NO.

(目次)
・代 表 挨 拶
P1
・2009 年度事業報告、2010 年度事業
計画
P2
・図書館フェスティバル
P3
・第2回総会・記念事業
P4
・「自殺したくなったら、図書館に行
こう」をめぐって
P5
・図書館からこんにちは、美和図書館 P6
・会員リレーエッセイ、しずともお
第3号:2010年3月
知らせコーナー
P7
・・図書館界ニュース
P8
「友の会2年目を迎えて」
:代表挨拶
静岡図書館友の会 代表 田中文雄
友の会会員の皆様、昨年一年間本当にお世話
になりました。皆様のご参加をいただき静岡図
書館友の会が発足しまして一年が経ちました。
今年も 1 月 17 日に総会を開き、多くの会員の
方々のご出席のもと、事業報告、決算報告、事
業計画、予算が承認されました。一年間、月に
1、2度の運営会議を中心に会を運営してまい
りましたが、会員への参加の呼び掛け、また皆
様の行事等への参加の広がりが非常に尐なかっ
たと反省しております。
さて加藤さんの著書『こんなに美しい夜明け』
(岩波現代文庫)に中勘助の『銀の匙』を加藤さ
んが朗読するという話しの中で『銀の匙』を「詩
的な自伝的小説として、その比類ない美しさで多
くの読者の心を捉えてきた」と書いています。
(中勘助の『銀の匙』とは、関係ありません)
皆様はそれぞれの「思い」で友の会に参加され
ていると思いますが、会の運営や行事の企画など
にもっと積極的にかかわりたいと考えておいでの
方も多いと思われます。総会でお渡ししたチラシ
「ご一緒に友の会の活動をしませんか?」にふる
って「参加します」のご連絡をお願いします。お
待ちしております。
恥ずかしながらまだ『銀の匙』を読んでいない
私は近くの西奈図書館に行き、館内で 3 時間かけ
読みました。読みながら、昨年亡くなられた稲森
道三郎さんのことを思い出しました。稲森さんは
『服織の中勘助 その生活と文学』
(平成 2 年刊)
で「
『銀の匙』を読んで以来、先生の著書を通じて
の長年の渇仰―先生は此んな言葉を嫌われるのだ
けれどーの末に戦後、先生がよく云われる『不思
議な御縁』で先生にお会いしてから今日に至る
迄・・」と書かれています。
総会とともに、加藤剛氏が「歩くに始まり立つ
に終わる ~俳優生活 48 年の覚え帳から~」と題
して語られました。加藤氏の第一声「みなさん今
日は」の声は私を含め会場内の全員がその声に圧
倒され、音楽をバックの朗読と語りそして声に魅
了された一時間でした。
私は図書館で稲森さんの『一座建立 中勘助の
手紙』
(1987 年刊)を借り、読みました。お酒、
食べ物、花、風景、趣味(絵、能、歌舞伎、謡、
俳句、音楽、映画等)などなど、戦後すぐの飢餓
状態でのできごととは思えない 40 歳近くも違う
二人の師弟を超えた豊かな心の行き来が手紙に溢
れておりました。そこで服織の新間にある「中勘
助文学記念館 杓子庵」に行って実物の「銀の匙」
を見てきました。加藤さんの「語るエッセイ」に
始まる縁の連鎖の不思議さを感じたひと月半でし
た。
「語るエッセイ」
:加藤剛氏
1
2009年度事業 報告
項番
1
項
第1回総会・記念講演会
目
日
程
2009.1.18(日)
摘
要
2
3
4
第1回しずともセミナー「県立中央図書館を知ろう」
会報の発行
第 13 回静岡県図書館づくり交流会
2009.2.14(土)
2009.3 月
2009.5.16(日)
5
6
7
8
県知事選候補者に公開質問状提出
会報の発行
第2回しずともセミナー「図書館ツアー」
「公共図書館職員のタマシイ塾」の主催
9
10
11
図書館フェスティバル
県立図書館の事業仕訳による予算削減への要望書提出
ブックリサイクル
12
ホームページの更新
2009.6.18(木)
2009.8 月
2009.9.25(金)
2009.10 月~
2010.3 月
2009.11.8(日)
2009.11.16(月)
随時
他団体主催のブックリサイ
クルへの協力・支援
随時
講師:
21 人参加
創刊号
63 人参加、
講師:福田誠治氏
候補者4氏に提出
第2号
30 人参加、4施設訪問
㈶図書館振興財団助成事業
(塾生)22 人参加
200 人参加(展示会除く)
13
図書館協議会委員への資料提供と協議会傍聴
随時
14
指定管理者導入見直しのための資料作成、配布
随時
15
非常勤職員の研修充実への協力
随時
このほかにも、図書館を学び、広め、支える活動を、日々行いました。
20 10年 度 事 業 計 画
項番
項
目
日
程
摘
要
1
「しずとも基 金」(図書館に 本を贈る )の 創 設
2010.1 月、開設済
2
第2回総会・ 記念講演 会
2010.1.17(日) 講師:加藤剛 氏、実施済
3
第 14 回静岡県図 書館づくり 交流会
2010.2.21(日) 講師:川勝県 知事、実 施済
参加者:115 名。知 事の講演
が好評でした 。
4
会報の発行
2010.3 月
第3号、実施
5
ブックリサイ クル
2010.5.21~23 決定、あざれ あ図書館
6
会報の発行
2010.8 月
7
図書館フェス ティバル
2010.10.3(日) 決定
8
図書館見学( 大学)
未定
9
「図書館を知 ろう」講 座
未定
10
ホームページ の更新
随時
11
地域資料の収 集、図書 館への提 供
随時
12
市民団体への 協力、支 援、後援
随時
13
図書館充実のための行政や関係者への働きかけ
随時
第4号
このほかにも 、図書館 を学び、 広め、支 える活動につ いて、随 時検討し てゆきま す。
日程の決定し た事業に ついて、 ご自身の 予定に組み入 れていた だければ 幸いです 。
皆様のご協力 をお待ち していま す !!
2
図 書 館 フ ェス ティ バル
○ 日 時:2009.11.8(日 ) 10: 00~16:30
○ 会 場:静岡市 葵区大岩 本町、 静岡市立中央 図書館
○ 参加者: 200 人( 展示会 参加者 除 く )
静岡図書館 友の会は 、静岡市 立中 央図書と協働 して 2009 年 11 月 8 日、「~図書館を 3
倍楽しむ日曜 日~ 」のキャ ッチフレー ズのもとに、「静岡 図書館フ ェスティ バル 2009」を
開催しました。 展示会 ( パネル写真 展「ファインダ ーに広が る風景」・絵 本展「 絵本の中の
図書館」 )、読 み聞かせ、工 作、講演会 、 朗読とチェロの コラボ 等、盛 り沢山 の行事を実施
しました。予想以上に 好評をい ただき 、来年以降 もやってほ しいとの ご意見 がありました 。
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図 書 館フ ェス ティ バ ルア ンケ ート 結果
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☆漆原宏氏(写真家)講演について
・映像を通してのお話は分かりやすかった。
・映像と説明から漆原さんのお人柄や図書
館への思いが伝わってきました。
・図書館や職員の可能性についての努力を、
行 政も利用 者も持 ち続ける ことの大 切さ
が分かりました。
・漆原さんの写真には、図書館の人間模様
が伝わってきます。
* 写真展は清水中央図書館に於いても開催しました。
漆原宏氏講演のタイトル
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☆朗読とチェロの調べ
・ 静 か な 会で と て も音 楽 と 朗読 が マ ッチ し て 良 かっ た
です。
・館長と友の会会員とのコラボがすごい!すばらし
い!静岡市の図書館をあちこちに自慢したくなりま
した。
・ さ さ く れだ っ た 気持 ち が チェ ロ の 柔ら か な 音 が癒 し
てくれるようで良かったです。
・ 耳 で 聞 く村 上 春 樹の 文 、 とて も よ かっ た で す 。キ レ
のいい文だということが良く分かりま した。
・ 生 の チ ェロ 演 奏 と朗 読 の コラ ボ レ ーシ ョ ン と ても 素
敵でした。夢心地の良い時間を過ごすことが出来まし
た。
朗読とチェロのコラボの様子
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☆友の会の活動について
・市立図書館をより充実させるための市民活動に初めて参
加させていただき、よかったなあ と感じました。
・静岡市の図書館のために頑張ってください。ありがとう!
・私は主婦ですが、いつも図書館を利用しています。館内
放送で一期一会と思い参加しました 。よかったです。あ
りがとうございました。
・図書館・行政・利用者3者の努力が大事ですね。
・参加したもの、みーんな楽しかったです。今まで静岡市
立図書館でこういう催しってありましたっけ?
図書館フェスティバル案内
3
http
○
○
○
「第2回総会・記念事業:語るエッセイ」
日 時:2010.1.17(日 ) 13: 00~15:40
会 場:静岡市 葵区鷹匠 3-6-1、 静岡県総合研 修所もく せい会館
参加者:約 100 名
1 階富士ホール
2010 年 1 月 17 日(日)、静岡市葵区 のも
い語り口で披露されました。参加者の評判
くせい会館において、第2回総会と記念事
はすこぶる良く、詳細は以下の感想 のとお
業「語るエッセイ(加藤剛氏)」を実施しま
りです。
した。
総会に於いては、来賓の静岡市立中央図
書館館長津田望氏よりご挨拶をいただき、
つづいて第 1 号議案「2009 年度事業報告」
から第6号議案「 2010 年度予算案審議」ま
で滞りなく終了し、休憩をはさんで、記念
事業として静岡県出身の俳優加藤剛氏によ
る「語るエッセイ」が行われました。タイ
トル通り、ご自身の著書であるエッセイ集
に綴られた数々のエピソードを分かりやす
総会風景
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第2回総会・加藤剛氏
「語るエッセイ」の感想
○感
想
※
加藤
抜粋
剛
氏
静かな口調の中に「勇気をもって一歩一歩強く生きること」の勇気をもらいました。
○ 「語るエッセイ」にふさわしく、朗読を聴くように心に沁みるお声と映像が浮かぶお話でした。
○ 本物の俳優のナレーションを生で聞かせていただいた満足感がありました。
○ 加藤さんの想像どおりの真面目なご性格がよく伝わるお話でした。
○ 加藤さんの落ち着いた声と、その声での朗読で、やさしく人生を肯定している話は、久しぶりに幸せ
なひとときの味わいでした。
○ 加藤さんは、やはり俳優ですね。
○ 素晴らしい声での朗読。お人柄がそのままの講演内容(語るエッセイ)でした。
○ 魅力的な音声で平和へのメッセージを俳優としてお話いただいて、とても嬉しかったです。素晴らし
い方ですね!
○ テレビや映画でいろいろな役を見ましたが、なぜか「誠実な人柄」が伝わってくるのが不思議です。
思っていた通りの方でした。
4
「自殺したくなったら、図書館に行こう」をめぐって
農業 (元東近江市立能登川図書館長)
「自殺したくなったら、図書館に行こう い
のちを育てる図書館づくり」
、この言葉を私
の前に示したのは、京都市岩倉で私塾、
「論
楽社」を開いている虫賀宗博さんだ。そこで
1988 年 8 月から(第 1 回は岡部伊都子さん)
開かれている「講座・言葉を紡ぐ」の第 49
回目となる場で、この演題で話すようにとの
ことだった。能登川町立図書館(現、東近江
市立能登川図書館)が開館して 7 年目、2004
(平成 16)年 5 月のことだった。息をのむ
ばかりの演題であったが、以前、私が虫賀さ
んに話していたことが背景にあった。
才津原哲弘
時、40 代半ばで、地域を隈なく歩き、郷土
への深い思いを持つ人で、私にとって、能登
川という町、そして町の内外の人へのこの上
ない導き手だった。
そのIさんの突然の自死。身近で大切な人
の生死に何ら関わりを持てず、まったく無力
な自分、
「自殺したくなったら、図書館に行こ
う」の言葉の前にだれよりも黙する他ない自
分であることを深く感じつつ、私は論楽社の
集いの場でIさんに向かって語っていたよう
に思う。その時、私の心に浮かびあがってき
たのは、図書館という場で私が授かってきた
幾多のかけがえのない出会いだった。
たしか 2001 年 10 月に沖縄で全国図書館
大会が開催された時、私は仙台から大会に参
加した友人の平形ひろみさんから会場で、一
冊の小さな冊子を手渡された。それは平形さ
んたちが、竹内悊さんを仙台に招いて講演会
をした時の講演録で、私はその中に、私の心
に深く刻みこまれるお話に出会った。アメリ
カの図書館では、
『ちょっと待って!自殺は
やめて図書館へ』というポスターを作ってい
るところがあるということ。図書館をそのよ
うな場と考えている図書館員がいるというこ
と。そのことをいつだったか、虫賀さんとの
何かの話の折に伝えていた。それが虫賀さん
の中で深く沈潜し発酵して、再び私のところ
に還ってきたのだ。
・一冊の書の絵本『月人石』との出会いで、
閉じていた心が開いたという沖縄のKさん
のこと。
・
「図書館は魂を癒すところ」との言葉を遺さ
れた、癌の宣告を受けたOさんのこと。
・同じように癌の宣告を受けた生け花の先生
のKさんとOさんとの図書館での一期一会
のいのち響きあう出会いのこと。
・
「町に図書館ができて、私や家族の行き場所、
居場所ができた。図書館は町の誇りです。
」
という不登校の子のいる主婦Mさんの言葉。
九州の福岡に帰ってきてから 3 年ばかりの
間にも、私の身近な所で、20 代や 50 代のか
けがえのない人の自死の報に接してきた。人
が人として生き難いすさまじい在りようが、
一層強まって私たちの足元にあるのではない
か。そのような在りようとまっすぐ向きあい、
地域の人一人ひとりの限りあるいのちと向き
あう本ものの図書館が地域のそこここに今こ
そ求められていると思う。
論楽社での集いの日、私は前年の 6 月に突
然の訃報をきいたIさんのことから話を始め
ていた。Iさんとは、私が 1995 年 4 月に能
登川町に図書館開設準備室が設置され、そこ
での仕事を始めて程なく出会っていた。正厳
寺の住職の福嶋崇雄さんの紹介だった。能登
川生まれ能登川育ちのIさんはお会いした当
能登川町立図書館 : 2005 年当時
アメリカの図書館のポスターのイラスト
(
『かばねやみブックレット』から)
(現、東近江市立能登川図書館)
5
「きょうは富士山 見えていますか」
寒い日の楽しみは、富士山の姿を仰ぎ見ること
です。青い空に悠然とその姿を現す富士山に気持
ちが洗われ、清々しさに満たされ、なんとも言え
ない心情になります。静岡県では2月 23 日を『富
士山の日』として条例で定めました。県民こぞっ
て富士山について理解と関心を深め、富士山の美
しい景観や貴重な動植物、歴史や文化を後世に引
き継ぐことを趣旨としているとのこと。条例制定
後初めての富士山の日は晴天でしたが気温が高く、
中央図書館からは薄っすらと姿を見せただけでし
た。
この富士山に大勢の人が魅了されています。そ
の一人、横山大観が描いた『群青富士』は鮮明に
記憶に残る作品で、デフォルメされた富士山が県
立美術館の入場券となりました。司馬江漢は鉄舟
寺において『駿河湾富士遠望図』を何枚か描いて
います。誰でもが知っている北斎の『冨嶽三十六
景』
、広重の『東海道五十三次・由比薩埵嶺』はい
つ見ても新鮮で心奪われます。また、
「富士こそわ
が命」という富士山写真家の先駆者岡田紅陽、
「美
しいから撮り続ける」という大山行男は毎日富士
山詣をしました。
万葉集にはあまりにも有名な歌「田子の浦ゆう
ち出でて見れば…」と詠まれ、ドライブ中に田子
の浦の案内版があれば、必ずこの歌が頭に浮かび
ます。御坂峠まで「富士には月見草がよく似合う」
を確かめに行ったこともありました。武田百合子
の『富士日記』を真似て、日記を書いた人も多い
のではないでしょうか。このように、文学の中に
も多数登場し、その人気の高さと寄せる思いの深
さを知ることができます。
では私も絵筆を持とうか、それとも一句捻ろう
かと悪戦苦闘。結果が出せないまま、それでは自
分の足で楽しむことにしようと、富士登山に挑ん
だのは昨年の夏。
「一度も登らぬバカ、二度登るバ
カ」と言われていますが、バカを承知で今年も二
度目の挑戦を計画しています。勿論、当館の蔵書
を駆使して準備します。
『できる!日本一登頂』
(山
と渓谷社)
『富士山にのぼる』
(菅原久夫文 福音
館書店)
『登ってわかる富士山の魅力』
(伊藤フミ
ヒロ著 祥伝社)この当たりから読むことにしま
しょう。
未来への扉 美和図書館 誕生!
元美和に身近な図書館をつくる会
昨年の9月、私たちの会の運動が漸く実り、
「美
和図書館」が誕生しました。
事務局長 朝比奈 和美
な方々からのお祝いの言葉や喜びの声を始め、
16年に亘る会の歩み等を綴ったものです。また
記念誌には、図書館が欲しいという一点で集まっ
た人々が、運動を継続するなかで大同小異はあっ
たものの、議論と合意を重ねながら、それぞれの
もち場もち場で力を出し合ってきたこと。また
様々な困難を乗り越え、大きな夢を叶えるまでの
活動経過や会員の思い、会の貴重な資料などが満
載されています。
私も散歩や買い物を兼ね、自宅から歩いて10
分ほど先に開館した美和図書館を楽しく利用し
ています。夢の「暮らしの中の図書館」が叶い、
万感迫るものがあります。例えば、リクエストし
た資料の受け取り館を「美和分館」と指定できる
ことや「静岡市立図書館(美和分館)」という本
に貼られたシールの文字を見ると、夢を叶えたと
いう喜びと同時に愛おしさが込み上げてきます。
ぜひ、多くの方々にご覧いただき、図書館づ
くり運動の一助になれば幸いに思います。1部千
円で販売しております。ご希望の方は、朝比奈ま
でよろしくお願いいたします。
(連絡先 ☎054
-296-1644 )
愛おしいものと言えば、昨年の11月に発刊し
た『未来への扉 美和図書館誕生 夢を叶えた16
年の歩み』と題した記念誌があります。それは、
私たちの会をこれまで支えてきて下さった広範
6
会員リレーエッセイ
「古本市」は大賑わいだ
静岡市民エコワーク・大国田鶴子
古本市には、本好きの人がたくさんやって来る。
持ち込まれる本は、大切に読まれただろう本、部屋
の片隅にでも乱暴に積まれていただろう本、ほこり
付きの本、しみで黒ずんだ本――本と持ち主の関係
がかい間見えてくる。
種類もさまざま。
「引っ越しするから」と同一作家
の文庫本 100 冊あまりが持ち込まれ、きれいだった
せいか、その日のうちに約半数が新しい持ち主の手
に。昭和 40~50 年代の「太陽」60 冊ほどは、私た
ちスタッフが夢中になって立ち読みをした。
また、ドサッときたのが昭和 30 年代の朝日新聞縮
刷版。一緒に、大正期に発行された大阪朝日新聞社
の小冊子があった。どうも 10000 号発行の記念号の
ようだ。
「伯林紀行」と題し、ベルリンの町並みや人
の姿などが、大きな写真で紹介されている。これは
知り合いの朝日新聞記者が喜びそうだと、いただく
ことに。後日、
“当時、ヨーロッパに記者を派遣した
ことがあるから、その時に書かれたものでは”と聞
いた。今見るとかわり映えのしない風景写真でしか
ないが、写真でしか外国を知ることができなかった
ころは、ニュース価値があったのだろう。持ち込ま
れた1冊の本から、たくさんのものが見えてくるの
は、とても楽しい。
こういうこともあった。古本を整理していてフッ
と顔をあげると、年配の男性と目が合った。すると、
その男性はタタッと駆け寄ってきて、私の手を強く
にぎった―一体なにごと? 「や、ありがとう、
ありがとう。ありましたよっ」。にぎられた手が痛い。
男性は、離すことすら忘れているほどの興奮状態だ。
「探してね、あちこち探してもなかった本が、ここ
にあったんです!」。一気にしゃべるその顔は、幸せ
いっぱいの笑顔。私に一目ぼれしたわけではなく、
念願の1冊に出合った感激からの強~い握手だった
のだ。「よかったですね」。思わず私も手を強くにぎ
り返していた。古本市での至福の一瞬である。
とはいえ、本は重い。ずっしりと重い。その重い
ものを運ぶのは、きつい。腰痛持ちの私は、古本市
が終わると3~4日腰の痛みに悩まされる。それで
も、たくさんの「本」との出合いや、本との出合い
を喜んでくれる「人」がいることが、私の古本市を
つづける「力」となっている。
5 月には、
「あざれあ」でしずおか図書館友の会主
催の古本市が開催される。あなたも、ぜひ本の重さ
と出合いのすばらしさを、実感していただきたい!
しずともお知 らせコーナー
☆ 図書館フェスティバル
日程が決定しました。2010.10.3(日)です。
今年度は昨年度以上に充実した内容を計画し
ております。
お迎えします。
☆ ご一緒に友の会の活動をしませんか。
~ できる範囲で大丈夫! ~
友の会では、一緒に活動できる方をいつでも
歓迎します。
「図書館フェスティバル(実行委
員)
、古本市スタッフ、事務業務(パソコン入
力・印刷・発送作業ほか)等。連絡先:下記
☆ 『しずとも基金』を募集しています!
現在150万円の寄付があり、図書館から購
入希望書のリストをいただきました。
お気持ちのある方、図書館支援の温かいご寄
付をお待ちしています。
口座
静岡信用金庫 瀬名支店
口座番号 1065917
名義
☆ 『図書館基礎資料集』の予約を受け付けしています!
~しずとも「図書館を知る」シリーズ上級編~
2010.1 月現在の内容にて、20 ページ以上ボ
リュームアップの上、version2 として発行し
ています。
価格は、
100 円アップで 600 円です。
予約をお待ちしています。連絡先:下記
静岡図書館友の会しずとも基金
ふみ お
代表 田中文 雄
☆ 2011 年度の講師は、諸田玲子氏!
2011 年度総会時の記念講演会の日程及び講
師が決定しました。
日程は 2011 年 1 月 23 日(日)
、講演に静岡
市出身の作家諸田玲子氏を
友の会・連絡先 電話 080-6910-9434
E メールアドレス:[email protected]
☆ 静岡市立図書館音訳ボランティア「ひびきの会」
2009年10月、文部科学大臣賞受賞
7
図書館界ニュース:
図書館をめぐる全国の動き
◆ 図書館の振興発展をめざす懇談会 国会院内集会が開催される
~図書館友の会全国連絡会と日本図書館協会による実行委員会~
2009年11月19日(木)、図書館友の会全国連絡会と日本図書館協会による実行委員会が
主催し、図書議員連盟、活字文化議員連盟、子どもの未来を考える議員連盟の図書館関係の3議員
連盟の協力の下に、国会議員、一般市民、マスコミ関係者が一堂に集まり、公立図書館像を展望する集
会が開催された。広く国会議員に呼びかけたこの種の集会の開催は、はじめてのことである。
◆ 平成 20 年度社会教育調査(中間報告)
公表日:平成 21 年 11 月
-文部科学省-
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa02/shakai/kekka/k_detail/1286560.htm
文部科学省は、平成 21 年 11 月 12 日、平成 20 年度社会教育調査(中間報告)を発表した。
図書館は、今回(2008 年 10 月現在)初めて 3,000 館を突破し 3,165 に達している。内、公立施設数に
占める指定管理者施設数は、約 6.5%となっている。詳細は、文部科学省ホームページをご覧ください。
◆ 「図書館海援隊」プロジェクトについて(図書館による貧困・困窮者支援)
2010 年 1 月 5 日-文部科学省-
http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/kaientai/1288450.htm
有志の公立図書館が関係部局と連携しながら、課題解決支援サービスの一環として、貧困・困窮者に対
する支援が開始された。全国の公共図書館の 2010 年 1 月 5 日現在における参加は7館となっている。
詳細は、文部科学省ホームページをご覧ください。
◆ 国民読書年 : 2010 年
http://www.mojikatsuji.or.jp/2010.html
2009 年 6 月 6 日の衆参両院本会議において、「国民読書年に関する決議案」が提案され、採択された。
文字・活字文化振興法の制定から5年目の 2010 年を新たに「国民読書年」と定め、政官民協力のもと、
国をあげてあらゆる努力を重ねることを宣言する、との内容である。
「国民読書年」については、2010 年に入り、朝日新聞・読売新聞の社説でも取り上げられている。
◆ 第 96 回の全国図書館大会
http://www.library.pref.nara.jp/event/zenkoku/index.html
今回、大会テーマを「温故創新 -平城遷都千三百年からの発信-」としました。
第 96 回の全国図書館大会は、9 月 16 日(木)~9 月 17 日(金)に奈良で開催します。奈良県では、
1921(大正 10)年に「図書館事業における日華親善策、その他」をテーマに開催し、その後、1940(昭
和 15)年にも「皇紀二千六百年」を記念して開催が予定されていたが、時局の要請により中止となり「幻
の大会」となりましたが遷都 1300 年を迎える年に大会を開催させていただくこととなり、皆様のご参加
を心からお待ちしています。
(社団法人日本図書館協会ホームページより)
◆ 改正著作権法の係る図書館の視覚障害者サービスのガイドライン http://www.jla.or.jp/20100218.html
日本図書館協会ほか図書館関係5団体は、2010 年 1 月から施行された改正著作権法の下での視覚障害
者サービスについてのガイドラインを 2010 年 2 月 18 日付けで公開している。
視覚障害者等に対して図書館サービスを実施しようとする図書館が,著作物の複製,譲渡,自動公衆送
信を行う場合に,その取り扱いの指針を示すことを目的としている。
静岡図書館友の会会報 №3 2010.3
編集後記
静岡図書館友の会 代表 田中 文雄
・宗教を酒に、哲学をコーヒーに例えたのは、物理学者の寺田寅彦。
連絡先:
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私はコーヒーを飲みながら編集。あなたは、どちら派?(Y)
・図書館・しずとも・会報、みなさまと共に育ち合いたいと願う2
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年目です♪(T)
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・第
14 回県図書館交流会は熱気あふれる集いとなりました。この
(会員数)284 人:2010 年 2 月現在
会報がさらなる運動の推進力になることを願います。
(H)
(表紙イラストデザイン:J.T )
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