受賞の企画内容はこちら。(PDFファイル:約1.6MB) - ながさき旅ネット

観光資源活用トータルプラン企画提案書
新しい文化の創造
“ながさき巡礼”の創設に向けて
1.歴史・文化遺産として(教会群とカトリック信仰) .................................................1
2.これまでの取り組み................................................................................................5
3.新しい文化の発信『ながさき巡礼』の創造 ..........................................................6
4.具体的な取り組み内容 .........................................................................................9
5.事業スケジュール・実施体制............................................................................. 18
6.現状の観光客数とプラン実現後の想定観光客数 .......................................... 20
(社)長崎県観光連盟
長崎が世界に誇る文化遺産
1 歴史・文化遺産として (教会群とカトリック信仰)
教会群とカトリック信仰
現在、日本には、国内唯一の国宝である大浦天主堂
(長崎市)をはじめ、戦前に建築された教会が108棟残って
いますが、そのうち約半分の56棟が長崎県内に存在して
います。また、これらを含め長崎県内には全体で131のカト
リック教会がありますが、この数は、日本全体の教会の約1
割強に当たるとも言われています。
長崎の教会群は、約450年におよぶ世界史的にも稀な
キリスト教の伝来・弾圧・復活の歴史を背景に生まれたもの
であり、その建築的価値や文化的景観の価値は非常に高
いものがあります。
私達は、この本県に数多く存在する教会群と、キリスト教
にまつわる歴史・それを現在に伝えている史跡の数々を貴
重な文化遺産として世界に発信するとともに後生に伝える
ことが必要だと考えています。
また、教会と教会周辺の環境は、都市部において多忙
な日常を送っている現代人が、信仰の有る無しに関わら
ず、「心のバランスを取り戻し癒す空間」としての貴重な魅
力と価値を有していると考えています。
国内唯一の国宝の教会「大浦天主堂」
1
◇教会群の分布特性
長崎県内の教会群は、平戸・生月、五島、長崎市を頂点とする一辺
約 100km の五島灘を囲む正三角形の辺上に広範囲に分布していま
す(長崎の教会群を世界遺産にする会ホームページより)。
2
平戸、五島、長崎市を
頂点とするエリアを中心に
全国の教会の1割以上を占める
約130の教会が存在。
国宝1棟(国内唯一 大浦天主堂)
重要文化財・5棟(青砂ヶ浦天主堂・頭ヶ島天主堂・旧五輪教会堂・黒島天
主堂・田平天主堂)
県指定有形文化財・6棟(江上教会・大野教会・旧野首教会・出津教会・堂
崎教会・宝亀教会)
<参考1>
◇長崎県におけるカトリック信仰と教会群
1) カトリック信者の分布と教会数
日本におけるカトリックの信者数は約45万人。対人口比で約0.35%である。
全国で16の教区分かれており、信者数は東京教区が9万5千人で最多、次いで長崎
教区が6万6千人となっており、大都市部を除いた中での長崎教区の信者数の多さは
特筆される。(人口に対するカトリック信者比率は、東京教区が0.52%に対し長崎教
区は4.4%)
教会数においても長崎教区が最多(133)である。また、長崎教区の場合、小教区数
(71)に比べ、規模の小さな巡回教会(60)が多いことも大きな特徴と言える。
徳川幕府によるキリスト教禁制が解け、それまで潜伏キリシタン時代を耐えてきた信者
たちが、居住区である人口の少ない農山村や離島の集落に教会を信者達の手で建
立していった経緯が伺える。
カトリック教会数
2005年カトリック教会現勢より
教区
札幌
仙台
新潟
さいたま
東京
横浜
名古屋
京都
大阪
広島
高松
福岡
長崎
大分
鹿児島
那覇
合計
小教区
準小教区
58
53
31
52
73
84
50
54
85
41
26
55
71
26
29
13
801
巡回教会
0
0
1
2
5
1
2
0
0
0
0
0
1
0
0
1
13
集会所
7
13
4
4
0
11
10
3
2
6
3
10
60
1
41
6
181
合計
0
0
3
1
3
3
0
0
3
3
1
3
1
0
1
0
22
65
66
39
59
81
99
62
57
90
50
30
68
133
27
71
20
1017
2) 長崎の教会群の特徴と価値
①歴史的な価値
長崎の教会は、約 450 年におよぶ世界史的にも稀なキリスト教の伝来・弾圧・復活の
歴史を背景に生まれたものです。全国に残る戦前までに建設された教会の約半分が
長崎に集中していることは、この重厚な歴史の存在と切り離せません。
その多くは近代に入ってから明治・大正・昭和初期にかけて、特に初期にはパリ外国
宣教会の外国人宣教師の指導のもと、地域住民の力を結集して信仰の復活の象徴と
して建設された貴重な教会がそのままの形で残されたものです。
また、長崎県においては、キリスト教が日本古来の民俗信仰と融合したカクレキリシタ
ン文化が消滅の危機にあります。現在のカトリックとは一線を画しており、有形の教会と
は直接の関係はないですが、無形の文化財として貴重な価値を有しています。
3
②建造物としての価値
長崎の教会は、その外観の特徴から「エキゾティック」とか「ロマンティック」と表現される
ことが多いのですが、実は、使用されている材料・工法の多くは、日本在来のものを活
用しており、きわめて日本的な性格も帯びています。
つまり、外国人宣教師が持ち込んだ西洋の建築手法と日本人大工の受け継いだ在来
技術が結びついたものであり、東西の文化が融合した結果が、特色ある教会建築に結
実したといえます。
幕末から昭和戦前期にかけての各時代ごとの教会が揃っており、また構造的には木
造、レンガ造、石造、鉄筋コンクリート造と多様で、規模も大小さまざまですし、造形的
にも実に多くの変化に富んでいます。
③地域における景観としての価値
それぞれの教会が地域の生活の中に息づきつつ、自然にとけ込み見事な景観を創り
出しています。 しかし、離島・半島部の近年における農業の衰退や人口減少が、こう
した文化的景観の維持を次第に困難にしている現状があります。
4
2 これまでの取り組み
「点」としての活用に止まる現実
長崎県観光連盟では、教会群の情報発信をはじめ、観光商品としての活
用を行ってきました。また、近年では長崎県が中心となり、文化財的側面か
らの情報発信などに取り組んでいます。
しかし、第一級の文化財として長崎県の全土に分布しているにも関わらず、
教会群を“点”として捉えた展開にとどまっているのが現実であり、長崎県の
アイデンティティの醸成や、文化的価値創出への寄与に対しては十分に活
用できていない状況と言えます。
◇平戸キリシタン紀行の商品
(社)長崎県観光連盟が
中心となった取り組み
◇情報発信の強化
教会解説ブック、マナーブックの作成
◇海外(韓国)からの
巡礼 ツアー の受 け 入れ
長崎県(文化サイド)が
中心となった取り組み
◇ながさき歴史発見・発信プロジェクト
◇『旅する長崎学』シリーズの発刊
5
3 新しい文化の発信『ながさき巡礼』の創造
教会群とキリシタン文化の
“面的”なネットワークにより
新たな長崎文化の象徴となる
『ながさき巡礼』を創設します。
巡礼とは、“聖地や霊場を巡拝することによって、信仰を深め、特別の恩寵(おんちょう)にあ
ずかろうとすること。(大辞泉)”と訳されます。
従って、各地の教会群のネットワークによる長崎巡礼を創設した場合、当然のことながらキ
リスト教徒の皆さんの参加が想定されます。しかし、長崎巡礼は、信者の皆さんだけのもので
はありません。
建築物としての価値も非常に高い“本物”の空間の中で様々な話を聞いたり、地域の歴
史・文化や人々とふれあったりしながら、これまでの人生を振り返り今後の生き方を考える、
また、様々な安らぎや癒しを味わうことの出来る新しい文化です。
“ながさき巡礼”が浸透し、多くの地域の人々が関わることにより、地域の歴史文化の継承
や創造へと波及し、ひいては、長崎県全体の歴史文化の発展に貢献します。
こうした“本物”の“ながさき巡礼”を創設するためには、各地域の教会だけではなく、長崎
大司教区との連携はもとより、地域住民の参加、巡礼者との連携・協力体制を構築すること
が重要となります。
長崎大司教区
教 会
キリスト教
信者
“癒しと安らぎ”を提供する
新しい文化の創造
地域の行政
巡礼者
6
地域住民
ながさき
巡礼
新しい文化の発信
『ながさき巡礼』創設の方向性
(1)長崎大司教区との協働による『巡礼地』の選定と巡礼の道づくり
(2)巡礼の手引きづくりと公認ガイドの育成
(3)『ながさき巡礼全図』等の作成による情報発信
(1)長崎大司教区との協働による『巡礼地』の選定と巡礼の道(ルート)づくり
◇受入体制のイメージ
“本物”に拘った長崎巡礼を創設するため、
長崎大司教区、教会、専門家など連携した創
設体制を構築した上で、本県固有のキリスト教
の伝来・弾圧・そして復活という世界史的にも
稀な歴史と、各地に残る教会群に代表されるよ
うな、有形・無形の文化財の再検証を実施し、
カトリック長崎大司教区と協議のうえ公認の道
『ながさき巡礼の道(ルート)』を創造します。
『ながさき巡礼』は、長崎の新しい文化として
の定着を目指し、歴史・文化に裏打ちされ、あ
らゆるキリスト教関連の史跡を網羅したカトリック
公認の巡礼コースです。
長崎大司教区
創設体制
受け入れ体制
の構築
教 会
観光連盟
地元・学術機関
専門家
平戸・生月・田平地区
聖フランシスコ・ザビエル記念聖堂、
田平教会、紐差教会等
佐世保・上五島地区
黒島天主堂、鯛ノ浦教会、
頭ヶ島教会等
大村地区
天正遣欧使節記念館、
本経寺等
五島・福江島地区
井持浦教会、堂崎教会、
旧五輪教会等
長崎市・西彼杵地区
大浦天主堂、浦上天主堂、26聖人殉教地、
出津文化村、黒崎教会、遠藤周作記念館等
7
島原・雲仙エリア
原 城 跡 、 カ ト リ ッ ク 島 原教
会、雲仙地獄 等
(2)巡礼の手引き(ルール)づくりと公認ガイドの育成
長崎大司教区や各教会と連携し、教会でのマナーなど“ながさき巡
礼のルールづくり”を行います。
また、教会やキリシタン文化を巡礼者に伝える長崎大司教区認定の
“公認ガイド”の育成を行います。
(3)『ながさき巡礼全図(マップ)』等の作成による情報発信なが
さき巡礼の道先案内役となる巡礼マップを作成するとともに、TV、雑誌、ホームペ
ージなどの各種のメディアを利用した情報発信や、大都市圏でのイベント開催によ
る知名度の向上を図ります。
ながさき巡礼全図
平戸・生月・田平地区
佐世保・上五島地区
聖フランシスコ・ザビエル記念聖堂、
田平教会、紐差教会等
黒島天主堂、鯛ノ浦教会、
頭ヶ島教会等
大村地区
天正遣欧使節記念館、
本経寺等
五島・福江島地区
井持浦教会、堂崎教会、
旧五輪教会等
長崎市・西彼杵地区
大浦天主堂、浦上天主堂、26聖人殉教地、
出津文化村、黒崎教会、遠藤周作記念館等
島原・雲仙エリア
原 城 跡、 カト リ ッ ク島 原教
会、雲仙地獄 等
8
4 具体的な取り組み内容
(1)ながさき巡礼の創設に向けた取り組み
①『ながさき巡礼』検討委員会設置
◇検討委員会の
構成イメージ
“本物”に拘った“ながさき巡
礼”を創設するため、長崎大司
長崎大司教区
教区、教会、専門家などが参
加する『長崎ながさき巡礼』検
討委員会を設置し、巡礼ルー
トの検討など様々な検討・決定
教 会
『ながさき巡礼』
検討委員会
観光連盟
を行います。
地元・学術機関
専門家
平戸・生月・田平地区
聖フランシスコ・ザビエル記念聖堂、
田平教会、紐差教会等
佐世保・上五島地区
黒島天主堂、鯛ノ浦教会、
頭ヶ島教会等
大村地区
天正遣欧使節記念館、
本経寺等
五島・福江島地区
井持浦教会、堂崎教会、
旧五輪教会等
長崎市・西彼杵地区
大浦天主堂、浦上天主堂、26聖人殉教地、
出津文化村、黒崎教会、遠藤周作記念館等
9
島原・雲仙エリア
原城跡、カトリック島原教
会、雲仙地獄 等
②教会及びキリシタン資源に関する基礎調査の実施
教会群やキリシタン資源を対象に、巡礼地や巡礼ルートの選定、巡礼ルール策定等のた
めの基礎的資料の収集・整理、現地踏査、ヒアリング等を行う基礎調査の実施を図ります。
③公認巡礼の手引き(マニュアル)の作成
教会と巡礼者との良好な関係を保つため、専門
的視点から検証した巡礼ルール・マナーづくりを図
ります(マナーブック等の作成)。
④公認巡礼ガイドの養成
地元住民や教会関係者の協力
を得ながら、大司教認定の公認ガ
イドの育成を図ります。
⑤巡礼ルート案内版・教会案内版等の設置
・巡礼者を誘導するなど各種の情報発信を担う巡礼ルート案内版の設置を図ります。
・各教会において教会の歴史や特徴などを巡礼者等に伝える案内板の設置を図ります。
10
⑥多様な PR 活動の実施(イベント開催、メディア活用、サービスエリア活用)
・大都市圏(首都圏・福岡圏)での「ながさき巡礼」PRイベントの開催を図ります。
・マスメディア(テレビ局・雑誌社等)を活用した情報発信の充実を図ります。
・高速道路のサービスエリアを活用した各種の情報発信、イベント開催を図ります。
・教会施設を活用した各種イベントの実施とPR
⑦情報発信センターの設立
・ながさき巡礼の情報を総合的に管理し発信する情報発信センターの設立を図ります。
《情報発信センターのイメージ
国道等
高速道路
道の駅 夕陽が丘そとめ
高速道路から
巡礼へ参加
一般道路から
巡礼へ参加
サービス
エリア
情報発信拠点
イベント拠点
グッズ販売等
情報発信拠点
イベント拠点
グッズ販売等
巡礼中の
休憩スポット
道の駅
巡礼中の
休憩スポット
長崎巡礼ルート
サービスエリア(イメージ)
11
(2)ながさき巡礼を活用した観光振興に関する取り組み
長崎県を取り巻く厳しい状況を打開し、観光の活性化と地域全体の活力の向上を図るた
めには、明確なテーマ・コンセプトを持った新しい観光スタイルの構築が求められます。
そこで、新たな文化である『ながさき巡礼』を活用し、新しい形の歴史文化の発信と活用に
よる地域活性化を目指します。
ながさきの教会群を活かした
新しい文化の発信
“ながさき巡礼”の創設
内外へのPRによる
歴史文化意識の高揚と
長崎県のイメージアップ
明確なテーマ・コンセプトを持った
新しい観光スタイルの構築
長崎県の観光を取り巻く現状
長崎の歴史文化の
再発見への取り組み
ながさきの教会群
キリシタン文化
の発信
(ながさき歴史発見・発信プロジェクト
宿泊客・県外客の減少→→県全体の観光客数、消費額の低迷
豊富な観光資源
県として特化した戦略が
打ち出しにくい
かつての観光旅行のメッカ
有名な資源に頼った
観光戦略
個人型旅行に対する取り組みの遅れ
首都圏や大都市圏から遠い立地特性
1度はいったことがある長崎
であれば、次は違う観光地へ
格安海外旅行等の台頭
12
個人型観光、テー
マ型観光に特化し
た地域の台頭
地域間競争の激化
〈参考2〉低迷する長崎県の観光情勢
長崎県の観光客数及び消費額は、宿泊客や県外客の減少に伴いいずれも減少傾向にあり消費額は平
成 16 年にはじめて 2500 億円を下回りました。
観光客の減少の要因は「かつての旅行メッカ、1 度行ったことのある観光地」、「観光資源が多すぎて特
定分野に特化した戦略が打ち出しにくい」などで、かつての“強み”が現在ではマイナス方向に作用して
いることが考えられます。
32,000
(千人)
◇観光客(延数)、観光消費額
(億円)
3,500
暫減
3,000
31,000
2,500
30,000
2,000
29,000
減少
1,500
28,000
1,000
観光客数
消費額
27,000
26,000
500
0
H8
H9
H10
H11
(千人) ◇日帰り・宿泊客別(延数)
H12
H13
H14
H15
H16
H17
(千人) ◇県内・県外別(実数)
25,000
減少
16,000
日帰り:横ばい
20,000
14,000
12,000
15,000
10,000
8,000
宿泊:減少
10,000
横ばい
6,000
日帰客
宿泊客
5,000
4,000
県内客
県外客
2,000
0
H8
H9
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
0
H8
H9
H10
H11
H12
H13
H14
要因分析
・かつての観光旅行のメッカで、一度は行ったことのある観光地
(「一度は行きたい長崎、二度と行かない長崎」)でイメージが定着している。
・観光素材が多すぎてPRが難しい(県として際だった特色を集中的にアピールしにくい)。
・異国情緒が薄れつつある。(地方都市=画一化しつつある。)
・首都圏や大都市圏から遠く、格安な海外旅行商品の登場などにより価格競争力がなくなっている。
低迷が続く長崎の観光かつての“強み”がマイナス面に作用する状況に
13
H15
H16
〈参考3〉長崎さるく博の教訓
市民ガイドの解説により歩きながら長崎の観
光や見聞を深めるというコンセプトで開催された
『長崎さるく博』。
平成18年4月から10月までの開催期間中、
市民ガイドとともに町歩きを楽しむ“通さるく”に
は定員の2倍近くの参加者があるなど、“知的観
光”へのニーズが顕現化している状況が伺えま
す。
◇参加者数の内訳
通さるく
定員の2倍近い参加者!
コース本数
参加者数
参加者数/定員
県内
4424
47808
181%
25788
6837
15183
市内
市外
市外
54%
14%
32%
◇期間中の観光客数
観光客数(長崎市)
宿泊客数
日帰客数
333.0万人
151.7万人
193.8万人
+6.1%
+9.0%
+4.0%
◇参加者の年齢割合
30%
20%
10%
歳
以
上
代
60
代
50
代
40
代
30
20
代
70
20
歳
未
満
0%
この経験を長崎市内から、“巡礼”を通じて県全体、
更には天草(熊本)など九州エリアへ拡大させる!
14
①『ながさき巡礼』を活用した連携事業・誘客活動
1.広域・民間団体との連携
九州観光推進機構や県内各観光協会や『長崎の教会群を世界遺産にする会』に代表
される民間団体との連携を図り、協働で各種事業を実施します。
2.旅行会社との連携
①
②
③
④
タイアップによる「ながさき巡礼」講座の開催とモニターツアーの実施
旅行会社社員向け「ながさき巡礼」マニュアルの作成
旅行会社企画担当者による「ながさき巡礼」研修会の実施
タイアップによる「ながさき巡礼」ツアーの共同開発
平戸・生月・田平エリア
聖フランシスコ・ザビエル記念聖堂、
田平教会、紐差教会等
高速道路との連携
(広域圏との連携強化)
佐世保・上五島エリア
黒島天主堂、鯛ノ浦教会、頭
ヶ島教会等
大村エリア
天正遣欧使節記念館、本経寺等
五島・福江島エリア
井持浦教会、堂崎教会、
旧五輪教会等
島原・雲仙エリア
原城 跡 、 カト リ ック 島 原教
会、雲仙地獄 等
長崎市・西彼杵エリア
大浦天主堂、浦上天主堂、26聖人殉教地、
出津文化村、黒崎教会、遠藤周作記念館等
大司教区認定の公認のルート「ながさき巡礼」
を活かした複数のルートの提案、商品化
天草・鹿児島エリアへ
15
〈参考5〉公認コース『ながさき巡礼』を活用した旅行商品の開発例
公認された『ながさき巡礼』をベースに各地の教会やそれに関わる史跡を広域でつなぐ、新しい癒しの旅
行商品の開発を旅行会社との協働で実施します。
例:(JTB九州の提案)
~資源と資源をつなぐ「旅の星座」づくり~
聖地を訪れる「巡礼」の旅は「観光の原点。ひとつひとつの資源はそんなに目立たなくても、それが意味の
ある線で結ばれると、マーケットに対して分かりやすく注目されるカタチとして浮かび上がってくる。夜空に
無数にきらめく星々が、星座になることによって魅力ある物語となって私たちに語りかける存在となる。
私たちに降り注ぐ星々の光は、「宣教」「殉教」「潜伏」=過去であり、今その光を観る私たちにとっては=
現在、そして、その光に私たちは夢を語り託す=それは未来への願いである。
自分探し・癒し・幸せの実感
過去を知り・現在を大切に・未来に光を…
「長崎・祈りの旅」の星座
キリシタン文化を活かした地域活性化・観光振興の実現
○各エリアの教会と周辺資源に磨きをかけて巡回ルート(星座)を設定
○年間を通じて来訪を促す「四季の長崎巡礼の旅」の視点で、地域資源のタイムリーな活用を図る。
○異国情緒漂う旅路を、車や船でつなぐ複数のルートを開発。環境整備、旅行商品化、PRを計画的に
構築、実施。
《新観光ルート開発のイメージ》
平
生
田
エ
戸
月
平
リ ア
福 岡 都 市 圏
マ ー ケ ッ ト
九州自動車道
佐 世 保
上 五 島
エ リ ア
五 島
福 江 島
エ リ ア
大 分
マ ー ケ ッ ト
大 分 自 動 車 道
熊 本 ・ 鹿 児 島
長 崎 ・
西 彼 杵
エ リ ア
マ ー ケ ッ ト
島 原
雲 仙
エ リ ア
● 教 会 を 中 心 に し た 各 地 域 の 資 源 の 磨 き 上 げ
→エ リ ア 内 の 巡 礼 の 旅 の 星 座 づ く り
● 各 エ リ ア を つ な ぐ 複 数 の 巡 礼 ル ー ト の 整 備 。 モ デ ル ル ー ト の 提 案 。
各ルート(星座)がきらめく大星座(天体)づくり
16
②団塊世代向けの新しい旅の提案
1.首都圏・福岡圏における「ながさきキリシタン文化講座」の開催
知的好奇心旺盛な団塊世代向けに、長崎の固有の歴史や文化を発信する「長崎学講座」
を開催。講座のメインとして「ながさきのキリシタン文化」、「ながさきの教会群」の講座等『な
がさき巡礼』を活用した講座プログラムを企画実施します。(長崎県文化振興課・観光振興
推進本部実施事業)
・早稲田大学エクステンションセンター
・JTBカルチャーサロン
・西日本文化サークル(福岡) 等
2.産学官連携による、シニア向け短期留学プログラム企画の実施
地元大学、長崎歴史文化博物館と連携
し、将来の永住を視野にいれた、ロングステ
ィプログラムとして短期留学プログラムを旅
行会社と共同で企画します。(長崎県観光
振興推進本部実施事業)
《参考6》 外国人観光客の誘客強化
2004年に VJC 事業(ジビット・ジャパン・キャンペーン)の一環として、韓国から神父学を招聘したモデル
ツアーを実施したことをきっかけに、韓国からの巡礼客が増加しました。こうした客のほとんどは福岡空港
(一部は高速艇で福岡港)から高速道路を利用した長崎入りしている状況です。
JVC では、招聘ツアーの他、ハングル語版の教会ガイドも
造成したことも韓国で長崎の教会が認知されるようになっ
た一因と考えられます。
巡礼客の宿泊所の一つである長崎カトリックセンターでは、
本年度に入り韓国人観光客が急増している状況にありま
す。
◇長崎県内での延べ宿泊者数
350000
台湾
韓国
香港
中国
300000
250000
200000
150000
100000
50000
17
17
年
16
年
15
年
14
年
13
年
12
年
11
年
10
年
9年
平
成
8年
0
◇ハングル版ガイドブック
5 事業スケジュール・実施体制
(1)事業スケジュール等
初年度 (平成 19 年度)
・ 教会及びキリシタン資源
の調査
次年度 (平成 20 年度)
・ 巡礼マップ作成
・ 情報発信拠点設置
・ 巡礼帳の開発促進支援
・ 複数の旅行会者との協
・ 統一コンセプトづくり
・ 旅行商品化の検討
・ 巡礼マニュアルの作成
・ 情報発信センターの検
・ 講習会・モニターツアー
の実施
討
・ 公認ガイドの養成
働による旅行商品化
・ 大型 PR イベントの実施
・ PR 活動の全国展開
・ 福岡圏での PR イベント
・ ルート看板・教会説明看
板の設置
の開催
・ 大学とタイアップによる
最終年(平成 21 年度)
・ 有名人による巡礼紀行
巡礼講座の開催
の実施、TV 放映
情 報
受け皿
PR活
関連商品
発 信
づくり
動
の開発
「ながさき巡礼の旅」
の定着、教会・癒しの
旅としての魅力確立
新しい文化としての「ながさき巡礼」の創造
《参考7》ながさき巡礼が目指す他地域モデル
○四国八十八カ所巡礼の旅○
88カ所の弘法大師(空海)ゆかりの札所の総称。四国遍路・四国霊場とも言う。
現代においては、従来の信仰に基づく巡礼者はもちろん、1990年代後半からは信仰的なものよりも、社会
の様々なストレスにより疲れた心身を癒す旅、いわゆる「自分探しの癒しの旅」としての巡礼者が増えてい
ると言われている。参加される方の年齢層は幅広く、また、何度も訪れる方が多いのも大きな特徴である。
18
(推進体制のイメージフロー)
長崎大司教区
連携
連携
巡礼ルートの提案
ルート、
見学ルール等の提案
ルール認定
ガイドの育成
ガイド組織等
サービス提供
支援・ガイド斡旋
教 会
観光連盟(事業主体)
提案
教 会
ながさき
巡礼
教 会
情報発信
提案
巡礼へ参加
教 会
巡礼者(観光客)
旅行代理店等
県 民
ガイドの育成
巡礼運営への参加・協力
巡礼への参加
ガイド登録
キリスト教信者
地域住民
『ながさき巡礼』を
活用した観光商品
商品開発・旅行販売
19
6
現状の観光客数とプラン実現後の想定観光客数
キリシタン紀行の商品化・モデルルートの提案 ~近年の取り組み~
長崎県との協働体制で、平成21年には100万人の観光客を目標とします。
本プランを活用し、各地域に点在するカトリック関連施設への来訪者を増やすとともに、広域
的に各地を繋いだ、公認『ながさき巡礼』への誘客、『ながさき巡礼』を活用した旅行商品の
開発等を進め長崎県との協働体制で平成21年度には100万人(平成17年比で約137%
増)の観光客の誘客を目標とします。
(平成17年)エリア別カトリック関連施設観光客数と平成21年の目標数値
施設名
平戸・生月・田平エリア
切支丹資料館
佐世保・上五島エリア
相浦桟橋利用者(黒島行き)
青砂教会
頭ヶ島教会
五島・福江島エリア
堂崎天主堂
長崎市・西彼岸エリア
大浦天主堂
遠藤周作文学館(外海エリア)
島原・雲仙エリア
原城跡(イベント来場者も含む)
日野江城跡
大村エリア
対象施設データ無し
小計
平戸キリシタン巡礼ツアー
上五島教会巡礼ツアー
公認『ながさき巡礼』参加者
平成17年観光客数(※)
4,969
7,000
39,620
2,336
4,293
52,000
4,000
7,000
17,682
28,000
503,989
29,554
600,000
50,000
119,000
1,614
148,000
3,000
723,057
6,423
679
『ながさき巡礼』関連旅行商品(ツアー)
合計
(人)
平成21年目標数
730,159
1,000
900,000
50,000
50,000
1,000,000
平成17年観光統計調査より、カトリック関連施設・史跡入場者数、キリシタン関連地元主催旅行ツアー参加者を抜粋
20