田山公園南側の山裾と集落の間
きさや色彩等に変化を持たせた多様な空間が造られ
に位置し、陽当たりが良くのどかな環境に恵まれた養
ており、暖かく居心地の良い生活の場となっています。
護老人ホームです。
老人ホーム等の施設では利用者が常にふれあうた
施設を大きく分けると介護度の低い人から高い人ま
め、居心地の良さが一番の大事であり、この点におけ
でが暮らす生活の場(養護老人ホーム棟)と地域交
る内装素材としての木の役割の大きさを実感する施設
流スペースやデイサービスなど地域に対して開かれた
でもあります。
場(デイサービス棟)からなります。
昭和38年に滋賀県立老人ホーム長浜荘として設立
※リノベーション:既存の建物に大規模な改修工事
され、今回、養護老人ホーム棟で3,000㎡を超え
を行い、用途や機能を変更して性能を向上させた
る大規模木造建築(2×4材によるトラス構造)での
り付加価値を与えること
改築とRC造のデイサービス棟(昭和58年築)での
リノベーション※が行われました。
その内のデイサービス棟のリノベーションにびわ湖
材利用促進事業を活用して、ヒノキ材の天井羽目板
や浴室の壁羽目板が使用され、また同時に木の学習
机等木製品利用促進事業によりびわ湖材の家具が設
置されています。
施設内を一見すると、木製の部分が非常に多く見
られ、スッキリと感じが良くて暖かみもあり、特に中
庭の木製テラスが各 個室につながっているなど、リ
ゾートホテルかペンションのような雰囲気で、入居者
の方々も明るくいきいきされているように見えます。
改築については、
「老人ホームながはま」の基本方
養護老人ホーム棟
中庭テラス
撮影:絹巻豊
針にある『ぬくもりのある生活の場』を念頭に設計が
行われたとのことで、内装や家具にびわ湖材などの木
デイサービス棟 浴場(びわ湖材:壁、天井羽目板) 撮影:絹巻豊
デイサービス棟 玄関(びわ湖材:下足棚)
4
། ‫ ز‬൅ ‫ צ‬ƶ Ǟ Ǡ
西部・南部森林整備事務所
地元企業と連携する森林整備と
下流への普及啓発の取り組み
京阪電鉄 ( 株 )では大津市内、比叡山のふもとに約
平成26年度のファミリーレールフェアでは、森林
70haの森林を所有され、平成24年度から滋賀南
組合の提案で「ウッドキュービック」を使った木工工
部森林組合と協力し、森林整備を実施されています。
作を実施しました。「ウッドキュービック」は小さなサ
もともと森林組合の組合員でなかったことや不在の地
イコロ状の木 材で、これを木工用ボンドで接着し、
主(本社は大阪市)であることから、長期間手入れ
安全に自由に工作できるものです。当日は親子連れ
がされていませんでした。
が多数ブースを訪れ、工作を楽しんでいました。
当事務所では先方との出会いから現地立会、施業
これまでの取り組みでは、山主=顧客に対し、品
内容や利害関係者との調整、また森林経営計画の説
質を確保すること、また顧客の要望に応えることによ
明など、適宜支援を行ってきました。
り、信頼を得て、次の森林整備につなげる、といっ
京阪電鉄 ( 株 )では、この「京阪山」が地域にとっ
た循環がうまくできたと思います。
て大切な、環境を保全する森であり、同時に企業と
普及員としては適宜森林組合を支援し、森林組合
してCSRの取り組みが行える場であること、また比叡
と組合員との関係づくりをサポートしたこと、さらには
山の観光振興に役立てたいと考えておられ、森林組
一般の方へ、木材と触れる機会を提供できたことな
合と普及員も協力して様々な取り組みを行ってきたとこ
ど、多くの普及活動ができたと考えています。
ろです。
今後も山主の満足 度を
平成25年度には、第1期の森林施業が実施され、
高め、次の整備につながる
作業道が入って明るくなった森林と、搬出によって利
よう、森 林 組合との 信 頼
益が還元されたことを評価していただきました。
関係をこれまでより一層築
さらに京阪グループが大阪 府の寝屋川車庫で例
くべく、支援を行っていき
年、一般向けに実施するイベント「京阪ファミリーレー
たいと考えています。
ルフェア」において、琵琶湖の森林づくり、環境保
全に協力していること、また「京阪山」から出された
間伐材が役立っていることをアピールしたいとの打診
があり、森林組合とともに内容を検討しました。
その結果「比叡山の木を使った木工工作」のブース
京阪電鉄(株)が発行する
CSR 報告書より
を、社員さんと森林組合、当事務所普及員が協力し
て運営することとなりました。
ウッドキュービックによる工作例
整備後の山の視察
京阪ファミリーレールフェアの様子
5
治山・林道の紹介
࠯঺ᵐᵓ࠰Ө᫘ᵏᵖӭỆợỦౕ௎ᘮܹỉࣄ଒ཞඞ
ỆếẟềᴾίฯҤࠊჽᢿᩋ‫עޛ‬ғὸ
平成 25 年 9月の台風 18 号により、降り始めからの雨量は、甲賀地域で
400mmに達するなど、記録的な豪雨になりました。各地で災害が発生し、
特に信楽から湖南市にかけては、人家近くの山林で土石流が発生する事
態となりました。
湖南市石部雨山においては、石部中学校裏の生活環境保全林で山腹
崩壊が発生しました。崩壊地の下流に、昭和 56 年施工の谷止工(治山
施設)があり、直下に公園内道路を挟んで、その下に中学校があります。
流出した土砂や流木の大半は治山施設が捕捉しましたが、勢い余った
泥土が道路に れ、中学校まで泥水が流れこみました。
被災直後、公園管理者が道路部分の泥土を除去し、その後、県が既
存施設に乗り上げた土砂や流木を除去し、応急対策をしました。
本格復旧は、台風から1 年たった本年 10月、山腹土留工や緑化工が
完成し、ようやく安心して利用できる
森林公園として復活しました。
一度罹災すると安全な状況を取り
戻すまで多くの時間と費用を要しま
す。予算には制約がありますが、土
砂災害を未然に防止する対策を推進
することが非常に重要となってきてい
ます。
山腹工施工前
谷止工
山腹崩壊の土砂、立木を捕捉した谷止工
中学校に流れ込んだ泥水
山腹工完成
県産材流通推進室からのお知らせ
࡫ሰɶỉẐẮỄờ‫ט‬ẑỂஙᡯ‫ט‬ᑀ߻ʙᙸ‫˟ܖ‬ử᧏͵
現在、長浜市では既存の高月幼稚園と高月保育園
の統合を目的として、「(仮称)高月認定こども園」を
整備中です。この「こども園」の園舎は木造で設計さ
れており、建築材料には市産材や県産材をふんだん
に活用した計画となっています。
この建築現場において、去る10月22日に工事見
学会が開催され、設計事務所関係者や建設業者、
市町職員など約 70 名が参加しました。参加者は、ま
ず県や市の木材担当者から森林や木材生産の状況を
聞いて、市教育委員会の担当者や設計監理を行う設
計事務所からこの施設整備の説明を受けた後、建築
中の園舎内部を見学しました。
園舎は3 棟からなり、構造材には可能な限り製材
品を使い、間柱などの下地材にも市・県産材が活用
されています。このうち、保育室が配置される2 棟の
構造材等に占める市・県産材の割合は約 80%。屋
根下地や床には2,500 枚以上の県産材合板が使われ
ているうえに、
内
装材にも地元の
木材が使われる
予定であり、全く
外材に頼らない
建築になってい
建 設 地:長浜市高月町東柳野 15 番地 1
ます。
建物概要:敷地面積 11,088 ㎡
これは市・県 園舎(木造平屋建て延べ床面積
2,828.90 ㎡)
産材の供給力の 付属棟(延べ床面積 91.67 ㎡)
一端を示すもの 外構整備(園庭、駐車場ほか)
であり、このような先駆的な取り組みを進めてこられた
同市の担当職員や設計事務所関係者に敬意を表した
いと思います。
この園舎は、来春の開園に向けて来年 3月に竣工
予定であり、完成を心待ちにしている保護者や保育
士の声も聞こえることから、地域からの期待の高さが
うかがわれます。
6
お住まいには
びわ湖材 を
甲賀市水口町杣中160
甲賀市甲南町深川2007
http://www.kouka.ne.jp/~kourin/
組合の力で安心で活力ある健全な森林づくりをすすめています。
森林整備・緑地管理・支障木伐採、建築・建設木材料、木製品販売・施工、林業資材、機械器具販売
滋賀中央
滋賀中央森林組合
本 所 〒528-0014
甲賀市水口町鹿深3-39
TEL 0748(65)4180
FAX 0748(65)4181
本 所
土山事業所 〒528-0211
信楽事業所 〒529-1832
日野事業所 〒529-1602
甲 賀 支 所 〒520-3431
土山事業所
信楽事業所
日野事業所
甲賀支所
甲賀市土山町北土山361 TEL 0748
(66)
0015
甲賀市信楽町小川出1-1 TEL 0748
(82)0758
蒲生郡日野町河原1-1 TEL 0748
(52)4334
甲賀市甲賀町大原中541 TEL 0748
(88)2127
本 社/草津市東矢倉三丁目11-70 TEL(077)
562-7111(代)
資料館/大津市中央三丁目1-33 TEL(077)
522-5577(代)
森林整備から木製品販売・施工まで、何でもご用命下さい
土木工事用木質資材生産・木製公園施設生産・施工
滋賀北部森林組合
滋 賀 北 部
(木材加工所)ランバーベース
本 所 〒521-0225 米原市市場438 TEL0749-55-8008
浅井事業所 〒526-0244 長浜市内保町2535 TEL0749-74-0276
h
t
t
p://www.
l
umbe
r−base.
JP/
7
お知らせ
平成 27年 4月1日から
『森林国営保険』は『森林保険』に
名称が変わります
「森林国営保険法等の一部を改正する法
規加入・契約更新等の諸手続の受付ができ
律」が平成 26 年 4 月 16 日に公布され、これ
ませんので、この期間に新規加入や契約更
まで国が実施してきた「森林国営保険」は、
新を検討されている方は、早めにお近くの
平成 27 年 4 月 1 日に独立行政法人森林総合
森林組合までご相談ください。
研究所に移管されることとなり、名称が、
「森
その他、不明な点については、滋賀県琵
林保険」に変わります。
琶湖環境部森林保全課または滋賀県森林組
「森林保険」はこれまでと同様、干害、水害、
合連合会にお問い合わせください。
山火事などの災害による損害に森林所有者
自身が備える唯一のセーフテイネットであ
り、重要な公的保険です。移管後も、法律
に基づいて国がしっかりと関与していくこ
ととしておりますので、引き続き「森林保険」
にご加入くださいますようお願いします。
また、今回の移管に伴う皆様の手続き等は
一切不要ですので念のため申し添えます。
なお、事務移管作業の都合により、平成
27 年 3 月中旬∼ 4 月上旬頃については、新
入って安心 森林国営保険
お申し込みは
森林組合・県森連へ
あなたの山を
総合的に保障
します。
滋 賀 県(森林保全課)
TEL.077-528-3933
滋賀県森林組合連合会(木材流通センター)
TEL.0748-20-1622
8
この印刷物は古紙パルプを配合しています