道 徳

小低
小中
小高
中前
中学校
中後
第1学年
高前
高後
学活
道徳
総合
自己
表現
関係
他者
設計
職業
道徳指導案
勤労の意義
勤労の意義を理解し,社会とのかかわりを考え,充実した生き方を求める態度を養う。
職業理解能力
さまざまな職業に就いて働いている人たちの様子や考えを知る。
自己表現能力
自分の考えを聞き手に分かりやすく説明する。
他者理解能力
他者の長所を理解する。
テーマと中心価値
勤労の意義
4−(5)勤労の意義
資料名
「オー・ブリオンの一日体験」(暁教育図書「中学生の道徳1」)
授業のポイント
「働くこと」は,自らの生活の基盤を築くために必要なことである。その「働くこと」を通して,
人はそれぞれ苦労しながら仕事を覚え,他の役に立つことに充実感や生きがいを感じ,同時に,社会
を支える人間としての責任感を培っていく。中学校1年生なりに,
「働くこと」への理解を深めておく
ことは,将来の自立した生き方を考えるためにも大切なことである。そこで,
「勤労の意義」というテ
ーマを設定し,授業を構想した。
資料については,パン屋に職場体験に来た4人の生徒たちが,パン作りなどの仕事を通して素人と
プロの違いやプロの誇りに気付かされる,という内容である。
「職場体験」を通じた登場人物の変容を
読み取らせ,
「働くこと」について考えさせることで,ねらいに迫ることができるとともに,職業理解
能力の育成を図ることができると考える。なお,資料分析については,下図のとおりである。
資料分析
場
面
林さんの言葉
わたしの心情
おもな発問
焼きあがった『作品』に歓声をあ
げ,生クリームを注入してトレー
に並べようとしたとき,林さんか
らきつく注意される。
「あんたたちの分
は陳列しなくてい
い。売り物にはで
きないから。」
すっと喜びが消
し飛び,代わりに
反感をもった
お客さんは,「わた
し」たちの『作品』とお
店の商品のどちらを
選ぶか。
林さんに気付かれないように並
べたパンが,全部売れ残る。
「ま,仕事は遊び
半分じゃできない
ってことだよ。」
腹が立った
職場体験に来たパン屋で,さっ
そくパン作りに取り組む。
お礼を言い,お土産をもらっ
て,店を後にする。
「ご苦労さんだった
ね。どうだった?」
言いわけはした
くないと思った
「わたし」はどうして,
言いわけはしたくな
いと思ったのか。
まるごと一日,林
さんと一緒に働
いて頑 張ってみ
たい
林さんが「わたし」た
ち 4 人 に 分 か って ほ
しかったのは,どんな
ことか。
やりがいを見つけ,一生懸命働こうとする気持ちをもてるようにしよう。
35
小低
小中
小高
中前
中後
高前
高後
学活
道徳
総合
自己
表現
関係
他者
設計
職業
学習過程
段階
導
学
1
習
活
動
指導上の留意点と評価
本時のテーマに関心をもつ。
入
◇「勤労」という言葉の意味について,
簡単に説明しておく。
勤労の意義
(5)
2
資料を読み,登場人物の心情や発言について
話し合う。
気
付
く
(1) 資料「オー・ブリオンの一日体験」の前半部
を読み,「わたし」の心情を想像する。
(2) 発問1
◇生徒が「わたし」の心情を想像でき
るように配慮しながら範読する。
◇発問後,「客はお金を払って買う」と
お客さんは,「わたし」たちの『作品』とお店
いう視点を適宜強調する。
の商品のどちらを選ぶか。
考
○品質を考え,お店の商品を選ぶ
え
○ただでもらえるなら,『作品』でもいい
る
(3) 資料の後半部を読み,林さんの考えを理解す
◇林さんの視点を意識しながら読むこ
とを助言してから範読する。
る。
(4) 発問2
◇発問後,職場体験をさせてもらって
「わたし」はどうして,言いわけはしたくない
いる立場について,適宜助言しなが
と思ったのか。
ら,多くの生徒に答えさせるよう配
○言いわけをしても,「じゃあ,来なければよ
慮する。
かったじゃないか」と言われるだけだから
見
(5) 発問3
◇資料の,林さんの苦労話の部分を再
つ
林さんが「わたし」たち4人に分かってほしか
度読むように指示するなど,個別に
め
ったのは,どんなことか。
適宜助言する。その後,班で話し合
る
○お客さんの期待にこたえられるようなパン
わせ,全体で発表させる。
を作るのは,簡単ではないこと
(35)
○パン職人としての自分の仕事に誇りをもっ
て取り組んでいること
3 教師からの助言を聞き,自分の感想や意見を
高
まとめる。
め
どんな仕事にも苦労はある。しかし,やり
る
がいを見つけ,一生懸命取り組めば,大き
(10)
◇助言は短くし,書く時間を確保する。
職勤労の意義について,考えを深め
ることができたか。《観察・記録》
な充実感を味わうことができる。
※
職:職業理解能力
その他
「学習活動3」で生徒が書いた感想や意見を,帰りの会で紹介したり,学級通信で紹介したりする
ことで,さらに指導効果を高めるようにする。また,以後の「職場体験学習」等に向けて意識を高め
る意味で,「働く人の思い」について,折々にふれるようにする。
36
小低
小中
小高
中前
中学校
中後
第2学年
高前
高後
学活
道徳
総合
自己
表現
関係
他者
設計
職業
道徳指導案
他に学ぶ広い心
一人一人の個性や立場を尊重し,謙虚に他に学び,広い心で自己を高めようとする態度を育てる。
他者理解能力
他者の長所を理解する。
人間関係形成能力
コミュニケーションを通して,人間関係を広げたり深めたりする。
自己表現能力
自分の考えを聞き手に分かりやすく説明する。
テーマと中心価値
他に学ぶ広い心
2−(5)広い心
資料名
「みんなちがって,みんないい」(暁教育図書「中学生の道徳2」)
授業のポイント
中学校の2年生ともなれば,
「自分は自分」という発想で,級友との深いかかわりを避ける生徒も出
てくる。しかし,自分を客観的に見つめ,自らの不完全さを知って向上させるためにも,他の人の個
性を尊重し,謙虚に学ぼうとする広い心を育てることは大切である。そこで,
「他に学ぶ広い心」とい
うテーマを設定し,授業を構想した。
資料については,班活動の中で互いにぶつかりながら,それによって互いのよさに気付き,理解し
合う姿が描かれたものである。他者とのかかわりあいの中で相手のよさを認めることの大切さを理解
させることで,ねらいに迫ることができるとともに,他者理解能力の育成を図ることができると考え
る。なお,資料分析については,下図のとおりである。
資料分析
場
面
遠足では生活班で行動するという
報告を受けた学級活動の時間
僕(藤野)の心情
決めたことはしっ
かり守っていくべき
吉川の心情
班で行動するはずの遠足なのに,
前後に分かれてしまう。女子に求
められて野草について説明する吉
川に,僕(藤野)が注意する。
牧(班長)たちは早
いし,吉川たちは
遅いし,一人でどう
したらいいのか
藤野のことは気に
なっていたが,植
物のことになると
熱が入ってしまう
先に行っている二人に知らせよう
と一人で道を急ぐが,心細くなる。
吉川や女子たちを
いまいましく思う
花をむしったことを吉川に強く注
意され,僕(藤野)も言い返すが,
吉川を支持する声に,全員静まり
かえる。
時間やきまりを大
切にしたい
他に迷惑をかけな
いようにという気持
ちが,吉川たちの
迷惑になっていた
静まり返った雰囲気の中で,牧
(班長)が,「みんなちがって,みん
ないい」ということを発言する。
すごく気持ちが楽
になってきた
おもな発問
僕(藤野)は,どうして
吉川たちをいまいまし
く思っているのか。
植物と触れ合うゆ
とりくらいあったっ
ていい
僕(藤野)と吉川は,どち
らが,より相手に「迷惑」
をかけていたのか。
僕(藤野)と吉川のよ
さとは,それぞれどん
なところだろう。
他者とのかかわりあいの中で,相手のよさを認めることが大切なのではないか。
37
小低
小中
小高
中前
中後
高前
高後
学活
道徳
総合
自己
表現
関係
他者
設計
職業
学習過程
段階
学
1
習
活
動
指導上の留意点と評価
本時のテーマに関心をもつ。
◇自分の気持ちと相手への思いやりと
導
図書館で本を読んでいるのに,友達がしつこく
の間で葛藤する場面を想起させ,本
入
話しかけてきたら,どうする?
時のテーマへの導入を図る。
(5)
○注意してやめさせたいが,相手をするかも。
2
資料を読み,登場人物の心情や発言について
話し合う。
気
付
く
(1) 資料「みんなちがって,みんないい」の前半
部を読み,藤野の心情を想像する。
◇生徒が僕(藤野)の心情を想像でき
るように配慮しながら範読する。
(2) 発問1
僕(藤野)は,どうして吉川たちをいまいまし
◇僕(藤野)に対して批判的な反応が
返ってきた場合も,後の場面で生か
く思っているのか。
すことを考え,受けとめておく。
○自分の気持ちを分かってくれない。
○被害者のような気持ちになっている。
(3) 資料の後半部を読み,吉川の考えを理解す
◇吉川の視点を意識しながら読むこと
を助言し,範読する。
る。
(4) 発問2
◇「迷惑」という言葉の解釈について
考
僕(藤野)と吉川は,どちらが,より相手に「迷
適宜説明した上で,僕(藤野)がかけた
え
惑」をかけていたのか。
「迷惑」にも気付くように仕向ける。
る
○ゆとりがなく,きまりを押し付ける藤野の方
○藤野の気持ちに反した行動をとる吉川の方
(5) 発問3
◇「人をどちら側から見るか」といっ
牧の「みんなちがって,みんないい」という言
た助言を与えながら,多くの生徒が
葉について考えよう。
発表できるように配慮する。
○お互いの「ちがい」をマイナスにとらえず,
プラスにとらえようとする見方
(6) 発問4
◇(5)を踏まえ,資料の中で,それぞれ
見
僕(藤野)と吉川は,それぞれどんなよさをも
のよさが表れている部分を指摘させ
つ
っているのだろう。
るなど,適宜支援する。
め
る
(35)
高
○藤野−時間やきまりを守ろうとするところ
班のことを心配し,気をつかうところ
○吉川−ゆとりをもっているところ
自分らしさをもっているところ
3 教師からの助言を聞いた後,資料名の下に,
◇助言は短くし,板書する時間を確保
全員が自分の名前を黒板に書き並べる。
する。
め
光があるところには,必ず影がある。
る
人には長所があり,必ず短所がある。
(10)
他相手のよさを認めることの大切さ
を理解することができたか。
友達の「よさ」を見つけて学び合おう。
《観察・記録》
※
他:他者理解能力
その他
板書した名前を撮影し,教室掲示に活用したり,学級通信で紹介したりすることで,指導効果を高
めるようにする。
38
小低
小中
小高
中前
中学校
中後
第3学年
高前
高後
学活
道徳
総合
自己
表現
関係
他者
設計
職業
道徳指導案
人生を切りひらく
かけがえのない自分の人生を切りひらいていこうとする意欲を培う。
将来設計能力
進路の決定に向けての課題を自覚し,その解決を目指す。
自己理解能力
自己の感性や価値観を客観的に見つめる。
自己表現能力
考えや意見を的確に伝えるために,表現を工夫する。
テーマと中心価値
人生を切りひらく
1−(4)理想の実現
資料名
「道はいつもひらかれている」(暁教育図書「中学生の道徳3」)
授業のポイント
中学校3学年のスタートとして,生徒には,人間としての生き方や社会の在り方にも関心をもって
ほしいし,よりよく生きようとする意欲や自分の将来を思い描く力も高めてほしいと考える。そこで,
「人生を切り拓く」というテーマを設定し,授業を構想した。
資料については,自らの人生を自らの力で切り拓いていくための心の在り方を,散文詩の形で述べ
たものである。
「道はいつもひらかれている」の後に続く言葉は,日常生活にあてはまることが多くあ
り,生徒の心にも力強く訴えてくる。言葉の理解や表現を通して,現在の自己を見つめ,将来に向か
って自己の人生を切り拓いていこうとする意欲を高めるとともに,将来設計能力の育成を図ることが
できると考える。
この資料(22 連の散文詩)の中で,生徒に気付かせ,考えさせたい言葉は,下のとおりである。
資料分析
1連
3連
4連
5連
6連
8連
9連
11 連
12 連
13 連
14 連
15 連
16 連
17 連
18 連
19 連
20 連
21 連
22 連
道はひらかれている
やる気があるかないか
自分が生きていくべき人生は,自分で発見していく
自分の心の姿勢
個性のない人生は真実の人生ではない
人生を明るく生きようとする
十度やってもやりとげられないことは,
百度やってみよう
やりとげるまでは,けっしてやめない
求める心
ほんとうの自分
ほんとうのわかったということ
やわらかい頭をもって,早く判断できる人
よいことをたしかによいとわかり,
わるいことをたしかにわるいとわかる
教養とセンス
たえず,知ろう,まなぼう,考えようとする意欲
いちばんむずかしい道のほうを,
いっしょうけんめいにあゆみつづけている
人間としての権利の意識,大切な責任の意識
しなければならないことこそを,まず行う
道は平坦ではない
自分の真実にこそ生きつらぬいていこう
39
2連
道はとざされる
だめだと思う人は
だめになっていく
7連
あきらめてしまうことは,
もはや生きることではない
10 連
心の束縛の不自由さ
(見栄や虚栄心,にくしみや
うらみ,欲の深さや身勝手
な自分本位,そうしたものに
心をしばられている)
小低
小中
小高
中前
中後
高前
高後
学活
道徳
総合
自己
表現
関係
他者
設計
職業
学習過程
段階
学
1
習
活
動
指導上の留意点と評価
本時のテーマに関心をもつ。
◇白いカバーをかけた本を一冊用意
導
これは「あなたのこれからの人生の全てが書か
し,生徒に示す。発言させながら,
入
れている本」です。その内容は?
期待と不安の両方の視点をもたせ
(5)
る。
○明るい未来が書かれていると思う。
○読んだら怖くなるから,知りたくない。
2
気
(1) 資料(「道はいつもひらかれている」)を読み, ◇1人1連ずつ音読させながら,傍線
印象的な言葉を見つけ,傍線を引く。
付
く
資料を読んで話し合う。
を引く時間を与えるよう配慮する。
(2) 印象的な言葉を発表し合いながら,自分や級
◇指名して発表させる際,同じ言葉に
友が選んだ言葉の意味を確認する。
傍線を引いた生徒にも挙手させ,共
○その人に,やる気があるかないかだけ
通する「感性」について意識させる。
○個性のない人生は,真実の人生ではない
(3) 発問1
◇発問後,席の近い生徒同士で話し合
考
「道はいつもひらかれている」という題名に
いができるよう時間をとる。その後,
え
は,作者のどんな思いが込められているのでし
指名して全体の場で発表させる。
る
ょう。
○将来はまだ決まっていない。
○自分しだいで進む道が決まる。
3
自分の考えを表現する。
(1) 発問2
◇資料の言葉を一部改変する程度でも
見
「道は,すべての人の前にひらかれている。」
つ
に続く言葉を,自分でも考えてみよう。
め
かまわないことを助言する。
(2) ワークシート(道徳ノート)に記入しながら, ◇机間指導によって個別に支援する。
る
自分の考えをまとめる。
(3) 自分の考えを発表するとともに,級友の発表
(35)
◇席の近い生徒同士で話し合わせた
後,指名して全体の場で発表させる。
を聞く。
○楽な道を歩もうとすればするほど,道はどん
どん険しくなっていく。
4
高
教師からの助言を聞き,自分の感想や意見を
まとめる。
め
る
(10)
◇助言は短くし,書く時間を確保する。
将自分の人生を切りひらいていこう
自分の未来は,自分が切りひらこうと努力
とする意欲をもてたか。
した分だけ,思い通りになっていく。
《観察・発表》
※
将:将来設計能力
その他
4月の学級活動「最上級生としての決意」との関連に留意して実施し,指導効果を高めるようにす
る。
40
小低
小中
小高
中前
中学校
中後
第3学年
高前
高後
学活
道徳
総合
自己
表現
関係
他者
設計
職業
道徳指導案
望ましい友人関係
真の友情について考え,理解するとともに,心から信頼できる友人関係を築き上げようとする意欲を
高める。
人間関係形成能力
相手に配慮しながら,積極的にコミュニケーションを図り,よりよい人間関係をつくる。
他者理解能力
他者の意見や助言等を理解し,それを受け入れる。
自己理解能力
自己の感性や価値観を客観的に見つめる。
テーマと中心価値
望ましい友人関係
2−(3)友情
資料名
「ライバル」(暁教育図書「中学生の道徳3」)
授業のポイント
人間は他人との関係の中で自己を見つめ,自己を成長させる。特に友人関係は尊くかけがえのない
ものであり,自らの生き方に多大なる影響を及ぼすことも少なくない。そこで,生徒によりよい友人
関係の在り方を考えさせるとともに,積極的に他人とかかわっていこうとする意欲を育てたいと考え,
「望ましい友人関係」というテーマを設定し,授業を構想した。
資料については,
「ライバル」という題名のとおり,仲の良い友人同士でありながらライバルでもあ
る二人の,一方が病気で入院したことによるそれぞれの葛藤を中心として描かれたものである。二人
の心の揺れに着目させながら,よりよい友人関係をつくるために,どんな言動をとればいいのかを考
えさせることで,ねらいに迫ることができるとともに,人間関係形成能力の育成を図ることができる
と考える。なお,資料分析については,下図のとおりである。
資料分析
場
面
山本啓介の心情
全国大会をめざす啓介と康夫は水
泳競技のライバルである。しかし,
啓介は康夫になかなか勝つことが
できないでいる。
友情は変わらない
つもりだが,なんと
なく康夫を苦手と
感じるようになって
しまった
康夫が入院してしまうが,啓介は見
舞いにいけない。一方,康夫は,病
院のベッドの中で様々なことを考え
ている。
ほっとした感じ
父親のすすめもあって,啓介は,入
院している康夫を見舞いに行く。
康夫の心を明るく
しようと思ってじょう
だんをいう
心をこめて慰める
吉田康夫の心情
絶望的な気分
おもな発問
相 反 する 気 持 ち を 抱
えてしまった啓介は,
どうしたらいいのか。
友人の不幸を喜
ぶ自分がいや
啓介に対する態度を反省した康夫
は,啓介に手紙を書く。
笑顔ひとつ浮か
べられない
啓介を冷たくあし
らう
たまらなく恥ずか
しくなった
自分の心のみにく
さと狭さをわび,
啓介の活躍を願う
絶望的な気分ゆえに
啓介を冷たくあしらっ
てしまった康夫は,ど
うしたらいいのか。
見 舞 いに行 った啓 介
と手紙を書いた康夫
は,この後どうなるだ
ろう。
相手の立場に立って物事を考え,思いやりをもって発言し行動すれば,信頼し合える友人関係
を築くことができるのではないか。
41
小低
小中
小高
中前
中後
高前
高後
学活
道徳
総合
自己
表現
関係
他者
設計
職業
学習過程
段階
学
1
習
活
動
指導上の留意点と評価
本時のテーマに関心をもつ。
◇2学年の国語科教材「走れメロス」
導
あなたがメロスだったら,友人との約束を守り
を想起させ,自分がメロスだったら
入
(5)
ますか?
どうするかを考えさせることで,本
それとも…。
○守ろうとすると思うが,もしかしたら裏切るか
時のテーマの意識化を図る。
もしれない。
2
資料を読み,登場人物の二人の心情について
話し合う。
気
(1) 資料「ライバル」の前半部(啓介が康夫の見
舞いに行くまで)を読む。
付
く
◇生徒が啓介の心情を想像できるよう
に配慮しながら範読する。
(2) 発問1
◇康夫と顔を合わせにくくなっている
康夫の入院に対して,相反する気持ちを抱えて
啓介の気持ちを想像させ,自分の気
しまった啓介は,どうしたらいいのか。
持ちを整理することの難しさについ
て補説する。
○素直に見舞いに行けばいい。
○顔を合わせにくいのなら,手紙やメールで気
考
え
持ちを伝えればいい。
(3) 病院のベッドで啓介を迎えた康夫の姿を想
る
◇康夫の姿や心情を想像しながら読む
ことを助言し,範読する。
像しながら,資料の後半部を読む。
(4) 発問2
◇康夫の「絶望的な気分」を十分に想
啓介を冷たくあしらってしまった康夫は,どう
像させ,康夫への共感をもたせた上
したらいいのか。
で,発問を考えさせるよう配慮する。
○おわびの手紙を書けばいい。
○電話ですぐに謝ったほうがいい。
3
自分の考えを表現する。
(1) 発問3
◇二人の複雑な感情と,それを乗り越
見
見舞いに行った啓介と手紙を書いた康夫は,こ
えようとする姿を想像するよう助言
つ
の後,どんな付き合い方をしていくのだろう。
する。
め
(2) 自分で想像したことを,ワークシート(道徳
る
(35)
ノート)に記入する。
(3) 班の中で互いに想像したことを話し合いな
め
る
(10)
◇必要であれば,用紙を配布し,メモ
がら,1つのストーリーにまとめる。
しながらまとめさせる。
(4) 班で考えた「その後の啓介と康夫」について, ◇班ごとの紹介に対し,それぞれ簡単
全体の場で紹介し合う。
にコメントするようにする。
4 教師からの助言を聞き,自分の感想や意見を
高
◇机間指導によって個別に支援する。
◇助言は短くし,書く時間を確保する。
まとめる。
相手への思いやりさえ失わなければ,友人
関係は深く,強くなっていく。
関信頼し合える友人関係を築こうと
する意欲をもてたか。
《観察・発表》
※
関:人間関係形成能力
その他
「学習活動4」で生徒が書いた感想や意見を,帰りの会で紹介したり,学級通信で紹介したりする
ことで,さらに指導効果を高めるようにする。
42