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第 10 集
平 成 26 年 3
月
山形県教育庁義務教育課
目
◇
次
これからの「さんさん」プランに求められること
山形県教育庁義務教育課長
教育山形「さんさん」プランについて
・教育山形「さんさん」プラン 施策概要
・子ども同士が精一杯考え合い、表現し合う授業をめざして
軽部
賢 ……
3
……
……
5
8
◇
【
実 践 】
○ 少人数学級編制
自ら学び、ともに高め合う子どもの育成
新庄市立沼田小学校……10
○ 少人数学級編制
互いに向き合いコミュニケーションを豊かにする指導の工夫
高畠町立第四中学校……12
○ 重点教科充実制
学年オープン少人数グループでの算数の授業づくり
寒河江市立西根小学校……14
○ 重点教科充実制
自分の思いをもち、伝え合い、高め合う学習集団を育てる授業
鶴岡市立藤島小学校……16
○ 小学校低学年副担任制
一人一人の学ぶ意欲を高め、子どもが主体的に取組む授業づくり
新庄市立泉田小学校……18
○ 別室学習指導教員
生徒の自己肯定感を高める取組
米沢市立第二中学校……20
○ 特別支援学級 学級編制弾力化加配
生活の落ち着きによる学習の促進と良好な人間関係の成立
山形市立南沼原小学校……22
○ 特別支援学級 学級編制弾力化加配
一人一人を大切にし、個に応じたきめ細かな特別支援教育の充実
庄内町立余目中学校……24
・平成25年度
各校の取組から見えてきた成果について
担任力育成推進プロジェクトについて
・県教育委員会として考える「担任力」
【 実 践 】
○ 「北谷地っ子を育み、つながって伸びる
…………26
◇
…………27
元気はつらつ 担任力」
河北町立北谷地小学校……28
○ 学びの自立を目指して
~どの子も自分の考えを持ち、自分の言葉で表現できる授業づくり
天童市立第二中学校……30
( 村山地区の取組 )
…………32
1
○ 主体的に学ぶ子どもの育成
―考える・伝え合う 学びの創造―
金山町立金山小学校……33
○ 主体的に学習する子ども 授業づくりを楽しむ教員
~学び合い、高まり合う授業を通して~
新庄市立萩野中学校……35
○ 自ら学び、生きる力を身につけようとする生徒の育成
~主体的に表現でき、考えを深める手立ての工夫~
最上町立最上中学校……37
○ 「学び合い」を通して授業力の向上をめざす
~「学び合い」を通した生徒の変容を求めて~
(
最上地区の取組
真室川町立真室川中学校……39
……41
)
○ 「基礎的・基本的内容を身につけ生き生きと学習する子どもの育成」
~ユニバーサルデザインの視点を取り入れて~
白鷹町立蚕桑小学校……42
○ 『学び合い』を通して自ら課題を解決できる生徒の育成
~思考力・判断力・表現力を高める発問の工夫~
南陽市立沖郷中学校……44
( 置賜地区の取組 )
…………46
○ 仲間と支え合い、高め合う子どもの育成
~学習スキルを活用して自分の考えを表現する授業の工夫~
鶴岡市立東栄小学校……47
○ 学ぶ喜びを知り、伸びゆく生徒の育成
~基礎基本(学ぶ道具)の定着と表現の工夫を通して~
三川町立三川中学校……49
( 庄内地区の取組 )
…………51
○ 県教育センターの研修と担任力
~『小学校担任力・授業力アップ講座』の実際~
2
県教育センター……52
これからの「さんさん」プランに求められること
本県では、教育山形「さんさん」プランによる少人数学級編制が中学3年生まで
の全面実施となり、丸3年となりました。平成14年から進めてきた本施策も定着
してきていると言えます。
また、2年間にわたって、計6回行われた再構築会議における答申を受け、平成
25年度より「さんさん」プランも新たな形になりました。例えば、特別支援学級
の学級編制基準の引き下げ(8人→6人)や重点教科充実制が小学校高学年の算数
に焦点化されたことなどが挙げられます。新しい方針を有効に活用していただきな
がら、各学校において充実した授業実践が行われていることを見聞きし、先生方の
ご努力に感謝申し上げます。
「さんさん」プランと学力向上
平成14年度の「さんさん」プラン導入以来、学力の実態把握につきましては、
「教研式全国標準学力検査(NRT)」を一つのより所としてきました。また、平成
19年度からは、文部科学省が「全国学力・学習状況調査」を実施したことを受け、
本県と全国の学力の比較の観点から、学力の実態把握に活用してきました。
NRTにつきましては、
「さんさん」プラン導入当初は急激な向上が見られ、その
後も高い水準を維持しておりますが、近年、特に算数・数学において、全国平均は
上回っているものの、やや下降傾向が見られます。この下降傾向は、全国学力・学
習状況調査においても見られる状況です。このことは、
「思考力や表現力」を高める
問題に触れる機会が少なかったこと、個々の能力を最大限に高めていく授業改善の
取組が十分でなかったことが課題であるという考察がなされました。
また、月日が経過するにつれて、教員が少人数の環境に慣れ、指導方法の工夫改
善に向けた意識の低下や新たな教育課題への対応により、学力の伸び悩みの状況が
生じているのではないかと懸念されます。今一度、
「さんさん」プラン立ち上げの時
期の意識に立ち返り、少人数学級編制の恵まれた環境を十分に生かしながら、学校
としての担任力を高め、授業改善を進めていくことが望まれます。
そのための方策として、次の4点を重視していきたいと考えております。
① 精一杯考える「高みの問題」の提示
② 考えのちがいやよさが認められ、目的に応じて練り上げられる「学び合い」
③ エラー(誤答)や子どもの考えを生かした「納得感のあるまとめ・振り返り・練
習」
④ みんなが楽しく「わかる・できる」ユニバーサルデザインの授業づくり
3
「さんさん」プランといじめ対策
いじめ・不登校等、生徒指導上の諸問題を解決するには「生活集団の機能を重視
した教育」が必要です。それは、共に生活する仲間と「知恵を出し合い、協力して、
わかった!できた!」という充実感を味わうことのできる「生活と学習が一体とな
った教育」の充実にほかなりません。
この「生活と学習が一体となった教育」を実現するためには、少人数学級編制に
よる一人一人の児童生徒と向き合える環境を生かし、児童生徒の言動をつぶさに見
つめ、児童生徒の声によく耳を傾けることがその第一歩となります。さらに一人一
人の心に寄り添って、児童生徒理解をとおして、学校組織として職員間で児童生徒
に係る情報を共有し、適切な指導・支援に結びつけることが大切です。このことに
より、一人一人の心の安定につなげ、クラスのみんなが安心して過ごせる学級づく
りに結びつけていく必要があります。
また、クラスのみんなが活躍できる児童生徒自身の主体的な活動や授業実践をと
おして、一人一人がお互いの良さを認め合い、互いに信頼し合って生活できる集団
づくりを実現していくことも重要です。このような取組から「生活と学習が一体と
なった教育」を推進することで、仮にクラスでいじめ等につながりかねない言動が
発生したとしても、問題の芽が小さなうちに児童生徒の自浄作用により、より深刻
な問題へ進展することを防ぐことができるものと考えます。
さて、この第10集には、県内の小・中学校の多くの実践が収められております。
一つは、ここまでも挙げましたように教育山形「さんさん」プランの施策による
取組です。一人一人へのきめ細かな指導により、「わかる授業」「いじめや不登校の
ない楽しい学校」をめざすために、それぞれの施策の特長を生かして地道に取り組
んでくださっていることがわかります。
もう一つは、担任力育成推進プロジェクト対象校による取組です。本プロジェク
トは、校内研究・校内研修の視点での「担任力育成」の取組を更に充実させ、授業
改善を進めていくものです。すでに昨年11月に行われた「やまがたの子どものま
なびを考えるフォーラム」において、実践発表いただいておりますが、どれも各学
校での取組の参考になるものばかりです。ぜひじっくりと読んでいただき、それぞ
れの学校での教育実践の参考にしていただければと期待しております。
最後になりましたが、第10集の作成にあたっては、多くの市町村教育委員会と
小・中学校のご協力により、すばらしい教育実践の成果をまとめていただきました
ことに感謝申し上げます。
平成26年3月
山形県教育庁義務教育課長
4
軽
部
賢
平成26年度:教育山形『さんさん』プラン
1.基本方針 ① 少人数学級編制【小学校1年生~中学校3年生】
※ 小学校1年生、国による35人以下学級の実施
※ 小学校2年生、定数加配を活用した35人以下学級の実施
② 特別支援学級の学級編制基準の引き下げ【8人→6人】
③ 重要施策の継続実施
ア 小学校低学年副担任制 イ 別室学習指導教員 ウ 重点教科充実制【小学校算数への焦点化】
④ 中学校指導方法工夫改善の実施
2.施策内容
小
小1
学
小2
小3
校
小4
小5
小6
中1
学
中2
校
中3
国:40人以下学級
国:35人以下学級
①少人数学級編制 ①少人数学級編制
(18人~33人)
※学年の人数が36~40人
の場合は、2学級に分け
る
中
(18人~33人)
※学年の人数が36~40人
の場合は、2学級に分
け、国加配による常勤講
師を配置
①少人数学級編制(21人~33人)
※学年の人数が34人~40人の場合は2学級に1人の割合で非常勤講師を配置
但し、中学校1年生は1学級に1人の非常勤講師を配置
②特別支援学級の学級編制基準の引き下げ(8人→6人)
※学級の人数が7~8人の場合は、2学級に分ける
③ア:小学校低学年副担任制
③イ:別室学習指導教員
【小1プロブレム対策】
※学年の人数が34人・35人の場合は、
副担任として、非常勤講師を配置
【別室登校・不登校対策】
※別室登校生徒の支援のため非常勤講師を配置
③ウ:重点教科充実制
【算数の学力向上対策】
※該当校に非常勤講師を配置
5
④指導方法工夫改善
【学力向上対策等】
※指導方法工夫改善のための常勤講師
等を配置する。
小中連携
平成26年3月
山形県教育委員会
平成26年度 教育山形「さんさん」プランに係る常勤教員・非常勤講師について
1.小学校について
施
策
(配置教員の名称)
①対象学年
目
的
配
②該当学校・学級
置
基
③配置教員
準
活
用
の
仕
方
○21人~33人の少人数学 ①小1~小6
○学級担任等として児童の指
級編制によるきめ細かな指 ②小1・2は、学年 67 人以上
導にあたる。
学級編制弾力化
導で、学力の向上と良好な
で1学級 34 ~ 35 人の場合
加配教員
人間関係の構築をめざす。
小3~小6は、学年 67 人以
(小1・2は18人~33人) 上で、1学級が 34 ~ 40 人
少
(常勤)
の場合
人
③1学級増で1人(常勤)
数
学
○ティームティーチング等の ①小3~小6
○学校の実態に応じ、ティー
級 少人数指導教員
少人数指導を実施し、より ② 34 ~ 40 人の単学級
ムティーチングや習熟の程
編
個に応じたきめ細かな指導 ③ 2 学級に 1 人(非常勤)
度に応じた指導等、担任と
制 (非常勤:
で学力の向上をめざす。
協力して各教科等の指導に
1学級(1人)2学級(1人)
週 30 時間勤務)
3学級(2人)4学級(2人)
あたる。
<特別支援学級> ○6人以下の少人数学級編制 ②1学級が7~8人の場合
学級編制弾力化
で、個に応じた指導の充実 ③1学級増で1人(常勤)
加配教員(常勤) をめざす。
○学級担任として児童の指導
にあたる。
○協力体制による学級経営や ①小1~小2
個に応じたきめ細かな指導
で、集団生活の適応に時間 ② 34 ~ 35 人の単学級
のかかる子ども等の自立を
めざす。
③ 1 学級に 1 人(非常勤)
○副担任として、学級の学習
及び生活全般にわたって担
任を助け、協力して児童の
指導にあたる。
小学校低学年副担任制
○低学年副担任
(非常勤:
週 30 時間勤務)
○小学校高学年における一部 ①小5~小6
○専科体制による指導体制の
専科体制による指導体制の ②週3~5時間程度の専科体
充実を支える教員として、
重点教科充実制
充実を支援し、本県で重点
制をとるのが困難な学校
高学年の授業を受け持つ。
教科として位置づけている
○担任外が教頭含めて 2 人
小学校高学年
○教科支援教員
「算数」の学力を高める。
で高学年学級数が 4 学級
以上の学校
(非常勤:
週 30 時間勤務)
○担任外が教頭含めて 3 人
で高学年学級数が 7 学級
以上の学校
※小1は標準法による 35 人学級編制、小2は県施策による 35 人学級編制、小3以上は標準法による 40 人学級編制
2.中学校について
施
策
(配置教員の名称)
学級編制弾力化
加配教員
(常勤)
①対象学年
目
的
○別室学習指導教員
(非常勤:週 30 時間勤務)
指導方法の工夫改善
○少人数指導教員
(常勤)
置
基
準
③配置教員
活
用
の
仕
方
○21人~33人の少人数学 ①中1~中3
○学級担任、教科担任として
級編制によるきめ細かな指 ②学年67人以上で、1学級
生徒の指導にあたる。
導で、学力の向上と良好な
が34人~40人の場合
人間関係の構築をめざす。 ③1学級増で1~2人(常勤)
少
人
○ティームティーチング等の
数 少人数指導教員
少人数指導を実施し、より
学 (非常勤:
個に応じたきめ細かな指導
級
週 30 時間勤務) で学力の向上をめざす。
編
制
<特別支援学級>
○6人以下の少人数学級編制
学級編制弾力化
で、個に応じた指導の充実
加配教員(常勤)
をめざす。
別室学習
指導教員の配置
配
②該当学校・学級
①中1~中3
○学校の実態に応じ、ティー
② 34 ~ 40 人の単学級
ムティーチングや習熟の程
③中1
:1学級に1人
度に応じた指導等、教科担
中2と中3:2学級に1人
任と協力して個に応じた指
(非常勤) 導にあたる。
②1学級が7~8人の場合
③1学級増で1人(常勤)
○学級担任として生徒の指導
にあたる。
○別室登校生徒への学習指導 ①中1~中3
○学習指導をする教室(別室)
を行い、安定した登校と教 ②不登校、不登校傾向、別室
等で、別室登校生徒に対し
室への復帰をめざす。
登校生徒が多く、対応が困
て、計画的に学習指導をす
難な学校 20 校
る。
○ティームティーチングや習 ①中1~中3
熟の程度に応じた指導等の ②加配教員新配置基準による
4~ 5学級(常勤1人)
少人数指導により、学力の
向上をめざす。
6~10学級(常勤2人)
11~15学級(常勤3人)
16~20学級(常勤4人)
21学級以上 (常勤5人)
※学級数は、特別支援学級を除く
○学校の実態に応じ、ティー
ムティーチングや習熟の程
度に応じた指導等、教科担
任と協力して、個に応じた
指導にあたる。
※少人数学級編制「該当校」:上記により配置された常勤講師は、少人数学級編制
に充てる。さらに、指導方法工夫改善にも活用する。
少人数学級編制「非該当校」:上記により配置された常勤講師は、指導方法工夫
改善に活用する。
※3学級以下(特別支援学級除く)の学校には、免外解消等も含めた小規模又は
併設加配(常勤)を配置する。
6
少人数学級編制等推進事業の全体構想
義務教育課
教育山形「さんさん」プラン
~学力向上、良好な人間関係、いじめ・不登校等の未然防止をめざす人的環境の整備~
教師の「まなび」をつくるプロジェクト
少人数学級による教育効果をより高めるために担任力を育成する
◆検 証
①学力向上担当者会議
◇取組状況の把握、成果と
課題等の総括(3回)
②諸調査の分析と考察
◇全国学力・学習状況調査
(国、算・数)
◇問題行動等調査
◇学習に対する意識等調査
◆評 価
外部評価委員会
◇学力との関連での評価
・学級経営
・学級規模
・算数の授業改善
・教育行政施策
◆事業成果の発信
市町村
教育委員会
学校 教師
担任力育成推進プロジェクト
~授業改善を推進する担任力育成をめざして~
「さんさんプラ
ン」推進に係る全
県指導主事研究
協議会
(2回)
教育事務所 教育事務所の指導主
事による継続的な指
WG
導・支援
(1~2回)
◇
◇
◇
◇
課題の洗い出し
実践計画策定
実践研修
成果とまとめ
大学の講師等、有識者に
よる指導・助言
学校経営改善充実事業(ミドルリーダー研修)
やまがたの子どものまなびを
考えるフォーラム
全県の教育関係者が対象
○各地区の実践紹介
○少人数学級編制と担任
力に関する中央講師に
よる講演 等
実践報告会
教育事務所ごとに開催
○担任力育成推進プロジ
ェクト対象校の実践に
よる成果の発信・普及
県教育センターにおける悉皆研修会(初任者、5年・10 年経験者)
~ 「さんさん」プランで目指す授業像 ~
○一人一人の能力を最大限に伸ばす授業
○子ども同士が精一杯考え合い、表現し合う授業
7
子ども同士が精一杯考え合い、
表現し合う授業をめざして
授業の質を高め、個の能力を最大限に伸ばす
~
学習意欲を喚起し、考えや解決の見通しをもたせる「課題提示」 ~
○ 日常場面や生活との関連を図った魅力的な教材や高みの問題を提示し、一人一人が主体的に
学習に取り組むことができるように工夫する。
○ 「自力で問題を解く」
「教材文を読み、考えを書く」
「事象・現象・情報を分析する」
「実験・
考察する」「体験する」等を効果的に取り入れ、一人一人が自分の考えや解決の見通しをもつ
ことができるようにする。
~
お互いの考えが認められ、目的に応じて練り上げられる「学び合い」 ~
○ お互いの考えを出し合い、友達の考えとの共通点や相違点をもとに話し合わせたり、エラー
(誤答)を生かした学習活動を取り入れたりすることで、自分の考えを広めたり深めたりでき
るようにする。
○ 記録、要約、批評、説明、論述する等の言語活動を効果的に取り入れ、児童生徒の学び合い
が深まるようにする。
~ 子どもの考えを生かした「納得感のあるまとめ・振り返り・練習」 ~
○ 本時のねらいに対応した自分なりの「まとめ」
、できるようになったことやよくわからない
ことを確認する「振り返り」、より深い理解に向かう効果的な「練習」を通して、学習内容が
確実に定着できるようにする。
○ 自分の見方や考え方の変容を認識し、次の授業や家庭学習への意欲を喚起できるようにする。
学級規模を生かした授業
~
少人数学級(33人以下)の特性を生かした授業 ~
○ 教員が一人一人と丁寧に向き合える環境を生かして児童生徒のニーズを的確にとらえると
ともに、ユニバーサルデザインの視点を取り入れることで、必要なときに、適切な内容で、き
め細かな指導が行えるようにする。
○ 小集団に分かれての学習では、集団の数が少なく、それぞれの様子が把握しやすいことや丁
寧に支援できることを生かし、児童生徒が主体的に進める学習活動を積極的に取り入れる。
~ 複式学級の特性を活かした授業 ~
○ 直接指導・間接指導の特性や連続に配慮し目的意識や見通しをもたせ、児童生徒が主体的に
学習活動を進めることができるようにする。
○ 異学年間の教え合いや発表の場を学習計画に取り入れ、かかわりの中で互いを高め合うこ
とができるようにする。
8
~
多人数学級における協同的な指導の工夫 ~
○ コース別学習やティーム・ティーチング等の指導の工夫ができるように教員の協力体制を
機能させ、個に応じた指導の充実を図る。
時代にふさわしい社会が求める能力をはぐくむ
~
人間関係を豊かにする自己表現力やコミュニケーション能力の育成 ~
○ 様々な形態の対話を取り入れた学習活動を通して、他の考えを受け入れながら自らの考え
を広げたり深めたりし、伝えることができる能力を育成する。
○ 異なる文化や生活習慣、障がいの有無等の違いを認め合い、協調しながら、互いに支え合
い、高め合う関係づくりができるようにする。
~
一人一人の勤労観・職業観をはぐくむキャリア教育の充実 ~
○ 発達の段階に応じて職業人、社会人、文化人の生き方に触れ、児童生徒一人一人が自らの在
り方や生き方に向き合うことができる学習を充実させる。
○ 職場体験やインターンシップなどの体験的学習の教育的価値を一層高めるよう実施方法、内
容を工夫する。
~
数学的な見方で考えることのよさを実感できる算数・数学の授業 ~
○ 充実した算数的活動・数学的活動を通した指導や、児童生徒が学んだことを生活や他の学習
に活用することを重視し、学ぶ意欲を高めるとともに、数学的な見方で考えることのよさを実
感できるようにする。
~
科学への関心を高め、科学的な見方・考え方を育成する理科の授業 ~
○ 身近な生活との関連という点から学習内容を充実させ、児童生徒一人一人が目的を持って観
察・実験等を行うことにより、科学への関心を高めるとともに科学的な見方・考え方を育成す
る。
~
小中高の接続を意識した外国語教育の展開 ~
○ 各学校段階における目標や基本的な考え方を十分理解し、小中高の接続や学習経験を踏まえ
た外国語教育の充実を図る。
○ 特に、中学校においては、小学校で培われたコミュニケーション能力の素地を十分に踏まえ
た指導を工夫する。
9