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クランク室圧縮形二サイクル機関の掃気 : 吸気管系内の
圧力波形と給気比について
田中, 義弘; 浜崎, 和則; 石神, 重男
鹿児島大学工学部研究報告, 13: 9-15
1971-09-30
http://hdl.handle.net/10232/11178
http://ir.kagoshima-u.ac.jp
クランク室圧縮形二サイクル機関の掃気
(吸気管系内の圧力波形と給気比について)
田中義弘*・浜崎和則**・石神重男***
(受理昭和46年5月31日)
SCAVENGINGOFTHECRANKCASECOMPRESSION
TYPETWOSTROKECYCLEENGINE
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1 . 緒 言
クル機関の給気比は吸気・排気系中の気中の
二サイクル機関の給気比は吸気・排気系中の気中の
‘慣性効果。脈動効果に左右されることが知られている
長,回転数を変えたばあいの給気比,吸気管内および
クランク室内圧力変化をしらべ,給気比との関係につ
いて検討したものである.このさいクランク室容積の
変化の影響も加えて検討した.
が,特にクランク室圧縮形二サイクル機関のぱあいそ
の影響が大きい.これらについて最近いくつかの研
究')2)3)4)がなされており,筆者らも今までにクランク
室容積の影響5),掃気流入抵抗の影響6)などについて
解明してきたがなお不明な点が多い.
本研究はクランク室圧縮形二サイクル機関の吸気管
*
鹿児島大学工学部機械工学第二学教室・助教授
**
鹿児島大学工学部機械工学第二学教室・助手
鹿児島大学工学部機械工学第二学教室・教授
***
2.実験装置および実験方法
実験装置の概略を図1にしめす.供試機関はシュ
ニーレ掃気式クランク室圧縮形二サイクル機関で,シ
リンダ直径80mm,行程100mm,ポート開閉時期は
図2,機関原形のクランク室圧縮比は1.406である.
鹿児島大学工学部研究報告第13号
1
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ー可
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鋲脅制1
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・管三器
変速機
齢崎・一証
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ブロワ
図1実験装置概略図
めすピックアップを試作して使用した.吸気量は四分
TD、C
∼錘
円ノズル,回転数はディジタルカウンタで測定し,実
‘験は機関をモータリング運転して行なった.
使用した記号はK:給気比,L:吸気管実長mm,
Ls:吸気管とクランク室を一体とした振動系の相当管
長(一端閉管)mm,Ⅳ:毎分回転数,β:クランク角,
0:クランク角であらわしたある期間,P:圧力kg/cm2
atg.,晩:クランク室容積を変化するための付加容積
cc,α:吸気管内音速、/s,、:慣性次数である.サフイ
ックスは10:吸気孔開時,IC:吸気孔閉時,SIC:吸
0
気孔閉時の吸気孔直前の状態,Cm:吸気孔閉時のク
ランク室内の状態,*:吸気孔開閉についての有効角に
対応する値である.
Lsは吸気管系を長さL,断面積F,吸気孔開口期間
BDC
図2ポート開閉時期
吸気管一クランク室系の効果のみを明らかにするた
め,排気孔は盲蓋をしシリンダヘッドをはずしてこの
部を行程容積の約600倍の容積のサージタンク1に接
続した.タンク内圧力はタンクに続く管,ルーッブロ
ヮ,バイパス弁等の系路によって実験中常に大気圧に
保った.吸気孔直前の吸気管内圧力およびクランク室
内圧力測定ピックアップは市販指圧器では取り付け接
続管内の脈動圧力を混入しやすいので新たに図3にし
のクランク室平均容積脇…の系とし音響インピー
ダンスの考えを入れて次式から算出される.
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添
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…
…
…
…
…
…
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L‘=芋………………………(2)
ただしLe:等価管長(原系と振動数の等しい両端閉
管の長さ)
実験範囲はⅣ=400∼2000rpm,L=700,1000,1400
mm,原機関の吸気孔閉時のクランク室容積=1574cc,
庇=0,500,1500ccである.
田中・浜崎・石神:クランク室圧縮形二サイクル機関の掃気
篭--18#
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鍾一錘アスピレータヘ接続
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篭、綱綴一べ綱順
副3試作指圧器の詳細図
て,他の山は脈動効果によって生じたものである.ま
3.実験結果とその検討
た吸気管長が短かく左るほどKh,1xを生ずる回転数は
(1)給気比と回転数との関係.
高速側に移動することがわかる.尻のことなる曲線
吸気管長を一定にし,クランク室付加容積をパラ
を比べてみるとKtu肌衷を与える回転数は庇が大きく
メータとしたときの給気比と回転数の関係を図4,図
なるほどいくらか低速側に移動している.しかし曲線
5,図6にしめす.この結果は排気系の影響を含まを
全体の形は庇が変ってもさほど変化していない.特
いものである.給気比は回転数の変化とともに大幅に
にK血ax点以外の給気比の山はycが変化してもほぼ
変化し,いくつかの山をもった曲線とたる.この中
一定の回転数のところに生じている.このことは前者
でKh,axを与える山は吸気系内気柱の慣性効果によっ
が吸気管とクランク室を一体とした振動系の振動従っ
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図4
回転数と給気比の関係
GVC=1500cc
一戸
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、
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p ③
図5
800…・1200.1600
回転数rpm
回転数と給気比の関係
2000
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第13号
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鹿児島大学工学部研究報告
1
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1600
2000
回転数rpm
回転数と給気比の関係
図8回転数に対する給気比とP*CICとの関係
て慣性効果,後者は吸気管内のみの振動従って脈動効
果に起因するものと判断される.以下晩を一定と
し,吸気管長をパラメータとし主として給気比と回転
し,特にP*CICの増減に比例することが明らかであ
る
.
(3)給気比を大きくする』V》L,ylcの条件について.
数との関係に着目して検討した.
(2)給気比とP*SIC,P*oroの関係.
(i)給気比Kと慣性次数mについて.
鹿を一定,LをパラメータとしたときのⅣとK,
岡4)は吸気孔が開いて,その時発進した圧力波が往
P*szo,Ⅳと亜P*ozoの関係例を図7,図8にしめ
復し吸気孔が開いている期間に何周期かえってきたか
す。給気比増減の傾向はP*Sm,P*croの増減と対応
を表わす数mを慣性次数と名づけ次式で与えた.
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ただしシ,:吸気系気柱の自由振動数,
この式をLsで書きかえると
aero今r0.-回且…………………(4)
、=五丁・360Ⅳ
この式を利用して本実験の結果を整理したのが図
9であり,Kmaxは、=0.5付近に生ずることがわか
る
。
三宅ら7)は吸気孔の有効開時と同時にクランク室内
の負圧が作用して吸気孔に負圧波が発生し,これが吸
LL
0
1
・
−0
m=e器。。÷…………………………(3)
。可、
曲&」、』
気孔開後吸気管,クランク室を含めた自由振動系とし
て振動し,その自由振動は1/2周期経過後に正圧の最
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2
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U
,1200
回転数rpm
図7回転数に対する給気比とP*Smとの関係
大値と左り,この時期が吸気孔の有効閉時期に同調す
れば圧力波を有効に利用することにより給気比の最大
値を与えると考え,その時の回転数Zvrを次式で与え
た
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田中・浜崎・石神:クランク室圧縮形二サイクル機関の掃気
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‘慣性次数沈
図9慣性次数と給気比の関係
式中の0*IC→ICは吸気孔の有効開期間角である.
図のごとき曲線とをったものとみられる.このことか
岡の式(4)ではeIo→ICをとっているが,実際問題
としてはe*r0.mをとって計算すべきもので,した
がって以下すべて有効角で考えてゆくことにする.有
ら吸気管内に残存する前サイクルからの脈動波が吸気
孔の有効開時期にいかをる位相であるかがKの値を
効角は指圧線図から求めることができる.
(4)式のⅣに(5)式のZVrを入れるとKma粟を与え
論ずる上に重要であることをしめすものである.
(A)図11の(a)(c)のぱあい.
これらのぱあい良好な給気比を与えているが,(a),
るときの慣性次数として、=0.5が算出される.この
(c)図をみると吸気孔が開く時期β*zoに吸気管内脈動
値は図9にしめした本実験の結果とよく一致した.
波の負の波が到達している.すなわち吸気孔が開いた
(ii)吸気孔直前の圧力波形とKの関係.
L=997mmとして回転数を50回転ピッチで変え,
jV-K関係を詳細にしらべたのが図10で,同じ条件の
あとクランク室の吸入の負圧と脈動波の負圧が重たり,
ときの吸気孔直前の圧力変化のいくつかを図11にし
β*m後の負圧の谷は深くたり,これにつづく圧力上昇
は大きく,P*10時に高いP*OICを与え,けつきよ
くKの値は大きくなる.オッシロからみて脈動波が以
めす.
上のようを位相となることはβ*mからつぎのβ*IC
図10中のjViは、,=0.5に対応する回転数で,給気
比は大きい.しかし最大値ではなくその両側の900,
1100rpm付近に最大値が生じている.これはZVrが
までの期間,すをわちe*IC→ICの間に吸気管内脈動波
が(乃十0‘5)周波含まれることを意味する.
ただし刀=0》1,2,…….
吸気孔開にともたう吸気管とクランク室からなる振動
以上のような給気比の山を与える回転数をZVrzと
系の単たる慣性効果として算出した値であって,慣性
するとjVirは(5)式から類推して次式で求めることが
効果だけならここにKmaxが生ずるはずであるが吸気
管内に前サイクル以来の脈動波が存在し,これが加わ
できる.
るために変化がおこったもので,このぱあいはZVr点
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。………・・・・………・……(6)
鹿児島大学工学部研究報告第13号
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K=0.96
DCK=0.92
図11吸気孔直前の圧力波形
(B)図11(b)のばあい.
このばあいはβ*ZOのとき脈動波の正圧波が同調し
ており,β*m後の負圧の谷は浅く,したがってどれ
につづいておこる圧力上昇はゆるやかでありPsrcは
低く,給気比も小さい.
(c)図11の(。),(e)のばあいJ
以上の(A),(B)で論じたのは比較的回転数の低い運
転範囲で,言いかえると吸気管内の脈動波の周期と吸
気孔の有効開時から閉時までの時間(クランク角では
ない)がほぼ近い値の条件のばあいであった。回転数
(
d
)
心…I
ただし刀=0,1,2,.‘.
が高くなると前者(周期)は同じであるのに後者が短
かくなってゆくので給気比上昇の条件が異なってくる.
L=997mm
Vc=OCC
図11の(d)および(e)はそれぞれ1350,2000rpmの時
の圧力波形で,このとき図10にしめすように給気比
の山ができている.圧力波形からみてβ*zoの時に吸
気管内の正圧波が到達しているとき給気比がよいこと
がわかる.これはZVrzのばあいと反対の条件である.
かく'たる理由は吸気孔開口時間が短かいためjVizの
田中。浜崎。石神:クランク室圧縮形二サイクル機関の掃気
1
5
ばあいのようにβ*、後の負圧の谷を深くするとそれ
気管が短かいほど,クランク室容積が小さいほど高速
につづく圧力上昇を完了するに十分な時間がたく左
域に移動する。P*Sm,P*crcが大きいほど給気比は
り,圧力が上昇しきれたいうちにβ*ICに達し給気比
大きい.給気比が大きくたる回転数は慣性効果のみの
の低下をまねくのであって,したがってこのばあいは
影響のときは(5)式のZVzとして,これに脈動効果が
負圧の谷を浅くすること,つまり脈動波の正圧波が
加わったときは(6),(6)'式のjVrrで,吸気管内圧力波
β*zoに同調することの方が好ましいことにたる.圧
の周期に比し吸気孔開時間が短かいとき,す左わちあ
力変化図からもわかるようにこの条件のときはβ*Jc
る吸気管長に対して回転数がいちぢるしく高いときは
からβ*mの期間に吸気管内の圧力波が1,2,3,...周
(7),(7)′式で算出される.これにより適当左吸気系の
期するときに相当する.このときの回転数をzvノ〃と
計画ができる.
すれば(6)式から類推して
5.あとがき
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、
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………..……………・…(7)
=*些蒜竺嫡0(÷》…(7')
ただし刀'=1,2,3,...
本研究を遂行するにあたり,実験に協力した学生,
柿元邦彦,小森園準一,宮本和雄の諸君に謝意を表す
る.左お本研究は昭和43年5月31日,日本機械学会
九州支部第21期鹿児島地方講演会において発表した
ものに加筆したものである.
以上の(5),(6),(7)式による計算結果を図10の中に
6,文
記入したが,給気比曲線中の山とよく一致した.よっ
て以上の三式を利用することにより,吸気管長Lが
与えられる左らば給気比の山ができる回転数を,また
逆に給気比を大きくしたい回転数が与えられるたらそ
れを実現するための吸気管長Lを求めることができ
る.すたわち常用回転数に対する最適管長を求めるこ
とができる.高速回転エンジンにおいて構造上吸気管
を最適管長まで短かくできをいばあいもあるが,その
ときは(7),(7)'式によって次善の好条件の点を求めて
利用することができる.
献
1)浅沼,沢:小形二サイクル機関における給気管系
の影響について.
日本機械学会論文集25巻156号(昭34-8)
2)長尾,嶋本,三宅:クランク室掃気二サイクル機
関の吸気管効果.
日本機械学会論文集26巻171号(昭35-11).
3)沢:クランク室圧縮形二サイクル機関における給
気管系の慣性効果について.
室蘭工業大学研究報告,4巻2号(昭38-6).
4)岡,横森:二サイクル機関の吸気管長が機関性能
におよぼす影響.
4 . 結 論
クランク室圧縮形二サイクル機関の給気比に対する
給気系のみの影響をエンジンをモータリングして検討
した結果つぎのことが明らかとなった.
給気比はクランク室容積の影響を受け,これが大き
く左ると給気比の山は低回転側にいくらか移動する.
しかし坪K曲線の全体の形はあまり変化しない.特
にKma茎の山以外の山は容積がかわってもほとんど移
動し左い、吸気管長,クランク室容積が一定でも回転
数が変わると給気比はいちぢるしく上下し,Ⅳ一K曲
線には多くの山があらわれる.Kmaxを与える山は吸
日本機械学会東海支部講演会論文集(昭42-10).
5)田中:クランク室圧縮形二サイクルエンジンの掃
気(クランク室の影響).
日本機械学会九州支部佐世保地方講演会(昭40−
5
)
.
6)石神,田中:クランク室圧縮形二サイクルエンジ
ンの掃気(掃気流入抵抗について).
日本機械学会九州支部第20期総会講演会(昭42−
3
)
‘
7)三宅,三谷:小形二サイクル機関の吸・排気系に
関する考察.
内燃機関3巻23号(昭39-5).