南魚沼市の米づくりに ついて考えよう

5年 わたしの地図活用(授業例) 帳 最新版』
(以下地図
5年 わたしの地図活用
帳 )p.67「 ウ 米 の 生
南魚沼市の米づくりに
ついて考えよう
産の多い県」( 新 p.67
①ウ)の資料や p.73(新
新潟県 南魚沼市立五十沢小学校 笠原 健児
1
p.73) の統計資料を活
用する。
はじめに
あわせてコシヒカ
新潟県南魚沼市は,魚沼産コシヒカリ発祥の地
リは全国で1番の作
である。市内どこでも春,夏,秋と,米づくりに
付面積があることや,
たずさわる人々や風景に出会う。
『楽しく学ぶ小学生の地図帳
最新版』p.67①ウ
子どもの家庭はというと,多くが米づくりをし
地図活用の基礎・基本 編
STEP
1
南 魚 沼 市 は「 魚 沼 産
コシヒカリ発祥の地」
ているというわけではない。取り組んでいるとい
(新p.67①ウ)
う家庭でも圧倒的に兼業が多く,実際に米づくり
用いて教える。そこで生まれる子どもたちの「調
というものを知る子は多くない。
べてみたい」という思いを学習の出発点とし,
「南
そこで本単元では,子どもたちに「米づくりに
魚沼市でどのように米づくりが行われているのだ
たずさわる人々のくふうや苦労」を学ぶことをと
ろう」と学習問題を設定し,学習計画を立ててい
おして「地域への愛着や誇り」を実感としてとら
く。
えてほしいと願い,現任校5年生への指導を念頭
その際,総合的な学習の時間で行う「学校田で
におき,計画を作成した。
の米づくり」にも意欲をもたせたい。
2
学習問題を設定する
時間
であることを資料を
3 「南魚沼市は米づくりに適しているか」
学習内容
「南魚沼市は米づくりに適したところなのか」
が2,3時間目の学習課題である。初めに「市内
オリエンテーション 献立調べ
① お米マップをつくろう
のどこで米づくりが行われているか」と投げかけ
②③ 南魚沼市は米づくりに適しているところなのか考えよう
④ ○○さんから米づくりに欠かせない大切なことを学ぼう
る。子どもは,「家の近くでも学校のまわりでも
⑤ 米づくりに挑戦!○○さんからくふうしている点を学ぼう。
している」
「学校でも毎年している」という。実
~グループ別活動から~
⑥ ○○さんの心配なこと
際に地図帳の p.35(p.10「①新潟県」
)(新 p.35,
⑦ 土とともに生きる喜びを学ぼう
10)を使用し,南魚沼市の土地利用のようすを確
総合 ~アイガモ農法で日本一の米づくりをめざそう~
認する。すると,「田んぼが多い」「川に沿って田
んぼがある」「まわりには山が多いけど,そこで
単元の大まかな流れは,以下のようである。
まず,単元の導入では給食の食材の産地調べを
する。地元の魚沼産コシヒカリを毎日食べている
ことを知り,「新潟県は米どころで,とくに南魚
沼市はおいしいコシヒカリの産地だよ」と子ども
から声があがる。そこで,都道府県別の米の生産
量を白地図にまとめ,新潟県が生産量1位である
ことを知る。その際,
『楽しく学ぶ小学生の地図
『楽しく学ぶ小学生の地図帳 最新版』 p.10(新p.10)
*地図帳の参照ページの「新」は,4年生が使用している地図帳『楽しく学ぶ小学生の地図帳』を表しています。
こどもと地図 2015 ①
5
は田んぼは多くない」と気づく。
「この資料だけで,
米づくりに適しているとわかりますか」と問うと
「この資料だけではいえない」と言う。子どもた
ちは,なぜ適しているのか,南魚沼市のどんなと
ころが米づくりにいいのか,具体的に答えられる
ことは多くない。「水がいいから・・かな。じい
ちゃんが言っていたよ」と発言する子どもがいる。
そこで,調べ学習として家での聞き取り調査やイ
ンターネットでの調べ学習を行うことにする。
調べ学習から,
「山々から流れるきれいで豊富
な水があること」
「雪が多く降ること」
「日較差が
あること」「米づくりに適した土があること」な
『楽しく学ぶ小学生の地図帳 最新版』 p.66④(新p.66⑤)
どの考えが出てくるので,それらをより確かなも
4
のにするように授業を進める。その際,資料と
米づくりの先生から学ぼう
してもう一度地図帳 p.35(新 p.35)を活用し,市
南魚沼市の多くの学校では,近くの農家の方に
内を流れる魚野川と谷川岳,八海山などの山々と
手伝っていただいたり,アドバイスを受けたりし
の位置関係を確認する。
「高い山々から魚野川に
て学校田での米づくりを行っている。
水が流れている」ことが確認できる。
「豊かな水
「米づくりにたずさわる人々のくふうや苦労」
が支流から魚野川にかけて流れ,それらの水を田
をインタビュー活動などでグループ別に調べる際
で使っている」ということがわかる。その後「雪
に,農家の方から米づくりにかける思いをじかに
が多いことは米づくりに関係があるか」と問う。
お聞きすると,自然を相手にした産業の難しさを
p.66(新 p.66) を活用して,冬の北西からの季節
実感するだろう。そして,学んだことを生かして,
風が雪を降らせ,その雪が土の温度を下げて土の
単元の後半では,総合的な学習の時間とかかわら
中の稲によくないばい菌をなくすはたらきをして
せて米づくりを行う。
いるということ,雪が多くきれいで豊富な雪どけ
地域には有機栽培に熱心に取り組む農家も多
水があり「雪が多いことも関係がある」ことをと
い。
「アイガモ農法」などの取り組みを知ること
らえさせる。
でさらに子どもたちは興味が増し,追究が続くだ
また,資料を用いて「コシヒカリという品種に
ろう。
早くから取り組んできたこと」
「有機米に早くか
5
ら取り組んだこと」「土地を開墾したこと」を付
おわりに
け加えることで,授業をとおして「南魚沼市は米
お米は数少ない自給できる農作物である。子ど
づくりに適し,おいしいお米がつくられる」とい
もたちはこの学習をとおして,自分たちの住むと
う思いを確かにする。
ころは米づくりのたいへんさかんな地であり,外
国にたよらず自分たちでおいしいお米をつくって
いる人たちが身近にいることを実感するだろう。
そこで自分たちも米づくりを行うことで「地域へ
の愛着と誇り」は,確実に育まれると信じている。
『楽しく学ぶ小学生の地図帳 最新版』 p.66⑤(新p.66⑥)
6
こどもと地図 2015 ①