D-テーブル@354(三上・織田)

春の大セミナー2015 5th D-テーブル 総評
文責: 三上(青学) 織田(明治)
テーブルメンバー: 齋藤(青学 3) 廣瀬(明治 3) 大森(立教 2) 木島(立教 3)
小松(WESA3) 佐藤(WESA3) 熊谷(早理 3) 以上7名
1, 議 論 の
流れ
<オピニオン
プ レ ゼ ン
ター>
参加者全員
が臓器移植
に対するアイ
ディアを持
ち寄り、全員
がオピニオ
ンプレゼンタ
ーに立候補
した。それを受け、熊谷がノーオピニオンプレゼンターフォーマットを提案するも、ボー
ティングにより木島がオピニオンプレゼンターとなり議論が開始した。
ASQ
PLAN
C: J/G ×force brain death to be donor
D: J/G should help TG
P: organ is not enough
M: to force brain death to give organ
H: recipient s/m
AD: recipient ×s/m
1
<ASQ お よ び NFC>
ASQ サイドでは、パンツ全員がコンパリソンに対し高い意識を持っていたためか、必要
最低限の質問およびコンセンサスを獲得したのち、10 分程度で NFC に移行した。小松、
佐藤によってワラントセンテンスに対する以下のアーギュメントがなされたが、検証には
さほど時間をかけず、すぐに PLAN サイドに移行した。
① 小松
claim:生命は重要であるという日本政府の意向に沿っていない→shouldn’t touch
結果:齋藤のサジェスチョンによりコンパリソンで再議論か
② 佐藤
claim:M/S は権利の喪失によるものではなく、マイナスは小さい→shouldn’t touch
結果:権利の存在に関してコンセンサスを獲得
<PLAN>
PLAN 突入後、ソリューションの 1st リンケージに対して大森、熊谷、齋藤、廣瀬、佐
藤の 5 人が以下の反論を提示した。
① 大森
claim:実例がないため、日本国民に強制させる違憲の法律は採択できない→×praca
結果:木島のエクセプション提示により立論できず
② 熊谷
Claim:適当な理由がないため、日本国民に強制できない→×praca
結果:大森のアイディアとともに検証され、立論できず
③ 齋藤
Claim:倫理的犠牲を伴う法律は採択できない→×praca
結果:コンパリソンのクライテリアとして moral を追加
④ 廣瀬
claim:生き返る可能性がある人(brain death)をドナーにできない→×praca
結果:DA としてアイディアをテーブルに提示
⑤ 佐藤
claim:日本国民の倫理観を否定することはできない→×praca
結果:齋藤の加えたコンパリソンの moral のクライテリアで再議論か
2
はじめに検証を始めた大森のアーギュメントには多くの時間を費やし、アイディアから
派生してジャッジングクライテリアを決める試みが見られるなど、議論の軸となりうるア
イディアであった。しかし結果として時間を気にしたコンプロマイズ、反論としてのエク
セプションの提示によって検証は終了した。
ほかのパンツも時間を気にしてアイディアの要点だけを述べ、佐藤のアイディアを最後
にソリューションでの議論は終了し、AD を獲得した。DA プレゼンターにはパンツ全員が
立候補し、廣瀬が選ばれ、5 分の時間を残して全員が目指したコンパリソンに到達した。
<com parison>
Recipient
TG
brain death
M/S (want to live)
QL
M/S
A/L/1
QT
×sure
木島がオピニオンプレゼンターとして 1st ロジックを提示した。
内容:TG に関して recover の可能性がある AD>ない DA
結果:データセンテンスに対するクエスチョンを集めている段階で終了
以上が今テーブルの大まかな流れである。議論は基本的にコンパリソンによってよい
CCL を得る、という目的に沿って進められた。そのため要所でコンパリソンとタイムマネ
ジメントを意識したサジェスチョンが飛び、それが採択されるなど、比較的 CCL 意識の高
いテーブルであったといえる。しかしその割にコンパリソンにかける時間及びアイディア
に関し十分な状況を整えることができなかったことに関しては、全員が真摯に受け止め大
いに反省するべし。
2, 順位と選定理由
一 位 木 島 立 教 3 年 D⁻
オピニオンプレゼンターとして全体の取りまとめ、アイディアの整理を細かく行った点
を評価した。多くのアイディアが飛び交う中、結果としてテーブルにどういった影響を与
えたかをテーブルに浸透させることでアイディアの価値を上げていた。その一方でオピニ
オンプレゼンターという最も主体的にアイディアに取り組むべき立場でありながら、自身
のアイディアを強調する試み、他人のアイディアを直接的に検証する姿勢があまり見られ
なかった。今回は中立的な立場のオピニオンプレゼンターとしてテーブルに取り組み、結
果としてうまくいったが、現状に満足することなく assembly に向けて様々な型を学び理想
のディスカッションを実現させてほしい。
3
二 位 大 森 立 教 2 年 D⁻
議論の軸となりうるアイディアを提示した点、要所でタイムマネジメントを意識したサ
ジェスチョンを打った点を評価した。全員が検証に参加し、多くのリフュートが飛び交う
などアイディアの質は高かったものの、アイディアのコアの部分に至るまでに時間がかか
ったこと、途中のハンドリングを熊谷にとられてしまったことなど、スキルの面でも気持
ちの面でも改善すべき余地がある。しかし 2 年生ながらに二位に食い込む勝負強さは今後
の更なる伸びしろを期待させるものであった。
三位 齋藤 青学 3 年
多くのクエスチョンによる幅広い視点からアイディアプレゼンターの考えを引き出し、
さらに話の取捨選択を行った点を評価した。しかし質問をするものの、その結果がテーブ
ル全体に浸透せず、そのために話したいところから論点が逸れてしまった。自分のアイデ
ィアはもちろんのこと、他人のアイディアに対する自分の考えや疑問をテーブルに落とし
込み、自分の芯を伝えることができれば更なる改善が見込まれる。
三位 廣瀬 明治 3 年
コンスタントな全体への介入、アイディアを事前にシェアし、それによりアイディアプ
レゼンターになった点を評価した。しかし、すべての役割をそつなくこなせる一方で、廣
瀬より優れた介入者がいた時に役割を失ってしまうため、今回のテーブルでは中途半端な
立ち位置となってしまった。全体的な介入ができるのは長所であるので、すぐに新たな役
割を見つける柔軟性を身につけること、テーブルで不可欠な存在を目指すことの2点は特
には今後意識して取り組んでほしい。
五位 小松 早稲田 3 年
批判的思考をもって誰よりも積極的にリフュートを交わした点を評価した。しかし、アイ
ディアを深堀りすることで矛盾が見つかり、結果的な時間短縮ができる場合もあるので、
今後はさらに傾聴力をもってアイディアに対処してほしい。全体的にロジックに強いとい
う印象を受けたので、その長所も活かし更なる飛躍を遂げてほしい。
六位 熊谷 早稲田理工 3 年
大森のアイディアを支えた点、全員のアイディアを同じオピニオンシートで話そうという
サジェスチョンは評価できた。しかし自分のコアを説明しきれないまま流されることや、
説明できてもそこから実際の検証に至らなかないことがあった。今後はもっと十分な準備
をすることはもちろんのこと、何よりも相手に負けない強い気持ちをもってテーブルに取
り組んでほしい。
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七位 佐藤 早稲田 3 年
消極的な介入ながらも、不明な点や自身の考えをテーブルにぶつけていた点を評価した。
視点もよく、二つのアーギュメントを出していたが、アイディアやダウトはテーブルに出
した時点でそれを処理する責任を伴うので、失敗を恐れず最後までやり遂げてほしかった。
テーブルに貢献するという意識を頻繁に見て取ることができたが、その方法は様々なので
更に多くの方法を学んで次に活かしてほしい。
3, コメント
三 上 :今回は順位が非常に拮抗していて、特に二位の決定は難しく、多くの時間を費やし
ました。それは大きな実力差がない厳しい状況下で全員がランクという結果にこだわり、
最後まで諦めず戦った結果だと考えます。各々思うところはあるでしょうが、この総評を
もとに十分な準備をして、何よりもランクをとった誇りとランクをとれなかった悔しさを
胸に、再び assembly に臨んでほしいと思います。全員が、望む結果を得られることを心か
ら願っています。
織 田 :コンクル意識の高いテーブルでした。春セミ最後のテーブルで、全員が協力して質
の高い結論を導き出そうとするその姿勢は評価に値します。しかし、実際はどうだったで
しょうか。例の如くプラカのアイディアが乱立し、ハンドリングも他人任せ、結局コンパ
リはファーストロジックの検証で時間切れ。厳しいことを言うようですが、これが君たち
の現状です。D-に妥当するテーブルではあったかもしれませんが、D テーブル以上に残っ
た面子に比べて劣っていることは否めません。
3 年生は、プレイヤーとして最後の大会がアッセンです。最後にみんなの感想を聞いた時、
多少の後悔を口に出さなかった人はいなかったはずです。
時間はあっという間に過ぎます。日々、悔いを残さいように。そして、本番では最高の力
が発揮できるように。君たちの活躍を心から願っています。
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