Opal よくある質問 - 株式会社パーキンエルマージャパン

Opal FAQ
電子レンジ処理について
1000W の電子レンジがありません。
電子レンジに出力調整機能がありません。
沸騰するまで時間が掛かりますが、750W, 600W
など一般家庭用のレンジを使用できます。
Opal のマニュアルでは染色手順を出力調整可能
な 1000W 電子レンジを基準としています(Step2
および Step7)。
これ以外の出力の電子レンジ、出力調整機能を
持たない電子レンジを用いた場合の処理条件は
以下を参考に決定できます。
1) スライドを容器に入れクエン酸緩衝液で浸
し、密閉しないように蓋をします。
2) 容器を電子レンジに入れ、溶液が沸騰するま
で連続してレンジに掛けます。
3) 沸騰し始めたら一度レンジを止めます。
4) 再度レンジのスイッチを入れ、沸騰するまで
レンジに掛けます。
5) 沸騰し始めたら再度レンジを止めます。
6) 以降、レンジの再開・停止を、初回の沸騰後
の延べ時間が 15 分になるまで繰り返しま
す。
7) 容器が室温程度に冷めるまで放置します。
8) 水または緩衝液により洗浄します。
電子レンジの代わりにホットバスは使用できる
か
電子レンジの代わりに圧力釜タイプのジャーを
使用できるか。
電子レンジ処理により標本が脱落することはな
いか。
● 繰り返しレンジ処理している間における溶液
温度を沸点に近く保つことにより抗体を変
性除去します。
● 湯浴のように温度調整可能な器具を用いる場
合は 95 度、15 分などを開始条件として、抗
体除去条件を検討ください。
● 抗体の除去状況は、二色目、三色目の TSA
試薬を添加し顕微鏡観察することで確認で
きます。
キットインサート 4 ページ、枠囲み内もご参照
ください。
抗体を変性除去できる温度まで十分に加熱でき
れば使用可能です。加熱時間、条件については
装置に合わせて事前に確認・検討してください
(抗体の除去の確認は別項目を参照)。
使用可能です。加熱時間、条件については装置
に合わせて事前に確認・検討してください(抗
体の除去の確認は別項目を参照)。
貼り付け方が弱いときには起こり得ます。固定
した凍結切片では、スライドグラスをポリリジ
ンコートすることで、電子レンジ処理してもサ
ンプルが良好にスライドグラスに保持されたと
のユーザーの報告があります。
1/3
株式会社パーキンエルマージャパン
Opal FAQ
電子レンジ処理により蛍光色素が退色すること
はないか。
電子レンジ処理により抗原性は失われないか。
一定の退色はあると考えられます。しかしなが
ら多くのユーザーさんの間で加熱処理による退
色が観察の支障になったという事例は、これま
でのところ伺っておりません。TSA Plus による
蛍光色素の集積が良い方向に働いている可能性
もあります。
熱処理により抗原性に影響を受けることが分か
っているタンパク質を対象とする場合は、その
タンパク質から染色していただくことで熱処理
の影響を最小限に留めます。
標本・サンプルについて
凍結切片で使用できるか。
凍結切片は固定すべきか。
凍結切片は電子レンジ処理できるか。
凍結切片の場合、脱パラフィン処理は必要か。
培養細胞で使用可能か。
ガラスディッシュ・チャンバースライドに培養
した細胞で使用可能か。
原法を記載している論文では凍結切片を対象と
しているので使用は可能です。手順に関して条
件検討は必要です。
4% パラフォルムアルデヒド固定またはエタノ
ール/アセトン固定で良好な結果が得られたとの
ユーザーからの報告はあります。
処理時間の検討は必要ですが、固定した凍結切
片での成功事例があります。
脱パラフィン処理は不要ですが、内在性のペル
オキシダーゼ活性を不活性化する処理(過酸化
水素処理)は必須です。初めのブロッキングを
始める前に行ってください。
標本が熱処理に耐えないと思われるので使用で
きないと考えます。
標本が熱処理に耐えないと思われるので使用で
きないと考えます。
染色操作について
染色する順番に決まりはあるか。
既に TSA が結合した部分の近傍にあるタンパク
を続けて染色する場合、チラミドの結合部位と
なるチロシン残基が既に支配的に先行する色素
のチラミドに結合していて染色の妨げとなるこ
とは無いか。
染色のコントロールはどのようにとるか、抗体
除去の確認方法は。
ペルオキシダーゼ活性を不活性化処理は必要
か。
特にありません。
チラミドの結合は抗原タンパク質だけでなく周
辺タンパクのチラミドにまで及びますが、生体
は数多くのタンパク質から構成されていること
から全てのタンパク質に対して支配的に特定の
チラミドが結合する状況は起こりにくいと考え
ます。またこのような状況が支障となったとの
ユーザーの報告はこれまでのところありませ
ん。
抗体が十分に除去されているかは、電子レンジ
(熱)処理後、一次抗体無しで、二次抗体と二
色目の TSA の発色反応行うことで確認できま
す。一次抗体無しで蛍光が発色するようであれ
ば処理が不十分なので、処理時間の延長などの
検討が必要です。
必要です。提供しているプロトコルでは染色前
の脱パラフィン処理がペルオキシダーゼ活性の
不活性化処理を兼ねておりますが、ペルオキシ
ダーゼ活性が強いサンプルの場合、過酸化水素
水処理を追加してください。
2/3
株式会社パーキンエルマージャパン
Opal FAQ
TSA 全般について
活性化チラミドの拡散により空間分解能が低下
するのではないか。
法規制化合物は含まれるか。
ブロッキング試薬は何を使えばよいか。
抗原と標識化合物の組み合わせの推奨はある
か。
観察にはマルチスペクトルイメージングシステ
ム(Vectra, Mantra, Nuance)が必要か。
HRP により生成する活性酸素(ラジカル)の拡
散範囲は概ね 200 nm であると考えられていま
す。これはおおよそ IgG 抗体 2 つ分の長さに相
当するため、光学顕微鏡の解像度における観察
において分解能の低下として認識できるほどの
拡散距離ではないと考えます。
MSDS 対象です。PKJ のホームページから入手可
能です。
使用する一次抗体、二次抗体に適したブロッキ
ング剤を使用してください。
特にありませんが、存在量が少ない抗原につい
て Cyanine 5 のように長波長の色素を使用いた
だくと、観察時にバックグラウンドとのコント
ラスを得やすくなります。
Opal キットの色素の基本構成(Fluorescein,
Cyanine 3, Cyanine 5)であれば、通常の蛍光顕微
鏡や共焦点レーザー顕微鏡を用いた観察が可
能です。
3/3
株式会社パーキンエルマージャパン