緩和ケアNEWS2014年7月

緩和ケアチーム
2014 年7月号
発
通算 25号
行
横浜南共済病院 緩和ケアチーム
藤澤 順
編
集
横浜南共済病院 緩和ケアチーム
緩和ケアと苦痛のスクリーニング
緩和ケアとは、「重い病を抱える患者やその家族一人一人の身体や心などの様々なつらさをやわらげ、より豊
かな人生を送ることができるように支えていくケア」であり、がんとわかった時からはじまります。
厚生労働省は平成26年1月、「がん診療連携拠点病院の指定要件」の改訂を行い、患者や家族が適切な緩和医
療を受けられるようにするための情報提供と苦痛のスクリーニングの徹底を図ることを各病院に求めています。そ
れを受けて当院では、緩和ケア普及のための地域プロジェクトで開発された「生活のしやすさに関する質問票」を
用いて苦痛のスクリーニングを行うこととしました。
「生活のしやすさに関する質問票」は、入院時や外来化学療法実施時に、質問票を患者自身で記入していただ
きます。内容には、1)患者・家族が気になっている事や心配している事、2)辛い症状による生活への支障、3)気
持ちのつらさ、4)専門チームへの相談の希望、5)苦痛症状などがあります。スクリーニングを行う事で、私たち医
療者は、患者の症状が数値で客観的にわかり、患者・家族の希望を知るきっかけになります。また、患者・家族に
とっては、専門分野のスタッフの対応や治療、療養の場の相談など他職種チームが関わるきっかけになり、相方に
メリットがあります。質問票に記入した内容を医療従事者が把握し、日々のケアに反映することによって、患者・家
族の苦痛の緩和が図れ、安心して療養できるようになると思います。患者・家族の希望に応じ、緩和ケアチームや
緩和ケア外来の利用により、継続された緩和ケアの提供を行っていきたいと思います。
当院でも7月22日から、苦痛のスクリーニングを開始します。最初はがん患者の入院が多い A6病棟、中7病
しょk
棟、中8病棟を対象とします。その後、段階的に全てのがん患者に対象を拡げていく予定です。詳細な運用方法
は対象病棟に説明に伺います。スクリーニングを開始し、困っていることやお問い合わせなどがありましたら在宅
医療室までご連絡お願いします。
苦痛のスクリーニングが患者・家族に生じている苦痛を積極的に医療者に理解してもらえる手段となり、症状緩
和が迅速に行われるようになればよいと思っています。
豆知識
がんとわかった時からはじまる緩和ケア
あなたに提供できる緩和ケアの「5つの支援」
1.がんとわかったら・・・
あなたのつらさに耳を傾けます
2.これからの治療を決める時・・・
必要な情報を提供し、あなたと共に治療を考えます
3.つらさや痛みが強い時・・・
身体や心などの様々なつらさをやわらげます
4.つらさや痛みが続く時・・・
専門のスタッフが相談させていただきます
5.治療や療養の場は・・・
ご希望に沿うように相談させていただきます
(文責 在宅医療室 佐藤久美恵)
お知らせ
1.「よりよい疼痛緩和を目指した
スキルアップWebセミナー」
日時:8月5日(火)19:00~20:00
場所:低層棟2階講堂
2.緩和ケア勉強会「放射線治療・看護」
日時:9月18日(木)17:45~19:00
場所:低層棟2階講堂