2015年5月号に掲載されました。(PDF形式、664kバイト、2ページ)

ズームアップ新製品
IP-PBX
Zoom Up Product
回線容量拡張とUC連携で提案の幅が広がる
NETTOWER MX-01
日立情報通信エンジニアリング
日立の中小容量IP-PBXに7年ぶり
http://www.hitachi-ite.co.jp/
図表1 NETTOWER MX-01のシステム構成例と特徴
の新機種が登場した。レガシーPBX
収容回線数アップ
の信頼性を継承しながら大容量 IP-
ひかり電話直収
PBX「CX-01」の最新機能も取り入
れた。回線容量も前機種比で 30%
UCによる業務改善
公衆網
拡張し、UC にも対応。より広い顧客
層のリプレース需要に応える。
日立情 報 通 信エンジニアリング
多機能
電話機
PHS
多様な電話端末の収容
Web電話帳
は 4 月20日、中小容量 I P- PBXの新
Web電話帳
サーバー
製品「 N E T T OW E R M X-01」を発
売した(6月30日出荷開始)。現行の
「 M X900I P」の後継機種となるもの
容量拡張で競合に対抗
外線の収容数)100〜300 の中堅中小
企業層に対しては、上記のようなニー
で、総収容回線・端末数を前機種から
M X-01 は、交 換 機 型( レガシー
ズに応えることが難しくなっていた。
30%拡張し、より広い顧客層へのリプ
PBX)をベースに IPにも対応する、い
今回のMX-01発売によって、
「現在の
レース提案を可能にした。IP テレフォ
わゆるハイブリッド型の製品だ。企画
市場ニーズにフルラインナップで応え
ニー事業部 IPTシステム本部 IPT 製
に携わった IPT 製品企画部の柳通幸
ることができる」
(同氏)ようになる
(図
品企画部・担当部長の箭内更一氏は、
一氏は、
「出荷実績から見ても、PBX
表 2)。
「大容量 IP-PBX『CX-01』の下位領域
市場において信頼性と堅牢性に勝る
加えて、総収容回線数は MX900IP
も含めて幅広いお客様をカバーでき
レガシーPBXは根強い」と話す。日立
の288 から384 に、内線数は192 から
る」と話す。
のI P テレフォニー製品はレガシーを
256 へと30%アップさせたことで、こ
また、筐体・基板の設計を見直すこ
ベースとして継承しながら、ひかり電
れまで CX-01のタイプ Sを適用してい
とで、容量は拡張しながらも主装置の
話(NTT 東西)やFMCといったキャ
た企業層にも、M X-01で、よりコスト
筐体サイズ・設置スペースは縮小。工
リアサービスとの連携、UC/モバイル
を抑えた提案が可能になる。N E Cや
事を容易にする工夫も凝らされてお
活用といった新ニーズへの対応を実
OKIといった競合メーカーが近年、ビ
り、販売店が行う工事の効率性にも
現することをコンセプトとしてきてお
ジネスホンを大容量化して、PBXユー
配慮された製品となっている。
り、2012 年に発売した CX-01、2013
ザーに対して低価格な提案を進めて
機能面では、M X900I P の機能を
年発売のビジネスホン「integral-F」と
いる。M X-01の大容量化はその対抗
継承しながら、大企業向けの CX-01
もに、これに基いて設計された。
策にもなる。
の先進機能を取り入れ、また、ユニ
だが、その中間に当たる中小容量
ファイドコミュニケーション
(UC)機能
PBXのMX900IPは発売からすでに7
中堅中小に適したUC を
も強化している。
年が経過しており、回線規模(内線+
機能面については、まず、販売店か
●この冊子は「月刊テレコミュニケーション」2015 年 5月号より抜粋したものです。
●掲載記事の複写・無断転載を禁じます。
テレコミュニケーション_May 2015
ら特に強く要望されていた 3 つの点を
図表 2 PBX 回線規模と製品ラインナップ
強化したことが目玉となる。
MX900IP では専用のアダプタ装置が
必要だったが、M X-01ではこれが不
要になり、追加コストなしにひかり電
話サービスを活用できる。
2 つ目は通話録 音機能の強化だ。
フルラインナップ
1 つ は、ひ か り 電 話 の 直 収 だ。
PBX回線規模
CX-01
タイプL
CX-01
タイプS
MX900IP
顧客対応の品質向上やコンプライ
アンス強化を目的として通話録音を
ラインナップ比較
ポート数
1万6000
integral-F
大規模
2012年
CX-01発売
中規模
小規模
ビジネスホン
∼1万6000
∼2000
∼1000
CX-01
L
MX-01
∼384
∼384
2008年
MX900IP発売
2013年
integral-F発売
integral
-F
CX-01
S
∼288
MX
900IP
利用するユーザーが増えているため
だ。最大 録 音時間が 7 時間から250
品と言えるだろう。
つが、これまでハードウェア(基板)で
時間に伸びたほか、同時 利用回線
また電話機に関しても、細かな工
実装していた各種機能─通話明細
数(8 → 32)
、録 音ボックス数( 最 大
夫が見られる。ハンズフリー通話に対
の蓄積、ナンバーディスプレイ送受信、
256 → 512)
、メッセージ数(ボックス
応した新レガシー電話機をラインナッ
会議トランク、PBレシーバ─をソフ
当たり100 件→ 999 件)も大きく拡張
プに加えた。通常、非 I P の内線電話
トウェア化し、CCU
(通信制御装置)
に
している。また、主装置内に保存され
機でハンズフリー通話を行う場合は、
実装したこと。また、回線増設時に挿
る録 音データをP C に取り出して管
両者が同時に話すと混線して通話が
入する基板も、1スロットに従来の2 倍
理・再生することも可能になった。
できない。これを解決して双方向通
の回路を搭載できるようにした。
3 つ目は、発着信履歴の管理機能
話ができる「ダブルトーク」の機能を
このように筐体内部は高密度化し
の強化である。内線毎の発着信回数
備えたものだ。簡易な電話会議端末
ているが、キャビネット内のケーブル
や通話数、応答履 歴等が 把握でき
のような使い方も可能で、ミュート機
付設ルートを拡張して配線作業もし
る。履歴データから内線電話の使用
能も備えている。
やすくした。さらに、基板の増設や保
頻度を分析してムダな電話機・回線を
電話機については当面、既存の電
守交換時には、システム全体の運用
削減したり、取引先や顧客からの電
話機ラインナップをM X-01でも用い
を停止することなく回路/パッケージ
話に確実に対応できているかを把握
る。16 ボタンのラインキーを備えた
毎に停止・交換が可能になった。ユー
するといったことに使える。
PHS 端末「HI-D9PS」など、日立 PBX
ザー企業の業務時間内でも、影響を
このほか、UC 対応も目玉と言える。
ユーザーは端末を引き継いで利用可
最小限にとどめて保守作業を行える。
日立情報通信エンジニアリングは、
能だ。
日立情報通信エンジニアリングは、
CX-01と連携して電話帳検索やプレ
まず従来機種のリプレースを中心に販
ゼンス、クリックtoコール等の機能を
システム止めずに増設・保守
アドオンできる「 Web電話帳ソリュー
最後に、設置や配線工事のしやす
として、CX-01とMX-01の連携も行う
ション」を提供しているが、M X-01も
さを重視した設計となっていること
予定だ。大企業を対象に、センター拠
これと連携可能だ。中堅中小クラス
も、PBX 販売店や工事業者にとって
点にCX-01を、中小拠点にM X-01を
のユーザー向けに「中小オフィス向
重要なポイントだ。
導入して、それらをIP 網で連携させて
けモデルも用意している」
(箭内氏)。
M X-01は前述の通り収容回線数を
一元的に運用する大規模セントレック
サーバー構築・運用に不慣れな販売
拡張しているが、これは、基板や回路
ス構成が可能になるという。
店やユーザー企業の管理者にとって
の実装スペースを有効活用し、収容効
それ以後も、半年に一度のペースで
は、UC に取り組む入口になり得る製
率を高める工夫をした結果だ。その1
機能拡張を計画しているという。
売を進めた後、15 年秋頃には新機能
テレコミュニケーション_May 2015