C3コンセプト - エンタープライズICT総合誌 月刊ビジネスコミュニケーション

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OKI
争優位性確立に大きく寄与するユニファイド
コミュニケーション「C3コンセプト」を提唱
∼IPテレフォニー製品の新モデルの販売を開始∼
2008 年 1 月 23 日、沖電気工業(OKI)は、様々なコミュニケーション手段を IP ネットワークに統合することによる、個人、
組織の生産性向上とお客様との関係強化、競争優位性確立に大きく寄与するユニファイドコミュニケーションのコンセプト
として「C3 コンセプト」を発表した。また、同コンセプトをもとに、ユニファイドコミュニケーションを実現する IP テレフ
ォニー製品の新モデルを発表した。ここでは、今回発表された C3 コンセプトと IP テレフォニー製品の新モデルについて紹介
する。
競争優位確立に向けて
3 つの「C」を実現する
近年、顧客ニーズの多様化やそれ
や対応が不可欠であるため、人と人
企業の競争優位確立のためのユニフ
をつなぐコミュニケーションこそ進
ァイドコミュニケーションには、次
化が必要である。OKI では、企業
の3つの「C」の実現が必要である
が競争優位を確立するためには、
との考えのもと誕生したコンセプト
に伴う競争激化、テレワークの普及、 「意思決定の迅速化」、「顧客満足度
である。
コンプライアンスの強化、災害時の
の向上」、「生産性の向上」、「リスク
① Contact(つながる):いつでも
対応などの事業継続計画(BCP :
マネジメントシステムの構築」の 4
どこでも、確実に、素早く
Business Continuity Plan)の必要
つの条件が必要であると捉え、これ
② Communication(伝わる):音
性など、企業を取り巻く環境が益々
らを実現するためのユニファイドコ
声でも、映像でも、データでも、多
厳しくなっている。また、通信環境
ミュニケーションのコンセプトとし
人数でも
は、ブロードバンドの普及や IP に
て「C3(シースリー)コンセプト」
③ Convergence(統合できる):シ
よる映像サービス、NGN 構築の本
を提唱した(図 1 参照)。これは、
ームレスに、効率的に、オープンに
格化など、あらゆる通信サービスが
IP ネットワークに統合されつつあ
る。このような状況の中、企業では
環境の変化に対応するために、
ERP や SCM、CRM などの IT シス
テムの導入への投資が積極的に行わ
れ、業務の合理化・効率化が進めら
れてきた。しかし、IT システムの
導入による業務の自動化の一方で、
人にかかわる電話系システムの投資
は抑制されていた。
IT が進化しても、各種業務のク
リティカルな要素には人による判断
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図 1 OKI のユニファイドコミュニケーション「C3 コンセプト」の概略
ビジネスコミュニケーション
2008 Vol.45 No.3
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C3 コンセプトを実現するユニフ
ァイドコミュニケーションのベース
には、「安心・安全」な ICT インフ
ラの構築が不可欠である。ここで言
う「安心・安全」とは、高信頼性、
冗長性により、安定稼動できる「ア
ベイラビリティ」、情報保護や外部
からの攻撃への対策、利用者や装置
の認証に対応できている「セキュリ
ティ」、音声や映像などのリアルタ
図 2 システム間の SIP 連携により高いスケーラビリティを実現
イム性の高いデータの帯域制御、優
先制御がサポートされている「クオ
に。また、通信コストが削減できる
電話技術「e おと」の利用が可能に
リティ」の3つの要件がしっかりと
とともに、SS9100 と IPstage シリ
なる。さらに「Com@WILL ソフト
対応していることである。
ーズを IP ネットワークで接続でき
フォン」を利用した TV 会議やアプ
るため、通話品質の劣化防止と
リケーション共有、プレゼンス表示
OKI が提供している高音質な IP 電
などの高度なコミュニケーション機
話技術「e おと」の利用が全拠点で
能を活用することができる。
IP ネットワーク上で SIP 連携
OKI は、C3 コンセプトに基づき、
可能になる。さらに、企業のシステ
図3は、目的や規模、価格に応じ
ユニファイドコミュニケーションを
ム拡張計画に合わせた柔軟なネット
てマイグレーションを行えることを
実現する IP テレフォニー製品して、
ワークマイグレーションを行うこと
示したものである。拠点間の IP 化、
大規模オフィス向け IP テレフォニ
ができる。
拠点内のIP化、そして全社的なフル
ーサーバ「IP CONVERGENCE
図2は、SS9100 と IPstage シリ
IP化など、SS9100とIPstageの中か
Server SS9100 リ リ ー ス 8」
ーズを利用した SIP 連携について、
ら規模や価格、企業のシステム拡張
拠点数が少ない場合と、拠点数が多
計画に合わせた最適なシステムを導
PBX「IPstage EX300 リリース 5」、
い場合の利用法を示したものであ
入することが可能に。これまでは主
および IP& モバイル ビジネスホン
る。システム間の SIP 連携により、
要拠点のPBX更新から企業内IPセン
「IPstage MX/SX リリース 5」(両製
ビジネスホンクラスの IPstage シリ
トレックス)化を推進していく手法
品をあわせ「IPstage シリーズ」)
ーズから、2 万ポートをサポートす
が主流だったが、中小規模拠点の老
を発表した。この SS9100 と
る大規模 IP テレフォニーサーバの
朽化した PBX /ビジネスホンから
IPstage シリーズが IP ネットワーク
SS9100 までがシームレスに連携で
IPstage へ更新し、最終的に SS9100
上で SIP 連携することにより、高い
きるので、柔軟で拡張性の高い拠点
による企業内IPセントレックス化を
スケーラビリティを実現するととも
毎のシステム展開が可能だ。また、
実現するなど、マイグレーションを
に、柔軟なネットワークマイグレー
企業内の IP ネットワークに統合さ
柔軟に行うことができる。
ションの提供が可能になるなど、
れることで通信コストが削減できる
C3コンセプトが具現化される。
とともに、SS9100 と IPstage シリ
(S S 9100)と、中小規模向け I P -
モバイル端末を拡充するなど
様々な機能が可能に
このような新モデルによるシーム
ーズが混在するネットワークが IP
レスな連携により、柔軟で拡張性の
内線として接続されるため、通話品
今回発表された SS9100 と
高い拠点毎のシステム展開が可能
質の劣化防止と OKI の高音質な IP
IPstage シリーズには、次のような
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図 3 柔軟なネットワークマイグレーションの提供
無線 IP 多機能電話機
「MKT/IP-30DKWHFWL
機能が用意されている。
トフォン機能が利用可能になり、高
機能電話機として、次の 3 機種も発
◆ IP 公衆電話網サービスのマルチ
度なコミュニケーションを実現。こ
表された。
キャリア対応(SS9100): IP 公衆
れにより、企業内外のモバイル環境
・ MKT/IP-30DKWHF-V2
電 話 網 接 続 サ ー バ 「 V C - D 0 1 」、
における様々な業務での効率をさら
・ MKT/IP-10DSW-V2
に高めることができる。
・ MKT/IP-30DKWHFWL
「VC-D01S」を拠点に導入すること
により、今まで収容していた IP 公
◆ Com@WILL ソフトフォンと電話
この3機種は、OKI の高品位な
衆電話網サービスである NTT コミ
機とのハードフォン連携(IPstage
音質技術「e おと」「マイ e おと」機
ュニケーションズの「.Phone IP
シリーズ):ハードフォンからの発
能を標準搭載するとともに、現行の
Centrex」、NTT 東西の「ひかり電
着信の際に、Com@WILL ソフトフ
多機能電話機であるマルチ・キーテ
話」に加え、リリース 8 より KDDI
ォンの様々な機能と連動することが
レホン R シリーズの端末と操作性を
の「KDDI 光ダイレクト」にも接続
できる。例えば、ハードフォンとペ
継承することで、使い勝手を損なわ
することができる。これにより、現
アになっている「Com@WILL ソフ
ないまま、IP 電話機への移行が可
在使用中の電話番号はそのままで、
トフォンのクリックダイヤル機能に
能である。さらに、無線 IP 多機能
通信コストの削減とキャリアから提
より、電話発信時や転送時の手間を
電話機 MKT/IP-30DKWHFWL によ
供される様々な付加サービスを受け
軽減。また、ハードフォン着信時に
り、拡大しているオフィスの無線
ることができる。
は Com@WILL ソフトフォン画面
LAN 環境において、PC だけでなく
◆モバイル端末の拡充(SS9100):
に着信ポップアップ画面が表示さ
固定電話機も無線 LAN に統合でき、
無線LAN機能を持つソフトバンクの
れ、着信相手の事前把握や不在時に
一時的なプロジェクト対応ルームで
Windowsケータイ「X01T」に、OKI
は Com@WILL ソフトフォン留守
の利用や対策会議で柔軟に電話機を
の「Com@WILLソフトフォンポケッ
番電話機能によりハードフォンへの
設置するなど、フリーアドレスオフ
ト」を搭載して、SS9100配下の端末
着信の代行録音ができるなど、着信
ィスにおける新たな活用シーンを提
ラインナップに追加。X01Tは、無線
の取り扱いをより綿密に行うことが
供することも可能だ。
L A N 対応の 3G 端末だが、
できる。
Com@WILLソフトフォンポケットに
より、企業内ではIP内線電話端末と
IP 多機能電話機の新機種も発表
して利用することができる。また、
内線電話としての利用に加えて、プ
また、SS9100 と IPstage シリー
レゼンスやクリック発信などのソフ
ズで共通に使用できる新型の IP 多
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●お問い合せ先●
沖電気工業㈱
IP システムカンパニー
IP システム本部 マーケティング部
TEL : 048-420-7049
URL : http://www.oki.com/jp/
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