PEACE Palliative care Emphasis program on symptom management and Assessment for Continuous medical Education Module8 : 地域連携 地域連携 シナリオ 67歳 胃がん 術後再発 近隣の大都市にある病院でがん治療を受け 、化学療法も行われた 化学療法は徐々にPD。抗がん治療の中止 を告げられ、あなたの病院に紹介されてき た 患者は2週間後に、病状の進行にともない ADLが低下、通院が困難な状況になった 臨床疑問 どのように対処したらいいです か? 具体的にどんな療養方法があり ますか? このような時、誰に相談したら よいですか? メッセージ いつでも、どこでも、質の高い「 とぎれのない緩和ケア」を提供す るために、 地域連携は重要 そのためには、以下のことが必要 地域のリソースを知っている 顔の見える関係づくり 目的 いつでも、どこでも、質の高い「 とぎれのない緩和ケア」を提供す るために、以下のことができるよ うになる 患者家族の希望を聴く 地域の緩和ケアサービスのリソース を知る方法が分かり、使用できる 背景 地域連携の構成要素 日本人が希望する療養場所 治癒が見込めないがんで「痛みを伴う」場合、60%が療養場所 として自宅を希望している 死亡場所については、状態によって患者の意向は異なるため、個 別の相談が必要 「痛みを伴う末期状態(余命が半年以下)」の場合 希望する療養場所 希望する療養場所 緩和ケア病棟 23% 自宅 59% 一般集団2,481人(2003年) 50% 緩和ケア病棟 27% 11% 自宅 23% 今まで通った病院 10% がん治療病院 3% 33% 今まで通った病院 がん治療病院 解決方法 患者家族の意向を聴く 地域のリソースを知る 相談窓口を知っている 地域で顔のみえる関係をつくって いく 患者家族の意向を聴く 面談の環境を整える 患者に家族の同席を希望するか確認する 看護師、ケアマネージャー、MSWなど、地 域の事情に詳しいスタッフの協力を得る 丁寧に率直にたずねる [質問例] 「今後は、どこでどのように療養していきたいと 思っていらっしゃいますか?」 *場合によっては、患者と家族に分けて意向を聴く必要が ある 緩和ケアの医療資源 わが国で利用できる緩和ケアのサービ ス 在宅療養支援診療所 訪問看護ステーション 緩和ケアチーム 緩和ケア病棟 など 地域での詳細な情報は、がん診療連携 拠点病院の相談支援センター(地域医 療連携室)に問い合わせれば入手でき 緩和ケアの医療資源 在宅療養支援診療所 在宅療養支援診療所 定義:病院、診療所、訪問看護ステーショ ン、介護サービスなどと連携して、がん患 者の緩和ケアを含む、自宅療養への支援を 提供する 24時間の往診および訪問看護が可能な体 制ができている (在宅療養支援診療所の届出数:2006年、全国 で約9,500件) 緩和ケアの医療資源 訪問看護ステーション 訪問看護ステーション 定義:介護予防から在宅での看取りまで、 小児から高齢者まで、幅広い在宅療養者に 応じた看護を提供する 介護保険・医療保険によって、利用料が定 められる (2005年現在 5,310ヵ所) 緩和ケアの医療資源 緩和ケアチーム 対象:一般病棟の患者 チーム医療による苦痛やつらさの緩和を行う 終末期のみではなく、化学療法などの治療中から行わ れる 緩和ケアを必要とする患者の退院支援を行う がん診療連携拠点病院:チームによる緩和医療の提供 体制の整備が義務づけられている 一定の基準を満たした緩和ケアチームは、緩和ケア診 療加算が適用される (緩和ケア診療加算算定施設数:2006年、全国で約80病院 ) 緩和ケアの医療資源 緩和ケア病棟 対象:主にがん患者 目的:痛みや苦痛をとり、その人らしく療養 することを可能にすること 緩和ケア病棟で症状を緩和し、自宅に退院す ることも可能 医療費:定額制 高度療養費制度が適用されるため、個室料を 除けば高額ではない 地域の緩和ケアサービスのリソース 在宅支援診療所 (施設名 :こ の 地 域 の 具 体 的 施 設 名 を い れ る ) (電話番号 : ) 訪問看護ステーション (施設名 : ) (電話番号 : ) 緩和ケアチーム (施設名 : ) (電話番号 : 在宅療養でできること 以下のようなことも、在宅でできます 看護師 一般状態の確認・服薬管理・清潔ケア・経静脈輸液・持続 皮下注射・採血・痰の吸引・呼吸器管理・褥瘡処置 麻薬 の持続投与 ヘルパー 食事づくり・掃除・散歩などの身の回りの世話 理学療法士など リハビリテーション 保険薬局 麻薬製剤の配達 *地域の事情により、行うことができる業務が異なります 地域で顔の見える関係をつくるために 退院前共同指導、カンファレン スを行って連絡をとりやすくす る 地域の緩和ケアを含む、色々な カンファレンスに積極的に参加 する 相談窓口 がん診療連携拠点病院の相談支援センタ ー (地域医療連携室) 病院のMSW 訪問看護ステーション 地域の緩和ケア病棟 病院の緩和ケアチーム まとめ いつでも、どこでも、「質の高いとぎ れのない緩和ケア」を提供するために 、以下のことを行う 患者家族の希望を聞く 相談窓口を紹介する 地域の緩和ケアサービスのリソースを知る 方法が分かり、使用できる 地域で顔のみえる関係づくりをする シナリオに戻ると・・・ 67歳 胃がん 術後再発 近隣の大都市にある病院でがん治療を受け 、化学療法も行われた 化学療法は徐々にPD。抗がん治療の中止 を告げられ、あなたの病院に紹介されてき た 患者は2週間後に、病状の進行にともない ADLが低下、通院が困難な状況になった FAQ 退院前カンファレンスって何ですか? 在宅での療養が円滑に行えるように、 患者・家族・主治医・訪問看護師・ MSWなどが集まり、情報の共有や緊急 時の対応などを話し合うこと FAQ 退院前カンファレンスって何ですか? 退院時共同指導料加算(2008年4月~ ) 在宅医や訪問看護師が退院前に、入院先に 赴くことができる 在宅医(1000点/回・1回に限定) 訪問看護師(600点/回・終末期の悪性腫 瘍の患者に限って2回まで可能) FAQ 病院から在宅へスムースに移すポイント 患者や家族の希望を明らかにする 患者をとりまく介護力(チーム力)を評価する 家の構造・患者や家族の生活パターン・援助者の有 無などの情報をえる 入院中から在宅でも可能なシンプルな医療を行う 持続注射→経口・坐薬・皮下注射などへの変更 在宅へ戻ったときをイメージしながら、家族を交え て必要な介助方法を教育する 体位交換・清拭・移動介助・食事介助・服薬管理 など ケアマネージャー・MSW・訪問看護師らと早期に連 絡をとり合い情報を共有する
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