1. 業務の実施状況 - 日本原子力研究開発機構

1. 業務の実施状況
1.1 高速増殖炉(FBR)の研究開発業務の実施状況
(1) FBRサイクル実用化戦略調査研究
当該四半期においては、フェーズⅡ*1)の研究計画に従って、設計研究及び要素技術開
発を着実に進めるとともに、フェーズⅡ終了以降の計画や有望プラント概念の技術的実現
性等について、検討を継続した。
FBRシステムに関する主な成果としては、ナトリウム冷却炉、ヘリウムガス冷却炉、鉛ビス
マス冷却炉及び日本原子力研究所が実施している水冷却炉の炉心燃料設計、プラント設
計をとりまとめ統合評価に必要となる諸量データを整備した。
ナトリウム冷却炉については、軽水炉と同等の運転・保守性を確保するために、供用期
間中検査方針(案)をナトリウムの特徴を考慮しながら策定した。また、本方針に基づき炉内
構造物の検査孔の設置等に係る情報をプラント設計に反映した。
要素技術開発では、大流量・大口径配管の1/3縮尺水流動・振動試験を実施し、圧力変
動特性の流速依存性やステンレス鋼配管での振動応答データを取得した。ポンプ組込型
中間熱交換器については、平成17年度の総合試験実施に向け、装置製作に関する作業
を継続した。
各炉型に共通の技術開発としては、ロシアの高速増殖実験炉BOR-60でのODS鋼*2)燃
料ピン先行照射の第1期分(燃焼度:∼5.1at%、照射量:∼21.1dpa)が完了し、照射後試
験を実施中である。
燃料サイクルシステムに関する主な成果としては、経済性向上を目指した設計検討、要
素技術開発等で取得したデータの反映により、施設及びプロセス設計の詳細化を行った。
要素技術開発のうち、再処理技術の主な成果としては、第3四半期までに高レベル放射
性物質研究施設(CPF*3))において「常陽」使用済燃料の溶解液を用いて実施した先進湿
式法*4)に係る簡素化溶媒抽出*5)及び晶析*6)試験の分析データの整理・解析を行っている。
金属電解法*7)については財団法人電力中央研究所との共同研究に基づきCPFに設置し
た試験用設備において、プルトニウム(Pu)を用いて実施した試験の分析データの整理・解
析を行っている。酸化物電解法*8)については、応用試験棟に設置した溶融塩電解*9)試験
装置を用いて、ウラン(U)を用いた電解 *10)試験を実施し、分析データの整理・解析を行っ
た。
燃料製造技術の主な成果としては、ショートプロセス製造技術*11)に係る混合酸化物を用
いた成型・焼結試験の分析データの整理・解析を行っている。また、マイナーアクチニド
(MA)*12) 含有燃料ピン照射に供するアメリシウム(Am)含有燃料の製造を継続した。スフェ
アパック燃料*13) については、スイスのポール・シェラー研究所(PSI*14) )及びオランダのエ
ネルギー研究機構(NRG*15))との共同研究による照射試験を終了し照射後試験を実施して
いる。
実用化候補概念明確化のための多面的評価手法については、5つの開発目標と技術
的実現性、事業容易性、社会的受容性に関する評価構造と評価基準を見直し、試評価を
実施して、それらの適用性を確認した。また、各指標の重み付けの方法を整備し、主として
開発を進めていく有望な概念と補完的に開発を進める概念の明確化に向けた手順を確立
した。社会的受容性向上への取組みに関しては、アンケート調査を実施し、FBRサイクル
Ⅰ−1
開発に対する認知状況を把握するとともに、効果的な広報素材が携えるべき事項を摘出し
た。また、アンケート調査を通じて、参考的にサイクル候補概念間の社会的受容性の比較
を行った。
*1) フェーズⅡ:フェーズⅠで抽出した候補概念に対して、革新的技術を取り入れたシステム設計を行う。工学的試験な
どにより技術的成立性を確認し、実用化候補概念として複数の候補を提案するとともにその後の開発計画を提案。
*2) ODS 鋼(Oxide Dispersion Strengthened Stainless Steel、酸化物分散強化型ステンレス鋼):燃料ピンを高燃焼度まで
(平均燃焼度目標 150GWd/t)使うため、フェライト系ステンレス鋼組織中に微細な安定酸化物粒子を分散させ、高温
強度を改善することをねらった材料。
*3) CPF:Chemical Processing Facility
*4) 先進湿式法:軽水炉燃料の再処理法として実績のある PUREX 法を大幅に見直した簡素化溶媒抽出法と晶析法を
組合せ、さらに TRU 回収機能を付加した先進的な湿式再処理方法。
*5) 簡素化溶媒抽出:PUREX 法のようにプルトニウムを単独で分離せず、ウラン、プルトニウム及びネプツニウムを一括し
て抽出することなどにより、従来の溶媒抽出工程の大幅な簡素化を図っている。
*6) 晶析:一般に溶液を過飽和にして溶質を結晶として取り出す操作をいう。ここではウランを溶解した硝酸溶液を冷却
し、溶質である硝酸ウラニル(ウラン化合物)を結晶として取り出す。
*7) 金属電解法:使用済燃料を溶融塩中に溶解し、酸化・還元電位差を利用して金属ウランを固体陰極に析出させる。
その後、溶融カドミニウム陰極でプルトニウム及びMAの析出生成自由エネルギーがウランと近接することを利用して
金属プルトニウム・ウラン・MAの共析出を行い、アクチニドを回収する乾式再処理法。基本プロセスはアメリカANL
が開発した。
*8) 酸化物電解法:使用済の酸化物燃料を溶融塩中で塩素ガスを吹き込みながら溶解し、酸化・還元電位の差を利用し
て、アクチニドを酸化物として共析出する乾式再処理法。基本プロセスはロシア RIAR が開発した。
*9) 溶融塩電解:塩の単体あるいは混合物を、その融解点以上に加熱して液状の溶融塩をつくり、この中で電解を行うこ
と。融解塩電解とも呼ばれる。乾式再処理では、塩化リチウム(LiCl)、塩化セシウム(CsCl)等の溶融塩やカドミウム
(Cd)等の液体金属の中で電解を行う。
*10) 電解:電気分解。一対の電極を電解質溶液、融解塩などの電気伝導性を持つ液体に挿入し、外部からの電流を通
じて化学変化を起こさせる操作。乾式再処理では、酸化・還元電位の差を利用してウラン、プルトニウム等の目的元
素を酸化物、合金等の状態で回収する。
*11) ショートプロセス製造技術:MOX 燃料製造コストの低減を目的に、現行の燃料ペレット製造プロセスの簡素化を図り、
工程を大幅に削除したプロセスのこと。使用済燃料を再処理して得られる MOX 粉末を直接ペレット成型することによ
り、現行の製造工程を約1/3までに短縮できる見通しが示されている。
*12) マイナーアクチニド(Minor Actinide):周期律表において原子番号 89 のアクチニウムから 103 のローレンシウムに至
る 15 の元素を総称してアクチノイド元素といい、このうちアクチニウムを除いたものをアクチニド元素という。使用済燃
料中でウラン、プルトニウムに比べ存在量の少ないアメリシウム(Am)、キュリウム(Cm)及びネプツニウム(Np)をマイ
ナーアクチニドと称する。
*13) スフェアパック燃料:MOX 等の小さな球状の粒子燃料を被覆管に充填した燃料ピンをスフェアパック燃料という。こ
の際には、充填密度を上げるため被覆管に振動を与えながら 2∼3 種類(数 10μm∼1000μm)の径の粒子を組み
合せて充填する。
*14)PSI:Paul Scherrer Institut
*15)NRG:Nuclear Research and Consultancy Group
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(2) FBR 固有の技術開発
FBR 固有の特徴(高速中性子の利用、高温構造システム、液体金属等を冷却材として
利用)を踏まえ、「安全性の研究」、「炉心・燃料の研究」、「構造・材料の研究」を FBR 基盤
技術の 3 本柱とし、アメリカ、フランス、ロシア等との国際協力も活用して研究開発を継続し
た。また、FBR サイクル実用化戦略調査研究で進めている種々の候補概念の成立性判断
や絞込みに研究成果を反映するため、重点化を図って研究開発を継続した。
(3) 高速実験炉 「常陽」
高速実験炉「常陽」は、平成15年11月に「常陽」MK−Ⅲ改造工事を終了した後、本格
運転として第1サイクル(5月24日∼7月27日)、第2サイクル(8月23日∼10月23日)の運転を
行った。また、第2’サイクル運転(11月15日∼17日)として、燃料破損模擬試験を行った。
今年度の運転を計画通り終了し、11月26日から第14回施設定期検査(∼平成17年11月14
日)を継続しており、当該四半期では、5回定期検査ごとに実施する回転プラグ分解点検等
を完了した。
表1.1-1
平成 16 年度
「常陽」運転工程
平成 17 年度
MK-Ⅲ(第 1,2,2’サイクル運転)
「常陽」運転工程
(140MW)
平成 18 年度
MK-Ⅲ(第 3∼6 サイクル運転)
(140MW)
第 14 回施設定期検査
第 15 回施設定期検査
(4) 高速増殖原型炉 「もんじゅ」
平成 16 年 6 月 22 日、プラント維持費節減のため、2 次主冷却系ナトリウムをドレンし、1
次冷却系 1 系統のナトリウムのみを循環する冷却系の運用変更を行っている。
平成 16 年度設備点検を、7 月 5 日から実施し、平成 17 年 3 月 30 日に計画した作業を
すべて終了した。今回の設備点検では、ディーゼル発電機設備、原子炉補機冷却海水ポ
ンプ、制御用空気圧縮機、液体廃棄物処理設備廃液加熱器の分解点検等を実施した。ま
た、追加作業として、過熱器(C)ナトリウム入口分配管等の修復を行った。点検実績を表
1.1-2 及び表 1.1-3 に示す。
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表 1.1-2
平成 16 年度設備点検主要工程(実績)
平成17年3月30日
項 目
4月
5月
6月
7月
平成16年度
9月 10月 11月 12月 1月
圧縮機(A)
8月
1次アルゴンガス系
設備
2月
3月
備 考
エクステンション弁
1次メンテナンス
冷却系設備
熱交換器(A)等
原子炉補機冷却水
設備
熱交換器(B)等
原子炉補機冷却海水ポンプ(A、C1)等
原子炉補機冷却海水
設備
冷却ポンプ(B)
機器冷却系設備
制御用空気圧縮機(A)等
制御用圧縮空気設備
廃液加熱器(A)等
液体廃棄物処理設備
中央制御室空調装置浄化ファン(B)等
換気空調設備
冷凍機(A)等
冷凍機(B)等
内燃機関(A)等
内燃機関(B)等
空調用冷媒・冷水設備
ディーゼル発電機設備
メタクラ(6.6kv)、パワーセンタ(A,D系:440v)
所内電源供給設備
蓄電池、インバータ盤、充電器等
無停電電源
一般計装電源設備
275kV開閉装置
等点検
屋外開閉所
主要変圧器設備
275kV送電線引込部・起動用
変圧器(1A,1B)
過熱器入口分配管等の修復
過熱器(C)の修復作業
(追加作業)
表 1.1-3
平成 16 年度設備点検期間内の設備保全工程(実績)
平成17年3月30日
項 目
4月
5月
6月
7月
8月
平成16年度
9月 10月 11月
取水口、もんじゅ港の浚渫等
もんじゅ港湾内の浚渫
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12月
1月
2月
3月
備 考
平成 16 年度第 4 回保安検査が 2 月 14 日から 2 月 25 日にわたり原子力安全・保安院に
より実施された。保安検査では、原子力安全に係る品質マネージメントシステムの保安規定
への取り組みを踏まえ、放射性廃棄物管理に係るプロセス確認等を中心に詳細な検査が
行われた。今後も、安全確保のもと施設の適切な維持管理と改造工事を着実に実施してい
く。
平成 15 年 11 月 21 日に福井県知事からサイクル機構に対し、「もんじゅ」の安全確保対
策の強化や研究開発拠点化の推進等についての要請書が出された。この回答書を平成 17
年 2 月 3 日に福井県へ提出し、2 月 7 日には福井県及び敦賀市から改造工事の事前了解
を頂いた。これを受けて 2 月 21 日に経済産業省に対し原子炉設置許可における工事計画
の変更届出を行うとともに、同日、福井県及び敦賀市に対し、ナトリウム漏えい対策等に係
る工事計画を提出した。その後、準備工事開始安全大会を 3 月 1 日に行い、3 月 3 日から
準備工事を開始した。表 1.1-4 に「もんじゅ」工事工程を示す。
表 1.1-4
平成17年度
平成16年度
1∼3
「もんじゅ」工事工程
4∼6
7∼9
10∼12
平成19年度
平成18年度
1∼3
4∼6
7∼9
10∼12
1∼3
4∼6
7∼9
10∼12
1∼3
準備工事
臨界
照明器具の撤去、仮設電源の設置、
床、壁の穴あけ工事、扉・ハッチ改造など
本 体 工 事
2次冷却系温度計の交換・撤去工事、
ナトリウム漏えいに対する改善工事、
蒸発器ブローダウン性能の改善工事
工事確認試験
セルモニタ機能試験、ドレン系機能試験など
プラント確認試験
1次主冷却系循環ポンプ運転試験、
制御棒駆動装置運転試験、燃料交換など
設 備 点 検 (適宜実施)
研究開発拠点化の推進について、福井県「エネルギー研究開発拠点化計画策定委員
会ワーキンググループ」は、第 4 回会合を 1 月 26 日に開催し、エネルギー研究開発拠点化
計画骨子(案)をとりまとめた。1 月 29 日の第 2 回計画策定委員会にて計画骨子(案)が了
承された後、2 月にはパブリックコメントを行い、3 月 26 日の第 3 回計画策定委員会にて拠
点化計画が策定された。
サイクル機構「敦賀本部研究開発強化検討委員会(委員長:伊藤靖彦同志社大学教
授)」は、第 3 回委員会を 1 月 19 日に開催し、委員からのご意見に対するサイクル機構の対
応等について審議いただいた。また、日本原子力学会に設けた「もんじゅ研究利用特別専
門委員会」については、4 つのワーキンググループ(照射利用、プラント・熱利用、教育、ア
ンケート)を設置し、活動を開始した。
地域の皆様にサイクル機構の業務及び原子力の基本的な事項も含めて理解していただ
くことを目的に「さいくるミーティング」を継続して実施している。平成 13 年 10 月 1 日から開
Ⅰ−5
始して、平成 17 年 3 月 31 日で 453 回 13,722 人の方々と交流を図った。3 月 25 日(敦賀)
と 30 日(福井)には、「サイクル機構 業務報告会」を開催し、敦賀では約 210 名、福井では
約 230 名の参加のもと、「もんじゅ」の今後の取り組み等について報告した。報告会では、参
加者から「地域との共生を深めて欲しい」、「小さなトラブルでも迅速な情報公開を」、「地元
への理解活動を継続してほしい」などの貴重な意見を頂いた。一方、「もんじゅ」見学会を継
続的に開催し、当該四半期においては、県内から 1,036 名(累積 81,494 名)の方々に直接
現場を見学していただくとともに、御意見を頂いた。
(5) 「もんじゅ」に係る研究開発
「もんじゅ」による研究開発、FBR サイクル総合研修施設や運転訓練シミュレータを用い
た運転員・保守員の教育訓練、国際協力、敦賀地区の技術情報管理にかかわる業務を進
めている。
① 研究開発
a. プルトニウム利用高度化を目指した研究開発
高速増殖炉燃料の高性能化については、当初設計の安全・安定運転を達成した後の高
度化された炉心体系への移行計画や、マイナーアクチニド照射試験計画等について検討
を継続した。
b. 供用期間中検査技術開発
原子炉容器廻り検査システムと蒸気発生器伝熱管検査システムの開発整備を進めてい
る。
原子炉容器廻り検査システムについては、検査装置への搭載を検討している EMAT(電
磁超音波探触子)について、センサー用磁石の小型高性能化のための構造検討を行って
いる。今までに行った予測解析及び試験により、センサー用磁石として Halbach 磁石構造
を用いることにより、従来の EMAT に比べて約 2 倍の検出感度が得られることが分ってきた。
現在、更に小型化が可能な単一探触子法による検出方法と信号処理方法の検討を進めて
おり、従来の 2 倍の信号対ノイズ比(S/N 比)が得られる差分処理手法を考案し試験により確
認した。蒸気発生器伝熱管検査システムについては、ECT(渦電流探傷)センサー性能の
向上を目指し、センサーの解析・試作・試験を進めている。現在、短管試験片や実寸大の
モックアップ装置を用いて各種人工欠陥の検出試験を実施するとともに、取得した欠陥信
号を用いて欠陥の形状やサイズを予測する手法の検討を進めている。
c. 運転・保守支援技術、機器・システム技術の高度化
運転・保守支援技術開発については、「もんじゅ」作業票・保修票管理システムの開発、
CAD データの整備を継続して進めている。配管系統図の電子化は完了しており、今後改
造工事の設備変更に対応していく。
予防保全技術の開発として、地震時構造健全性速報システムの開発を進めた。また先
行高速炉のトラブル事例の調査を継続すると共に、1 次主冷却配管系の応力解析を継続し
た。
d. 「もんじゅ」プラント評価
高速炉の設計条件や仕様を決める際の判断を支援するソフトウエアの高度化、及び蒸
Ⅰ−6
気発生器の内部挙動を詳細に把握するための解析コードの整備を進めている。また,水・
蒸気系設備を中心にスクラムフォルトツリーの検討・評価を実施している。
e. FBR 実用化戦略調査研究
軽水炉に比肩できる FBR 発電コストを達成するためには、定期検査の期間を短縮し、プ
ラントの稼動率を向上させる必要があり、大洗工学センターを中心に進めている実用化戦
略調査研究の一環として、国際技術センターでは運転・保守コストの低減のための検討を
行っている。
高温用蒸気発生器伝熱管体積検査技術の開発については、高温ナトリウム中に伝熱管
を浸漬した状態における超音波による欠陥検出性能試験を行い、ノンカプラント式の電磁
超音波とロングレンジ超音波の適用可能性について検討した。
② 教育訓練
平成 16 度 FBR サイクル総合研修計画及びシミュレータ研修計画を策定し、運転員や保守
員の教育訓練を計画的に進めている。
平成 17 年 1 月から 3 月にかけては、6 コースのナトリウム取扱研修及び保守研修を計 10
回(延べ受講者数 77 名)、シミュレータ研修を 11 コース計 25 回(述べ受講者数 118 名)実施
するとともに、FBR 技術者育成のための FBR 技術研修の最終講座として整備を進めてきた
FBR 応用講座Ⅳを開講し 8 名が受講した。
また、「国際技術センター教育検討会」を開催し、平成 17 年度教育研修計画を審議、策定
するとともに、研究開発拠点化計画の一環として行う、県内企業を対象とした技術研修などに
ついてその準備を進めている。
③ 技術情報管理
「もんじゅ」プラント運転支援に必要なネットワーク計算機、性能評価などに利用する共有
科学技術計算機の運用・管理、及び事務業務・FBR 研究開発業務に必要な計算機につい
て IT インフラ環境の運用・整備・高度化を継続した。本期間中においては、ネットワークウィ
ルス信号への対応、敦賀本部基幹 LAN 更新、ソフトウェアライセンス管理のフォローを実施
した。
④ 外部機関との研究協力
財団法人若狭湾エネルギー研究センターとの研究協力では、「高速炉制御棒材の照射影
響に関する基礎研究」など 3 件の平成 16 年度の研究を実施した。
共同研究では、福井大学と「液体金属中のキャビテーション壊食に関する研究」「高出力ミ
リ波セラミックス焼結法による制御棒材の改良と長寿命化」の平成 16 年度の研究を実施した。
また、福井大学、福井キヤノン事務機株式会社と「ヘリカルコイル型蒸発管内の沸騰現象の
可視化・事象解明」を実施した。
先行基礎工学研究協力では、福井大学と「高速増殖炉構造材の超長寿命疲労強度特性
に関する基礎研究」、「光画像計測を応用した気液二相壁面乱流の特徴抽出に関する研
究」を、また、京都大学と「Fe 基系ホイスラー合金熱電モジュールの高温システム適合技術に
関する研究」を、更に、大阪大学とは「もんじゅ性能試験における反応度分布・増殖比解析手
法の高度化研究」について実施した。
核燃料サイクル公募型研究では、蒸気発生器伝熱管の検査用プローブが伝熱管内で振
動ノイズを生じる現象について九州大学と共同研究を実施した。
Ⅰ−7
更に、福井大学大学院工学研究科に非常勤講師を派遣し、「エネルギー・環境概論」、
「高速炉構造工学」等の講義を行っている。
1.2 FBR燃料の研究開発業務の実施状況
(1) FBR燃料の開発
① 炉心・燃料設計の概念検討
「もんじゅ」の燃料に用いられるプルトニウム原料の有効利用、並びに多様化に対応し
て新たな炉心・燃料の設計が必要となってきている。このため、その有力な一方策である
ペレット密度を高めた「もんじゅ」炉心・燃料の概念検討を継続した。
② 簡素化プロセス技術開発
MOX 燃料ペレット製造の工程数を大幅に削減し、製造コストの低減を図る簡素化プロ
セス法の基礎試験として、再処理転換施設より流動性を改良したプルトニウム富化度調整
済原料 MOX 粉末を受入れ、成型・焼結試験を実施し、粉末の特性を評価した。また、簡
素化プロセスに係る機器開発として、乾式ダイ潤滑装置を組み込んだ中空ペレット製造用
モックアップ試作機(成型設備)を用いた模擬粉末によるペレット成型試験を継続した。ま
た、流動性不良粉末を強制的に成型機ダイスに押し込むエアタップ充填法による強制充
填試験を継続した。
③ FBR 燃料製造
プルトニウム燃料第三開発室において、加工事業許可の下、低密度燃料ペレットの製
造を安定的に行うため、これを開発・導入した設備の性能・特性を確認するとともに、低密
度燃料ペレットを製造する上で必要な条件を把握することを目的として、製造条件確認試
験を継続した。
(2) 先進的核燃料リサイクル技術開発
新製造法の開発として、振動充填燃料開発に係る粒子燃料製造及び振動充填のウラン
及びコールド試験を継続した。さらに、スイスのポールシェラー研究所(PSI)及びオランダの
エネルギー研究機構(NRG)との共同研究では、HFR炉*1)における照射試験ピンの全て
の照射試験を終了し、照射後試験を実施している。
また、核断面積測定技術開発の一環として、測定方法の評価試験を継続した。
*1)HFR 炉:High Flux Reactor
(3) 高速炉燃料の再処理技術開発
湿式法技術開発として、高レベル放射性物質研究施設(CPF)において、使用済燃料ピ
ンを用いた晶析試験等の試料の分析作業を実施した。また、機器開発について、遠心抽
出器の振動特性試験を継続した。
乾式法技術開発として、酸化物電解法について、応用試験棟のウラン試験設備を用い
て希土類影響評価試験を実施した。金属電解法について、CPFのプルトニウム試験設備
にて、プルトニウムを用いた試験の後処理を実施するとともに、新たにグローブボックスの増
設工事を実施した。また、機器開発について、前処理工程の機器開発を継続するとともに、
るつぼ冷却式誘導加熱型電解槽の実機概念設計を継続した。
Ⅰ−8
1.3 再処理技術の研究開発業務の実施状況
(1) 軽水炉燃料の再処理技術開発
分離精製工場等は、平成17年2月2日より05−1キャンペーンを開始し、6月中旬頃に終
了する予定である(本キャンペーンにおける使用済燃料の処理予定量は約26.9t)。平成17
年3月末現在の使用済燃料の処理量は約12.4t、累積処理量は約1,074tである。
ガラス固化技術開発施設(TVF)は、平成17年2月15日から運転を開始し、5月中旬頃に
終了する予定である(本期間におけるガラス固化体の製造予定本数は40本)。平成17年3
月末現在のガラス固化体の製造本数は19本、累積製造本数は169本である。
表 1.3-1 再処理施設実績工程
平成17年
2月
年・月
項目
05−1 キャンペーン
1月
3月
2
1.4 高レベル放射性廃棄物処理処分技術の研究開発業務の実施状況
(1) 高レベル放射性廃棄物処理技術開発
廃棄物研究開発データベースの運用を継続した。
(2) 高レベル放射性廃棄物処分技術開発
平成 16 年度地層処分技術に関する研究開発報告会を開催(3/8 於東京)し、約 450 名
の参加を得た。また、平成 17 年度の成果取りまとめに向けて、ドラフト版の原稿作成を開始
した。
国外研究機関との協力については、多機関が参加している国際プロジェクト
DECOVALEX(熱-水-応力-化学連成モデルの開発確証に関する国際共同研究)に関し
て 5 つあるタスクの技術会議及び運営会議(2 月 20 日∼25 日、中国)に参加し、連成解析
モデルの開発状況の報告、解析データ等に関する議論を行った。また、アメリカエネルギ
ー省(DOE)各研究所との共同研究のうち、ローレンスバークレー国立研究所(LBNL)との
共同研究について、平成 16 年度の成果報告会(2 月 7 日∼8 日、東海)を開催し、共同研
究の進捗を確認するとともに、平成 17 年度以降の計画について協議した。
国内関係機関との協力については、原子力発電環境整備機構(NUMO)との運営会議を
3 月に開催した。また、処分場の閉鎖技術の評価に関する NUMO とサイクル機構の共同の
検討結果を国際会議「Tours 2005」(3 月 14 日、フランス)にて発表した。
なお、サイクル機構内で実施している個別の研究開発の実施状況は以下の通りである。
Ⅰ−9
①
高レベル放射性廃棄物処分技術開発
東海事業所における業務は、実施主体の進める処分事業や国による安全基準等の整
備に向け、その成果を反映させ、「実際の地質環境への地層処分技術の適用性確認」及
び「地層処分システムの長期挙動の理解」を図ることを目的としている。平成 13 年度より 5
年間の研究開発計画を設定しており、平成 16 年度は、当初計画に沿い処分技術の信頼
性向上及び安全評価手法の高度化を図るべく、研究開発を継続した。
当該四半期においては、「地上からの地質環境の調査技術及び設計・安全評価手法の
整備」を目的とした平成 17 年度取りまとめ報告書の作成に向け、分野別レポート(「処分技
術の信頼性向上」、「安全評価手法の高度化」)のドラフトを完成させるとともに、知識化レポ
ート(旧名:連携レポート)作成に向けて、東濃地科学センター、幌延深地層研究センターと
協同で解析作業を行った。また、平成 17 年度取りまとめ報告書のうち、「処分技術の信頼
性向上」、「安全評価手法の高度化」の分野について、地層処分研究開発検討委員会(2
月 1 日∼2 日)を開催し、国内の専門家と意見交換を行った。さらに、地層処分技術に関す
る研究開発報告会において、平成 16 年度の東海事業所の研究成果を報告した(3 月 8
日)。
地層処分基盤研究施設(ENTRY*1) )において、緩衝材の長期挙動を評価するための試
験、オーバーパック候補材料の腐食寿命評価に関する試験、エックス線 CT を用いたガス
移行試験、熱−水−応力−化学連成モデル開発、岩体研削装置を用いた岩体研削と亀
裂開口幅測定等を継続するとともに、地層処分放射化学研究施設(QUALITY*2))において
も、溶解度積・加水分解定数導出のための Np(Ⅳ)溶解度試験、フミン酸共存下での Np(Ⅳ)
溶解度試験、ベントナイトコロイドに対する Cs・Np(Ⅳ)収着試験、海水条件における堆積岩
に対する Np(Ⅳ)収着試験及び鉄腐食物共存下での圧縮ベントナイト中 Np(Ⅳ)拡散試験を
継続した。さらに、CPFにおいて、高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)のアルカリ性溶
解環境での浸出試験を継続した。なお、昨年 8 月に公開した核種移行データベースの国
内外のユーザ登録者数が 250 件を超えた。
日本原子力学会における標準化活動の一環として、深地層分配係数測定方法の基本
手順の標準化について、最終案の作成を完了した。今後、標準委員会での審議、パブリッ
クコメント対応が行われる予定である。
経済協力開発機構原子力機関(OECD/NEA)熱力学データベース(TDB)プロジェクトフ
ェーズⅢの運営会議に参加し、更新 TDB の信頼性確認や専門家支援について審議した
(2 月 22 日∼23 日)。また、カナダ原子力公社(AECL)と閉鎖技術に関する共同研究会議
(トンネルシーリング試験)を開催し、最終報告書作成等に向けて今後の計画を議論した(3
月 10 日∼11 日)。さらに、フランス放射性廃棄物管理機関(ANDRA)主催の国際会議にお
いて、ベントナイトコロイドに対する Cs の収着挙動、泥質岩中の海水系地下水を対象とした
原位置地下水水質の推定方法に関する研究成果について発表した(3 月 14 日∼18 日)。
日本原子力学会「2005 年春の年会」において、天然現象影響評価手法、移行経路の不
均質性の感度解析手法等に関する研究成果(合計 4 件)を発表した(3 月 29 日∼31 日)。
*1) ENTRY:Engineering Scale Test and Research Facility
*2) QUALITY:Quantitative Assessment Radionuclide Migration Experimental Facility
② 地層科学研究
平成16年度の調査研究計画に基づき、東濃鉱山周辺の広域における地下水の動きや水
質の変化を調べるための深層試錐孔を用いた地下水観測や地質環境の長期安定性に関
Ⅰ−10
する各地での事例研究などを実施した。
③ 深地層の研究施設
深地層の研究施設計画に関する検討部会を開催し、現況を報告するとともに、平成17年
度の成果取りまとめに盛り込むべき内容について意見を聴取した。
瑞浪超深地層研究所においては、掘削用地上設備の設置作業を完了し、掘削櫓(やぐ
ら)を用いた本格的な掘削を開始した。また、浅層試錐孔を利用した堆積岩中の地下水の
長期観測を継続するとともに、花崗岩を対象とした深層試錐孔を用いた地下水調査等を終
了し、長期観測装置を設置した。正馬様用地においては、地下水の長期観測を継続した。
幌延深地層研究計画では、地下施設の実施設計を終了した。平成17年度から掘削を
開始する。また、平成 16 年度分の試錐調査(3 孔)のうち、2 孔(深度 500m)の調査を終了し
た。1孔(深度 1,000m)は、平成 17 年度まで継続する。財団法人電力中央研究所との共同
研究として実施しているコントロールボーリング技術の現地適用性試験については、平成 16
年度分の試錐調査を終了した。
1.5 環境保全技術開発業務の実施状況
(1) 環境保全技術開発
東海事業所では、低レベル放射性廃棄物管理プログラムに基づき、再処理系廃棄物の
データの取得・整備を行うとともに、廃棄体化処理等の合理的な処理施設計画の検討を継
続した。また、廃溶媒等の有機廃棄物を高温の水蒸気を用いて分解処理する技術開発で
は、工学規模の試験装置を用いた今後のホット試験に向けて、作業マニュアルの作成・装
置の整備を行った。さらに、廃棄物中の放射性核種の計測技術開発等を進めている。
TRU 廃棄物*1)処分技術開発については、スイス放射性廃棄物管理共同組合(Nagra)の
専門家によるレビュー等を行った。また、電気事業者と協力し今後の公表に向け、技術的
成果の取りまとめ及び処分システムの概念研究・性能評価研究を継続した。さらに、ウラン
廃棄物に関しては主要発生者と協力し、今後の制度化に向けたクリアランスレベル等の検
討を進めている。
大洗工学センターでは、固体廃棄物処理技術開発施設(LEDF*2))について、処理プロ
セス、機器類の詳細検討、建屋の構造計算、換気系等の詳細検討等を完了した。
表 1.5-1 LEDF 計画
平成 16 年度
平成 17 年度
詳細設計Ⅰ
詳細設計Ⅱ
実施設計Ⅰ
実施設計Ⅱ
平成 18 年度
○固体廃棄物処理技
術開発施設(LEDF)
(1)内装設計
(2)建屋設計
許認可等
(3)建設工事等
Ⅰ−11
着工
*1) TRU 廃棄物:原子番号 93 以上の超ウラン元素(trans uranium)を含む放射性廃棄物
*2) LEDF:Large Equipment Dismantling Facility
(2) 廃止措置技術開発
大洗工学センターの重水臨界実験装置(DCA*1))の廃止措置(平成14年1月21日解体
届を国に提出)は、原子炉機能を停止する第1段階を経て、燃料棒分解洗浄設備等を解
体撤去する第2段階(平成15年開始)、原子炉本体を本格的に解体する第3段階(平成20
年頃開始)、そして原子炉建屋を解体する最終段階の第4段階(平成25年頃開始)に分け
て実施する計画である。これに基づき、残存放射性物質の評価に関する試料の測定評価
を行った。
「ふげん」では、廃止措置準備として、トリチウムの除去試験を開始するとともに、廃止措
置エンジニアリング支援システムの構築に向けて、廃止措置計画評価システム
(COSMARD)に係わる日本原子力研究所との共同研究等を継続している。また、廃止措
置安全性に係わる外部調査等への協力を行った。
人形峠環境技術センターでは、施設解体に係る支援システムについて、プロトタイプの構
築を完了するとともに、対象施設・設備のデータベース整備を行った。
東海事業所プルトニウム燃料センターでは、プルトニウム燃料第三開発室のグローブボ
ックス(GB)解体設備における解体作業を通して、MOX 燃料製造施設における GB 解体技
術開発を継続した。
*1) DCA:Deuterium Critical Assembly
(3) 施設設備の管理等
① 新型転換炉「ふげん」
新型転換炉ふげん発電所は廃止措置に向けた準備を進めており、重水輸送に向けた
輸送容器への詰め替え等を継続した。また、本年度第 4 回の保安検査を完了した。使用
済燃料については、3 月末現在で貯蔵プールに 636 体を保管中である。
② 人形峠環境技術センター
濃縮工学施設においては、使用済遠心機処理技術開発に係わる処理試験をウラン
濃縮原型プラントでは、滞留ウランの除去・回収試験を継続した。また、製錬転換施設で
は、四フッ化ウランの乾燥処理を行った。
③ 鉱山跡措置
鉱山跡措置に関する基本計画に基づき、鉱さいたい積場の措置等に向けた調査、検
討を継続した。
捨石撤去問題については、方面地区からの捨石約 3,000m3 の自主的搬出に向けた
事前調査として進めてきた捨石たい積場に係わる現地調査を終了した。
1.6 成果普及業務の実施状況
(1) 技術協力・技術移転
① ウラン濃縮関係
新規の取決めの締結はなし。
Ⅰ−12
② 再処理関係
新規の取決めの締結はなし。
③ 高速増殖炉関係
新規の取決めの締結はなし。
④ 核燃料関係
新規の取決めの締結はなし。
⑤ 新型転換炉関係
新規の取決めの締結はなし。
⑥ バックエンド関係
日本原燃株式会社と「環境保全技術に関する技術協力協定」を締結した。
⑦ その他
新規の取決めの締結はなし。
(2) 開発技術の利用・展開
○ 石川島播磨重工業株式会社及び日本電気硝子株式会社と 3 件の特許「高放射性廃
棄物ガラス固化用電気溶融炉」「ガラスレベル検出方法」「電気溶融炉における上下作
動式熱電対装置」の実施許諾に関する契約を締結した。
○ 先端原子力関連技術成果展開事業は、7 社と実用化共同研究開発を継続している。
今期は、技術委員会を開催して開発状況の最終評価を実施した。また、平成 17 年度の
募集を開始するとともに、福井県、茨城県、岡山県の商工会議所等で募集説明会を行っ
た。
(3) 大学等との研究協力
○ 平成 17 年度の先行基礎工学研究に関する課題の募集を 9 月上旬から 11 月中旬まで
行い、募集件数 8 件に対して 25 件の応募があり、10 件を選考した。
○ 平成16 年度に実施している先行基礎工学研究 42 件のうち 17 件、核燃料サイクル公募
型研究 4 件及び博士研究員による研究 17 件のうち 4 件の最終評価を 2 月上旬から 3
月上旬までに実施した。
なお、核燃料サイクル公募型研究は、平成 16 年度をもって終了した。
1.7 施設、設備の供用の実施状況
財団法人原子力安全技術センターと「新型転換炉ふげん発電所の一部施設等の供用
契約」を締結した。
Ⅰ−13
1.8 撤退業務の実施状況
核燃料サイクル開発機構法 附則 第10条に基づき、核燃料物質の生産(ウラン濃縮技
術開発)については平成13年9月30日、海外ウラン探鉱については平成14年6月25日、新
型転換炉に関する開発については平成15年9月30日をもって事業を終了し、全ての整理
縮小すべき事業が終了した。
したがって、事業が終了した後に実施される、新型転換炉「ふげん」及びウラン濃縮施
設の廃止措置については、環境保全技術開発に関する業務と整理し、「1.5環境保全技
術開発業務の実施状況」に記述する。
1.9 付帯する支援・管理業務の実施状況
(1) 経営企画
① 運営審議会
3月3日に第18回運営審議会を開催した。
② 研究開発外部評価
課題評価に関しては、「軽水炉再処理技術開発」中間評価の研究開発課題評価報告
書のまとめを進めた。また、機関評価に関しては、関係部門と協議しながら提言事項に対
する措置案を取りまとめ、平成 17 年度(上期)業務実施基本方針(案)と同基本計画(案)
に反映した。さらに、新法人における独法評価システムの構築のため、他の先行独立行
政法人の評価システムを調査した。
(2) 業務品質保証
① 経営管理サイクルと業務品質改善活動
平成 17 年度の業務品質保証活動基本方針及び業務品質保証活動基本計画を、理事
会議の審議を経て 3 月に決定した。また、平成 16 年度の業務実施状況等の確認及び平
成 17 年度(上期)の業務実施計画等の策定に係る理事長ヒアリングを 2 月から 3 月にか
けて実施した。
② 理事長診断会
業務品質改善活動の実施状況を診断する平成 16 年度第 2 回目の理事長診断会を、
敦賀本部、大洗工学センター及び東濃地科学センター、幌延深地層研究センターを被
診断部門として 3 月に開催した。
③ 指導会
各事業所の平成 16 年度の検討テーマについて、品質保証の外部専門家による指導
のもと、敦賀本部(第 4 回)及び人形峠環境技術センター(第 2 回)の指導会を 1 月に開
催した。
また、平成 16 年度指導会改善成果報告会を 3 月に開催した。
④ 安全・品質監査
平成 16 年度の定期監査である安全・品質監査結果について、1 月に理事長へ報告す
るとともに、是正措置結果の集約を行った。
Ⅰ−14
⑤ 国際認証取得・維持活動
ISO14001-2004 改訂版概論研修を東海事業所において、ISO9001 内部監査員養成研
修を敦賀本部において実施した。
⑥ 業務品質保証の階層別教育
主務クラスに対し、業務品質保証に関する教育を 3 回実施した。
(3) 核物質管理と核不拡散対応
① 核物質利用
・ プルトニウム利用に関する海外動向の調査(04)報告に関する中間報告書の受領、及
び報告書の技術資料登録及び利用依頼を完了した。
② 核物質防護
・ 大洗工学センター原子炉施設及び使用施設に対する文部科学省による核物質防護規
定遵守状況調査が実施された(1 月 31 日∼2 月 1 日)。
③ 核物質の輸送
・ 「常陽」用新燃料の輸送(東海→大洗)
④ 輸送容器の開発等
・ 六ヶ所再処理 MOX 粉末用輸送容器のしゃへい性能改善のため設計を一部見直すとと
もに、原型試験容器の製作設計を継続実施した。
・ 輸送の核物質防護に係る技術開発について、アメリカサンディア研究所との共同研究
作業を継続実施した。
・
⑤ 計量管理報告
・ 文部科学省及び国際原子力機関(IAEA)による東海 R&D 施設の実在庫検認を受検
(3 月 9 日)
・ 核物質の在庫及びその増減の状況について以下の報告書を文部科学省へ提出
表 1.9-1 核物質の在庫及びその増減の状況(3 月 23 日現在)
報 告 書 名
件 数
提出日(平成 16 年度)
在庫変動報告書
67
1/14、2/15、3/15、3/23
(ICR)
実在庫量明細報告書
12
3/23
(PIL)
物質収支報告書
12
3/23
(MBR)
国籍管理報告書
60
1/28、2/25
(OCR)
Ⅰ−15
⑥ 核不拡散
・ 文部科学省及び国際原子力機関(IAEA)との保障措置の実施等に関する会合に出
席した。(3 月 22 日∼23 日(「常陽」、FMF 関係)、3 月 24 日∼25 日「もんじゅ」)
⑦ 保障措置
・ 核不拡散対応研究会を開催した(第 6 回(公開ワークショップ):2 月 22 日(東京・虎ノ
門パストラル)、第 7 回:3 月 24 日「もんじゅ」)。
・ 核不拡散・保障措置委員会を開催し、計量管理・保障措置関係について意見交換を
行った。(3 月 4 日東京事務所)
・ 核拡散抵抗性評価手法検討委員会を開催した(第 2 回:3 月 7 日(東京・航空会館))。
・ 第 5 回 JNC 原子力平和利用フォーラム・核物質管理学会日本支部(INMM-J)ワークショップ
(JNC,INMM-J 共催)を開催し、核拡散抵抗性についての討論を行った。(3 月 17 日時
前打合せ(東京丸の内、三菱ビルエムスクエア)、3 月 18 日(東京内幸町、新生ビル新
生ホール))
(4) 安全管理と安全研究
① 安全管理概況
平成16年度の安全管理基本方針を、○自主保安のより一層の推進、○一人ひとりの
危険に対する感受性の向上、○危機管理・防災体制の充実強化、と定め、この基本方
針に基づき、安全に関する諸活動を実施した。
3月末における各事業所の連続無災害日数は、表1.9-2の通りである。
表1.9-2
連続無災害日数(日)
各事業所の連続無災害日数(3月末現在)
人形峠
東 濃
東 海
大 洗
ふげん
もんじゅ
幌 延
560
513
15
489
987
1,928
1,461
原子力緊急時支援・研修センターにおいて、下記の防災訓練の支援等の業務を実施
した。
・
・
・
・
平成16年度文部科学省原子力防災訓練(1月13日 日本原子力研究所大洗JMTRで
の発災を想定)
への専門家の派遣、情報共有システム運用等の支援
文部科学省受託の防災訓練企画立案研修(2月8日∼9日福井支所)及び緊急時広
報対応研修(2月23日∼25日支援・研修センター)
経済産業省受託のオフサイトセンター機能班訓練(2月16日∼18日福井県)及び原子
力防災専門官緊急時対応研修(1月13日∼14日、3月3日∼4日支援・研修センター)
自治体が行う訓練として、青森県(2月16日)、福井県・京都府(3月21日)、石川県(3
月24日)への参加と専門家の派遣、体表面測定車、全身カウンター車の派遣、情報共
有システム運用等の支援、協力
Ⅰ−16
また、支援・研修センター内の緊急時支援対応訓練(2月1日)を実施し、支援活動基
盤の維持強化に努めた。
② 放射線管理
第4四半期において、施設放射線管理、放出管理、個人被ばく管理の結果、いずれも
保安規定等に定める諸基準、限度を超えることはなかった。
③ 環境管理
第4四半期において、各環境監視計画に基づき周辺監視区域内外の空間放射線の
測定、環境試料中の放射性物質濃度の測定等を実施した結果、いずれも周辺環境へ
の影響のないことを確認した。
④ 安全研究
サイクル機構の安全研究基本計画(平成13年度∼平成17年度)に基づく平成15年度
の成果調査票を安全研究データベースとして、インターネットで公開した。日本原子力
研究所と共催でNUCEF2005国際シンポジウム(2月9日∼10日)を開催し、核燃料サイク
ル施設分野の安全研究テーマを発表した。平成16年度における活動状況のまとめを行
うと共に、平成17年度上期の活動計画を定めた。各事業所においては、安全研究基本
計画(平成13年度∼平成17年度)に基づく各研究課題について研究を継続した。
(5) 許認可
① 東海事業所
<環境保全・研究開発センター>
○ ウラン系廃棄物処理施設及び濃縮関係施設の非常用電源の削除等に係る変更申請
について、文部科学省への説明を終了し、申請手続きを開始した。
○ 1月28日付けで文部科学省へ申請した核燃料物質使用施設保安規定変更申請
(GA-10グローブボックスの追加)の認可を2月14日付けで得るとともに、3月1日付けで
施行した。
○ 1月18日付けで文部科学省へ申請したウラン廃棄物処理施設(焼却施設)のフィルタ
ユニットの更新に係る施設検査を、3月1日に受検し、合格した。また、1月18日付けで
GA-8Dグローブボックスの新設(CPF)に係る施設検査申請を文部科学省へ提出し
た。
○ 第4四半期の保安検査を3月15日から17日にかけて受検した。
○ B棟に係るRI使用廃止(11月16日届出)に伴い、放射線障害予防規定からの削除(削
除後はCPFの付属建家)を3月31日付けで施行した。
<プルトニウム燃料センター>
○ 第 4 四半期の保安検査(使用施設:検査項目として、非常の場合に採るべき措置、使
用施設等に係る保安に関する記録及び報告、品質保証に関する事項、規定の遵守に
ついての記録及び現場の確認並びに異常事態時の対応に関するインタビュー)を 3 月
15 日∼17 日に受検した。
○ 平成 16 年 12 月 21 日付けで文部科学省へ申請した核燃料物質使用変更許可申請書
(プルトニウム燃料第三開発室の原料受入・秤量設備のうち、粉末秤量装置を撤去す
るとともに設備名称をメインテナンス用設備への変更、粉末表面状態・プルトニウムスポ
Ⅰ−17
ット観察設備の撤去(グローブボックスを含まず)、プルトニウム同位体組成・ウラン濃縮
度測定設備のうち、質量分析装置の撤去(グローブボックスを含まず)、プルトニウム燃
料第二開発室及び燃料製造機器試験室の様式変更を含む所要の見直し)が平成 17
年 2 月 24 日付けで許可された。
<再処理センター>
○ 施設定期検査合格
12月10日:第17回施設定期検査
○ 再処理施設に関する設計及び工事の方法の認可申請(経済産業省宛)
1月 7日:廃棄物処理場槽類換気系排風機307K155等の据付ボルトの更新
3月10日:分析設備インナーボックス及びグローブボックスの更新
○ 再処理施設に関する設計及び工事の方法の認可
1月 6日:高放射性廃液貯蔵場セル換気系排風機272K104据付ボルトの更新
1月 6日:廃棄物処理場槽類換気系排風機307K156据付ボルトの更新
1月17日:廃棄物処理場槽類換気系排風機307K155等の据付ボルトの更新
○ 再処理施設に関する設計及び工事の方法の変更の認可
2月 8日:低放射性廃棄物処理技術開発施設-Ⅱに係る一部変更(その6)
○ 使用前検査申請(経済産業省宛)
1月 7日:高放射性廃液貯蔵場セル換気系排風機272K104据付ボルトの更新
1月 7日:廃棄物処理場槽類換気系排風機307K156据付ボルトの更新
1月18日:廃棄物処理場槽類換気系排風機307K155等の据付ボルトの更新
○ 使用前検査合格
1月13日:高放射性廃液貯蔵場セル換気系排風機272K104据付ボルトの更新
1月17日:廃棄物処理場槽類換気系排風機307K156据付ボルトの更新
1月25日:廃棄物処理場槽類換気系排風機307K155等の据付ボルトの更新
1月28日:第2受変電設備の更新
② 大洗工学センター
○ 平成16年11月25日付けで申請していた照射材料試験施設及び照射燃料集合体試
験施設のRI施設の使用変更許可申請は平成17年1月21日に許可を得た。
○ 第4四半期の保安検査(核燃料物質使用施設)を1月25日∼1月27日に受検した。
○ 第4四半期の保安検査(原子炉施設)を2月8日∼2月10日に受検した。
○ 核燃料物質使用施設の変更許可証との整合等のための核燃料物質使用施設保安
規定の文部科学省への変更認可申請を平成17年2月14日付けで行った。
○ 照射材料試験施設及び照射燃料集合体試験施設のRI施設の施設検査を、平成17
年2月22日付けで文部科学省へ申請し、平成17年3月23日に受検し、3月24日付けで
合格した。
③ 人形峠環境技術センター
<使用施設>
○ 第 4 四半期 保安検査を 2 月 1 日∼2 月 4 日に受検した。
○ 2 月 24 日付けで濃縮工学施設の遠心分離機年間試験台数の増加、製錬転換施設
の乾式六フッ化ウラン転換に関する技術開発に使用した設備の解体撤去等に係る核
Ⅰ−18
燃料物質使用変更許可を得た。
○ 3 月 23 日付けで六フッ化ウラン転換試験及び金属ウラン転換試験の終了等に係る核
燃料物質使用施設保安規定の文部科学省への変更認可申請を行った。
<加工施設>
○ 第 4 四半期 保安検査を 3 月 7 日∼3 月 18 日に受検した。
○ 2 月 14 日付けで 11 月 15 日から 1 月 28 日に実施された施設定期検査(第 5 回)の
合格証を得た。
<RI 施設>
○ 2 月 24 日付けで放射線施設(濃縮工学施設、製錬転換施設)の廃止(2 月 14 日付け)
に伴う措置の報告を行った。
○ 2 月 24 日付けで文部科学省へ密封されていない放射性同位元素等の使用、保管を
削除する等に係る放射線障害予防規程(2 月 15 日施行)の変更届を行った。
○ 3月14 日付けで文部科学省へ苫田郡西部町村合併(3 月 1 日付け)に伴う所在地の標
記の変更届を行った。
④
○
・
・
輸送に係る許認可
下記の許認可手続きを行った。
核燃料物質等運搬物確認申請(原子力安全基盤機構)
核燃料輸送物運搬確認申請(国土交通省)
:1 件
:1 件
(6) 技術管理
① 技術情報管理
○ データベースの利便性の向上を図るため、ウェブ利用サーバ&クライアント方式データ
ベースシステムにより社内運用を行っている。また、公開の技術資料について、インター
ネットを介した社外運用を行っている。
○ サイクル機構技報第26 号を作成し、社内外の関係者へ配布した。
○ 当期における技術資料の登録件数は次の通りである。
表 1.9-3 当期における技術資料の登録件数
区
分
件 数
サイクル機構で作成した技術資料
86
委託研究等の受託者が報告した技術資料
外部機関との共同研究により作成した技術資料
73
6
受託によりサイクル機構が作成した技術資料
8
その他、協定等により入手した技術資料
0
計
173
Ⅰ−19
② 研究発表
当期における研究開発成果の外部発表件数を、関連分野別に表 1.9-4 に示す。
表 1.9-4 当期における研究開発成果の外部発表件数(部門別)
分
高速増殖炉関連
野
件 数
64
核燃料関連
5
先進リサイクル関連
6
廃棄物処理・処分関連
地層研究関連
9
105
再処理関連
8
ウラン濃縮関連
0
新型転換炉関連
その他
3
32
計
232
③ 工業所有権一覧表
○ 第 4 四半期
表 1.9−5 工業所有権一覧(第4四半期)
第4四半期
期 別
特許
内 訳
単独
国内 共同
計
単独
国外 共同
計
総計
実用新案
期間
期間
出願 登録 拒絶
終了
終了
3 3(0)
0
74
0
0
0
3
5 1(0)
1
16
0
0
0
3
8 4(0)
1
90
0
0
0
6
1 1(0)
0
15
3 3(0)
0
1
4 4(0)
0
16
12 8(0)
1 106
0
0
0
6
注 : ( )内は承継件数を示す. (内数)
出願 登録 拒絶
○ 累積表
表 1.9−6 工業所有権一覧(累計)
累計
特許
実用新案
期間
期間
出願
登録
拒絶
出願 登録 拒絶
終了
終了
1,329※1,545(498) 410 1,156 212 293(133)
85 287
953 ※ 433( 25) 210 226 240 148( 4)
56 140
2,282 1,978(523) 620 1,382 452 441(137) 141 427
764
667( 8)
84 379
290
150( 0)
30
84
1,054
817( 8) 114 463
3,336 2,795(531) 734 1,845 452 441(137) 141 427
※共有から単独に変更(1件)
Ⅰ−20
④ 特許出願リスト
表 1.9-7
種類
単
出願日
出願番号
特許出願リスト(第 4 四半期出願)
出願の名称
酸化プルトニウムを含む規格外燃
料及び/または廃棄物からのプルト
ニウム回収方法
高橋
芳晴
サイクル機構
3月 3日
2005-059502
電磁超音波探傷・計測方法及び
装置
サイクル機構
3 月 18 日 2005-080026
ZnS(Ag)シンチレーション検出器
徐
陽
田川 明広
上田 雅司
山下 卓哉
長谷川 市郎
井﨑 賢二
小林 博英
2月
多区間水質連続モニタリング装置
岩月 輝希
古江 良治
(他 1 名)
サイクル機構
他
国
9 日 2005-033027
サイクル機構
2 月 18 日
2005-042673
金属燃料高速炉炉心
杉野 和輝
(他 1 名)
サイクル機構
他
3 月 25 日
2005-087548
ひずみ制御型超高サイクル疲労試
験方法及び疲労試験装置
吉田 英一
加藤 章一
小高
進
(他 2 名)
サイクル機構
他
3 月 25 日
2005-087731
フッ素循環方式による七フッ化ヨウ
素の製造方法
青木
青柳
江沼
勝巳
章一
勝己
サイクル機構
他
3 月 29 日
2005-095881
核燃料ペレット及びその製造方法
石井 徹哉
(他 2 名)
サイクル機構
他
アメリカ
光ファイバを用いた放射能測定装
置
伊東 康久
石川 久
(他 2 名)
サイクル機構
アメリカ
被測定面形状に適合可能な放射
能測定装置
分留法を用いるフッ化物揮発法に
よる再処理方法
伊東 康久
石川 久
天本 一平
佐藤 浩司
サイクル機構
固気分離法を用いるフッ化物揮発
法による再処理方法
天本 一平
佐藤 浩司
サイクル機構
共
同
国 単
出願人
2 月 18 日 2005-042488
独
内
発明者
アメリカ
外 独
アメリカ
注:出願番号空欄は,願番通知未着のもの
Ⅰ−21
サイクル機構
(7) 技術情報システム
① 電算機システム
大型計算機システムについては、科学技術計算機並びに業務処理用計算機の運用を
継続している。
② 高度情報化システムの構築
情報処理ネットワークについてはサイクル機構全社ネットワークの運用を継続している。
イントラにおいて、Windows Update の実施を促すテロップの掲載、ウィルスソフトの更新
等、コンピュータウィルス感染を防止、不正アクセスによる侵入を防止するための情報セ
キュリティ対策を継続している。また、1月より日本原子力研究所との統合の先行取り組み
として両法人のネットワーク・電話網の接続を完了し運用している。
(8) 国際協力
① 国際会議
・ 国内
表 1.9-8 国内で実施された国際会議
期 間
開催場所
会 議 名
JNC/DOE(米国エネルギー省)核不拡散・保障措置協定に
1月17日∼18日 東海 基づく常設調整グループ会合
1月25日∼28日
東海
2月16日∼18日
大洗
DOEサンディア国立研究所との輸送時の核物質防護に係
る共同研究ワークショップ
Generation-IV Project Management Boards Meeting
JNC/NAGRA(スイス放射性廃棄物管理共同組合)廃棄物協
1月11日∼12日、
瑞 浪 、 東 定に基づく技術検討会議/技術レビュー会合
2月28日∼3月2日 海
・ 国外
表 1.9-9 国外で実施された国際会議
期
間
1月18日∼20日
開催場所
会
ドイツカールスルーエ
1月24日∼26日 ロシアデミトロフグラード
3月21日∼24日
2月7日∼11日
2月28日∼
3月2日
議
名
ドイツカールスルーエ研究所(FZK)との高レベル
放射性廃棄物管理に係る技術会合
ロシア原子炉研究所(RIAR)とのBOR-60照射試
験に係る技術会議
ロシアデミトロフグラード
ロシアRIARとのMOX燃料製造施設の改造・増強
に関する技術会議
ロシアデミトロフグラード
ロシアRIARとの解体核プルトニウムによる
BOR-60用MOX振動充填燃料集合体の実証製
作及び照射試験に関する技術会議
Ⅰ−22
② 海外派遣・留学
表 1.9-10 海外派遣・留学
期
間
派遣・留学先
業務内容
平成17年1月∼平成18年4月 アメリカアルゴンヌ国立研究所 新型燃料の安全性試験
平成17年1月∼平成18年1月
フランスフェニックス発電所
燃料破損対応技術に関する情報
交換及び関連施設の運転等
③ 主要外国人の来訪
表 1.9-11 主要外国人の来訪
訪問日
3月25日
訪問場所
東京
訪 問 者
フランス原子力庁(CEA)プラデル原子力局長
④ 国際協力協定
特になし。
⑤ 文部科学省原子力研究交流制度に基づく協力
・ 研究者の受入れ 14 名中の 12 名が研究を終了し、現在、受入研究者は2名である。
同制度に基づく講師の派遣、合計 6 テーマについて既に 5 テーマを派遣した。今回1
テーマを関係国へ派遣した。
・ 平成 17 年度の原子力研究交流制度の応募(40 名)について事業所と受入を検討し 14
名の受入れを計画(東海 2 名、大洗 6 名、ふげん 4 名、敦賀2名)した。
⑥ 国際特別研究員制度に基づく研究者招へい
・ 同制度による研究員は現在、合計7名が在籍(東海 3 名及び本社、敦賀、大洗、瑞浪
の各1名)中である。
・ 国際特別研究員の 17 年度受入れに関して 17 年 1 月開催の国際協力関係会議で採
用1名(幌延)及び 7 名の延長が承認された。現在、研究者の採用及び延長に関する
手続き実施中。
⑦ 「もんじゅ」・国際技術センター
「もんじゅ」・国際技術センターを国際的に開かれた共同研究の場として研究開発を推
進するため、従来から進めている運転経験に関する情報交換に加えて、「もんじゅ」にお
ける 1)運転前試験、2) 照射試験関連、3) 高速炉技術の保存と活用の三つを重点課題
として国際協力を推進している。特に照射試験関連では、平成 15 年 12 月に仏原子力庁
と「もんじゅ」を活用した MA 燃焼試験について、両者の専門家間で事前検討を行ってい
くことで合意したことから、社内にワーキンググループを設けて、実現に向けての日仏間
で協議検討すべき課題の洗い出しなど、検討を進めている。また、本照射試験を日仏米
の三国間協力とできないか、可能性を探るべく三国間の担当者ワーキンググループでの
協議も進めつつある。更に、BNFL との「もんじゅ」に係る協力について、サイクル機構より
10 課題を提案し、実現に向けての調整を進めている。
Ⅰ−23
⑧ 余剰兵器解体プルトニウム(解体プル)処分協力
a. 解体プル処分に係る日露共同研究
・ ロシア解体プルトニウムを高速炉 BN-600*1)で燃焼処分する3体デモ照射は、ロシア
原子炉科学研究所(RIAR)との共同研究を 3 月で終了した。これにより、約 20kg の解
体プルトニウムを燃焼処分するとともに、BN-600 でバイパック燃料が健全に使用でき
ることを実証した。また、BN-600 炉心の一部をバイパック燃料集合体に置き換えるハ
イブリッド炉心の技術的成立性が確認できた。
・ BN-600 安全解析は、ロシア物理エネルギー研究所(IPPE*2))との BN-600 のハイブリ
ッド炉心化に際しての安全性についての共同研究を終了し、国内での評価報告書
を作成している。
・ RIAR 施設整備は、RIAR との共同研究契約に基づき、BN600 ハイブリッド炉心へ燃
料供給する設備増強のための改造を実施している。
b. 21 体デモ処分*3)
・ 21 体デモ処分は、解体プルトニウムを振動充填法により MOX バイパック燃料集合
体(21 体)とし、高速炉 BN-600 で燃焼処分する RIAR、㈱ペスコとの共同研究に基
づき実施中である。1月 31 日∼2 月 3 日に RIAR にて第 3 回のレビュー会合を、3
月 9 日∼11 日にRIARにて第 4 回のレビュー会合を開催し、燃料製造の進捗状況
を確認するとともに、納入予定の技術報告書の内容確認・コメント、燃料検査方法の
検討、PIE 計画について調整した。
c. 海外の動向調査
・ ロシア、フランス、アメリカ担当者との意見交換を通じて、日本とロシアの共同研究の
状況について紹介するとともに、先方の取組状況について把握した。
・ アメリカ-ロシア間で検討中の核兵器解体に伴って発生するプルトニウム処分に関
する米露の取組み及びその他の国際動向について、情報収集の契約に基づき、公
開資料、アメリカ行政担当者等へのインタビューを通じ、調査を行っている。
・
*1) BN-600 : Buistrui Neitron (Fast Neutron)600 ロシアの高速原型炉
*2) IPPE : Institute of Physics and Power Engineering
*3) 21 体デモ処分:バイパックMOX燃料集合体の製造及び照射に係る共同研究
(9) 技術研修
① 職員等技術研修
表 1.9-12 職員等技術研修(第 4 四半期)
研 修 内 容
人 員
安全教育(放射線安全・一般安全)
25 人
原子力技術者教育
31 人
Ⅰ−24
場
所
人事部人材開発課技術研修所
② 国内技術協力研修
表 1.9-13 国内技術協力研修(第 4 四半期)
配 属 先
放射線安全部
再処理センター
Puセンター
合 計
人 員
2人
2人
4人
8人
Ⅰ−25