がん・感染症センター都立駒込病院 連携ニュース 最新号

駒込病院は、医療連携に重点的に取り組んでいます。
がん・感染症センター都立駒込病院
連携ニュース
発行: 東京都立駒込病院医療連携室 発行日
:平成27年4月15日
〒 113-8677 東京都文京区本駒込3-18-22 電話:03
(3823)
2101 FAX:03
(4463)
7537
ホームページ:http://www.cick.jp ごあいさつ 2015.4
Vol.23
患者支援センター長(副院長) 黒井 克昌
副院長として連携ニュース2回目のご挨拶となる黒井克昌です。前回は副院長就任直後で自己紹
介が中心でしたが、今回は駒込病院の歴史と地域連携について私見を述べたいと思います。
駒込病院は136年の歴史をもち、現病院設立から40年たちました。この間、人の入れ替わり立ち替わ
りを繰り返しながら、伝統を守りつつも、時代に合わせて病院機能を充実させ進化してきました。当院の
診療は、がん・感染症・総合診療の3つを柱としており、診療科間の垣根の低いチーム医療のできる病
院であると自負していますが、外から見ていかがでしょうか。
病院をいかに使いこなすかは人にかかっています。コンピューターに例えてみると、
まずハードとソフト
が必要です。
しかし、
これのみでは動きません。使う人が必要です。動力源として電気も必要です。病院
がハード、
スタッフがソフト。20年前はこれでOKでした。今はインターネットが当たり前となっています。す
なわち、他とつながらなければ仕事になりません。また、ハードとハードがつながっても人と人がつながら
なければ役に立ちません。連携も同じで、施設と施設、人と人がつながって初めて機能します。動力源は情熱です。
当院の運営理念は、
「がんと感染症を中心とした高度専門医療の実践」、
「患者さん本位の安心医療の提供」、
「教育・研修
病院としての役割重視」、
「安定した経営基盤の確立」です。当院が、今後訪れる超高齢化社会に対応しながらその機能を十
分に発揮していくためには、地域との連携をますます充実させ、院外から見て垣根の低い病院を目指すべきであると考えていま
す。いうまでもなく、垣根の様式は多種多様で、価値観にも絡む概念的なものや、
それぞれの領域の境界線でもあります。その
垣根を低くするためには“おもてなし”の心が大切で、
“うらがある”のは困ります。ちなみに、おもてなしの語源は、
“モノを持って
成し遂げる”
と
“表裏がない心”
だそうです。最後にもう一言、オリンピックに向けて都立病院の国際化が進められています。国
際化の要は双方向の流れにあります。当院の連携はクール(来̶る)駒込で双方向の流れを目指しますので、
これからもよろし
くお願いいたします。
連携担当副院長 黒井 克昌 Eメール [email protected] 電話 03-3823-2101 内線 2106
医療連携ホットラインを開設しました!
医療連携窓口のご案内
●予約専用電話
●F A X 診療予約
よ や く を
(FAX番号)
03-3823-4890 03-4463-7537
月∼金 9:00∼17:00
土
9:00∼12:00
月∼金 9:00∼15:00
土
9:00∼11:00
■当院は紹介・予約制です。ご紹介の際は、 ■先生方からの診療予約は、F A X でも受け
付けております。専用申込用紙の送信をお願
紹介状とご予約をお願いいたします。
いいたします。※専用申込用紙ご希望の際は
(緊急の場合を除く)
医療連携係までご連絡ください。
●検査予約
(代表電話番号)
03-3823-2101
月∼金 9:00∼17:00
土
9:00∼12:00
●医療連携全般についての
お問い合わせ(医事課医療連携係)
(代表電話番号)
03-3823-2101
(内線2046・2048)
月∼金 9:00∼17:00
土
9:00∼13:00
※成人脳波検査は月∼金のみの受付と
なります。ご了承ください。
○MR・
I CT検査
内線2046・2048(医事課医療連携係) ■当院専用の診療情報提供書(紹介状)用紙、
○RI検査
患者さん用の案内図等を随時お送りしていま
内線4345(放射線診療科RI検査室) す。ご希望の際は医療連携係までご連絡くださ
○成人脳波検査
い。
内線4395(臨床検査科生理検査室)
連携ニュース駒込病院は、
ホームページ http://www.cick.jp にも掲載しています。
(発行予定は年2回です。次回は27年10月頃を予定しています。)
再生紙を使用
しています。
1
地区医師会長 ごあいさつ
公益社団法人小石川医師会
須田 均 会長
駒込病院の各科の先生方には平素より医療連携、研究会を通して大変御世話に
なり有難うございます。
平成26年4月より鳶巣院長が就任され、
そのたぐいまれなる指導力、実行力でまさ
に先頭を切って機関車のような馬力で駒込病院の改革に力を入れておられます。
①がん診療体制・統合診療基盤の更なる充実
②二次救急医療体制の強化
③患者支援体制の強化
④地域連携の強化
等を今後の方向性として打ち出され、来年度に向けて病院スタッフ一丸となって取り組むと決意を述べられて
おられます。
これからも、我々地区医師会との連帯をよろしくお願い申し上げます。
医療最前線
糖尿病
糖尿病・
・内分泌内科
内分泌内科
医長 片栁 直子
当科は最近、科名を内分泌代謝科から糖尿病・内分泌内科に変更しました。代謝疾患のなかで特に増え続け
る糖尿病に対する専門的診療をアピールするためですが、実際の診療内容はこれまでと変わっておりませ
ん。
糖尿病以外に、内分泌疾患としてバセドウ病・橋本病・甲状腺機能低下症・亜急性甲状腺炎などの甲状腺疾
患、クッシング症候群・原発性アルドステロン症・褐色細胞腫・副腎偶発腫などの副腎疾患、その他、脳下垂体・
副甲状腺・インスリノーマ等の膵内分泌疾患などの診療を行っています。各種ホルモン測定や負荷試験・抑制
試験による内分泌学的機能診断と、CT・MRI・超音波・シンチなどの画像検査を用いた病因診断によりそれぞ
れの内分泌疾患症例の治療方針の決定を行います。外科的治療を要するときは、腎泌尿器外科・脳神経外科・
頭頚部腫瘍外科・膵臓外科など、当院の各専門医に依頼して実施しています。
糖尿病の初回介入例においては、病状と合併症の評価を行うとともに最も重要な食事療法の学習をはじ
め、合併症評価後には運動療法も指導します。一方で病診連携の中でご紹介いただいた患者さんでは、初回
介入をはじめ、コントロール不良・内服薬無効例・合併症進行例など各段階での教育入院を受けています。独自
の教本「糖尿病と言われた日から」を参考にしていただきながら、食事療法・運動療法・内服治療導入・インスリ
ン導入・自己血糖測定などの指導と実践を行うとともに、低血糖対策・シックデイルールなどの自己管理手法を
学びます。教育入院の期間については、2∼3日の体験から2∼3週間の実践指導まで患者さんの希望や病状
により幅広く対応しています。
最近の糖尿病治療薬の進歩には目を見張るものがあります。内服ではビグアナイド薬、スルホニル尿素薬
が主体でしたが、
α−グルコシダーゼ阻害薬、速効型インスリン分泌促進薬、チアゾリジン薬の登場に続いて、
2
インクレチン関連薬のDPP−4阻害薬が登場、更に昨年からSGLT−2阻害薬が加わりました。これら内服薬
の併用の幅が広がり、さらに注射薬であるインスリンとGLP-1受容体作動薬を加え、病状に応じた非常に多
彩な薬物治療が可能となっています。
糖尿病の患者さんも年齢、性別、職業、生活歴、糖尿
病歴、合併症など多彩であり、医師、看護師、薬剤師、
栄養士、検査技師が診療チームを組んで、それぞれに
適した治療と指導を選択して実施しています。外来に
おいても専門医が看護師、栄養士とチームを作って、
体系的にインスリン注射等の指導や腎症例への糖尿病
透析予防指導を実施しています。また、退院後にご紹
介医に返送したあとも、定期的な合併症検査や再度の
生活指導を行い糖尿病患者さんが健康人同様の生活の質(QOL)を保ち、健康人と変わらぬ人生を送ることを
目標にしております。
当科は糖尿病の専門医療施設として、最近では、
自己血糖測定値の専用ソフトによる解析結果の電子
カルテ上 で のグラフ表 示 、一 週 間 の 血 糖 連 続 測 定
(CGM)による薬物治療の調整、1型糖尿病患者さ
んのインスリンポンプ療法などにも取り組んでおりま
す。これからも地域の医療連携の輪の中で糖尿病診
療にお役に立ちたいと思っておりますのでよろしくお
願いいたします。
栄養科スタッフ紹介
栄養科長
小松 美佐子
当科は、管理栄養士常勤7名と非常勤2名、食事提供業務
職員94名が毎日交代で体制をとっています。主な業務は入
院患者さんの治療食の提供と、入院・外来の栄養食事指導、
多職種合同のチームによる臨床栄養管理です。
治療食は1日約1,600食、大分類で176種類提供していま
す。とりわけ、骨髄移植食や食道がん術後の摂食機能訓練
食など、がん治療及びがんの副作用に対応した治療食を各
前列左から能勢、
小松、
小倉
後列左から加藤、
大理、
小森、
内野
種用意しているところは、当院の特徴です。
栄養食事指導は糖尿病や腎臓病など各病態に応じて25年
度実績5,066件実施し、内、糖尿病が49%です。糖尿病診療チームの一員として、教育入院や、糖尿病透析予防
指導にも携わっており、透析予防指導は年間600件を行っています。
また、栄養科はNST
(栄養サポートチーム)、褥瘡チーム、
ICT等のチーム医療にも参画しています。
今後も、最先端医療の支えとして治療食・栄養食事指導・臨床栄養管理が役割を果たせるように邁進していきま
す。皆さまどうぞよろしくお願いします。
3
地区医師会・駒込病院研修会のご案内
当 院 では 、地 域 の 医 療 機 関 の 方 々にお 集まりい ただき 研 修 会 を 開 催して います 。質 疑 応 答 では 、
ご参加をお待ちして
おります。
日 頃 の 疑 問 点 などにつ い ても お 答 えして おります 。多 数 の 皆 様 のご参 加をお 待 ちして おります 。
●開催時間:午後7時30分∼9時 ●開催場所:駒込病院 別館1階講堂
主
開催予定日
題
候
補
担当科・講師名(予定)
開催予定
カリキュラムコード
(予定)
平成27年4月21日(火) 流行感染症を斬る!
感 染 症 科
部 長 今村 顕史
11予防活動 28発熱 53腹痛
平成27年5月19日(火) 膵がん治療のトピックス-特に薬物療法につ
いて-
腫 瘍 内 科
医 長 小室 泰司 他
9医療情報 15臨床問題解決
のプロセス 51嘔気・嘔吐
平成27年6月16日(火) 気管支喘息の診断と治療
呼吸器内科
医 員 四方田 真紀子
42胸痛 45呼吸困難 46咳・
痰
消化器内科
医 長 藤原 崇
21食欲不振 22体重減少・る
い痩 51嘔気・嘔吐
緩和ケア科
医 員 前田 隆司
5医者-患者関係とコミュニケ
ーション 80在宅医療 81終
末期ケア
平成27年7月21日(火)
胃がんの診断と治療-主に内視鏡治療につ
いて-
平成27年9月15日(火) これだけは知っておきたいがん疼痛治療(基
礎編)
※参考になる良い症例がある場合は、
研修会の中で症例報告の時間を10分程度設けております。適切な症例がある場合は、
事前にご一報ください。
(平成26年 9月∼平成27年 4月)
●よろしくお願いいたします。
(平成26年10月1日付採用)
放射線診断部(治療部)
医員 田中 寛
病理科 医員 佐野 直樹
形成再建外科 医員 森山 壮
婦人科 医員 井上 知子
(平成27年2月1日付採用)
脳神経外科 医員 根城 堯英
皮膚腫瘍科 医員 大垣 淳 腎泌尿器外科 部長 古賀 文隆
眼科 医員 田中 裕一朗
(平成27年4月1日付院内異動)
呼吸器内科 医員 四方田 真紀子
(平成27年4月1日付採用)
呼吸器内科 医員 高橋 聡
呼吸器内科 医員 渡邊 景明
4
耳鼻咽喉科 部長 三橋 敏雄
麻酔科 部長 木村 光兵
歯科口腔外科 部長 茂木 伸夫
歯科口腔外科 医長 内田 育宏
放射線診療科(診断部)
医員 夕永 裕士
●お世話になりました。
(平成26年9月30日付退職)
形成再建外科 医員 塩崎 正崇
呼吸器内科 医員 長又 誠
血液内科 医員 渡壁 恭子
整形外科 医員 北村 大裕
副院長 神澤 輝実
感染症科 医員 関谷 綾子
消化器内科 医長 大西 知子
肝胆膵外科 医員 小林 信
呼吸器外科 医員 村上 聡子
(平成27年4月1日付昇任)
(平成27年1月1日付採用)
腎臓内科 医員 森戸 卓
(平成27 年3月31日付転出)
副院長 久保田 憲
骨軟部腫瘍科 医員 田中 哲平
血液内科 医員 村田 諭孝
(平成26年10月31日付退職)
膠原病科 医員 瀧澤 泰伸
腎臓内科 医員 桃木 久美子
総合診療科 医員 高橋 恵利香
(平成26年12月31日付退職)
神経科 医員 木下 裕子
呼吸器内科 医員 高木 雄亮
肝胆膵外科 医員 本間 祐樹
脳神経外科 医員 黒井 康博
呼吸器外科 医員 奥井 将之
婦人科 医員 森 繭代
整形外科 医員(兼務)藤原 正織
骨軟部腫瘍科 医長 大隈 知威
脳神経外科 医員 吉村 知香
(平成27年1月31日付退職)
脳神経外科 医員 高畠 和彦
皮膚腫瘍科 医員 石綿 夏織子
眼科 医長 五嶋 摩理
歯科口腔外科 医長 山内 智博
歯科口腔外科 医員 長谷川 稔洋
放射線診療科(診断部)
医員 渡海 あや
(平成27年3月31日付退職)
消化器内科 医員 岩崎 将
呼吸器内科 医員 三倉 真一郎
呼吸器内科 医員 中原 善朗
駒込病院では、PDCAサイクルによりがん診療向上のための評価・改善を行っています。
PDCAサイクルとは、事業活動における生産管理や品質管理などの管理業務を円滑に進める手法の一つですが、平成26年1月10日
「がん診療連携拠
点病院等の整備に関する指針」
において、がん診療拠点病院はこのPDCAサイクルを確保していくことが求められるようになりました。 これを受け、駒込病院では、
「キャンサーボード」
「緩和ケアのスクリーニング」
「口腔ケアの充実」
などについて、
ワーキンググループを設置し、
PDCA
サイクルによる評価、検討を行い、がん診療体制がより一層充実するよう努めています。
4