中村 照人 山梨市におけるバイオマスタウンづくりに向けた取組

平成20年1月29日 山梨県バイオマス発見・活用促進セミナー
山梨市長 中 村 照 人
1
~まちごと次世代エネルギーパークを目指して~
山梨市におけるバイオマス
タウンづくりに向けた取組
2.山梨市の新エネルギー導入にむ
けた取組
2-1.地域新エネルギービジョン
2-2.新エネルギーに関わる計画の
位置付け
◇地域新エネルギービジョン
◇バイオマスタウン構想
◇次世代エネルギーパーク構想
2-3.取組の紹介
(1)調査中の新エネルギー
(2)中学校への小風力発電導入
(3)笛川中学校の取組
「キッズISO FOR SCHOOL」
2-4.先進地への視察
2-4.先進地への視察
(1)岩手県葛巻町
(2)ドイツ連邦共和国
1.山梨市の概要
2
5.まちごと次世代エネルギーパーク
(1)ライオン山梨の森
(2)森林セラピー基地
~森林の多面的機能の活用と森林整備の推進~
4.森林資源活用の取組との連携
3.バイオマスの活用にむけた取組
3-1.バイオマス資源の活用方針
3-2.廃食油のバイオディーゼル燃料化
事業
(1)廃食油活用システムの事業化
可能性調査
(2)廃食油の収集について
3-3.木質バイオマスエネルギーの
活用方針と課題
(1)木質バイオマスエネルギーの
利用可能量
(2)今後の展開
・・・ 目 次 ・・・
(平成19年数値 住民基本台帳平成19年9月1日現在)
◆ 世帯数
◆ 世帯数
平成元年 平成元年 11,588 世帯
平成19年 平成 年 14,278 世帯 比較23.5%
※ 平成 元年3.4人
世帯あたりの人数)
元年 人( 1世帯あたりの人数)
平成19年
人
平成 年 2.7人
◆ 人 口
平成 元年 人口 39,489 人 平成
年 人口 39,069 人 比較△1.1%
平成1
平成 1 7年 人口
山梨市、牧丘町、三富村の新設合併
平成17年3月
日 合併
平成17年 月 22日 合併
1.山梨市の概要
3
◆ 総面積 289.87
k㎡
◆ 総面積 (東西19.9km ・ 南北27.7km) ◆ 標 m (北奥千丈岳)
◆ 標 高 最高2,601
高 最高
最低 296
m
最低 (平成17年度)
◆ 気 象 平均14.9℃
℃
象 平均
最高(平均)20.9
℃
最高(平均)
最低(平均)10.1℃
℃
最低(平均)
◆ 風 速 平均 2.3
m
速 平均 最大
m
最大14.9
最大
◆ 降水量 年間 mm
◆ 降水量 年間 818.0
降水量 年間 ・笠鳥山・・・・・・・・(1,953m)【山梨百名山】
・兜山・・・・・・・・・・(913m)【山梨百名山】
・帯那山・・・・・・・・(1,422m)【山梨百名山】
・小楢山・・・・・・・・(1,713m)【山梨百名山】
・奥千丈岳・・・・・・(2,409m)
・北奥千丈岳・・・・(2,601m)
・乾徳山・・・・・・・・(2,031m)【日本二百名山・山梨百名山】
・黒金山・・・・・・・・(2,232m)【山梨百名山】
・破風山・・・・・・・・(2,318m)【山梨百名山】
・鶏冠山・・・・・・・・(2,115m)【山梨百名山】
・雁坂嶺・・・・・・・・(2,289m)【山梨百名山】
・国師ヶ岳・・・・・・(2,592m) 【山梨百名山】
・金峰山・・・・・・・・(2,595m) 【日本百名山・山梨百名山】
・甲武信ヶ岳・・・・・(2,475m)【日本百名山・山梨百名山】
連なる名峰
4
日本有数の果樹生産地 甘くて美味しい
大地の恵み
5
・一の橋館
・三富温泉 白龍閣 ・川浦温泉 山県館
・天科温泉 こやす
・笛吹の湯
《 三富地域 》 多くの名湯
多くの名湯
・赤松の湯ぷくぷく
・赤松の湯ぷくぷく
・ほったらかし温泉 ・正徳寺温泉初花
《 山梨地域 》
・はやぶさ温泉
・笛吹川温泉 ・鼓川温泉
・花かげの湯
《 牧丘地域 》
6
「恋人の聖地」
新日本三大夜景のフルーツ公園
標高1,700m付近に広がるお花畑
m付近に広がるお花畑
標高
乙女高原
《 室町時代に蔵王権現が祀られた修験道の山 》
《15m》
《 五丈岩 》
7
金峰山・・(2,595m)
・・(2,595m)
【日本百名山・山梨百名山】
個性豊かな
観光資源
個性あふれる
個性あふれる
農業・観光・環境
農業・観光・環境
伝統と歴史ある
伝統と歴史ある
地域社会
地域社会
資源循環型社会の実現
資源循環型社会の実現
農業・観光業
農業・観光業
の振興
の振興
8
情報発信・交流の展開
情報発信・交流の展開
参加・協働
参加・協働
による推進
による推進
観光・農林業の振興・地域活性化
観光・農林業の振興・地域活性化
多様なバイオマス
多様なバイオマス
自然エネルギーの活用
自然エネルギーの活用
山梨市地域新エネルギービジョン
豊かな自然
豊かな自然
歴史と文化 豊かな自然 やすらぎと活力ある快適住環境都市
~ 笛吹源流につながる
~ 笛吹源流につながる交流と連携のまち ~
つながる 交流と連携のまち ~
「フルーツフル コミュニケーション シティー」の実現
2-1.地域新エネルギーエネルギービジョン(平成17年度策定)
2.新エネルギー導入に向けた取組
○森林セラピー基地推進プラン
○住民・事業者・行政の連携による推進プラン
まちづくりプロジェクト
○太陽エネルギーの導入プラン
○小水力発電・小風力発電・ハイブリッド街路灯の導入プラン
○クリーンエネルギー自動車導入プラン・BDF
○クリーンエネルギー自動車導入プラン・ BDF燃料の利用
BDF燃料の利用
クリーンエネルギープロジェクト
○木質バイオマスエネルギーの導入プラン
○BDF導入プラン
BDF導入プラン
○バイオマスタウン推進プラン バイオマスタウンプロジェクト
新エネルギービジョンに掲げたプロジェクト
9
廃食油
BDF化
次世代エネルギーパーク構想
H18策定
H18策定
・事業費の把握
・スケジュール調整
・推進体制
全体計画
○廃食油の収集 ○新エネルギー導入に向けた調査
・センターハウス
・エコ住宅
環境教育
取 組 内 容
まちづくり
プロジェクト
H17策定
H17策定
○学校への新エネルギー施設導入
エコビレッジ構想
生ゴミ
メタン発酵
クリーンエネルギー
プロジェクト
新エネルギーの導入
・木質バイオマスと廃食油の詳細調査
・進行中事業の整理
木質バイオマス
熱利用
バイオマスタウン構想
H18.5認定
H18.5認定
バイオマスタウン
プロジェクト
山梨市地域新エネルギービジョン
2-2.新エネルギー導入に関わる計画の位置づけ
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・発電方式
発電方式:
発電方式 治山堰堤
を利用した水路・流れ
込み式
・有効落差
有効落差:約
137 m
有効落差
・最大出力
最大出力:
最大出力 340 kW
―計画概要―
夏
冬
平成19年4月から
1年間(月3回)の
流量調査を実施中
①徳和川小水力発電計画 流量調査
(1)調査中の新エネルギー
2-3.取組の紹介
11
風況測定
ポール
(民間事業者の取組)
②柳平風力発電風況調査
② 笛川中学校
・プロペラ型小型風力発電 ・平成18年3月導入
① 山梨北中学校
・ジャイロミル型小型風力発電 ・平成17年2月導入
(2)中学校への小風力発電導入
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2週間に1回、取組の点検
エコ会議
毎日照度をチェックして、
照明の調整を・・・
「省エネナビ」と「照度計」
省エネナビ
13
照度計
~1滴の水も無駄にしないようにしよう~
Stopだしっぱなし
~1分1秒の無駄をなくそう~
Stopつけっぱなし
を結成し、自主的に活動
◆「電気消し隊」「水を大切にし
◆「電気消し隊」「水を大切にし隊」
で省エネ活動を実施
◆ 生徒会活動の一環として、全校体制
(3)笛川中学校の取組「Kids’ ISO FOR SCHOOL」
(平成19年12月17日受賞)
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(平成20年1月12日国連大学にて)
認定賞授与式
(全国初)
Kids’ ISO FOR SCHOOL 認定
認定
地球温暖化防止活動環境大臣表彰
「環境教育・普及啓発部門」
平成19年度
平成 年度
平成19年度
平成 年度
笛川中学校の取組「Kids’ ISO FOR SCHOOL」
葛巻町 生産振興総合対策事業
②畜ふんバイオマス発電(14t/日処理)
月島機械㈱・NEDO共同研究
①木質バイオマスガス化発電(120kW)
くずまき高原牧場
(以前は豊かな森林資源を活かした林業が主産業であった)
◆基幹産業 :東北一の飼養頭数13,000頭を誇る酪農
◆人口 :約8,000人(山梨市の約1/5 )
◆ 面積 :435km2 (86%が森林)(山梨市の約2倍)
2-4. 先進地への視察
(1)岩手県葛巻町
15
3基の風車(1200kW)
エコ・ワールドくずまき風力発電㈱
11
11
平成
成 年
年「
「
新エ
エネ
ネル
ルギ
ギー
ーの
の町
町・
・
葛巻
巻」
」
宣言
言
平
新
葛
宣
フライブルク市では、小型ボ
イラーを大型ボイラーに接続し
て熱を利用するのが一般的
(集中暖房)
セントラルヒーティング
森林セラピー
2-4. 先進地への視察
(2)ドイツ連邦共和国( フライブルク、バード・ウェリスホーヘン)
16
行政、市民、事業者が互いに知恵を絞りながら
一つ一つの施策を積み上げていくことが重要だと
感じました。
ドイツが特別な技術を持っている
訳ではない・・・
ドイツ連邦共和国・・・その2
家庭ゴミは、戸別回収で4分別、ステーション回
収を含めると10種類以上に分別。市民の意識が
高く、手馴れた手つきで正確に仕分けていました。
フライブルク市内のゴミの量は、
20年間で3分の1に・・・
17
花かげの湯
笛吹の湯
チップまたはペレット化し、市営
温泉等のボイラー燃料に使用
木質バイオマス
木質バイオマス
森林と果樹生産から
森林と果樹生産から
温水プール
観光資源・
交流
持続型社会
農林業振興
森林保全
3-1.バイオマス資源の活用方針
18
廃食油はバイオディーゼル化し、
スクールバスや市営バスに使用
廃食油・生ごみ
廃食油・生ごみ
家庭や事業所から
家庭や事業所から
3.バイオマスの活用に向けた取組
一般家庭と事業所へのアンケート調査などを実施
平成19年1月から、モデル地区(12区14箇所)での廃食油の収集を開始
平成20年1月から、市内全域(146箇所)での廃食油の収集を開始
プラント導入予定
取 組 内 容
19
市内で収集した廃食油の成分分析から、事業化のコスト計算まで、詳細な調査を実施中
品質を重視した 今後望まれる バイオディーゼル燃料化事業 のモデルづくりをめざします!
平成19年3月に、バイオディーゼル燃料を軽油と混合して販売する場合の、品質の強制
規格が制定された。
バイオディーゼル燃料の品質についても任意規格が制定された。
日本でのバイオディーゼル燃料への取組は、性状が不安定な廃食油を原料とすること
が多いため、製造される燃料の品質が安定せず、車両への利用の際の問題が指摘さ
れている。
平成18年度
平成19年度
平成20年度
年度
(1)廃食油活用システムの事業化可能性調査
3-2.廃食油のバイオディーゼル燃料化事業
114 t
◆ 二酸化炭素 ・・・約
20
◆ごみ処理経費
・・・約42万円/年削減
◆代替軽油代(130円/ℓとして)
・・・約363万円/年
削減
削減
19 t
効果
◆ 可燃ごみ ・・・約
(年間30,000リットルの廃食油を収集して、
バイオディーゼル燃料として27,960リットル
利用した場合)
各区に設置しているリサイクル
ステーション(市内146
ステーション(市内146箇所)に
146箇所)に
「廃食油収集箱」と「広口ポリタ
ンク」を設置
廃食油の出し方は、ポリタンク
に移し入れてもらう方法と、2
に移し入れてもらう方法と、2リッ
トル以下のペットボトルに入れ
た廃食油をそのまま置いてもら
う方法の2
う方法の2通り
収集日は月1
収集日は月1回
(2)廃食油の収集について
果樹剪定枝
454 t
2,086
CO2 に換算すると、 約
リットル
約 491,000 リットル
公共施設の灯油消費量(H17調査から)
リットル
約
7,454,000
山梨市全体の約11%、
公共施設の約169%
に値する
山梨市全体の灯油消費量(H17調査から)
t- CO2
829,600
(初期段階に実現可能な回収量として。H18調査から)
製材系
1,231 t
灯油に換算すると、約
合 計 3,352 t /年 森林系
1,667 t
(1)木質バイオマスの利用可能量
3-3.木質バイオマスの活用
21
必要だと考えられますが、とりわけ供給側の活力が低下しているため、まずは需要の確
保が重要であると考えられることから、公共施設へのペレットボイラーの導入を推進しま
す。
22
長野県飯田市役所ペレットストーブ
間伐等森林整備の促進、ペレット製造の事業化には、経済的な循環構造を築くことが
③ 温泉施設へのペレットボイラー導入
新庁舎にペレットストーブを導入します。
木質バイオマスエネルギーの活用と、市民への啓発を図るため、
② 新庁舎へのペレットストーブ導入
業化を希望する業者があり、用地の検討等の支援を行っています。
◆ 木製トレー製造工場の建設
間伐材を材料とした木製トレーを製造できる工場の建設について、山梨市内での事
めています。
◆ ペレット製造プラントの建設
市内の製材業者で、ペレット製造を検討しており、補助金の申請に向けて協議を進
① 民間事業者の取組
(2)今後の展開
ライオンの森
ライオンの森
森林セラピー
森林セラピー
二酸化炭素
二酸化炭素
吸収・固定
吸収・固定
森 林 整 備
木質バイオマス
木質バイオマス
の活用
の活用
水土保全
水土保全
市産木材の
市産木材の
積極的使用
積極的使用
森林整備の必要性を多方面に見出し整備を推進します
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山林は急傾斜地に多く、運び出しが困難なため、費用が掛かかります。また、木材単価の下落や
森林所有者の高齢化、山林に対する意識の薄れ等から、十分な森林整備が進んでいません。
木質バイオマス活用の課題
~森林の多面的機能の活用と森林整備の推進~
4.森林資源活用の取組との連携
ライオン株式会社は、森林整備費用の一部負担と、年に2
回を基本とした森林整備ボランティア活動を実施しています。
森林整備体験(間伐の様子)
(山梨市、峡東森林組合、ライオン株式会社)
平成18年8月 森林整備協定締結
山梨県の「企業の森推進事業」により、
(1)ライオン山梨の森
(水口元気な邑づくり推進協議会)
ほうとうづくり
巣箱作りと巣箱掛け
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平成19年度は、グランドオープンを控えて、モニターツ
アーやボランティア観光ガイドの研修を実施しました。
西沢渓谷でのボランティア観光ガイド研修
平成20年4月 グランドオープン
平成18年3月「森林セラピー基地」認可
(2)森林セラピー基地
ストレスチェック
アメリカコネチカット州との交流
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新エネルギー導入
○子どもたちの体験学習や市民のセミナー・自主活動
を推進し、新エネルギーへの理解と省エネルギーの
啓発を図る。
○新エネルギーについての見学等と、市の自然を実
体験することを併せて、環境問題について、各々が
模索できるようなエコツアーを実施する。
環 境 教 育
取り組み間の連携
○新エネルギーの導入
○森林セラピー基地
○ライオン山梨の森
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~生活の中に新エネルギーを~
○新エネルギー省エネルギー設備、環境に配慮
した資源循環型生活の場を提供
次世代型ライフスタイルの実践
①太陽光発電
②小水力発電
③風力発電
④木質バイオマスの熱利用
⑤廃食油のバイオディーゼル化
○面積の約80%を占める森林
○高低差が大きく、変化に富んだ地勢
○恵まれた日照時間
○全国トップクラスの果樹生産量
○景観・果樹・ワイン・自然などの観光資源
○首都圏からの良好なアクセス
山梨市の特徴発揮
まちごと次世代エネルギーパーク