Page 1 Page 2 W。。d H。meS in canada and U-S~A~ Takamar

KURENAI : Kyoto University Research Information Repository
Title
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北米の木造住宅
満久, 崇麿
木材研究資料 (1974), 8: 1-15
1974-03-30
http://hdl.handle.net/2433/51273
Right
Type
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Departmental Bulletin Paper
publisher
Kyoto University
総 説 (
REVI
EW)
北
米
の
木
造
住
宅*
満 久 崇 麿*
*
W ood Homesi
n Canadaand U.
S.
A.
Takamar
o M AKU**
北米の木造住宅では Pl
a
t
f
o
r
m Co
ns
t
r
uc
t
i
o
n が圧倒的なシェアを占めているが, この工法は数年前か ら
建設省に よって 日本-の導入が企画 され,枠組壁工法 (
通称 ツーバイフォー工法) と名づけ られ ,すでにそ
の技術基準案が作製発表 されている。 アメリカ合衆国の木造住宅で今 1つ注 目すべ きものに Mo
bi
l
eHome
がある。この軽便な住宅は1
9
6
2
年には約1
1
万戸にす ぎなかったが ,1
9
71
年には5
0
万戸に達 し,この戸数は同
年度の全米の 1戸建住宅の約半分, 全建築戸数の 2
1
-2
5% に相当す ると推定 されてい る。 Mobi
l
eHo
me
Sys
t
e
m 自体は必 Lも日本の現状にそわないが,その構造や使用材料については参考になる点が少な くない。
1 Pl
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form Cons
t
ru.
c
t
i
on
この工法の紹介やこれを 日本に導入 した場合に考えられ るいろいろの問題点については,すでに多 くの専
門家によって各種の専門雑誌やシンポジウムなどでいや とい うほ ど取上げ られ ,その概要について も出るべ
きものはほぼ出つ くした とい う感がす るので,いまさら筆者が蛇足を加える必要 もないが,建物の耐力上重
wCo
s
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us
eCo
ns
t
r
uc
t
i
o
n と関連の 深い下地板について概略を紹
要であ りかつ本文の内容や後述の Lo
介す ると
(
1
)外壁下地板
同じ Pl
at
f
o
r
m Co
ns
t
r
uc
t
i
o
n で もカナダとアメ リカ合衆国では細かい諸規定には違った点 もあるし,ま
た カナダでは壁枠組のユニッ トに下地板をはった後に 順次立て 起 しを行い (
写真 1),アメ リカ合衆国では
建物全体の枠組が完成 した後に下地板をはる (
写 実 2) といった ような施工上の手順 な どに も若干の相違が
あるが,基本的には全 く同じと考えて差支えない。
さてこの工法の下地板には次の種頬がある。
(a)素材下地板
普通の住宅用は厚 さが 1
′
′
,幅が 6
′
′または 8
′
′で Do
ugl
asf
ir
,s
o
ut
he
r
npi
ne,he
ml
o
c
k な どの 3等材
が標準である。水平または斜め張 りで,後者の場合一般に筋かい不要である。
(b)合板下地板
/
8
′
′
-1
/
2
′
′の s
he
at
hi
nggr
a
deが標準であるが,高湿度の地区では e
xt
e
r
i
o
rgr
a
deを用いる。
厚 さ3
縦張 りの場合は原則 として隅筋かい不要である。1
9
5
0年代の後半か ら従来の素材にかわって合板の下地板
が急速にのび,現在は圧倒的に多 くなっている。
(C) 構造用 インシュレーションボー ド下地板
このインシュレーションボー ドは文字通 り構造用に開発 された もので,アメ リカ合衆国では大量に利用
されている。カナダとアメ リカ合衆国では若干の相違はあるが,た とえば Mi
ni
mum Pr
o
pe
r
t
ySt
andar
d
*本文は第2
5
回木研公開講演 (
1
9
7
3.
5.
2
4
)の講師 こ一部加筆 したもの。
**木質材料学研究部門 (
Di
vi
s
i
o
no
fCo
mpo
s
i
t
eWo
o
d)
木 材 研 究 資 料 第 8号 (
1
9
7
4)
写其 1 壁枠組 パ ネル のた て起 し (
CanadaVanc
ouver
,1
9
7
3
)
写真 2 建物 全体 の枠組 を完 成 した後 ,シ ージ ングを張 り.セ ン トラル ヒーテ ィングを動
か し,5,6日かけ てゆ っ くり枠組 を乾燥す る (
mS・
A・For
s
t
erCi
t
y,1
9
7
3)
f
orOneandr
rwoLi
vi
ng Uni
t
s の規 定 に よる と,
(i)隅筋 か いを必要 とす るもの
大 きさ 4′)
く8
′以上
厚さ1
/
2′
′で , フ
'スファ ′
レト含浸 率 7-1
2% が標 準
(i
i
) 隅筋か いを省略 で きる もの
次 の 3種 類が あ る。
Regul
al
・densi
t
ysheat
hi
一
、
g‥比重約 0.
3. 大 きさ 2
′)
<8
′
,4
′×8′
,4′x9′, 厚 さ1
/
2
′
′
∼2
5
/
3
2
′
′・ ア
スファ ル ト含浸率 7-1
1% が標 準で あ るが ,厚 さ1
/
2
′
′
の ものは隅筋 かいを必要 とす る。
l
nt
er
l
l
l
edj
at
edensi
t
ys
heat
hi
ng:比重約 0.
3
5.大 きさ 4′×8
′以上
厚さl
/
'
2′
′
,アス ファル ト含 浸
率1
0-1
5%が標 準
N1
、
i
lI
)
と
、
S
CSheと
t
t
hi
l
l
g:比重 = 2-(
巨1
5,大 きさ 4㌧く
8′以 L
r
.厚さ l
/
2
′
′
, ア スファル ト含 浸 率 2
し
ト
満久 :北 米 の 木 造 住 宅
3
0
%が標準,その名の示す通 りこの上か ら各種サイディングを釘打 しても十分耐えるだけの保持力を も
っている。
以上はいずれ も縦張 りの場合で横張 りの場合は原則 として隅筋かいを必要 とす る。
これ らのインシュレーションボ- ドにはそれぞれ強度,耐湿,耐水性 ,膨張率は もちろん保温性につ
いても一定の基準が もうけ られ ,釘打についても合板 と同様 Nai
lSc
he
dul
eが定め られている。 なお
わが国で も最近構造用 インシュレーションボー ドの J
I
S が定め られている。
(d)石膏 ボー ド下地板
大 きさ 2
′
×8
′
,厚 さ 1
/
2
′
′
,両面耐水紙張 りで原則 として横張 り, 隅筋かいを必要 とす る。
(e)そ
の 他
パーティクルボ- ド,-- ドボー ドな ども用いられ,とくに前者は使用量はまだ少ないが急速に需要
がましている。St
uc
c
o はポル トラン ドセメン トを基材にした外装仕上げ用 プラスタ-で, 大平洋岸の
南部で とくに好 まれ ,普通は適当なシージングの上に塗 られ るが,一部地区では筋かい入 り枠組に耐水
性のよいシージシグペ-パー,メタルラスを張った上に,シ-ジングを兼ねて直接使用す ることも認め
られている。 もちろん一定の規定 ,た とえば 3c
oat
i
ng,仕上 り厚 さ 3
/
4
′
′以上 といった ような規定が
もうけ られ ,l
as
tc
oat
i
ng が仕上げになる (
写真 3)
。
写真 3 St
uc
c
o仕上げ (
U.
S.
A.For
s
t
erCi
t
y,1
9
7
3)
(
2
)屋根下地板
(a)素材下地板
厚 さ3
/
4
′
′
,幅 6
′
′または 8
′
′が標準である。高湿度の地域では 1
′
′
×3
′
′
,1
′
′
×4′
′の透かせ張 りもよく
行われ る。
(b)合板下地板
た る木間隔や屋根材料に よってちが うが普通厚 さ 5
/1
6
′
′
-3
/
8
′
′
,とくに大 きな r
ac
ki
ng r
e
s
i
s
t
anc
e
を期待す る場合は 3
/
8
′
′
-1
/2
′
′を用い,原則 としてた る木に直交 させ る。一般に s
t
andar
dgr
adeを用
いるが,湿度の高い地区では e
xt
e
r
i
orgr
adeを用いるO ウォールシージシグ同様最近需要が急速にま
しているC
(C)Ro
ofde
c
k
- 3-
木材研究資料
第 8号 (
1
9
7
4)
屋根の r
ac
ki
ngr
e
s
i
s
t
anc
eや作業者の荷重に耐えるもので,大 きさ 2
′×8′
, 厚 さはたる木間隔に応
3
4′
′
-3
′
′
O とくに O
penbe
am c
ei
l
i
ngr
o
ofc
ons
t
r
uc
t
i
on 用に 片面をプレフィニッシュした も
じて 1
のが多い。
(
3)床 下 張 り
(a)素材下張 り
厚 さ3
/
8
′
′以上,幅 8
′
′以下。根太に直角または斜め張 り。 後者は当然の ことながら火打梁は不要で
ある。
(b)合板下張 り
St
andar
ds
he
at
hi
nggr
adeで十分であるが,湿度の高い場所には e
xt
e
r
i
orgr
adeを用いる。
r
l
aymentと兼用 され る場合が多 く,この場合は T & G 接合 として, 次の
合板の床下張 りは unde
厚 さが最小寸法の標準値 となっている。
≡根太間隔
1
6
′
′
Do
ugl
asf
ir
1
6
20
2
4
1
.
Wes
t
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r
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2
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種
樹
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or
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t
i
on では床が作業場 となるか ら十分堅固に作 ることが必要である。
2 枠 組 壁 の 耐 候 性
木造住宅では風圧力や地震力な どの水平力に対抗す る壁体の水平せん断耐力が構造上最 も重要なファ クタ
ーの 1つであ り,筆者はかつて,いろいろのシージングを張った枠組壁体の水分平衡状態におけ る水平せん
断耐力についてアメ リカ合衆国の資料を紹介 したが1
)
, これ らの枠組壁体は水分非平衡状態の下では伸縮の
繰返 しに よって剛性 と耐力を劣化 させ ることは当然予想され ることで,た とえば米国林産研究所の調査に よ
る次のような資料がある。
未乾燥材枠組に末乾燥下地板を釘打 した壁体を 1カ月間乾燥 した室内においた場合の剛性,せん断耐力は
下地板水平張 りの時----・
・
剛性5
0%低下
〟 傾斜張
〝 ---・
-- 〟 4
0% 〟
乾燥材枠組パネルを戸外に暴露 した場合
下地材水平張 りの時日----剛性3
0
%,強度2
0%低下
下地材水平張 り
プラスターラス,プラスター仕上げ・
・
---・
・
・
・
剛性2
0
% ,強度1
0%低下
パネルが長期間戸外 にぱ く霜 された場合の耐力の劣化に関す る資料はほとん ど公表 されていない。筆者は
さきにわれわれの研究室で行った木質系模形耐力パネル (
合板お よび-- ドボー ドシ-ジング張 り)の水平
せん断耐力について 2年間の戸外ぱ く露試験の結果を報評 )したが,その後の 3年間のぱ く琵結果を示す と
第 1, 2表の ごとくなる
。
まずパネルのせん断耐力について枠材 と合板下地板 (
表面無処理)の接合方法の影響をみ ると数字的には
釘打 パネルAの耐候性が最 もよく,釘打接着パネルCが最 も悪い。また釘打接着パネルの うち合板表面にレ
- 4-
満久 :北 米 の 木 造 住 宅
第 1表
パ ネル の
櫨
類
∃
妾
初
期
せ ん断耐 力
Pokg/m
法
方
合
合板耐力壁 パネル の耐候性 (
水平せ ん断力)
1年 ぱ く 露
】
2年ぱ
く露
】
3年ぱ く露
Pl
/
Po
%
A
無
B
96
21
.
≡
面
釘 打 接 着
表 面 無 処 理
D
釘
表
G
打
面
接
塗
着
装
打 、
接
バ レ
打
29
60 ! 25
80
接
グ ル ー
着 イ着 装 ブ 着 ド
E
釘 オ 釘 塗 U釘 ハ
C
i 632
*枠組 と合板接合部腐朽 ,腐朽部 の破壊
第 2表
l接
方
法
FG
m.為 醍
tl
G% i
J#
漂
E
-2
G5諾矧
39.
9
jG5g*
(宏
22.
8
0.
71
2
7
4.
6
62.
1
0.
883
69,
5
66.
1
打 接 着
面 塗 装
0.
71
3
80.
4
75.
8
打 ヾ
接
0.
876
81.
5
67.
7
0.
7
47
88.
1
81.
4
才
丁 接
面 無 処
着理
0.
498
着 イ着装ブ着ド
- /→レ
′
グル ー
揺ボ
ド
釘 オ釘塗U釘 ハ
釘
表
釘
表
合
合板耐 カパネル の耐侯性 (
剛性率)
3
4.
1
76.
6
*それ ぞれ の初期剛性率に対す る 割 合
ジ ンペ ーパ ーを オー/;- レイした パネル Eの耐候性は抜群 で ,塗 装合板 D,G が これ に次 ぎ,表 面無処理 C
の場合が最 も悪 い。さきに述べ た ごと く2
)
,
釘打 パ ネルは耐 力はそ う大 き くないがぱ く露劣化 が きわ めて低 い
のは ,パネルの耐力 を支配す る釘 の保持力 の劣化 が少 ない ことに基 因す ると考 え られ る。 また釘打接着 , プ
レス接着 パネルでは 2年 ぱ く露 の場合に比較 して合板 シ ージングの r
o
l
l
i
ngs
he
a
rに よる破壊 が多 くなって
o
l
l
i
ngs
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r
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hの劣化が先行す ることを示す もので あろ う。 これ らの合板 パネルに比較 し
い るのは r
て- - ドボー ドパネルKの耐力 の劣化 は第 1年 目でかな り大 き くあ らわれ るがそ の後 の劣化 の進行 は比較的
緩慢であ るといえ よう。表 には示 してないが ,合板 パネルでは南面 と北 面 の差 はあ ま りないが ,- ∼ ドボー
ドパ ネルでは明かに南面 の劣化が北面 よ り大 きい。なお表 中のパ ネル Dの括弧 内の数字 は枠材 と合板 シ-ジ
ン グの接合部が腐朽菌 に犯 され この部分か ら破壊 した もので ,腐朽 のおそろ しさを示す好資料 といえ よ う。
次にパネルの剛性 につ いてみ ると,釘打 パネル Aは他 のパネルに比較 してぱ く琵第 1年 目で急速 に劣化 す
-
5
-
木材研 究資料
第 8号 (
1
97
4)
るがその後の劣化はあま り認め られない。釘打接着/
くネル間には とくに顕著な差はみ とめ られないが ,表面
塗装パネルG の劣化が少 く,表面無処理の C の劣化がやや大 きい ようである。
-ー ドボー ドパネルKは第 1年 目で急速に劣化す るが,その後はあま り変化 していないOこれ も図表には
示 してないが,南面 と北 面では前者の劣化が明かに大 きい。 これに対 して合板パネルでは南面 と北面の差は
あま りみ とめ られない といえるO
これ らのパネルの耐候性については さらに長期的な立場か ら改めて眺めてみたい と思っている。筆者の知
る範囲では この種の資料で公表 されてい るものがないため比較検討す ることが出来ないのは残念であるが,
前述のアメ リカ合衆国の資料 と比較 してみ ると大体の見当がつ きそ うである。
3 Pl
at
form Cons
t
uc
r
t
i
on に関連 した問題点
Pl
at
f
or
m Cons
t
r
uct
i
on を 日本に導入した場合に考えられ る問題点については,すでに多 くの方 々がそれ
ぞれ専門的な立場か ら有益な意見をのべ られているが,筆者 も筆者な りに,なるべ くこれ らと垂復 しない範
囲で ,感ず ることを 2, 3のべてみたい 。
(
I
)Di
mens
i
on l
umbe
r の応力等級について
構造部材に応力等級をつけ ることの必要性については Pl
at
f
or
m Cons
t
r
uc
t
i
on が 日本に紹介 され る一昔
請,まだ軸組構造一辺倒の時代に林産関係の有志が 2,3度関係官庁をつついた事があったが,いずれ も不発
at
f
o
r
m
に終っている。不発に終ったことについてはいろいろ理 由があった事 も大体察 しはついているが ,Pl
Cons
t
r
uct
i
on の導入 と共に今後は逆 に関係官庁当局が応力等級の問題について きわめて 積極的で あること
を きいて , いささかな らず遅 きに失 した きらいはあるが大変結構な ことと思っている。
r
es
sGr
ades が作 られ ,樹種 ,
御承知 のごとく, カナ ダや アメリカ合衆国には構造用材について立派な St
l
l
owabl
euni
ts
t
r
e
s
sと mo
dul
usofel
as
t
i
ci
t
y が規定 されてい るo しか し,これについて
等級に応 じて a
は当の カナ ダ,アメ リカ合衆国あるいは イギ リスな どで も現在なお Comme
r
ci
alGr
adi
ng支持説 と St
r
es
s
Gr
a
di
ng 支持説が,また同 じ St
r
e
s
sGr
adi
ng で も vi
s
ualgr
adi
ng 支持説 と mac
hi
negr
adi
ng 支持説
な ど賛否両論が入 り乱れてい る3㌔ それぞれ理 由があ り,いずれを是 とす るか簡単には決定で きそ うもない
s
ualgr
a
di
ng は設計方法 と関連 して作 られた ものである
が ,アメ リカ林産研究所長の FLEISCHER 氏の vi
か ら,これを切離 して単に精度が高 く,便利であるとい うことだけで ma
c
hi
negr
adi
ng を採用す ることは
問題であるとい う意見は傾聴すべ きであろ う。 しか しなが ら,木造住宅が 現在おかれてい る立場を 考え る
t
r
e
s
sgr
adi
ng を規定 してお く必要があると筆者は思 う。 筆者が カナ ダ
時 .日本ではやは り何等かの形で s
at
f
o
r
m Cons
t
r
uc
t
i
on に関連 して現地で えた見聞は ごく限 られた範囲て
お よびアメ リカ合衆国におけ る Pl
chi
negr
adi
ng はまだそれほ ど普及 し
あ り,あるいはその全容を掴んでいないか もしれないが,両国共 ma
s
ualgr
a
di
ng である。 これでは gr
aderがいかに 熟達 して いても, あの 立派な
ていない。 大部分は vi
Gr
a
di
ngRul
e 通 りの精密な等級分けが出来 るか どうか甚だ疑問であ り,またか りにそれが出来た として も
末端で現実にそれが どの程度利用 されているか疑問に思われ る点が少な くない。これでは ,vi
s
ualgr
adi
ng
にしろ ,ma
c
hi
negr
adi
ng にしろいかに gr
adi
ngをf
E確に して も単に設計者の 自己満足に終ってしま う恐
れが多分にある。
at
f
or
m Cons
t
r
uc
t
i
on を導入した場合 ,輸入製材に対 して先方の検査結果をそのまま うのみに
日本が Pl
す るのか どうか,輸入丸太や国産材に対 して どう対処す るのかいろいろ問題はあるにせ よ,いずれ遠か らず
日本において も応力等級に関す る規定が設け られ るであろ うが,この場合あま り規格の形や細かいことに こ
だわ らないで,末端で もそれが フルに活用出来 るような,いわば名 よりも実を とった内容にす ることが必要
であろ う
。
(
2
)部材の乾燥度について
カナ ダや アメ リカ合衆国におけ る建築用材はかつてはほ とん ど製材所で天然乾燥 をした後,建材問屋に送
満久 :北 米 の 木 造 住 宅
られていたが,現在は需要が強 く, ドア,窓枠な ど建具用材類をのぞいて,ほとんどが生材のまま間置や ビ
ルダーに送 られている場合が多い ようである。したがって l
umberyar
d にはこれ らの生材が s
o
l
i
dpi
l
i
ng
されたままおかれていて,中には外観的にかな り乾いていて,割れや菌害 もあま りみ られないものも少 くな
い。しか しこれ らのいわば未乾燥材を使った枠組はシージ.
/グを張 り終った段階で,これ と併行 して設置 さ
れたセン トラル ヒーティングを動かして,必ず建物 ぐるみ数 日間乾燥 した後内装工事にとりかかっている。
内装に プラスター仕上げの多いアメリカ合衆国では耐力的な問題以外に,木材の乾燥収縮に よるプラスター
壁のクラックを非常に きらってお り,これを防止す るため壁面仕上げに着手す る時の枠組壁の含水率 とそれ
が雰囲気 と平衡す る時の含水率差を多 くとも 5%以内に止めるように努力 してお り,これを厳重に守ってい
るようである。またわずか数か所の建築現場をみたにす ぎないが,確かに釘打の乱暴 さな ども目につ くこと
もあるが,防水紙の張 り方 ,水返 しのとりつけ方,排水管の敷設な ど目立たないあるいは 目にふれない肝心
の場所の施工が良心的であること,防腐防虫処理 も必要に応 じて徹底的に行われていることに強い印象を う
at
f
or
m Cons
t
r
uct
i
on の導入 と共に 学ぶべ き技術以外の大切な事柄で
けた (
写真 4)。こういった点 も Pl
写真 4 白黒ではわか らないが,白蟻の害の多いホノルルでは土台や根太は もちろん,柱
た る木まで防虫処理材を用いている (
U.
S.
A.Ho
no
l
ul
u,1
9
73
)
あろ う。
日本で も最近はセン トラル ヒ-ティ1
/グシステムがましているが,一般住宅でr
J普及率はまだまだ低いか
ら,当分 カナダやアメ リカ合衆国の ような建物 ぐるみの器用な乾燥法は期待できそ うもないし,仮に普及率
が上っても実行 され るか どうか甚だ疑問である。したがって枠組材料やたる木,根太な どの重要な部材はあ
る程度乾燥 した ものを使用すべ きで,その意味で何等かの形で適正含水率の 目処をはっきりしてお く必要が
あろ う。
(
3)釘打について
Pl
at
f
or
m Cons
t
r
uc
t
i
on では枠組やシージングの釘打についてはその材料に応 じて,どこに,どんな釘を,
ls
c
he
dul
eが与えられている。
どの間隔で,どんな打方をす るか とい ういわゆる nai
ommonnai
lを比較 した場合日本の丸
日米では当然釘の規格が違ってお り,た とえば同じ長 さの丸釘 と c
釘の万が一廻 り細い。したがって同じ樹種に対す る釘の保持力 (
引抜抵抗)やせん断力は当然低 くな り,も
し釘の材質が違っておれば この問題はさらに面倒になろ う。
- 7-
木材研究資料
第 8号 (
1
9
74)
しかし,きくところに よるとア メリカ合衆国の c
ommol
lnai
lはほとんど日本から輸出されているそ うで
ある。たまたま Se
at
t
l
eの 日曜大工用品専門店で c
ommo∩nai
l中最 も長い 60ペニイ (
針身約 1
5c
m)よ
りもさらに長い約 2
0c
m の日本製ジャンボネールを見て驚いたが, そ うい う訳で釘の材質の点では融通が
ききそ うである。また Pl
at
f
o
r
m Cons
t
r
uc
t
i
on では建物の耐力上重要な部分た とえば f
lo
orj
oi
s
t
,he
ade
r
j
〔
)
i
s
tな どと s
i
l
l
,gi
r
de
rあるいは wal
lf
r
ami
ng の t
oppl
at
e問 ,r
af
t
e
rと t
o
ppl
at
e 間な どの接合部
には 日本であま り行なわない斜め打が規定 されている。
御承知のごとく接着接合部の破壊理論や応力解析に関 してはかな り研究資料が出ているが,いずれ も一長
一短があ り,まだ一般に納得され る段階には達 していないし,これ らの資料 と設計 との直接的な結びつ きは
未だ遠 しの感がある。まして釘打 とくに斜め釘打や釘打接着接合においておやで,もっぱ ら実験的資料にた
よらざるをえないが,その実験的資料 もとくにわが国では数が少ないのが現状である。釘打接着は釘打に よ
って接着に必要な圧縮力を与える,工場にも現場に もむ く便利な方法で,上手に行えば少ない釘でしかもプ
レス接着に劣 らない耐力がえられ るが,下手をすると釘打 よりも悪い結果を招 くおそれが多分にある。この
方法 も理論は ともか くとしてそ う遠 くない将来現場にもちこまれ る可能性が十分ある。これ らの現場的技術
については カナダの ように適当な専門養成機関を設けて もらえば安心だが,これ も急場の間には合わない。
差当って どうす るのか ?問題はそ う簡単ではなさそ うである。
(
4
)耐力壁下地板について
Pl
at
f
o
r
n
l Cons
t
r
uct
i
on では先に紹介 した ように枠組下地板には素材,合板 , インシュレーションボー
ド,看官 ボ- ドな どが用いられ,いわゆる耐力壁には必要に応 じて筋かいの併用を規定 して,かな りフレキ
シブルな形になっている。もちろんこれについては次に紹介す るように,現在なお論議があ り問題がすべて
解決 されている訳ではないが,要す るに基礎資料に裏打ちされた貴重な経験が物をいっているのであろ う。
最近は素材が減少 して合板の利用が圧倒的に多 くなっているが,インシュレーションボー ドの使用 も構造 ,
9
70年度には約 9億平方唄に達 してお り,地域に よっては屋根下張 りとしての使用 も認め
非構造用を含めて1
られている。
日本の枠組壁工法の技術基準案をみ ると,耐力壁の下張 りには構造用合板だけが指定 され,他の材料は一
応見送 りの形になっている。
た しかに合板の乾湿状態やその繰返 しにおけ る力学的諸性質は他の下地材料に比較 してはるかに秀れてお
り,風雨の強い 日本で も最 も信頼で きる下地材の 1つであ り,本場のアメリカ合衆国では合板下張 りに も隅
筋かいを併用すべ きであるとい う声 さえないで もないことを考えれば当然の事か もしれない。
しかし, 「
枠組の筋かい」に一抹の不安が残 るとすれば当然枠組 自体にも不安が残 るはずで,その点筋か
いを木造住宅の耐力壁の基準にしている日本建築界ともなれば ,本場でみ とめている筋かいと他材料の併用
に対 してもっと積極的な形が基準の上に示 され るであろ うことを期待したのはおそ らく筆者 1人ではないで
あろ う。
(
5)そ
の
他
t
i
onalAs
s
oc
i
at
i
onofHomeBui
l
de
r
sが行なった調査結果4) を参考までに
数年前 アメ リカ合衆国の Na
紺介す ると次の点が強調 されている。
(a)非耐力壁の 2
′
′×4′
′間柱の間隔を 2
4′
′(
芯芯)にす ることに対 して 6
2% が反対
(b)2
4′
′の間柱間隔に対 して石膏 ボー ド内装仕上げをす ることは 6
0% が反対
(C)屋根 トラス間隔を 2
4′′にす ることには 1
5% が禁止に賛成
(d)合板またはファイバーボー ドシ-ジングを使用 した場合で も隅筋かいをつけ ることに27%が賛成
(e)Redc
e
darのシングルまたはシェークに よる足根仕上げに対 しては 2
6% が禁止に賛成
一
一 8-
満久 :北 米 の 木 造 住 宅
4 Mobi
l
eHome
広い意味の Mo
bi
l
eHo
meには Si
ngl
ewi
demo
bi
l
eho
me,Do
ubl
ewi
demo
bi
l
eho
me,Expanda
bl
e
2
′の s
i
ngl
ewi
deが現在圧倒的に多 く
mo
bi
l
eho
meな ど数種類あるが,いわゆ る住宅 としては 妻側の幅 1
4′の s
i
ngl
ewi
de と 2s
e
c
t
i
o
n か らな り現場で接合 して妻側幅 2
0-2
4
′にな る do
ubl
ewi
deで占
あ とは 1
め られているが,最近 do
ubl
ewi
de が次第に多 くなってきている。写真 5がその 1例で,縦半分をそれぞ
-ビルホーム外観 (
U.
S.
A.Lo
sAnge
l
e
s
,1
9
7
3
)
写真 5 ダブル ワイ ド・そ.
れ工場で プレファブし専用 トラックで現場に運んで接合す るだけであるか らきわめて簡単であるが ,この辺
になると建物 内部の居住感覚は在来法のそれ と全 く変 らない。価格が安いだけに材料がかな り切詰め られて
0-8
0
m2 で 7
0
0
0-8
0
0
0ドル,これ
い るので耐用年数は十数年だろ うとみ られてい るが ,それにして も建坪 7
は技術系大学新卒の初任給 (
年額)に相当す る額であるか ら全 くうらやましい話である。
Mo
bi
l
eHo
me の主要構造 の 1例を簡単に説明す ると
(
1
)シャーシィ
高 さ約
′の s
t
e
e
lLbe
am
10′
(
2
)床
組
2
′
′×6
′′の枠組床に d
o
ubl
ewi
deでは主 として厚 さ 5
/
8
′′の針葉樹合板の下地板 ,s
i
ngl
ewi
de では従来
の針葉樹合板か ら最近はほ とん ど 5
/
8′′厚 のパーティクルボー ド下地坂へ と移行 している。
(
3)外
壁
2′
′×4
′′ディ メンジョンを主材にした枠組で,外部仕上げは主 としてアル ミ板が使われているが, 孟近ユ
ニッ トの大形化 と共に合板サ イジングの使用が増すであろ うと推定 されている。
(
i
)内
装
プレフィニッシュ広葉樹合板が多 く,その約半分は木 目印刷 (
写真 6)
,1
/
4が天然木 目,1
/
8が ビニール
オー/I-レイであ る。バスルームその他一部には プ 1
)ソ トまたは プラスチックオーバ ーレイ-- ドボー ドも
使用 されている。石膏 ボー ドは安 くて加工容易であるが,輸送 中破損のおそれがあるためあま り利用 されて
いない。
(
5)屋
根
細
Do
ubl
ewi
deでは 2′′×4′′ディメンジョンと合板 ガセッ トを用いた トラス屋根が多いが ,s
i
ngl
ewi
deで
- 9-
木材研究資料
第 8号 (
1
9
7
4
)
写真 6 モービルホームのキチン,プリ1
/ ト合板が用い られている (
同
上)
はラフ ットまたは ドーム形が よく用いられ る。
(
6)そ
の 他
輸送中の破損を防止す るために壁体や床の枠組には s
t
i
f
f
e
ne
r を欠 き打 した り壁枠 と床枠 ,屋根 トラスと
壁枠問には適宜ス トラップが使用 されている。 しかしここで も木材価格の変動のはげしい事 も原因となって
間柱や根太,たる木などの金属化 ,プラスチック化が検討 されている。
第 3表に MHMA (
Mo
bi
l
eHo
me
sMa
nuf
ac
t
ur
e
r
sAs
s
o
c
i
a
t
i
o
n)の調査5) に よるモービルホ-ムー戸当
第 3表
モービルホーム 1戸当 りの木質材料消費量
ホームの平均床面横
素
7
6
2s
f
1
6
8
0bf
弓
材
9
3
6〝
6
6
8,/
広 葉 樹 合 板 (〟 )
パーティクルボー ド (
5
/
8
)
・
(
71m2)
.
(3.
9
)
(
8
7.
1
)
(
6
2.
1
)
りの木質材料の使用量を示す (
1
9
71
年調査)
0
5 Low costhouseconst
uc
r
t
i
on の開発研究
低価格木造住宅構造の研究はここ数年間関係国際会議の重要課題の一つ として取扱われ,各国共強い関心
を払っているが,最 も積極的な努力を払っているのはア メ.
)カ合衆国で ,1
9
6
8
年林産研究所か ら t
t
NuFr
a)
,モデル-ウスも作 られている。
meRe
s
e
a
r
c
hHo
l
J
S
e日とい う名でその構造の詳細が発表 され6
この開発研究の 目的は居住性 ,建物の強度,耐久性を犠牲にしないで建築費を下げ ることで,そのため設
計を単純化 して虚飾を省 き,現在利用度の低い低級材を使用 してプレ-ブ部材を作 り,で きるだけ釘打接着
を行って,釘打や金物取付の手間を省 き,現場労務費を下げ,工期を短縮す るように工夫 している。
1例をあげ ると Pl
at
f
o
r
m Co
ns
t
r
uc
t
i
o
n やその他のアメリカ合衆国の在来法では 壁枠組や屋根部材には
3等材を用いているのをこの工法では 4等材に し,在来法の do
o
rl
l
e
a
d,wi
ndow he
a
d あるいはたる木の
一
一
-川
-
満久 :北 米 の 木 造 住 宅
2等材を 3等材 または 4等材に,内装 , 外装材に も低級材を用いて, 木材材料費を引下げている。 そのた
め NuFr
ameSys
t
e
m は次の 5種類の プレ-ブ部材で構成 されてい る。
(
1
)Wal
lf
r
ame
第 1図Aに示す ように 2
′
′
×4
′
′(4等材)の間柱を 2枚ずつ重ね合せて 4沢間隔に配置 し, その間に厚 さ
1
/
2
′
′
の r
e
gul
a
ri
ns
ul
a
t
i
onbo
a
r
d または nai
lba
s
ei
ns
ul
a
t
i
o
nbo
a
r
d をはさんで釘打接着を行 う。 ボー
A WQH f
r
cmi
n
第
1 図
ドの両面にはアル ミ箔を張 り,室内側表面には ピンホールを沢山あけて若干の通気性を与え,外壁側の表面
/1
6′
′
,深 さ 1
/
4
′
′の孔を2
′
′
間隔にあけて,このアル ミ表面 と外壁 までの空間 とに よって 防音性を
には直径 3
与え,いわば保温 と防音を兼ねそなえて,しか も後述す るように耐力的に もす ぐれた壁体を構成 している。
(
2
)Dual
c
ho
rdWt
us
r
s
第 1図 Bのごとく2
′
′×4′
′を 2枚ずつ合せ ,その間に厚 さ 3
/
8
′
′の合板 ガセッ ト,合板ス トラッ トな ど を
清付釘で釘打接着 したW - トラス。壁体同様 2枚合せす ることに よって 4等材の使用が可能 となる。 この ト
ラスは壁体にあわせて 4沢間隔に配置す る。
(
3
)Ext
e
ri
o
rCove
ri
ng
これには 3種類が試作 されてい る。第 1図 Cはその うちの 1つで 厚 さ 1
′
′の 針葉樹低 級材に 2枚 1組 の
一
一ll-
木 材 研 究 資 料
第 8号 (
1
9
7
4)
e
dc
e
dars
i
di
ng を接着 した もので ,T & G 接 合 を して 4択間隔 の間柱 に釘打 で きるだ
r
edwo
od または r
け の剛性 を もってい る。
(
4)RoofCove
ri
ng
第 1図 Dの よ うに厚 さ
1
′
′のマ ツ板材 の両面 に 5
/
8
′
′厚 の 合板 を接 着 した後 , 2つ割 に してベベ ル形 に 加
l
yvi
nylnuor
i
def
i1
m で カバ
工 し,そ のェ ッヂお よび外 部表 面 を ,アスベ ス トを裏打 した耐 侯 ,耐 熱性 po
-した ,いわ ば シ ージ ン グとカバ リソ グを兼 ね た屋根材料 で あ る。Oner
i
ngs
hanknai
lで トラス 上 弦材
に釘打接 着す る。
(
5)I
nt
eri
orCoveri
ng
壁 お よび天井 の内装仕上げ材 は第 1図 Eの ごと く,箔 を裏打 した厚 さ 1
/
4′
′
,大 きさ 4
′
×8
′の 石膏 ボ- ド
の裏側 に厚 さ 5
/
8′
′
,幅約
5
5
4′
′の針 葉樹 の板 を 6
′
′間隔 に透 し張 り
(
接着) した パ ネルで , 間柱 に直交 して
oi
ntc
e
mentを用 い て普通 の方 法で仕上 げ る。
釘打接着 し,石膏 ボー ドの接 合部 はテ ー プと j
これ らの部 材 は ,壁 パ ネルで はい ろいろの構造 の ものにつ い て r
ac
ki
ngt
e
s
tを行 い ,屋根 トラスでは 曲
oofpane
lにつ いては耐 火試 験 とジ ョイン トの漏 水性 に関す る 1カ年 の戸外 ぱ く露試験 ,
げ試 験 を ,また r
ac
k内装 パ ネル につ いては 曲げお よび衝撃試験 を行 ってい るが , この うち建物 の耐 力上重要 な壁 パ ネル の r
i
ngt
es
tの結果 の一部 を示 す と第 4表 の ご と くで あ る。表 中の括弧 内の数字 は筆者 が推定 また は換 算 した値
で あ る。
第 4表
各種 パ ネル の水平せ ん断耐 力
:
・
1
早:
1
り
ち
t,.
.
.
・
1・ 一
∴
;
の荷重 1b
規
定
=の
恒帖
吊
1b
2
′
′
×4
′
′
,
1
6
′
′間隔,FHA
す る最小値
g
O
/
)
m) ; (
9
7
0
52
k
O
g
O
/m)
(
3
7
(
0
2
0
k
O
NuFr
ameパ ネル
1
/
2
′
′一
e
g.i
ns
ul
.
(
29
0
)
上下 プレー ト満 な し
同
上
同
上
上下 プレー ト1
/
2
′
′
×1
/
2
′
′
i
(
3
4
0
)
,
6
5
6
0
1
溝付
同
上
Nai
トbas
ei
ns
ul
.
上下 プレー ト1
/
2
′
′×1
/
2
′
′
溝付
上
同
同
上
上下 プレ- ト2つ割
釘省 接着
-
51
50
12-
満久 :北 米 の 木 造 住 宅
ァメ リカ合衆国のパネルせん断試験法は 日本の試験法 と違 ってお り,測定結果 も高 くで るので,日本の資
料 と直接比較す ることが出来ないのが残念であるが,パネル Aは Pl
at
f
o
r
m Co
ns
t
r
uc
t
i
o
n の標準枠組 (
2
′
′
′
′
,1
6
′
′
間隔)で FHA (
Fe
de
r
a
lHo
us
i
ngAdmi
ni
s
t
r
at
i
o
n)で要求 されている最小値を示す。パネル B
×4
ぉ よびパネル 1- 3は NuFr
a
meWa
l
lで インシュレーシ ョンシージングの種燥お よび そのフレームとの
ni
mum r
e
qui
r
e
me
ntを満たす ので ・
接合法を変えた ものである。表か ら明かな ようにパネル 3が FHA mi
この8′×8′
パネルをモデル- ウスの c
o
r
ne
rWa
l
lとし,他の壁面にはパネル 1を用いてい る。
1
9
6
7?午 ,この NuFr
ameHo
us
eの設計図に基いて,建坪 2
8
′
×4
0
′の平屋のモデル- ウスが建設 された
が (
写真 7),この設計で注 目すべ き点は 北面に, 防腐処理をした 2
′
′
×4′
′または 2
′
′
×6
′
′の ディメンジ ョ
′
′
×6
′
′
,
ンラン/ミ一に よる 2種類の木製の基礎が使われてい る事である。第 2図がその 1つで ,フレンヂに 2
ゥェブに厚 さ3
/
4
′
′
,高 さ2
4′
′
の防腐合板を釘打 したb
o
xbe
a
m t
ypeの一種 の杭打基礎で, 脚 の下部には コ
写真 7 NuFr
ameCo
ns
t
r
uc
t
i
o
n モデル- ウス
第
2 図
- 1
3-
木材研究資料
1
9
7
4
)
第 8号 (
ソク リー トを打 っている。いかに平屋 とはいえ, 日本の 4DKの標準の広 さより 1廻 りも 2廻 りも大 きな住
宅の基礎に防腐処理木材を使 うな どとい う事は 日本ではとても考えられない事であるが,アメリカ合衆国に
nebe
dr
o
o
m ho
us
eか ら1
2
人の子供達のいるビッグ
は案外 この種の基礎が多い。林産研究所ではこの外 ,o
2
種の l
o
wc
o
s
tho
us
ec
o
ns
t
r
uc
t
i
o
n の設計図を発表 しているが7), この うちの過半数が
ファ ミリ用 まで1
全面または一部に杭打基礎を採用 してお り,また砂地の海岸地帯ではこの方が- 1
)ケ-ソなどに対 して威力
を発揮 している事 も実証 されている8)0 3
0年間実際に ba
s
e
me
nt wa
l
l に使用 した Do
ugl
a
sf
ir の柱 ,
S
o
ut
he
r
npi
・
neの壁体について c s
ot
er
et
ens
i
on,腐朽程度,衝撃や曲げ強度の劣化等を調査 した結果に
re o
よると,ごくわずかの腐朽や強度劣化が認め られ るが全体 として健全で今後なお長期の使用にたえることが
確認 されている9
)
0
なお最近 の情報に よれば APA (
Ame
r
i
c
an Pl
ywo
o
d As
s
o
c
i
a
t
i
o
n) では基礎に 防腐防虫 処理を した
pl
ywo
o
ds
he
at
he
ds
t
udwa1
1を開発 し.Al
LWe
a
t
he
rWo
o
dFo
undat
i
o
nSys
t
e
m (
AWWF) と名付け,
すでに 3
,
0
0
0戸が この木製基礎を用いて建築 されているそ うである。
この木製基礎な ども, 日本では新 しい観点の下にもっと積極的に開発研究を行なってみ る必要があろ う。
このモデル-ウスの建築に当って,全材料費,木質系材料費,労務時間等を在来法 と比較調査 した結果が出
されているが,結論を簡単に紹介す ると,板材の使用が在来法に比較 して多いために木材消費量は増加す る
が低級材の使用に よってコス トでは1
4%節約でき,全建築費は1
8%のコス トダウンとな り,現場労務時間は
外壁で4
3
%,天井,屋根で約1
4%短縮 されている。
に よって与えるとい う極めて現場的な便利な方法で,丁寧にやれば釘の数が少 くてすみ ,しか も接合部の剛
性,耐力は プレス接着 とほとんど変 らないが,下手をす ると接着性能はでず,釘打接合にもお よばぬ中途半
端なものにな りかねないか ら,釘打接着技術を十分修得 してかかることが必要である。今 1つ注意すべ き点
は単位面積当 りの木質材料の必要量が Pl
at
f
o
r
m Co
ns
t
r
uc
t
i
o
n のそれ よりも多いことである。 いろいろの
工法の単位面積当 りの木材必要量の比較はそ う簡単にはで きないが, 日本の在来工法に比較 して Pl
at
f
o
r
m
Co
ns
t
r
uc
t
i
o
n の木材消費量が多いことは御承知の通 りである。したがってこのままではこのことが 日本に
Fr
a
meCo
ns
t
r
uc
t
i
o
n
おけ る枠組壁工法発展の 1つの大 きな障害になるであろ うことは否定で きない。 Nuの木質材料消費量はこれ より更に多 くなる。Re
s
e
ar
c
hho
us
eではこの不利を木材等級の価格差に よってカ
バーしているが,木材価格をは じめその他の諸条件でアメリカ合衆国 よりもはるかに不利な木材事情 にある
日本では果 して どうであろ うか。いや,だか らこそこの種の研究は もっと押進め るべ きであろ う。
それは ともか く,この Re
s
e
a
r
c
hho
us
eは l
o
wc
o
s
tとはいえ,決して安かろ う悪かろ うではない。 諸
材料に新 しい技術が とり入れ られ ,保温性 と防音性にも十分留意 され ,その居住性はおそ らくわが国の最近
の一般木造住宅のそれにまさるとも劣 らぬ性能を もっているといえ よう。
a
t
f
o
r
m Co
ns
t
r
uc
t
i
o
n がわが国の 「
枠組壁工法」 として軌道にのるまでにつ ぎこ
北米の在来工法た る Pl
まれ る頭脳 と熱意 と予算 と時間の総エネルギーはおそらく相当な ものになるであろ うが,これに劣 らぬエネ
ルギ-が安 くて安全で居住性の よい将来の木造住宅構造 の開発研究にも結集 され るよう,関係官庁当局が意
欲的に リーダーシップをとられんことを期待 したい。
9
71
年 カナダのバンク-バーで開催 された i
nt
e
r
na
t
i
o
na
lCo
ns
ul
a
t
i
o
no
nt
he
そ ういった意味 も含めて1
Us
eo
fWo
o
di
nHo
us
i
ng の第 3部会か ら提出された勧告の内容の一部を紹介 してお ( 10)。
(
1) 木材の使用は決して天然資源を個渇 させ ることはな く,また鉱物や石油の ような甚 しい環境汚染を引
きおこす ことはない。
(
2)森林資源の住宅-の効果的利用を計 るため工学的品質お よび寸法の標準化を計 ること
。
(
3) 開発途上国の工学的 レベルの向上のため国際機構が努力す ること。
(
4) 先進国の設計者,ビルダーあるいは関係政府機関は住宅用木質材料の正しい使用に協力 し.かつ簡中
- 1
4-
満久 :北 米 の 木 造 住 宅
でしかも必要な剛性 と強さをもつ部材の複合方法を考案す ること。
(
5) 開発途上国の政府は住宅用部材の開発に関して未利用材,工場廃材の利用に努力す ること。
(
6)開発途上国はその関係領域内において樹脂や釘類の生産の可能性を考えること。
(
7)住宅用木質材料の 発達とそれに 関す る 資料の PR について 地区センターの設立に協力 す ること。
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on) は熱帯材関係の資料の収集 と PR 活
動を促進すること。
(
8) 住宅研究機構は劣化因子,工法の種類などの住宅の耐候性に与える影響を予知す る方法を開発す るこ
と。
(
9)世界各国の大学は設計や構造に木材を利用す る適当な トレイニングを工学者や建築設計者に与えるよ
うカリキュラムの編成を促進す ること。
参
考
文
献
1
)満久崇麿 ,木材研究 ,38,(
1
966).
1
9
72).
2)満久崇麿,木材研究資料 ,6,(
3)たとえば ,D E.KENNEDY,For
.Pr
od.J
リ 19,6 (
1
96
9),W .L Fos
TER,Ti
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1
971
),R.L ETHI
NGTON and H.0.FLEI
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CHER,For
.Pr
od.J
リ 23,9 (
1
973).
22
nd & 29t
4)M.AppLEFI
ELD,For
.Pr
od.J
リ22,4 (
1
972).
5)C.
A.FAS
I
CK and H.
E.DI
CKERHOOF,J.D.LAWRENCE,For
.Pr
od.J
リ23,6 (
1
973).
6)L.
0.ANDERS
ON,U.S.For
.Ser
v.Res.PaperFPL 88 (
1
96
8).
7)L.0.ANDERS
ONand H.F.ZoRNI
G,U,S.For
.Ser
v.(
1
96
9).
8)L.0・ANDERS
ON and W .R.SMI
TH,U.S.For
.Ser
v.Res.PaperFPL 33 (
1
96
5).
9)B.A.BENDTS
ENand W.E.EsL
YN,U.S.For
.Ser
v.Res.Paper98 (
1
96
8).
1
0)H.
0.FLEI
SCHER,For
.Pr
od.J
.
,21,1
2(
1
97.
1
).
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