オクタフィックスインプラントユーザーレビュー齋藤匡布先生略歴 1993 年昭和大学歯学部卒業 1993 年東京大学医学付属病院分院歯科口腔外科研修医 1994 年東京大学医学部附属病院歯科口腔外科医員 1996 年医療法人尚寿会大生病院歯科口腔外科副医長 1997年財団法人癌研究会附属病院歯科医局長 2000 年さくら歯科クリニック開業現在に至る齋藤匡布先生所属：日本口腔インプラント学会会員、日本歯周病学会会員神奈川県横浜市開業さくら歯科クリニックこのたび、ヨシオカより新しいインプラント「オクタフィックス」が発売されました。「オクタフィックス」には BL と TL の 2 種類があります。今回はそのうちの 2 回法である BL タイプについてその使用感について感想を述べさせていただきます。通常 2 回法ですと、全長が埋入長となりますが、「オクタフィックス」ではカラー部の 0.5mm が全長に含まれていません。したがって、1 回法でも 2 回法でも対応が可能で、1.5 回法のイメージで使用しております。つまり、症例によっては、歯肉の厚さに応じて、カラー部を出した埋入も可能となるわけです。このことで、十分な骨埋入部が確保できます。また、カラー部があることで、ブラスト部（インプラント表面粗造面）との距離もあるので、簡易的な GBR にも対応しやすくなっていると思います。これらのことから考えて、完全に埋入しても良いし、出しても良いシステムでしょう。直径は 3.8mm ∼ 5.0mm まであり、症例選択において豊富なバリエーションを持ちます。その他オプションとして、直径 3.4mm が用意されていて、これは間口が 3.7mm となっており、一見すると直径 3.8mm サイズと変わりません。しかし、インプラント先端が細いため、隣在歯の根への接触回避に適しています。フィクスチャーのネジに関しましては、二条ネジを採用しており、一回転で二回転分の埋入効率を実現しています。したがって、挿入速度は自ずと早まります。また、歯頸部のデザインにしても、逆テーパー状のセットバックになっていますので、より歯肉の厚みが確保でき、スイッチバックの効果もより良くなるという感覚があります。新システムということで、多少不安な点もありましたが、元々インプラント製造を手掛けていたことと、製造工場のある長野県内の信州大学や松本歯科大学とも連携していることで、安心感が得られました。そして何より実際に埋入してみて思うことは、システムが大変よく研究され、術中及び術後まで不安なくできるということです。私は 2 年前より使用しましたが、前症例が現在まで順調に推移しています。「オクタフィックス」は先生方が使われているインプラントに是非加えていただきたいシステムです。術前 X 線写真 ※BLシリーズ術前口腔内写真プラットフォームシフティング構造ＢL(2 回法）＆ＴＬ（1回法）フィクスチャー共に、プラットフォームシフティング構造とし埋入骨上縁まで表面処理を行うことで「ロート状骨吸収」を抑える設計です。術後 X 線写真 2 条ネジを採用フィクスチャー外周には、従来型の1条ネジよりも埋入効率の良い 2 条ネジを採用。一回転で二回転分の埋入効率の実現により、埋入時間の迅速化が可能となります。術後口腔内写真純チタンＧ４で破折等のリスクを軽減フィクスチャー・アバットメントに純チタンＧ４を採用。機械的強度と生体親和性に優れた設計とし破折等のリスクを軽減しました。